2012年1月16日月曜日

チョン&ソウルフィルのマーラー1番

驚愕のニュース: 不確定性原理の欠陥を実証
ホンマでっか? (←要は言葉の解釈・定義の問題っぽいです。)

 朝はマイナス3度台とやや冷え込みが甘くなり、雲が垂れ込めた日中は5度にも届かず寒々、つい壁打ちをサボってしまいました。

 夜聴いたのはチョン・ミュンフン率いるソウル・フィル、チョンが2005年に就任してテコ入れをしてから飛躍的に実力がアップしたとか、ただ現在ソウルフィルという名前の楽団はいくつもありそう(少なくとも2つあります)で区別が付きません。今回の"ソウル・フィルハーモニック・オーケストラ"は昔のソウル市響かな?別の楽団で"ソウル・フィルハーモニック"ってのもあります。ま、東響と東フィルも外人には区別付きにくいんでしょうね。

 ともあれ、7-8年前にはアジア・オーケストラ・ウィークで"ソウル・フィル"は1000円で聴けたのに、(同じオケかどうか分かりませんが)いくらチョンが振るからといって5倍のインフレ、最安5,000円は無いだろ、と昨年このコンビの初来日はスルー。

 ただ今回のメインはマーラー、外来オケのマーラーは買える範囲の金額なら聴く、という方針ゆえ、泣く泣くの購入でした。

 チョンの巨人は一昨年東フィルとのコンビで聴いてますが、例えば同じ5番でもロンドン響アジアフィルでは表現が少し違ったので、1番でも違いがありそう、あとチョンはいつもアンコールが激しいのでそれも楽しみです。

1月16日(月) サントリーホール
 チョン・ミュンフン指揮ソウル・フィルハーモニー管弦楽団 ドビュッシー 海、マーラー Sym1番
これがテコ入れの結果かどうかは不明ですがコンマスとTp4名、Hr2,3名、Tbトップが西洋人、しかもみんな上手、特にくすんだヴィンテージ楽器?を使うTpトップが激ウマです。ドビュッシーは緊張感は薄めながら表現は劇的、終曲に弦がざわざわとクレッシェンドする裏でTpソロが叫ぶ版とTp無しの版があり後者だと物足りないのですが、今日はそのTpが無いバージョン、なのにチョンはそこでの弦を強烈120%で弾かせ、初めてこの箇所で「あ、Tpソロ不要なんだ」と感じさせてくれました。
 後半のマーラー、チョンの解釈は東フィルとの同曲の際に書いた通り、速い部分はより速く、遅い部分はより遅め、毒はない代わり歌うことは重視するスタイル、ただ少し個性的な表現が増えたのと、手兵ゆえかオケがチョンの意向をより反映していたのが違い、第1楽章のリピート無しはいつも通り(嬉しい!)、舞台左袖の扉の開け具合?で舞台裏Tpに強弱を出す演出と、いつも大袈裟にやる終楽章最初の緩徐部での盛り上がりがバッチリ決まったのが印象的。弦はまずまず揃っていて音量もそこそこながら色気の無い弾きっぷりでマーラー向きではなさそう(でも外人コンマスは色気たっぷり)、木管はCl筆頭にノリよく、ベルアップは水平以上、終楽章にこんなにベルアップの指示あったっけ、と思う程、8本のHrは補助のTbと共に2度目のパッセージから起立(でも補助Tpは立たず)、ブラスは全般に鳴りよかったですが、激ウマTpトップは(アシ無しだったこともあり)飛ばしすぎて最後の方はやや死んでました。終わるとすぐに次の楽譜を出しアンコール用の団員も参入、で始まったのはラ・ヴァルス!これまた緩急目一杯、次の楽譜もありそうでしたがここで終演。

 終楽章ミュート着脱早業ファンファーレ部分はミュート部分の最後をサボる(任せる)作戦でした。

 チョンのマーラーは東フィルを始めロンドン響、N響、アジアフィルなど色んなオケで聴いてますが、一番個性を強く出し、かつ一番それがキマっていた印象です。

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