2015年4月27日月曜日

秋限定は最後の一撃 - 米澤穂信「秋期限定栗きんとん事件」

 最高26.5度、とここ南茨城では今季初の夏日、ツツジの花もピークに近い感じ。

 昼休みの壁打ち帰り、構内の自転車置き場、見知らぬ女性に声を掛けられ、「俺にも春が!」と思ったらさにあらず、指差す先の草地には茶色い野うさぎ!さすがド田舎。

 思い返せばこのキャンパスに引っ越してきた1年前、やはり自室の窓から野ウサギを見かけて感動した記憶が…、たぶん昨年の6月頃ですが、日記には書いてなかったみたい。

 日没間もない頃、暖気の残る帰り道、西の空には金星、頭上には木星と半月が揃い踏み、道端からは耳刺すミミズの鳴き声が。

 とある事情から米澤穂信の未読本をまとめ読みすることに、第1弾は「小市民」シリーズ第3作、大部ではないのに上下巻になっていたせい、じゃなくて老人ボケのせいで、下巻ばかり3度も買ってしまうなど、なかなか100円棚で揃わず、「夏期限定」から丸8年も間が空いてしまいました。

 そのせいか主人公2人以外の過去2作に登場した(らしい)キャラを全く覚えてなかったのもボケ老人的難点(涙)。

秋期限定栗きんとん事件 米澤穂信
 前作で袂を分かった小鳩君と小佐内さん、それぞれのお相手を見つけつつ、何となく連続放火事件に関わってゆく顛末が小鳩君及び新キャラの2人の視点で交互に語られます。今回は長編、小ネタを挟みつつ秋冬春夏秋と1年強のロングスパンの物語、メインの謎解きは不審点が残ります(ネタバレの項参照)が、ラスト1行のオチが鮮やかです。
<< 以下ネタバレに付き、未読の方は飛ばして下さい!! >>
 高架下の事件では放火場所を知らないと出来ない"仕込み"を小佐内さんがやっており、犯人に対する小佐内さんの"あやつり"が疑われ、振り返れば因縁のある自動車が放火されたのも偶然ではなく、全て小佐内ゆきが小鳩君を取り戻すために仕組んだ事件、と勘繰りたくなります。

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