2014年10月30日木曜日

パラレルワールド的眩暈とバカートリック - 黒田研二「ウェディング・ドレス」

 ああ、崖っぷち!負けは覚悟していたとは言え、負け方が悪い(涙)。

 とにかくシリーズ最終戦の応援に、早く帰らねば。

 とその前に本日も100円買い置きメフィスト賞作から、第16回受賞作です。

ウェディング・ドレス 黒田研二
 結婚を迎える男女の両視点で交互に語られる物語、それがどんどん齟齬を生じてゆき、やがて起きる決定的な違いから生まれるパラレルワールド的眩暈は泡坂妻夫や連城三紀彦を思わせます。それに加えて密室殺人や幽霊などカーを思わせる噴飯もののバカトリックまで、と本格魂が炸裂、巻末解説(村上貴史、講談社文庫版)の「バリンジャーとカーの融合」は言いえて妙です。

 4冊目にしてやっとメフィスト賞に期待するミステリー度の作品にヒットしました!

2014年10月29日水曜日

一見本格、その実伝奇○○ - 乾くるみ「Jの神話」

 あーあ、阪神もう夢から醒めて本来の姿(貧打)に、これで甲子園に戻れる確率は2-3割、いや、1割程度か(涙)。

 ともあれ、今夜も早く帰って応援!

 とその前に本日も最近読んだメフィスト賞作から、まだ回浅い第4回の受賞作はあの「イニシエーション・ラブ」の作者の出世作です!

Jの神話 乾くるみ
 全寮制の女子高で起きる怪死事件が新入学した主人公および捜査を依頼された女性探偵の視点で語られ、やがて奇想天外な真相へと突き進みます。ただミステリーとしては微妙です・・・、以下ネタバレ参照。
<< 以下ネタバレに付き未読の方は飛ばして下さい!! >>
 本格ミステリーと思って読むとほぼアウトですが、伝奇SFとしてはいい発想だと思います。


 メフィスト賞って本格ミステリーの賞かと思っていたら、必ずしもそうじゃなかったんですね(笑)。

2014年10月27日月曜日

メータ&IPOのライトな5番

 うーん、甲子園で連勝出来んかったのは痛い、福岡で1試合は勝たんといかんのはシンドイし(予定では2勝→3敗→2勝だったので…)。

 25度まで上がる予報だったのに23度に届かず、それでも半袖半ズボンでOKな日和、今のキャンパスでは季節外れのタンポポが咲き、壁打ちで訪れた前のキャンパスでは今年もツツジが狂い咲きしています。

 夜は東京に出てメータ&IPO芸劇公演、当初は最安席が取れず、29日の苦手なNHKホール公演に参戦予定でしたが、直前にヤフオクGETしての急遽参戦。

 ただ都民劇場なので文化会館、の筈なのに改修工事?のためか芸劇、ってのが(こと貧民席で比較すると)残念なところ。

 このコンビのマーラーは6番、7番1番と聴いてきましたが、基本お上品で余り感心せず、また以前の6、7番の時の経験から前座はシューベルトだとばかり思ってたんですが(NHKホール公演ではそう)、ヴィヴァルディとモーツァルトだったので驚き! ま、「かなり苦手」から「凄く苦手」に変わっただけですが…。

10月27日(月) 芸術劇場
 ズービン・メータ&イスラエルPO ヴィヴァルディ 「調和の霊感」第10番、モーツァルト Sym36番、マーラー Sym5番
 最初はヴィヴァルディ、ソリスト4名とチェンバロが女性で、他は全員男性です。続くモーツァルト、オケは対向配置、文化会館の5階で聴くと潤いと艶のあるIPOの弦が芸劇の外野席で聴くと冷たくてシャープな響きに感じます。
 後半マーラーはHr7,Tp4,Tb3、Tpソロは過去最高に軽ーい吹きっぷり、髭のHrトップは激ウマ、だけど見せ場以外ではやや雑、Tbトップはまずまずの色気、メータの音作りもTpソロと同じく軽め、いつも通り弦を消さない範囲にブラスを抑え(と言うか今回はTbのffやsfの部分をmfで吹かせるなどやり過ぎの感あり)、時たま粘ったりもすれど基本はやや速めでどんどん流れます、弦の見せ場の第4楽章でも頑張って弾く気配無し、一方第3楽章や終楽章など弦の速いパッセージでの水際立ったサウンドはさすが、終楽章クライマックスのコラールで初めてブラスが8分程度に吹いて盛り上がりました、が(楽譜上はその箇所より吹かなければいけない)その一つ前の盛り上がりでは何と6分程度の吹き!アンコールは"カヴァレリア・ルスティカーナ"間奏曲で弦の美しさ満開、このオケの方向性を示し、かつ5番とライトモティーフ(タタタター)が共通する絶妙の選曲。

 まるでキャパ1000人程度の小さめホールでうるさくならない様に調整したサウンドみたいでした。

2014年10月26日日曜日

整然として豪快な祭典 - 十束尚宏&フィルハーモニア・エテルナのハルサイ

 阪神先勝! ン年前と違って甲子園から始められるのがデカイ、スタンリッジも恩を忘れてないらしい。

 練習予定無く朝少し仕事をしてから昼東京に出てアマオケへ、未知のオケによるシベ2と何度か聴いているオケによるハルサイ、どっちに行くか迷ったんですが、上手なオケであることが確実な後者にしました。

10月26日(日) すみだトリフォニー
 十束尚宏&フィルハーモニア・エテルナ 十束尚宏 Apokalypse、ドホナーニ VcとOrchのためのコンツェルトシュトゥック、ストラヴィンスキー 春の祭典
 冒頭は十束の新作世界初演、3管の大編成でHrは6本、表題的内容(爆発、戦争、軍隊、聖歌など)を持ち、今後交響曲の第1楽章となる激しい曲想の10数分。続くドホナーニは指揮者のドホナーニの祖父とのこと、小編成で20世紀初頭の割には古典的な響き、ソリストのシュテファン・コンツ(代役なのにBPOの奏者、凄いアマオケだ…)はアンコールにバッハを。後半はハルサイ、Hr8(うち2本ワーグナーチューバ持ち替え)、Tp6(うちピッコロ、バス各1)、Tb3,Tuba2、基本落ち着いて整然と進行しつつ要所では豪快に鳴る野太い演奏、ピッコロTpが吹きっぷりよく、Hrも各所で豪快、ティンパニの激しい打ち込みが印象的。

 明日はメータ&IPOの5番です! とその前に早く帰って阪神の応援!

2014年10月24日金曜日

ラザレフ&日フィルのショスタコーヴィチ4番

 中野で観劇の後、サントリーに移動して聴いたのはラザレフ&日フィル、期待のショスタコ4番です!

 ただ元の価格設定が高いこともあり、安価入手にはかなり苦労して、前日になってやっとの参戦決定でした。

10月24日(金) サントリーホール
 ラザレフ&日フィル チャイコフスキー 弦楽セレナーデ、ショスタコーヴィチ Sym4番
 最初はチャイコ、速い曲想で何箇所か通常やらない部分をテヌートでやらせていたのが印象的、第3楽章は情感たっぷり、快速テンポの終楽章はエキサイティング。後半ショスタコはHr8,Tp4,Tb3,Tuba2、Tubaが要所で豪快、Tbも結構吹いてましたが、軽い吹きっぷりの外人Tpトップを始めブラス全体の鳴りは期待度より低め、一方木管の吹きっぷりは豪快にして、パーカッションの打ち込みもまずまず、弦はぼちぼち、ただ第1楽章の高速フーガなど少々乱れる方が却って興奮度上昇、第2楽章結尾のチャコポコおよび終楽章終段弱音部でのHpの低弦を強調する表現が印象的、最後の音が消えてからもラザレフは20秒程手をひらひら、その後手を降ろして以降も10数秒の黙祷がありました。

 期待したほど凄絶な響きにはなりませんでしたが、それでもまずまずの豪演でした。このコンビ次回は11番とのこと、楽しみです(その次は8番だといいなぁ)。

遺体安置所とにんげん模様

 20度に届かないながらよく晴れて気持ちのいい陽気の下、夜はラザレフ&日フィルのショスタコ4番! とその前に、どうせ都心に出るなら、と仕事をかなり早めに上がって観劇、例によって奇特な方からの頂き物です。

 中野駅の南、少し歩いてやや奥まった所に小劇場が3つも軒を並べていてビックリ! 中野も隠れたメッカの一つなのかも。

 開演前に時間が少しあったので、更に少し足を伸ばしてとんこつラーメン店を訪問、かなり博多度が高くて満足、麺のかたさに「生」があります!

10月24日(金) 中野HOPE
 Cooch第2回公演 「みわたすかぎりのセカイ」
ショッピングセンター崩落事故の後、遺体安置所に集まった6つの遺体とそれを引き取りに来た8人の人々を巡るにんげん模様が過去と現在を行き来して紡がれる休憩無しの2時間弱、前半不審に感じた点が全て伏線となってオチへとつながる構成は見事でした。

 そこからサントリーへ、期待高まるラザレフのショスタコです!とそれは次の記事で。

2014年10月23日木曜日

狂気の中に潜む秀逸なファイダニット - 佐藤友哉「フリッカー式」

 うーん、阪神またドラフト1位くじに連敗してもうた…。

 本日も先日読んだメフィスト賞作から、第21回受賞作品です。

フリッカー式 佐藤友哉
 ある連続殺人事件を軸として、妹の復讐を図る主人公と犯人の映像が見える女性との2視点で進行し、終段は何でもありな展開へと疾走する狂気の物語、(ライトノベルに通じてない自分が勝手に想像する)ライノベにありがちな文章や舞城王太郎の真似(←「煙か土が食い物」は第19回と時期が近いのでただの偶然かも)などもあって個人的には読むのがややシンドかったですが、各所に散りばめた小ネタが判る人には面白いのでは、またミステリー部分は今ひとつながら、ファイダニットとしては秀逸な発想です。

 2作連続してメフィスト賞としては期待値を下回るミステリー度でした。

 明日は(うまく行けば)ラザレフのショスタコ4番です、豪演に期待!

2014年10月20日月曜日

ブラビンズ&都響のウォルトン2番

 日中は晴れて最高24度台となかなかの陽気、ただ10月も下旬となると新しい職場のサルスベリ、前の職場の紫のムクゲ、どちらの花も風前の灯火です。

 夜は東京に出て未知の指揮者ブラビンズによるイギリス週間、と言うかウォルトン週間第1夜、メインは2番、って聴いたことないんですが、1番がカッコよくて大好きなので期待してます。

10月20日(月) サントリーホール
 マーティン・ブラビンズ&都響 R.V.ウィリアムズ ノーフォーク狂詩曲第1番、ブリテン PC、ウォルトン Sym2番
前半はHr4,Tp2,Tb3、最初のRVWはいかにもイギリス音楽、って曲想の緩急緩10分余を暖色系サウンドで、続くブリテンはラヴェルPCを思わせる軽妙洒脱な曲想から最後はブラスが活躍する30分超、ソリストのスティーヴン・オズボーンはアンコールにドビュッシーのしみじみ系を。
 後半は少し編成が大きくなりHr5,Tp3,Tb3、ブラスがふんだんに活躍する3楽章30分弱、終楽章中間部にHrの弱音ハイトーンがあったのが印象的、両端楽章にもう少し鋭さと激しさが欲しい気はしましたが、緩徐楽章での頂点を含め、マイルドながら分厚いサウンドを楽しみました。

 夜になって少し雨が落ちてきた中、夜行バスでスポット帰省へ。

2014年10月19日日曜日

飯森&センチュリー響&山形響の2番

 いやあ、ホントに阪神勝っちゃいました、昨夜の日テレのお通夜の如き中継も最高、とは言えプレーオフ(CS)には大反対なので(日本シリーズは優勝チームが出るべき)複雑な気分、ともあれ、巨人の分も頑張らねば、相手が日ハムなら勝てる気がしてきました。

 この日は読響の1番、アマオケの2番とセンチュリー響の2番、とマーラーが3つも重なっており、色々と迷った挙句、センチュリー響の最安席が残っているとの情報を得、読響は17日公演を頑張って安価入手し、アマオケは諦め、こちらに参戦。

 開演前に飯森氏のプレトーク、自分の記憶では"大阪センチュリー響"だったのがいつの間にか"日本センチュリー響"と改名した経緯(大阪からの助成金の有無)を話してくれました。今日のオケは彼と縁が深い2楽団の合同オケです。

 彼のマーラーは東響とのコンビ中心に何度か聴いてますが、程々の歌心を持ちつつ基本的にはアク少なめのすっきり系との印象あり、2番に関しては前回は2006年

10月19日(日) サントリーホール
 飯森範親&日本センチュリー響&山形響 マーラー Sym2番
Hr6,Tp6,Tb4、海外から呼んだゲストコンミス率いる弦は対向配置、合唱は最初からPブロックにスタンバイし、終楽章前半クライマックスで立つ趣向、これまでと同様飯森は基本すっきり系でシンフォニックな音作り、第1楽章後に意図的に間を取ってはいましたがわずか1分、第2楽章後にソリストとオルガン奏者が入ってまた1分(だったら第1楽章後にすればもっと休憩を稼げたのに)、やや不安も感じたオケの中ではTbトップの色気ある音とハイトーンでもヴィブラートを忘れないTpトップの艶のある響きが印象的、舞台裏左手のバンダではTpソロが上手、ラストはバンダからHrが4本加わり10本に、合唱もまずまずの迫力でそれなりに壮大な音場でした。

 配布されたプログラムに何と有栖川有栖のエッセイが! さすが関西、と言うか、センチュリー響のプログラムにまいどアリスの小文が載ってるんやとしたら、羨ましい限りです。

2014年10月18日土曜日

設定は本格度高いサバイバルゲーム - 矢野龍王「極限推理コロシアム」

 阪神遂に3連勝!しかも勝ち方がイイ、こうなったら4タテスウィープといきましょう、流れが変わるとあっさりひっくり返されそうなので。

 ともあれ、これから応援に帰ります。

 とその前に本日は読了本から、先日からは数冊手元にあるメフィスト賞受賞作を読むことに、まずはこれ、第30回受賞作です。

極限推理コロシアム 矢野龍王
 何者かに幽閉された2箇所のクローズドサークルで起きる連続殺人とその解決を競わされる理不尽なゲーム、とマニアならゾクゾクする設定ながら、本格度は期待より低め、サスペンスとして読んでいれば落胆度も減るのでは。
<< 以下ネタバレに付き未読の方は飛ばして下さい!! >>
 抜け道の存在と先方のアリバイが判明した時点で、100%交換殺人、そして勿論こっち側の犯人はヒロイン、と思ってました、まるっきり違ったけど(笑)。



 メフィスト賞にしてはちょっとミステリー度が低い感じ、貴志祐介による巻末解説(講談社文庫版)の褒め方(貶し方?)が微妙に上手。

 明日は飯森&センチュリー響"復活"です!

2014年10月17日金曜日

ヴロンスキー&読響の質実剛健1番

 阪神うっかり連勝! で今日がメッセで明日が能見、あれ? もしかして、勝っちゃうかも。

 日中は何とか20度を超えてますが、このところ朝晩の冷え込みが強くなり、最低が10度を割り始めました。

 夜はヴロンスキー&読響の1番に急遽参戦、このコンビのマーラーは震災の年に某指揮者の代役で振った5番以来、あの時と同様、質実剛健サウンドに期待です。

 サントリーへ向かう途中に乗った銀座線では「冷房を使用しています」の車内アナウンス、上下背広のサラリーマン以外はほぼ全員が薄手ながら防寒着を羽織ってる時節なのに…、間違ってます、この国。

10月17日(金) サントリーホール
 ペトル・ヴロンスキー&読響 スーク 弦楽セレナーデ、マーラー Sym1番
 前半はスーク弦セレ、たぶん実演は初めて、ヴロンスキーは曲想によって棒の有無を使い分け、指揮台を用いないため、使わない時棒を何処に置くの?と思ったら右脇のVla奏者の譜面台に挿してました。後半お目当てマーラー、デフォルメやアク少なく、テンポの揺れも流れを乱さない範囲、でも歌う所はそこそこ歌い、鳴らす所はがっつり鳴らして期待通りの剛健な響き、第1楽章最後にサウンドが一気に巨大化する部分のスケール感と終楽章コーダ前の下降音型でのスローダウンだけ大袈裟だったのが印象的、ブラスはTp5,Tb3,Hr6(+専業の補助Tb1)、美音のTpトップが高らかに吹き、ブラス全体でも分厚い鳴り、弦も重心低い響き、最後は楽譜通りHrと補助のTb、Tp(4thと兼業)が起立、豪快にフィニッシュ、事前放送の「拍手は棒を下してから」の影響か、拍手喝采が軽く起き、いったん静まって、また盛り上がる、と微妙な感じでした(笑)。

 マーラーでも第3楽章は棒を使わずVlaの譜面台に挿していて、「終楽章はアタッカなのにいつ回収するんだろう?」と気にはしていたんですが、そこはボケ老人、うっかり見逃して、気が付けば終楽章に入る前に手にしていました。

 毎回注目の終楽章ファンファーレの早業ミュート着脱、Tp,Tbとも単独でこなしていました。

2014年10月16日木曜日

シリーズ第3長編はドラマ度重視? - 東野圭吾「真夏の方程式」

 阪神先勝! 実は人生初のCSファイナルステージなのでドキドキ、先発はウチの方がコマがあるからこれで五分五分か。

 本日も先日読了した東野本から、次に手に取ったのは「聖女の救済」に続くガリレオシリーズ第3長編、本作はドラマ化作品では無くて映画化作品、とは言えドラマの延長としての映画ですけど。

真夏の方程式 東野圭吾
 海沿いのさびれた観光地で起きた不審死が偶々訪れていた湯川によって過去の事件との繋がりも含めて紐解かれます。ミステリーとしては今ひとつで、本格度もドラマ性も優れていた「容疑者X」のドラマ部分だけ残した感じかも。 

 この頃になると湯川先生のキャラが完全にドラマに沿って変貌しており、元は佐野史郎がモデルだったのにすっかり福山化しています。

 今日も早く帰って応援だ!と思ったら、何で地上波中継無いの?

2014年10月15日水曜日

東野流明るい復讐譚 - 東野圭吾「流星の絆」

 今クール個人的最注目は「すべてがFになる」の今更?のドラマ化、気になるキャスティング、犀川先生は違う気はしますが、共に出世作ともいえる「GOLD」のコンビと思えばシャレで許せます、注目の真賀田四季は香椎由宇あたり?と思ったら早見あかり!これはナイスかも。ともあれ、「ガリレオ」の2番煎じにならないことを祈るのみ、

 それに因んでこの秋の課題図書は森博嗣のVシリーズにします、クロネッカーデルタだけ読んでやめちゃったので。

 本日もドラマ化された東野作品から、ドラマ版はもう何年も前、脚本クドカンです!

流星の絆 東野圭吾
 子供の頃に両親を殺された3人兄妹が長じて後、あるきっかけからその犯人に迫るお話が暗くならずに描かれます。相変わらずストーリーテリングが実に巧み、そして本格テイストも一つまみ、しかも巧妙なやつ、惜しむらくは犯人同定の手掛かりが最後にならないと出てこない点ですが、著者は本格マニアの不興を買うのを承知の上で、物語性を優先したと思われます。

 ゲルギー&マリンスキーの豪華3大バレエが入手出来なかったので、今夜は早く帰って阪神の応援!

2014年10月14日火曜日

ゲルギエフ&マリンスキーの堅牢ショスタコーヴィチ8番

 台風一過の晴天、気温も最高27度といい感じ、外の荒れ具合から推察するに、茨城は懸念された程の風雨ではなかった感じ。

 夜はゲルギエフ&マリンスキーのショスタコ8番に参戦、このコンビのショスタコは7番、5番(3度、最新はここ)、15番1番&10番など、これまで余り感心したことがないのですが、彼を初めて認識したのが90年代前半にBPOを振った8番のライブ、そしてこのコンビを初めて認識した(当時はキーロフ歌劇場管)のもやはり90年代の8番のライブだった(共にFM中継)だけに、外せないコンサートです。

10月14日(火) サントリーホール
 ワレリー・ゲルギエフ&マリンスキー歌劇場管 ブラームス PC、ショスタコーヴィチ Sym8番
 前半は苦手科目ゆえ、自分には拷問レベルの長さ、ソリストのフレイレは拍手に応えてしみじみ系のアンコール(グルック"精霊の踊り"とのこと)、後半お待ちかねショスタコ、オケは対向配置、ブラスは全部右側でHr,Tp,Tb全て4本ずつ、ゲルギーは今回も爪楊枝を使用し、この曲に期待する凄絶さは感じないにせよ、各フレーズを丁寧に表情付けし、鳴らすべきところはしっかり鳴らす堅牢な音づくり、オケも弦は重心低く、木管は妙技を見せ、ブラスもほぼ完璧、第2,3楽章のテンポの追い込み、ピッコロやラッパのスリリングなソロも鮮やか、静かに沈潜して曲が終わった後の黙祷は30数秒、これでアンコールあるの?って状況で始まったのが"ローエングリン"第1幕の前奏! 精妙と言うより、一筆書きで盛り上げてゆくサウンドでした。

 終演は10時近く、しかも明日はストラヴィンスキーの3大バレエ、うち「火の鳥」が全曲版!と本日を上回る重量プロ、とこのコンビならではの精力、是非聴きたいけれど安価入手ならず、当日の出物に期待するのみ。

2014年10月12日日曜日

(ゴムじゃない)おまけ付き艶笑オムニバス

 錦糸町で元気のいいアマオケを満喫した後、上野に移動して感激、例によって奇特な方からの頂き物です。

 昨年好評だった舞台の再演とのことですが、今回は完全ダブルキャストのためタイトルの最後に"w"が付いてるとの由、自分が観たのは「宿泊チーム」。

 某ゴム製品メーカーとのタイアップらしく、各座席には「ゴムじゃないコン○ーム」が1個ずつ置かれています(笑)!

10月12日(日) 上野ストアハウス
 「暗転セクロスw」
安ホテルの1室を舞台とし、タイトル通りセックスをテーマとして色々な愛を描き、大体はベッドイン&暗転へとなだれ込む6つのオムニバスストーリー、各編15-20分程で飽きさせず、エピソードを跨いで伏線を回収するオチもあって楽しめました。

 もう1つのキャストでも観てみたくなりました。

ザーッツ・エンタテイメント - 田部井剛&ザッツ管弦楽団のチャイコフスキー、シェエラザード

 うーん阪神、シャレならん貧打やな。

 曇り、日中20度に届かず、HDの空き作りのため午前中の練習をパスして体操の世界選手権女子個人総合を録画視聴、ヨルダケやムスタフィナなどヨーロッパ勢を応援してますが、バイルズの床にはグウの音も出ず、しかも、コモワ出とらんのか!

 午後は上京してウルバンスキ&東響のショスタコ7番、と行きたかったんですが安価入手叶わず(涙)、代償行為でアマオケのシェエラザードを聴くべく連日のトリフォニーへ、アンコール含め盛り上がりました。

10月12日(日) すみだトリフォニー
 田部井剛&ザッツ管弦楽団 チャイコフスキー スラブ行進曲、Sym4番、R=コルサコフ シェエラザード
 最初のスラブはHr4,Tp4,Tb3、頂点でのTpハイトーンばっちり!でここが本日の個人的白眉、ラスト3音をやたらタメたのが印象的。続いてシェエラザード、管は毎曲かなり入れ替わっており、Hrが1本増えてます、コンミスの美音とTbの吹きっぷりのよさが出色。
 後半はHrが更に1本増えて6本、ブラスはまずまずの鳴り、終楽章の快速テンポにも弦は付いてきて熱いクライマックス、アンコールはまずチャイコ弦セレ第3楽章をしみじみ、それから恒例、全員仮装(笑)しての演目は「ジュラシック・パーク」メインテーマ(恐竜の被り物まで!)、オルガン右脇にTb、左脇にTpが2本ずつ加わり、Tpのハイトーン連発の曲を豪快に吹ききっていました。

 このオケ、アンコール込みでいつも満足させてくれます。

 この後、夜は上野で観劇、それはまた次の記事で。

2014年10月11日土曜日

50回記念に豪華前プロと新趣向の2番 - 新田&オーケストラ・エレティール

 爽やかな晴れ、早起きして東京に出て、午前練習、午後コンサート、と典型的休日、ネットで阪神vs.広島のCSファーストステージをチェックしつつ、錦糸町で聴いたのはアマオケのマーラー。

 50回定期の節目として祝祭的な2番を採り上げたとのこと、指揮するはシベリウス指揮者の印象が強い新田女史、ですが実は半年前に同じコンビでマーラー4番を聴いてます。

10月11日(土) すみだトリフォニー
 新田ユリ&オーケストラ・エレティール "マイスタージンガー"より、マーラー Sym2番
 何と復活の前に後半出番のあるオルガンと合唱を活用し、マイスタージンガーから第1幕の前奏から合唱へと続く場面と、第3幕の大団円と併せて30分余の重量プロ、しかもオルガン両脇にTp3本ずつ(+左に太鼓)のバンダまで!本隊はHr4,Tp4,Tb3、ブラスはよく鳴り、弦もまずまず、そして合唱も大迫力、と前半だけでお腹いっぱいです。
 後半マーラーはHr6,Tp6,Tb4、合唱は最初からスタンバイし、ソリストは第1楽章後に入場、合唱は1クール目は座って、2クール目以降は立って歌う趣向、第4楽章前半、Tpを中心とするコラールをオルガン左に配したバンダ(Tp3,Hr4,Fg,コントラFg)にやらせる新機軸、あと荒野の呼び声やTpなどの舞台裏バンダを細かく左右に振り分けてます(楽譜通り?)、バンダからHr4本が終楽章前半と終盤に、Tp4本が終盤に合流、新田のアク少ない棒の下、特にHr、Tp共に10本となったクライマックスは合唱と併せ感動の大迫力でした。

 本日の私的MVPはトラ?の美人Tp奏者です!阪神も勝ったし。

 たぶん明日もアマオケです。

2014年10月10日金曜日

ナガノ&モントリオールの海、展覧会、そして感激アンコール

 爽やかに晴れた(旧)体育の日、新しい職場のゲート脇にあるサルスベリ並木の花がすっかり寂しくなり、近所の生垣では気の早いサザンカがもう咲いてます、が、昼休み1週間振りにセミの声が!まだまだ夏は終わりません。

 夜は東京に出てコンサート、聴いたのはナガノ&モントリオール響、このコンビは前回来日時にアルプスSymをがっつり演ってくれたのが好印象、今夜は展覧会に期待。

10月10日(金) 芸術劇場
 ケント・ナガノ&モントリオール響 ドビュッシー 海、ストラヴィンスキー VnC、ムソルグスキー 展覧会の絵
 最初のドビュッシーはTp5本(うちコルネット2)、Hr4,Tb3、各パート女性が1名ずつ!終盤弦のクレッシェンドにTpをかぶせるバージョン、全体に迫力ぼちぼち、色彩感薄めながら丁寧な演奏で細かいパートがよく聴こえるサウンド、続くストラヴィンスキーVnCは初めての曲、3管の大編成で「アゴン」を思わせる新古典風の曲想、ソリストは五嶋龍でアンコールは無し、ホッ。
 休憩時に聴こえてきたのはボレロのフレーズ、明々後日の練習?それともアンコールにやるの?だとすればこのオケデュトワとの来日時以来の大サービス!にワクワク、後半ムソルグスキーはHr5,Tp3,Tb3、Tpトップは指揮者入場時1人だけ席を立たず、すぐ自由にスタート、ビドロはTbトップがユーホ持ち替え、シュミイレはピッコロっぽい楽器使用、カタコンブのTbが朗々、キエフの大門はテンポ速めでややあっさり。
 で期待のアンコール、しかし!童謡など日本の歌を数曲あしらった大人しい曲がスタート、ボレロじゃないのか…、しかーし!その後Tpが1名ジョイン!お待ちかねボレロがスタート!最初のFlソロがゾクッとする巧さ、Sax奏者はテナーSax首に下げたままソプラノSaxで連続ソロ、Tbソロは(お疲れを考慮すると)まずまず、Tpトップはさっきのピッコロを活用、でも大人しめの吹きっぷり、コーダで初めて迫力を出してのフィニッシュ。

 全体にブラスが余り爆発しないサウンドがやや物足りなかったですが、アンコールに"ボレロ"をやってくれただけで大満足です。

 明日はアマオケで"復活"です!

2014年10月9日木曜日

ミステリー度やや減少、しのぶセンセのその後 - 東野圭吾「しのぶセンセにさよなら」

 昨日は茨城から横浜まで遠征して講義、その後月食を横目に見つつ移動して千歳烏山で宴会、南茨城に戻ったのは午前様、ふと点けたTV(フジ)で何と鯨統一郎の快作(怪作?)「邪馬台国はどこですか?」(「新・世界の七不思議」だったかも)のストーンヘンジ編の特番ドラマ化が! 静香さんのキャスティングがナイスでした。

 本日もドラマ化作品原作本から、「浪速少年探偵団」の続編にして副題は「浪速少年探偵団2」、'90年代前半に書かれています。

しのぶセンセにさよなら 東野圭吾
 しのぶセンセは留学したり別の学校に赴任したりと環境が変わり、かつての教え子も中学生、と少し状況が変化した中でお馴染みメンバーが遭遇する6つの事件、前作よりミステリー度が減少してキャラ依存度が上昇した感じ、「しのぶセンセの上京」の意外な真相が印象的。


 明日はナガノ&モントリオール響の海&展覧会です!

2014年10月7日火曜日

こてこての大阪下町ミステリー - 東野圭吾「浪速少年探偵団」

 本日は少し前に読んだ本から、懸案のボッシュ・シリーズも手持ちは消化したので、次はBD-REに積録状態となっているドラマのうち、ここ1年で100円入手した原作本を数冊読むことに、まずはこれ、実は80年代に書かれてるので、何故今頃ドラマ化?って感あり。

浪速少年探偵団 東野圭吾
 しのぶセンセとその教え子の小学生達が遭遇する事件を楽しく描くリーダビリティ高い5編、ミステリー度はぼちぼち、ダイイングメッセージからUFOまで飛び出して本格味の強かった「しのぶセンセのクリスマス」が印象的。

2014 小岩オープン

 阪神タナボタ2位!しかも昨日マエケンを使ってしまったので、CSも阪神に分が出てきたかも、と思ったら、CS週末まで始まらんのかっ!

 先日の凱旋門賞は世界の壁の厚さを痛感、冷静に振り返ればディープやオルフェでも叶わなかったんだし、これでこそ"悲願"と呼ぶに相応しい。

 昨日予定の試合が台風で1日延期され、台風一過と呼ぶには雲多めの晴天の中、午前中は仕事をサボって小岩OPに参戦、本選1回戦学生に2-6,1-6でサクッと負けて終了、本日のお小遣いは1700円。

 今日貰ったアドバイス: ラリーが続くとすぐ浅くなる、もっと深く。

2014年10月5日日曜日

台風接近中、現田&神奈フィルの8番

 巨大台風が接近中、台風の雲、と言うより台風に刺激された秋雨前線による雨で午前中の練習はキャンセル、職場で仕事をこなしてからコンサートのため都会へ。

 深夜零時に20度弱あった気温は日中になっても下がり続け、昼過ぎの14度弱が最低と逆三角形の推移、日中はほぼ14度台と寒々、そんな中、道中千代田線は空調(たぶん冷房じゃなくて除湿)が入っており寒くて地獄、一方京浜東北線(の1部の車両)には椅子にスチームが入っており温かくて極楽、ま、いまだに半袖短パンなのがいけないのか。

 目的地は神奈川県民ホール、NHKホールや神奈川県民ホールの様な巨大ホールは自分の耳の能力では全くオケのサウンドを感じられないので極力避けているのですが、この秋首都圏で8番が2公演あるのに第1希望のノット&東響は高くて手が出ず(昔は8番でも他の曲とほぼ同じ価格設定だったのに、最近は倍近い設定が流行りになった(涙)せい)、かと言って1度も聴けないのは口惜しい、と安価入手可能だったこちらに参戦。

 辛いカレーが売りのラーメン店?を経由し、アシュケナージ&EUユースオケ"復活"以来5-6年振りに訪れる県民ホール、悪天で外が暗いせいかガラス張りの外観が意外と綺麗。

 本公演はリニューアルおよび開館40周年記念公演とのこと、のせいか開演前に知事挨拶がありました。

10月5日(日) 神奈川県民ホール
 現田茂夫&神奈川フィル マーラー Sym8番
 オケの後方巨大な雛壇に500名余の大合唱団、その手前に独唱陣、電子オルガン使用、本隊ブラスはHr8,Tp4,Tb4、鳴りはぼちぼち、弦がソリッドな音色で3階後方まで届いてきたのが印象的、前半はソプラノの1人がオケに負けない声量、バンダと栄光の聖母は3階席からはブラインドサイド(残念、たぶん2階席左側)、第1部の後に何と20分休憩! 棒を持たない現田の指揮は堅実系でアク少なめ、合唱団は出番の無い第2部序盤も立たされてました、マリア崇拝の博士が"Jungfrau, rein ..."を思いっ切り落としたのはご愛嬌、ラストはまずまず程度の音響ながら、バンダの効果を考慮すると1階席なら結構良かったのでは。

 記憶よりマシな音響だった感あり、芸劇と同様、県民ホールの外野席(3階席)は中段より最後列の方が音が届くのかも。

 今夜は凱旋門賞、今年も地上波中継あるので今からワクワクドキドキです。そう言やこの天気で鈴鹿の日本GPはやったんだろうか?

2014年10月3日金曜日

アクション要素追加の映画版 - 闇金ウシジマくん

 最高気温30.4度とほぼひと月ぶりの真夏日! ただ10月に真夏日になったことより、9月に真夏日が1度しかなかったことの方が珍しいのでは。

 本日は少し前にTV深夜枠で観た映画から、今年2ndシリーズも作られた(一部では)人気ドラマの映画版、その第1作です。

闇金ウシジマくん <'12 日>
 サラ金を通じて堕ちてゆく人々を描く基本線は同じながら、サスペンスアクション的内容が追加、でもウシジマくん強過ぎ、終盤にTVシリーズのファンへのご褒美も。