2014年10月30日木曜日

パラレルワールド的眩暈とバカートリック - 黒田研二「ウェディング・ドレス」

 ああ、崖っぷち!負けは覚悟していたとは言え、負け方が悪い(涙)。

 とにかくシリーズ最終戦の応援に、早く帰らねば。

 とその前に本日も100円買い置きメフィスト賞作から、第16回受賞作です。

ウェディング・ドレス 黒田研二
 結婚を迎える男女の両視点で交互に語られる物語、それがどんどん齟齬を生じてゆき、やがて起きる決定的な違いから生まれるパラレルワールド的眩暈は泡坂妻夫や連城三紀彦を思わせます。それに加えて密室殺人や幽霊などカーを思わせる噴飯もののバカトリックまで、と本格魂が炸裂、巻末解説(村上貴史、講談社文庫版)の「バリンジャーとカーの融合」は言いえて妙です。

 4冊目にしてやっとメフィスト賞に期待するミステリー度の作品にヒットしました!

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