2012年11月5日月曜日

シリーズ第2作は人間消失講義、やや怪作 - 三津田信三「凶鳥の如き忌むもの」

 昨夜の発狂寸前ボケ老人:
ダラダラと休日出勤していた夜8時頃、何か忘れてるなあ、とこの日唯一にして最大のイベントだった尾高&東フィル「ローマの松」(実演は2012/4/26)のライブFM中継を完全失念していたことに気付く(汗)、ダッシュで帰れども既にジャニコロ(涙)。

 今朝も冷え込んで最低4度、曇りだった日中も最高16度強と低め、1週間振りに昼休みに壁打ちをして、外の寒さ(暖かさ)の先週との落差に驚きました。 

 実家から柿の便り第2弾が到着、職場の皆で山分け、赤くて柔らかいのは人に押し付け、自分は固いのから順に早速3個食べました。

 昨日は「MONSTERS」1-3話をまとめて視聴、ミステリーマインド溢れる内容に感心していたら、脚本が何と蒔田光治!成ーる程、納得です。

 って訳で今日は先日読んだミステリーから、ホラーと本格の融合、と言うより寧ろ、ガチガチの本格として近年最大の収穫とも言える三津田信三の刀城言耶シリーズ、第1作「厭魅の如き憑くもの」が待望の文庫化なったのが2009年春、講談社文庫ゆえ、京極堂シリーズと同様、年1冊ずつ順に刊行されるもの、と思いきや、翌年文庫化されたのは第2作じゃなくて第3作「首無」、まあ、「首無」は最高傑作との呼び声高く、戦略的前倒しか、と待った翌年の刊行は何と第4作「山魔」、そしてその翌年、つまり今年の春は第5作「密室」、と第2作は置いてけぼり、我慢モードからすっかり諦めモードへと転じてました。

 ところが春刊行パターンから外れて今秋、遂に第2作「凶鳥」が文庫化、寝かせておいた3-5作と併せ、この秋まとめて読むことに決定、まずはその第2作です。

凶鳥の如き忌むもの 三津田信三
 禿鷲の跋扈する孤島を舞台に前回7人もの人間消失を起こした秘儀が18年振りに執り行われ、刀城言耶が立ち会う中、密室状況からの人間消失が勃発し、その後も続く人間消失。ホラー度は低めで"密室講義"ならぬ"人間消失講義"がある稚気が微笑ましい反面、内容的には短編ネタでしょ、と突っ込みながら読んでいたら、伏線を全て回収するメインのバカトリックに感服、第2の消失などサブのトリックに感心しなかった点を含め、メインのバカ度で全て許せる気になりました。ただ前作に続き本作も初出時は見取り図が無かったとのこと(文庫版にはあります!)、それだと前作以上に舞台がイメージし辛く、思考停止になってしまう可能性大、見取り図無くても解けますが。

 シリーズ中、完成度は低いかもしれませんが、やや怪作系ゆえ印象度は高そう。

 明日はブロムシュテット&バンベルクのブルックナーです!

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