2012年2月28日火曜日

兄弟の帰還とスリーピング・マーダー - キャロル・オコンネル「愛おしい骨」

朝TVでやってましたが、今年の梅の開花、この辺だけじゃなくて水戸の偕楽園でも異例に遅いそうです。

 冷え込みは思ったより軽めでマイナス2.1度、晴れた日中は余り上がらず最高5度台と低め、それでも昼休みの同僚と週一テニスをした時は1月-2月初旬の同程度の気温の日より暖かく感じたのは、湿度の違いか、風の匂いの違いか、それとも気のせいか。

 昼過ぎにそこそこの揺れ、震度は3か4位、この半月程茨城震源の地震が多め。せっせと歪みを小出しに開放してるんならOKですけれど。

 本日はお正月過ぎに読了した本から、2010年度の「このミス」第1位に輝く作品、昨年秋にこのミス1位作品を数作続けて読んだ時期があったんですが、実はその最初に手に取ったのが本作、ただそれを実家にスポット帰省した際に持参し、100頁程読んだ状態で石川に置き忘れ(涙)、正月にやっと回収し読了した次第。

 世評の高い「クリスマスに少女は還る」は未読ゆえ、著者の作品を読むのは初めてです。

愛おしい骨 キャロル・オコンネル
 帰郷した主人公の前には20年前失踪した弟が一部ずつの帰還、その過去の事件を掘り返すことでまた新たな事件が起こるお話、少しずつ事実を小出しにしてゆく独特の語り口、ミステリー的興趣はぼちぼち程度、小さな町の人間模様が濃いめです。

2012年2月27日月曜日

ロマンス作家の黄金時代本格 - ジョージェット・ヘイヤー「紳士と月夜の晒し台」

さっき見た夜空、3日前には1列に並んで1番下だった三日月がとっくに金星を追い越し木星のお隣やや上方に、昨夜見ていればその3つが仲良く一緒にいる姿が拝めたことでしょう。

 朝は6日振りにマイナス気温、それでも平年よりは高め、職場に向かう際は春の息吹か暖かく感じましたが、昼前後は強い風が吹き荒れて、昼休み野球をした同僚は寒い、と言ってました、確かに最高気温は8度台と低め。

 とは言え自分は(昨夜UFC日本大会を観てから寝てしまったため)昼休み返上で午後の講演準備に追われて外に出ていないため不明、発表1時間前(2時過ぎ)にやっと資料が出来、会場に自転車で向かう際、構内の梅の蕾が開き始めているのを発見、今季初めてで、たぶん例年より遅いです。

 本日は先日読んだ本から、2011年度出版の本格ミステリーの収穫の一つとして挙げられていた作品、こんな新しめの本でも実家石川のブックオフなら100円棚にありました。

 バリバリ黄金時代(1935年)の本格物ながら、作者はミステリー畑の人ではなく、ロマンス作家として高名な人だとか。

紳士と月夜の晒し台 ジョージェット・ヘイヤー
 "晒し台"に両足を突っ込んだ男性の刺殺体を巡る犯人探し、ロマンス作家らしく恋愛と謎解きが同じ位の比重で描かれます。事件の新展開で犯人が割れやすくなる、重要な手掛かりの1つが犯人指摘の直前まで知らされない、タイトルの晒し台を論理のキーとしてより巧く使える筈、等々惜しい点はありますが、ラスト数ページまで犯人が明かされない構成はなかなか、また全編いかにもって感じのイギリス高等遊民的な会話に満ち満ちており、それに馴染めない人には向かないかも。

 今夜は久々に冷え込みそうです。

2012年2月26日日曜日

花オケ、第3回公演はマーラー9番 - 吉田貴弘&ブルミーネ・フィル

ほぼ終日の曇り、よって朝はプラス1度台と高めで日中は7度台と低め、早起きして東京へ、午前練習、午後アマオケ、と休日の基本パターン。

 ただ東京は茨城より気温が高いのか、はたまた空気感が春めいてきたせいなのか、マフラーは暑苦しくて途中で外してしまいました。周りを見ても真冬の恰好をしている自分は少数派、やや薄着になっている人が多いです。

 テニスを12時過ぎに上がり、練馬に移動して聴いたのは"花の章"を冠するオケ、よって当然演奏するのは基本マーラー、第1回公演では1番昨年の第2回公演では5番を採り上げ、今回の第3回公演は9番です。

 渡されたパンフには、音楽や絵画への鑑賞に際し、自分の生の印象や感動よりも、権威ある他人の意見を優先する、という態度への警鐘を鳴らす、という意の伊福部昭の一文が引用され、先入観無く聴いてもらうため作品や演奏に関する解説を掲載しない、との説明が、変わった試みです。

2月26日(日) 練馬文化センター
 吉田貴弘指揮ブルミーネ・フィルハーモニー管弦楽団 芥川也寸志 交響管弦楽のための音楽、マーラー Sym9番
 前半は大編成の2楽章形式、分かりやすい楽想で10数分と短いのがいいところ、第2楽章ではブラスがカッコよく鳴り渡りました。後半のマーラー、発展途上のオケゆえ時にキビシイ部分もありましたが、吉田氏のストレートな棒の下、粛々と沈潜してゆくコーダまで無事到達、Tpトップ(パート内の黒一点!)が出色の鳴り、HrとTbも要所でまずまずの響き、あとティンパニのキレのいい叩きっぷりが印象的。

 今夜はテレ東でUFC-Japanです! でもその前に明日の発表準備をやらなくては…。

2012年2月25日土曜日

雨の日は教会でトロンボーン - 学習院トロンボーンクラブ

うううっ、昨夜は「タモリ倶楽部」を録画後、HDを空けるべくすぐ「空耳アワー」だけ編集で残しDVDにダビング、とか作業していたら、気が付けば肝心の「ライアーゲーム」が始まってしまっていた…、保存版としてHD画質で残すプロジェクト、あえなく挫折(涙)。

 昨日の高温の名残りで深夜零時に8度弱あった気温は日中も朝以降も下がり続け、日中はほぼ2-3度台、夕方になって4度台に上がり、逆三角形型の気温変化です。

 朝からの雨、小雨でも大降りでもない普通の降り、午前中はテニスの予定、東京は小雨かも、と早起きして東京へ、でも東京のフツーの降り、青山のオムニコートには水溜りが出来ていました。

 そのコートから大通りに戻る路地で札入れを発見、落としたてのホヤホヤっぽかったので、5分程そこで落とし主を待てど現れず、外苑前駅界隈には交番が無く、青山1丁目までひと駅歩いて交番へ、クレジットカード・免許証・いっぱいの現金が入ってました、困ってるだろうなあ。

 すごすご帰るのも何なので、無線が入りかつ電源が取れる日比谷のマックまで移動し、昼過ぎまで過ごして映画をダウンロードすると共に今後の予定をネット情報を元に検討、バボラクのHr(渋谷タワレコのイベント)とアマチュアのTb合奏と迷ったんですが、後者を選択、一応元Tb吹きだってこともありますが、それより場所が余り探検したことの無い市ヶ谷だったのが決め手。

 で早めに市ヶ谷入りし、駅近くの有名ラーメン店を訪問、それから会場のルーテル市ヶ谷へ行こうとしたら、すぐ近くなのにここ、と思った場所に発見出来ず右往左往。

 すると道路の反対側で可愛い娘があれ?とか言って会釈してます、近眼ゆえ誰かも判らないまま、そっちへダッシュ!

 後輩でした、就職活動中とのこと、彼女のスマホで地図検索して貰い道路1筋違ったことが判明、会場まで付いて来てくれました、いい奴だ。

 ちょっと遅刻してしまいましたが、聴いたのは会場はチャペル、学習院大オケのOB/OGを中心としたメンバーで構成されたTb合奏団、Tb12人+チューバ1名と大所帯です。

2月25日(土) ルーテル市ヶ谷センター
 学習院トロンボーンクラブ ガブリエリ 第九旋法によるカンツォン、チャイコフスキー Sym5番より第2楽章、プライアー 愛する想い など
 会場はチャペル、前半はバロック、後半は近現代作品が中心、基本のTb四重奏から、Tb12本(うち3本アルトTb)を4本×3に分けて掛け合いをするガブリエリや、チューバも加わるジャズ系作品まで編成も色々、アンコールでは顧問の先生?今井順夫氏の指揮の下、13人全員で合唱曲を演奏。教会で響くバロック作品のハーモニーの美しさとTb奏者の作品(プライアーやペダーソン)での難しそうなパッセージとキツイ高音が印象的。

 アシュケナージ&シドニー響が来日公演で披露した泣かせる曲"A Song for Japan"をアンコールにちょっと期待したんですが、ありませんでした。まあ、アレを生でやられると、泣きそう。

 終演後雨は上がっており、そこから歩ける距離の教会でも午後6時からアマチュアTb合奏があり、行くかどうか迷ったんですが、明日も遊ぶので自重、もう1軒市ヶ谷の有名ラーメン店を訪問して帰途に、アキバのブックオフで100円本を数冊買い、明るいうちに地元着、職場でひと仕事。

 今日のボケ老人: 7冊買った100円本、うち3冊が家にありました…。

 明日はアマオケでマーラー9番です!

2012年2月21日火曜日

関西弁の警察短編集 - 黒川博行「てろどときしん」

昨夜のボケ老人: 昼にWeb番組表を見て「おっ!「SPEC」再放送今夜からやるじゃん、HDに録って(レコーダーの機嫌が直れば)BDに残そうかなー」って思ってました。が、夜には完全忘却(涙)。

 朝はマイナス5度強、晴れた日中は予報通り(というかそれ以上)にぐんぐん上昇して最高13.5度、一気に春の陽気です。昼休みの壁打ちでもすぐ半袖に。

 昨夜気付いたんですが、西の夜空でこのところ目立っている金星と木星に加え、東の空を見れば火星が! この3つが揃い踏みするのは珍しいかも。

 本日は先日読了した本から、アンソロジーに載っていた短編とコメントが面白く、初期作を数作読むことにした黒川作品、デビュー作に続いて第2作「雨に殺せば」、と思ったのに手元に見当たらず(創元から出ているものはそこそこ100円棚で買い溜めしてあった積りなんですが…)、初期の短編集を手に取ることに。

てろどときしん 黒川博行
 '87年から'91年に掛けて発表された短編が6本、うち半数に処女作「二度のお別れ」の黒マメコンビが登場、基本警察小説スタイルながら少し実験的な試みもあり、内容にそれなりのバラエティー。著者によるあとがき(講談社文庫版)が楽しいです。

2012年2月17日金曜日

ロト&南西ドイツ放響のマーラー5番

今朝の積雪は2cm位、朝マイナス2度台、午後の最高8度台とやや低め、たぶん曇りだったと思いますが、この日もビッグサイトに缶詰だったのでよく判りません。

 3日連続お台場での背広お務めを終えて、自分へのご褒美第2弾は南西ドイツ放響のマーラー、南西ドイツ放響と言えばギーレン、ギーレンと言えば南西ドイツ放響とのマーラー、なのに指揮者は未知の人、何故ギーレンとのコンビで呼んでくれなかったの?

 あと最近はシュトゥットガルト放響も名前がSWRになってしまった(SWRシュトゥットガルトとか)せいか、南西ドイツ放響もSWRバーデン=バーデン&フライブルクと都市名を付けて呼ぶようになってるようです。

 サントリーに着いた頃には雨が、2月にしては不順な日が続きます。

2月17日(金) サントリーホール
 フランソワ=ザヴィエ・ロト指揮南西ドイツ放響バーデン=バーデン&フライブルク ラヴェル PC、マーラー Sym5番
 前半のラヴェルはTp,Tb,Hr共に木管の並びで左側に、前プロで時々聴く曲なので毎回「発見」してるんでしょうけれど、キツイHrソロがあったのが印象的、ソリスト萩原麻未はアンコールにサン=サーンスの指くるくる系を激しく一気呵成に。
 後半はブラスも通常位置、指揮棒を使わないロトは中庸かやや遅めのテンポで粘らずすっきり系、ただオケはノリよく要所でエッジを効かせていて平板にはならず、特にFgとObがいい吹きっぷり、弦はボリューム小さめながら揃っていてシャープ、Tpソロ、Hrソロ(新版らしく第3楽章はステージ前に登場)はソツないながらやや細め、むしろTbトップの上手さが出色、ブラス全体でも大人しめの吹きっぷりで終楽章クライマックスの迫力もぼちぼち程度、何故か第4楽章後半のみ粘った表現だったのと、スネヤが2台あり拍子木も2人で叩いていたのが印象的。アンコールはプロコ「ロミジュリ」から(CMで有名な)「騎士たちの踊り」、いきなり弦が分厚く轟然と鳴ってビックリ!(マーラーの時と印象が違う…)、SaxソロパートはFgが肩代わり。

 連れは「ドイツのオケにしては音程が悪い。」と言ってました。

 終演後ホールを出ると雨が雪に変わっていました。

2012年2月15日水曜日

ヴァンスカ&読響のシベリウス2番

終日の曇りで最低1度、最高8度弱と日較差の少ない気温変化、今日から3日間は毎日ビッグサイトで朝10時から夕方5時まで研究展示の説明員、会場が地下の体育館みたいな所で空調の効きが悪く寒いのが難点、以前会議棟の階上の部屋でやった時は空調が効いて暖かだったのに。

 しかも他のブースは全て実験系で役に立ちそうな現物が並んでいるのに比して自分のブースだけ理論系、よって当然不人気でここだけ過疎っており、お客さんは30分に1人程度、うち若い女性は1日に1人程度(涙)、と心身共に冷えました。

 それが終わるとすぐ脱走して1日頑張った自分へのご褒美コンサート、とサントリーへ、りんかい線から有楽町線を乗り継ぎ永田町、ところが南北線が止まっており、永田町からサントリーまで歩く、というか半分走る羽目になり、遅刻するかと思いました。

 聴いたのはppアーティスト、ヴァンスカ指揮する読響のシベリウス、彼がラハティ響を率いて初来日してシベリウスの交響曲を全曲演奏した時は全公演に行き、その時の5番(原典版じゃなくて現行版の方)の演奏が未だに自分の聴いた同曲では最高です。

 ただ、その後の同コンビの数度の来日で2番、5番と聴いた時は初来日程の感動は無かった気もします。

 ともあれ、彼の振る2番は3度目になりますが、ラハティ響以外を振るのを聴くのは初めてゆえ興味津々。

2月15日(水) サントリーホール
 オスモ・ヴァンスカ指揮読響 グリーグ ペール・ギュント、アホ Cl協奏曲、シベリウス Sym2番
オケは対向配置、Hr以外のブラスはレニンラードフィルかよ、と突っ込みたくなる位に右端に集められて弦バスと対称位置、最初のグリーグは8曲抜粋30分超、緩徐部の精妙さは予想通りながら速い部分の煽りが印象的、続くアホは何と本日のソリスト、マルティン・フロストが自腹を切って書かせた委嘱作、勿論日本初演(世界初演もヴァンスカと)、2管の大編成オケ(でもかぶらないようにかClはエスクラとバスクラだったかも)をバックにカデンツァを筆頭にクラテクオンパレード、ただ激しい第3楽章で終わった、と思ったらスローな4、5楽章があり30分は長かったです。更にアンコールは似たカデンツァで始まり、弦楽が加わるジプシー風舞曲で、彼の弟の編曲とのこと。
 後半のシベリウスではブラスが通常位置に戻りさっきいた場所は空きスペースに、ヴァンスカは曲想により棒の有無を使い分け、第1楽章は速めに勢いよく、第2楽章は遅めでねっとり、終楽章冒頭のTp、Hrのファンファーレを思いっきりよく吹かせていたのが印象的、ラハティ響の時より表情を細かめに指示し、ブラスをより開放的に鳴らしている印象、特にTpの吹きっぷりは見事で最後のコラールは豪快でした。ブラスの迫力ならラハティ響を上回っていた気がします。

 アホの時、Clで2つの音を出す?特殊奏法をやっていましたが、一体どうやってるんでしょう? 因みにTbの場合は吹きながら声を出す(歌う)ことで2つの音を出します。

2012年2月14日火曜日

元スターとビーチバレー - ビーチ・エンジェルズ!

予報に反し昨夜は降らず、その雲のお陰で朝は久々のプラス気温、日中は当然上がらず6度台と低め、午後は(新しい)予報通り降り始め、予報より大量にかつ遅くまで降ってます。

 職場では菓子会社に踊らされた愚習が飛び交い、やや胸焼け気味。

 昨夜は録り溜め分のドラマを消化していて12時過ぎに沈没、意識を回復したのは「コマ大」が終わる頃、TV誌の番組表を見て丁度映画が始まるのに気付きました。

 未公開映画、しかも放送枠121分に比してオリジナル93分、とほぼノーカットが期待出来、梗概からお色気にも期待、と最初だけ観て決めよう、と視聴開始、いきなりバート・レイノルズが出てきてビックリ!そのまま完投してしまったのが本作です。

ビーチ・エンジェルズ! <'06 米>
 落ちぶれたスター(シャレにならないキャスティング)が金儲け策としてストリッパーを集めビーチバレーチームを結成、そのうち真剣にトーナメントで優勝を目指すことになるコメディ、敵役には元プロビーチバレー選手(浅尾美和が出るようなもの?)、お遊びの実名カメオ出演もちらほら、ただお色気度もスポ根度も今一つで中途半端感あり。

 放送枠は4時まで、なのに3時40分過ぎには映画終了、つまりカットだらけだったことが判明(涙)、道理で話がよく飛ぶと思った…。

 明日はヴァンスカ&読響のシベ2です!

2012年2月10日金曜日

孤島ものは期待に違わず正統的バカミス系 - 東川篤哉「館島」

朝は軽く冷え込みマイナス4度、日中は9度台と久々に平年値まで上がり、平年ってこんなに暖かかったっけ、と感じます。こっちはずっと冬晴れ、つまり実家の石川は結構降ってるらしいです。

 ここ数日雑用が多く、昨夜12時過ぎまで掛かってやっと一区切り、今日は一息つけました。溜まったドラマを消化しないとHD残量がヤバイです。

 本日も東川作品から、昨日のデビュー作は烏賊川市(いかがわし)を舞台とした一連のシリーズもの、その次作以降は未だ100円入手叶わず、一方本作は版元が創元のせいか見過ごされて?100円棚にあり、以前より入手済だったもの、非シリーズ作らしいので、読んでもいいかな、と手に取った次第。

館島 東川篤哉
 舞台は80年代、瀬戸大橋が通る予定の孤島に建つ六角形の館で起こる怪死事件、舞台設定から推測される通りバカミス度高く、しかもその真相に至る論理や伏線の妙はまたも正統的で見事です。全編スラップスティック調なためギャグが処女作より多い分、より滑っている印象はありますが。

2012年2月9日木曜日

デビュー作は折り目正しいユーモア本格 - 東川篤哉「密室の鍵貸します」

3日振りの冬晴れ、の割には朝余り冷え込まずマイナス1度と高め、とは言え霜柱ザクザク、日中も余り上がらず7度台と低め、昼休み同僚との週一テニスの際に吹いていた強めの風には、木枯らしと春一番の中間の匂いを感じました。

 夜浅い西の夜空では金星と木星が輝いており、今夜はもっと冷え込みそうです。

 本日は正月過ぎに読んだ本から、ここ数年気になっていた(けれど東京のブックオフではまず100円棚に並ばないため取り掛かれないでいた)東川篤哉、そのデビュー作を、さすがは石川の田舎、お正月に実家近くのブックオフで100円GETして即読みしたもの。

密室の鍵貸します 東川篤哉
 題名の通り主人公が巻き込まれる密室殺人と墜落死の謎がユーモアタッチで描かれます。マニアなら想像がつきそうなトリックながらヒネリが加わっており、しかも伏線が本格の骨法を押さえたしっかりしたものである点が嬉しく、由緒正しき本格マインドを感じました。

2012年2月8日水曜日

マッドマックス化の第3作 - バイオハザード III

衝撃のニュース:アルベルト・コンタドールが2年間の出場停止に
一昨年のツール、および昨年のジロのタイトルも剥奪とのこと…。ただその代わり、遡ってその間を出場停止期間扱いとするため、今年後半には明けるらしいですが。シュレク弟もこんな形での戴冠は不本意でしょう。

 終日の曇り、最低4度弱と高め、最高7度台と低めの曇天らしい気温、夕方にはパラリと軽く降りました。

 今日も外勤で東京は四ツ谷でで講演、これで3日連続しての慣れない背広&革靴&靴下での活動、かなりダルいです。先日ぶつけた足指はまだ出血するらしく、靴下の先が赤く染まってます。

 本日はちょっと前に地上派で観た映画から、日本発のゲームから派生したSFアクションの第3作、第2作はぼちぼちでした。ノーカット放送しても尺が余るらしく、過去2作の復習映像が所々に挿入されていました。

バイオハザード III <'07 米>
 結局ゾンビウィルスは世界中に蔓延し(何故か)世界が砂漠化、生き残った人たちの安息の地を探す冒険に主人公アリスが絡みます。ミラジョボがリプリー化し、舞台がマッドマックス化してます。オープニングが印象的で、エンディングはまだ続編ありますよ、って感じ。

 あら懐かしや、「HEROES」のニキが出ています、と言うか「HEROES」を懐かしいと感じる時点で「LOST」同様地上波放送が放置状態になっている証拠か…。

2012年2月6日月曜日

沼尻&読響、一気呵成のストラヴィンスキー3大バレエ

予報通り終日の雨、所々に残っていた雪もこれでほぼ消えました。

 朝はマイナス2度台と天候の割には低く、日中は当然上がらず7度台、親戚に不幸があったんですが、今日と明日は横浜で博士論文の審査があり外すこと叶わず、弔電のみにて欠礼。

 昨夜家に帰ると何故かブーレーズ&マーラー室内管のFMライブ「ペトルーシュカ」が留守録されておらずショック(涙)、タイマーもデッキも何の問題も無くセットされており、原因100%不明、留守録の失敗は時々やりますが、原因完全不明なのは人生で2度目位。

 でペトルーシュカと言えば、実はアマオケでしか聴いたことがありません。たぶん火の鳥やハルサイがメインの演奏会なら聴きに行くけど、ペトルーシュカがメインだと敢えて行かないのと、一方これが前座になることも無い、という理由なんでしょう。

 で横浜でのお努めからダッシュで初台に行って聴いたのはそのペトルーシュカを含むストラヴィンスキーの3大バレエ、これを一挙に聴けるのがまず嬉しいのと、都民芸術フェスの一環ながら会場が例年の芸劇から東京文化会館・オペラシティになったのが何より嬉しくての参戦です。

 で演奏は沼尻&読響、彼の「火の鳥」は日フィルと全曲版を7年前に聴いてますが、サクサク進む演奏だったと記憶しています。あと彼と読響とのコンビは初めてかも。

2月6日(月) オペラシティ
 沼尻竜典指揮読響 ストラヴィンスキー 火の鳥、ペトルーシュカ、春の祭典
最初の火の鳥は1919年版組曲、今夜を通しての傾向として、沼尻はやや速めのテンポでぐいぐい、細かい表情や要所のタメなど余り作らず、ひと筆書きで一気に進行する印象、終曲でのブラスの鳴りがTpを筆頭に豪快で個人的には本日の白眉でした。そのTpトップが退場し新たに別の奏者が入ってトップに座り、次のペトルーシュカは1947年版全曲、生で聴き慣れていないせいか、この曲が一番バタついた印象、木管のソロはどれも見事、中盤のTpソロはぼちぼち、最後のミュートのTpソロ(の上のパート)がピッコロで吹かれることを初めて知りました。
 休憩を挟んでハルサイ、火の鳥でのTp奏者が戻ってきて首席揃い踏み?彼の吹くピッコロっぽい短い管のTpが過去聴いた同曲でも最高クラスの吹きっぷり、ブラス全体でも要所で豪快に吼えるHrを筆頭になかなかの鳴り、また第1部終曲でのパーカッションの打ち込みは壮絶、ただ第2部より第1部の方が迫力があったかも、最後の最後に楽譜に無さそうなクレッシェンドをやり少しケレン味を見せての大団円、全体で満足の演奏会でした。

2012年2月5日日曜日

純朴系ギタリストの優雅にして繊細 - パク・キュヒ(朴葵姫)さんのギター

悲しいニュース:パーヴォ・ベルグルンド氏が1月25日に、ゲルハルト・ボッセ氏が2月1日に死去
昨年ボッセの至芸に触れられてよかったです。ベルグルンドは残念ながら聴けずじまい、いや、ずっと昔に聴いたかも、うう、ボケ老人なので分からなくなってしまった…。

 ほぼ終日の曇り、その割には朝は冷え込んでマイナス4度台、勢い日中は上がらず7度台と共に平年より低め、予報で週末は暖かくなる、と言ってたんですが…。

 3時間睡眠で早起きし東京に出て練習、午後は渋谷タワレコのインストアイベントに寄りました。聴いたのはパク・キュヒ(朴葵姫)さんのギター、韓国生まれで現在ウィーン在住とのことですが、日本暮らしも長いらしく日本語ペラペラでした。

 見た目と話しっぷりは純朴なお嬢さん、って印象でしたが、最初の「アルハンブラ宮殿の思い出」が始まるや、そのトレモロの優雅で滑らかな響きに驚愕、その後はギター通好みの曲?中心にアンコール含め計4曲、変奏曲における様々な表情の変化が興味深く(左手だけで演奏する面白い趣向の変奏も)、指くるくる系の部分でも表現が繊細なのにはただただ感服。

 もっとずっと高名なアーティストでも閑古鳥が鳴くことがあるのに、会場は黒山の人だかり、サイン会は長蛇の列、「ルックス良さそうだから見に行こう」といった自分の如き品性下劣な輩はクラシック村には余りいないと思ってましたが、違うのか?

 夕刻地元ターミナル駅に到着、地上への長ーいエスカレーターを歩いて登る際、遥か上方にやはり歩いて登るミニスカ女性が視界の隅に、品性下劣人間の悲しい性(さが)ゆえうっかり見上げた瞬間、コケて足先を角にぶっつけてしまいました。

 過去に2、3度経験して知ってるんですが、エスカレーターってギザギザになってるせいか、角に足指をぶつけると相当痛いのみならず、大概は切れてビックリするほど血がどんどん出てきます。今回もその例に漏れずサンダルは血まみれ、更に路上にも点々と血を垂らしつつ帰宅する羽目に(涙)、品性下劣のバチが当たりました(笑)。

 明日は沼尻&読響のストラヴィンスキー3大バレエ一挙演奏です!

2012年2月3日金曜日

内藤&ニューシティ管の朴訥系マーラー5番

本日も冬晴れ、朝はマイナス7.7度とかなり冷え込み、日中も7度台と低めでした。

 先日の試合の続きで今日も休暇、11時ラウンドだったのでまず朝イチに職場へ、今日中にやっておかなければいけない仕事を発見して(涙)から千葉の会場へ、やはり南茨城より雪が多く残ってます。

 サクッとシバかれ、午後3時頃に職場復帰、滞在1時間で宿題をこなし、次はコンサートに参戦すべく東京へ。

 聴いたのは内藤彰&ニューシティ管のマーラー、このコンビに関してはブルックナーをマニアックな稿で演奏する、という程度の認識で、5年以上前に8番と9番(しかも全曲版!)を聴いてますが、マーラーはどうなんでしょう。

 開演の7時ちょっと前に着くと内藤氏によるプレトーク(知らなかった…)の真っ最中、前座の曲とマーラー5番との関連性、およびマーラーの時代はノンヴィブラートだったので今回もノンヴィブラートを指向(しつつさすがに無理なので弱めに)して演奏するとのお話。

2月3日(金) オペラシティ
 内藤彰指揮東京ニューシティ管 山田一雄 おほむたから、マーラー Sym5番
最初のヤマカズは20数分?の大編成曲、雅楽風のモチーフと(プレトークで指摘があった通り)マーラー5番の第2楽章を真似た楽想が印象的、ブラスを豪快に鳴らしていて後半大丈夫か?と少し心配。休憩を挟んでマーラー、太めの音のTpソロはまずまず、Hrソロはプレーンな吹きっぷりでこれもなかなか、ただ新版(2002年)の楽譜とのことでしたが、3階LからはHr(やVn)が完全ブラインドゆえ第3楽章で起立したかどうかは不明、少なくともステージ前には出てきませんでした。内藤はやや遅め(特に第1楽章)の棒で、テンポの揺らしも少なく木管のしゃくりや弦の粘りなどマーラー独特のアクも無し、ブラスを鳴らして骨太な音作りながら全体的には朴訥な感じの変わったマーラーを展開、オケもマーラーのノリに馴染めないのかベルアップをしない人も。準ノンヴィブラート奏法?の影響か弦は伸びに欠ける印象で、改めてチューニングをやった後の第4楽章も色気ゼロの清明な音作り、終楽章クライマックスの金管コラールが盛大に鳴った後、ラストに数少ないケレン味を見せて猛然とアッチェレしての終了でした。

春季ロイヤルSCオ-プン2012

予選SFは相手DEF、予選Fは学生に1-6,2-6で粉砕される。

 本日貰ったアドバイス:
・サーブのコースが分かりやすいので読まれない工夫を。
・バックのスライスを止まるボールと滑るボールを使い分けるべし。

2012年2月2日木曜日

気に入りアンソロジー第6巻は故人も参加 - マイ・ベスト・ミステリー VI

昨夜少し雲が出たせいか、朝の冷え込みはマイナス3度強とこの数日では甘く、反面冬晴れの午後は上がらず最高5度台と低め、日中はずっと風が強く、壁打ちの昼休みは温まるのに時間が掛かりました。

 夜は繁華街に出て、研究室のひと月遅れの新年会、宴の後の帰り道は(たぶん気温は既に零下になっていて)寒かったです。

 本日は先週末の同窓会帰省の時に読んだ本から、お気に入りの自作と他人の作を選び、それにまつわるエッセイを付したアンソロジーの第6巻、最終巻なので座談会(阿刀田高、北村薫、新保博久、宮部みゆき)も収録されてます。

マイ・ベスト・ミステリー VI 日本推理作家協会編
 収録作家(選者)は有栖川有栖、折原一、加納朋子、都筑道夫、法月綸太郎、横溝正史、物故者は生前の随筆を元に選択してます。半分が既読作、初読作の中で印象に残ったのは「原島弁護士の処置」小杉健治(折原一選!って点も)、「秘密」谷崎潤一郎(横溝正史選)あたり。

 明日はニューシティ管の5番です!

2012年2月1日水曜日

ソローキン&ボリショイ歌劇場管の豊穣スパルタクス

今日からもう2月、朝マイナス7度台、日中は久々に10度を突破して12度台、と日較差が20度に迫る勢い、最高気温が平年値を上回ったのは実に半月振り、この気温の低さが日本海側の大雪の一因とも言えます。

 本日は今季2戦目の試合、11時ラウンドだったので朝職場に寄ってから千葉(柏・野田方面)へ、茨城より雪が多く残っている印象、道に迷った?とのことで相手現れず予選SFはdef勝ち、続きは明後日、折角休みを取ったのに…。

 通常ならすぐ職場に戻るのですが、夕方東京でコンサートってこともあり、ぶらぶら過ごすことに、電源があり無線の入る北千住駅前マックで全豪の試合でもダウンロードしようと寄ったんですが、何故か無線不調で殆ど繋がらず、2時間以上無為に過ごしました。

 夕方上野で聴いたのはボリショイ歌劇場「スパルタクス」、自分はてっきりスパルタ"カ"スだと思ってましたが、周りに訊いてもスパルタ"ク"ス派ばかり、どうやらカーク・ダグラス主演のキューブリックの映画「スパルタカス」の影響で間違って刷り込まれていたっぽい。

 ところで守備範囲外のバレエ(前回は6年以上も前、ギエムのボレロ)に行ったのは、よくチケットを融通して下さる知人が「ボリショイのオケは凄い、腰を抜かす」と勧めてくれたから、その方にお願いしてGETした最安券での参戦、よって爆裂ロシアンブラスに超期待です。

 そして勿論、ボリショイと言えばあの名手ドクシツェルの昔レコードで聴いた朗々としつつも柔らかく流れるTp、その衣鉢を継いでいるでしょうか。

2月1日(水) 東京文化会館
 パーヴェル・ソローキン指揮ボリショイ歌劇場 ハチャトゥリャン スパルタクス
のっけからパーカッションの打ち込みが激烈、ブラスもそれなりに吼えてますが、期待した程のブリブリ吹きではなし、でもこんなに吹いて最後まで持つの?(持ちました!)というレベルだったことも事実。金管は全員右側だったのでL側の方がより迫力が楽しめたっぽいのですが自分は4階R側、席位置の関係から不確かながらHrが4本、Tpも3-4本、Tbは3本いた感じ、HrとTbが野太い吹きっぷり、ただTpは朗々としつつも爆裂度は低めだったのでロシアンブラス度は70%位。それ以上に木管を含め管楽器の安定度と上手さが印象に残りました。

 バレエを"聴きに"行ったので、最初は舞台上を余り注目していなかったのですが、試しに双眼鏡で覗いてみると、表情やコスチュームがよく見えて意外と面白く、ギエムの時も双眼鏡を持っていれば、と思わされました。

 今更ですが、ドクシツェルが現役の時に「バレエを聴きに行く」という発想が無かったことが残念至極。