2013年5月15日水曜日

真打ちの誘拐物再び、更にトリッキー - 連城三紀彦「造花の蜜」

 むむむ、負け越し覚悟の交流戦とは言え、甲子園で負けるのはやはり痛い…。

 うっかりしてたらもうジロが本格山岳バトルに突入、そろそろweb観戦体制を整えねば、チームスカイはツールに備え無理をしなさそうなウィギンズからウランにエースを変えるのか?あと復調エヴァンスが不気味な存在感。

 午前中東京に出て試合した後、昼過ぎてから気温は着実に上昇し、午後4時になって25度に到達!まだ暖かな日没後には綺麗な三日月が、現在職場で長袖系まとめて洗濯第2弾を実施中。

 本日は少し前、「白光」に続いて読んだ同著者本から、トリッキーな作風でスタートしたのに恋愛小説へ傾斜し、近年本格物がめっきり少なくなった巨匠による、今のところ最新の?(2008年)本格長編、しかも「人間動物園」に続きまたも誘拐物です。

造花の蜜 連城三紀彦
 誘拐犯の指定した場所は衆人環視の渋谷スクランブル交差点、しかも子供は先に返すと不敵な予告、と謎に満ちた誘拐事件からスタートし、後半新たな展開が次々と加わって読者の鼻面を引きずり回してくれます。元が新聞連載のせいか必要以上に細かくサスペンスを演出する不自然さはあるにせよ、新しい誘拐物プロットを産み出したのみならず、著者特有の反転が何度も楽しめ、さすがと唸らせる作品です。

 作品としての完成度は「人間動物園」に一歩譲るかもしれませんが、企み、と言うか稚気の凄さはこっちの方が上だと思います。

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