2012年11月13日火曜日

評判通りの傑作、第3作は首無し殺人講義 - 三津田信三「首無の如き祟るもの」

 うーん、昨日は仕事が一区切り付いて夜8時には帰宅、第1話未見でどんどん溜まっているドラマの消化に着手すれど、「ゴーイング マイ ホーム」第1話のゆるゆる映画的ペースで早や力尽き、11時頃に一旦寝て英気を養うことに。

 いつもは2時頃に寝るので12時前に寝れば5-6時には目が覚めるだろう、と目覚ましをかけず就寝したところ、(たぶん外が暗い時間帯に1度起きた気はするのですが寝直したらしく)強い朝日で目が覚めたのは8時過ぎ(涙)、思いっきり寝過ごして痛恨、ま、久々に夢はたっぷり見ました、もう覚えてないけど。

 昨日予報では20度以上をもたらす筈だった暖気が時間差で残ったか、星空の割には朝の最低8度台と高め、雲が出てきた日中は18度弱と昨日と同じ位、構内では萩の花も見なくなりましたが、並んで立つ2種の紫ムクゲのうち後に咲いた方は葉っぱが黄色く紅葉しているのにかろうじて一輪だけ残っていて、昨年と同様丸4ヶ月間咲き続けたことになります。

 本日は週末読了した本から、刀城言耶シリーズ再着手企画の第2弾、シリーズ中最高傑作との評判高い第3作です。

首無の如き祟るもの 三津田信三
 首の無い亡霊の伝承のある山村に10年の間を置いて2度起こる密室状況での首無し殺人、それが作中作の体裁(メタ的仕掛けの匂いプンプン)で2人の異なった視点からの3人称記述で語られます。読み易さは過去2作より向上、"首無し殺人講義"の趣向もあり、前作「凶鳥」や次作「山魔」の仄めかしもあってニヤリ、最後のヒネリの破壊力は第1作「厭魅」には及びませんが、美しいメイントリックはうっとりするほど鮮やか、本格テイストに限れば確かに歴史に残る傑作と感じました。
<< 以下ネタバレに付き未読の方は飛ばして下さい!! >>

 トリックを成立させるために"館"を建てるが如く、トリックに寄与するホラー的伝承を創り出す点が本格サイドからは素晴らしく、ホラーサイドからは不満が出そう。あと、最後の2転3転の仕掛けは当初個人的には無くもがな、と感じましたが、ネットで他の方の感想を読み「首無し」→「犯人/被害者の入れ替わり」という発想から「メタ的趣向」→「記述者/犯人/探偵その他諸々入れ替わり」と"入れ替わりの万華鏡"的趣向が意図だったと知り、更に評価が高まりました。

 余談ですが、少なくともここまでの3作は初出時(ハードカバー)は見取り図が付いていないとのこと、この内容なら読む側からすれば致命的な気はするのですが、「文庫を買わせるための出版社の策略」という意見を読んでつい頷いてしまいました(笑)。

 明日はゲルギー&マリンスキーのショスタコ5番です!

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