2013年10月11日金曜日

パレーデス&エル・システマ・ユースオケ、異次元サウンドのヴェルディとチャイコフスキー

 昨夜スタート「独身貴族」、内容に目新しさはありませんが、小道具や音楽には映画愛が詰まっていて楽しいです。

 午前中の試合にサクッと負けて、午後は職場へ、でもまた夕方は東京に出てコンサート、今夜からカラカスのユースオケ2連戦、魔法の如きクリアなサウンドに驚愕したドゥダメル率いるシモン・ボリバル・ユース・オケの弟分、とのことなので期待。 

 しかもこのオケ、実は2年前の3月に来日してサン=サーンス3番&ショスタコ10番、という重量プロを演る筈だったのに震災で来日中止、との因縁もあって、個人的には待ち望んだ公演、プログラムが変わったのは残念ですが。

10月11日(金) 芸術劇場
 ディートリッヒ・パレーデス指揮エル・システマ・ユース・オーケストラ・オブ・カラカス ヴェルディ 運命の力、グリーグ PC、チャイコフスキー Sym5番
 最初のヴェルディはHr8、Tp4、Tb6、そして木管は全パート6-7本!とほぼ倍管、弦もたぶん通常の倍近い数で例えば弦バスは15-6本!細かく表情を付け、テンポの出入りも激しいパレーデスの棒の下、特に弦セクションは一糸乱れず怒涛のクリア&豪快サウンド!芸劇外野席で弦の音圧を感じるのはドゥダメル&シモン・ボリバルユースに続き人生2度目の衝撃体験!そのコンビと比べると管セクションの精度、そして弦の揃い方とクリアーさは落ちますが、バッチリ嵌った時の弦の音圧は上を行くかも。続くグリーグのソリストは萩原麻未、アンコールには有名なアヴェ・マリア(グノー?バッハ?)。
 後半チャイコは木管はヴェルディと同じ本数ながら金管は少し増えてHr8、Tp6、Tb6、Tuba2と完全に倍管、パレーデスは全4楽章を続けて演奏、ここでも細かくテンポを動かしケレン味たっぷり、終楽章序奏最後のHrのコラールを全て強く吹かせ、続く主部を異様な速さで入ったのが特に印象的、まずまずのブラスの鳴りとそれを圧倒する弦でフィニッシュした後、ブラス陣が退場、まず弦中心のアンコールか、と思うと会場が完全に暗転、明かりが灯った時には(TVクルー含め)全員が国旗をあしらったジャケット着用、ブラスもちゃんといます。まず"サムソンとデリラ"バッカナールを聴いたことのない超速テンポで、続いて民族曲風の舞曲(ティカティカ?)と定番の"ウェストサイドストーリー"マンボを奏者の踊り付きで、そして最後はシモン・ボリバルユース2日目の時と同じくジャケットを客席に投げ込むパフォーマンス、勿論会場大興奮です。

 萩原麻未さんはアンコール前にいっぱい喋ってたんですが、音の届かない芸劇外野席では全く聞こえず、それを考慮すると、このオケのハマった時の弦の音圧の凄さはVPO、BPO、IPOやサイトウキネンですら聴いたことのない異次元サウンドでした。

 明日は2日目、しかもショスタコ7番です!

0 件のコメント:

コメントを投稿