2013年11月22日金曜日

夾竹桃と暗号が彩る壮大プロット - 連城三紀彦「敗北への凱旋」

 昨夜は木星と欠け始めた月が夜空の覇権を争って輝いてました。

 そのせいか朝は冷え込んで最低0.1度とかろうじてプラス、よく晴れた日中の最高16.7度と昨日より更にポカポカ感増加、どうやらこの時期、15度を超えるか否かがポカポカ感の、10度に届くか否かが寒っ!の分水嶺か。

 今日は先日墜ちた巨星、連城三紀彦の追悼企画として読んだ本から、「暗色コメディ」に続く彼の第2長編、既読と思っていたのに未読、また手元にあると思っていたのに無く(多分実家にはある)、改めて先日100円棚から入手したもの、今回読んだのはハルキ文庫版、実家にあるのは講談社文庫版です。

敗北への凱旋 連城三紀彦
 戦後の混乱期に起きた未解決殺人事件、その被害者の生涯を材に取り執筆する過程で作家が背後に潜む暗号をも含む謎と企図を解き明かします。モノクロの戦時の風景に夾竹桃の赤が鮮烈なイメージを刻む中、とにかく(前例はあるにせよ)壮大なトリックが炸裂します。ただ、暗号部分を無くして、花葬シリーズの短編とした方がよりこの大胆なプロットを鮮やかにプレゼン出来たと思います。あと暗号は難し過ぎてまず解く気は起きません(笑)。

 ある意味「黄昏のベルリン」に繋がる作品と言えるかも。

 明日は音大オケフェス第2日、ショスタコ10番です!無料チケット提供中ですのでご興味ある方は本館トップページをご参照下さい!

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