2012年12月5日水曜日

シモノフ&モスクワフィルの豪快ショスタコーヴィチ5番+怒涛のアンコール4連発

 昨夜の世界戦、ウーゴ・ルイスが思ったよりスピード無くがっかり、判定は妥当だったと思います。

 朝は0度台と軽く冷え込み(とは言えほぼ平年値)、ほぼ晴れた日中は12度台とこれも平年値、午後横浜へ講義に行った帰りは自分にとっての今年期待度No1のコンサート、シモノフ&モスクワフィルです。

 ここ10年近くヘンテコな招聘元での来日でバックバンド扱いだっただけに、招聘元が変わってオケ中心のプログラミングになったのは嬉しい限り、しかも来日オケでは珍しくもティアラこうとう、と最安席でも音響的に心配無用なやや小さめホール公演、ダブり入手で日時が重なってしまった高関&東京音大「巨人」(音大フェス公演)を躊躇わずに切っての参戦です。

12月5日(水) ティアラこうとう
 ユーリ・シモノフ指揮モスクワ・フィル グリンカ ルスランとリュドミラ、チャイコフスキー VnC、ショスタコーヴィチ Sym5番
 客席で携帯を派手に鳴らしている人がいるのを意に介さずスタートしたグリンカは勿論快速テンポ、ベルアップするなど木管は茶目っ気とケレン味たっぷり、弦はゴリゴリ唸ってましたがブラスは抑えめ、続くチャイコフスキー、セミ地方公演ゆえ長ーい第1楽章後に盛大な拍手が起こるのはご愛嬌、合いの手で時にソリストよりデカい音を出してしまう木管ソロの吹きっぷりと終楽章の驚速テンポが印象的、Vnソロは長身の青年ニキータ・ボリソグレブスキー、アンコールにはディエス・イレをあしらったイザイの曲を。
 後半のショスタコーヴィチ、第1、第2楽章の冒頭など気張らず大人しめの低弦の入り、全体的にも深刻ぶった表情は少なめで一筆書きの表現ながら、時折交じる独特な強弱やアクセントがロシア訛りか、ブラスとパーカッションは意図的に抑える部分が意外と多め、それでも第1楽章頂点や終楽章コーダなど要所では爆発、4+1アシのHrは全体ではいい鳴り、トップはヴィブラート多めでロシアっぽいけれどやや雑、第1楽章ソロの前もしっかり休んだのにハイトーンで少しミスってました(笑)。第3楽章はそこそこ弦を煽ってましたが、ルスランから期待した程の鳴りは無し、木管ソロではFlとObが存在感、あと最後の通常ハープに隠れがちなチェレスタが目立っていたのが印象的、終楽章は遅く始まってすぐ加速するタイプ、強音部でもかなり強弱を付けていたのと、緩徐部前半で弦を思いっきり鳴らしていたのが印象的、再現部とコーダは遅いテンポ、コーダに入ると3+1アシのTpトップがいきなり短い管に交換、その甲斐もあってかTpのハイCは過去同曲ぶっちぎりの貫通力、ただその箇所以降ラスト1音までTp,Tb共にやや抑えめだったのが少し残念。それでもロシアンブラス度70%と過去同曲では最高レベル。
 そしてアンコールは怒涛の4曲! まずはラフマニノフ「ヴォカリーズ」をしみじみ系ではなく弦をたっぷり鳴らす表現で、続いて起立したコンマスソロをフィーチャーしたグラズノフの曲、更にチェロ首席の指くるくる系のソロが延々続くチャイコフスキーの曲、そしてシメは「くるみ割り人形」パ・ド・ドゥ、ゆったりテンポでケレン味横溢かつ最後のブラス轟然、お腹一杯言うこと無しの大団円でした。

 奇しくも先日のゲルギエフ&マリンスキー管とのショスタコ5番+同アンコール曲対決となりましたが、ブラスの迫力ではモスクワフィルの圧勝でした。

 ただ残念なのはこのモスクワフィル、次回来日はまた以前の変な招聘元に戻ってしまってるらしいこと(涙)。(←抱き合わせソリストが以前に戻っただけで、招聘元は変わってないそうです。)

0 件のコメント:

コメントを投稿