2013年5月16日木曜日

桜宮サーガ、バブル編その1 - 海堂尊「ブラックペアン1988」

 おえぇ、甲子園で連敗とは、榎田が抑えていたのは単に相手が弱かったからだったのか…。

 朝雲多く、昼前後はよく晴れて、夕方からは通り雨、最低14度第、最高24度台はどちらも高め、連日の初夏っぽい空気感です。

 本日も砂金の読了本から、処女作「チーム・バチスタの栄光」に始まる著者の"桜宮サーガ"の中では番外編に位置し、主要キャラのバブル時代を描くシリーズの最初の作品、(後で知ったのですが)本作の主人公が後に「極北クレイマー」において颯爽と再登場することになります。

ブラックペアン1988 海堂尊
 新任研修医の目を通して、後の"桜宮サーガ"の主戦場でもある東城大医学部付属病院における改革の始まりとそれに絡む人間模様が描かれます。現在のキャラクターに馴染んでいればいる程、その20年前の姿を楽しめる趣向ですが、外科処置に関する一つのミステリー的要素もあり、それが終盤のクライマックスへと繋がる構成はよく出来てます。ただタイトルでありキーでもある器具"ペアン"の説明が一切無いのが不思議、と言うか不親切。

 手にした講談社文庫版はスカスカの活字組(37字×15行、例えば昔の創元の43字×19行と比べると7割以下の字数)で計400頁弱の内容を上下2分冊、いくら「海堂作品の文庫は上下巻」なる悪しき"伝統"があると言ってもこれは余りに酷い、と思っていたら、最近の新装版の文庫では1巻本になったそうな、さすがに最低限の良識はあるらしい(笑)。

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