2016年1月11日月曜日

運命との対峙 - カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」

 成人の日、曇り、の割には朝マイナス2度とそこそこ冷え込み、時々晴れた日中は10度に届かず寒々、東京に出て午後になごなご系テニス、今年の打ち初めです。

 その間留守録されている(筈の)高校サッカー決勝、地力は東福岡でしょうが、久我山に頑張って欲しいところ、スタイルが好きなので。

 今週スタート「わたしを離さないで」、原作がミステリーとしてもどこかで評価されていており、100円棚で見かけた折に買ってあった筈、と発掘し観る前に読みました。

 純文学畑ゆえ著者の作品を読むのは初めて、ただ「日の名残り」など著者原作の映画は観たことがある気がする、けれど定かではない、ボケ老人。
 
わたしを離さないで カズオ・イシグロ
 ある施設で育った女性の1人称で語られる子供時代の仲間の思い出とその後の交流、そして自分達に否応無く訪れる運命とそれに対する処し方、前半は少女漫画風SFに事実を小出しにするゴシックロマンス的味付けの印象、終段になると難病もの恋愛小説の肌合い、伏線の回収や謎は早めに割っていてミステリー的な興趣はほぼ無し、また中心的なテーマが何かの暗喩になっているかどうかも不明、キリスト教的精神の有無で受け取り方が違うかも(とは無宗教な自分の想像)。

 映画ならまだしも、連ドラにするにはエピソード量や内容の変化に不足すると思うのですが…。

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