2015年3月28日土曜日

ドゥダメル&ロスフィルの明晰にして雄大な6番

 スダーン&音大フェスオケの松&展覧会を聴いた後、ミューザからサントリーへ移動してドゥダメル&ロスフィルへ、ホール近くの桜坂、昨夜は四-五分程度だった桜が八分咲きになってます。

 ロスフィルと言えば中高の頃、東海岸のビッグ5(CSO、CO、フィラデルフィア、BSO、NYP)と比べて西海岸のオケを何となーく低く見ていた(ま、メータ&LAPOのレコードで「ロスフィル余り上手くはないなー」と感じてはいました、がそれを言えばバーンスタイン&NYPもレコードを聴く限り上手じゃなかった…)こともあり、それから3-40年も経っているにも拘らず、「ロスフィルに9000円は出せないでしょ」と縁遠くなってました。

 とは言え、ドゥダメルはシモン・ボリバルとの来日公演でその魔法のサウンドに驚嘆して以降最注目の指揮者、しかもマーラーってこともあって頑張って直前入手、ffでも弦のすべての動きが聞き取れるあのミラクルサウンドが他のオケでも聞けるんでしょうか?

3月28日(土) サントリーホール
 グスターボ・ドゥダメル&ロサンゼルス・フィル マーラー Sym6番
弦バスが左奥にくる対向配置、Hr8,Tp6,Tb4、冒頭から厚みある低弦の響き、木管も勢いあり、全員がピストンのラッパ部隊が如何にもアメリカのメジャーって吹きっぷり、Hrはトップが各所で見事なソロ、全体でもしっかり、Tbはもう少し吹いて欲しかったかも、とブラスは決して全開にはならないにしても、オケ全体では弦管合わせてスケール雄大な響き、ドゥダメルは遅めベースに、(1番の時と同様)遅い部分はより遅くなる傾向で、トータル90分コース! 余り大きくない動きの中にも結構細かい指示を出し、マーラーっぽく粘るというより、単に情感豊かに語ろうとしてテンポが揺れる印象、特にアルマの主題はロマンティック、注目の弦のクリアーサウンドはシモン・ボリバルの様な解像度は無かったですが、特に終楽章ではこれまで聴いたことのない各パートの明晰な主張が聞き取れました。第2楽章だった(大反対!)アンダンテ、コンマスのソロ美しく、終りかけてから再度復活して盛り上がる部分への開始を告げるチェレスタの1発が印象的で、その後の盛り上がりは情感たっぷり、終楽章では序奏のハープとチューバに存在感、中盤以降はブラスの鳴りがややUP(それでも8分程度か)、ハンマーは2度、白く大きな箱の上に置いた板を木槌で叩く趣向、担当奏者が巨人で迫力、終盤のシンバルの花は5対、かなり激しい最後の1撃の後、音が消えてからもドゥダメルは20秒は黙祷する勢い、でしたが、17秒あたりで耐え切れなくなるお客さんがいて拍手開始、ブラス陣は楽譜を出してました(さすがプロ!)がアンコールは無し。

 アバド&ルツェルン以来のスケール雄大にして満足出来る6番でした。ロスフィル(ついでにサンフランシスコ響も)ナメていてごめんなさい!って感じです。

 6番の第3楽章(アンダンテ)は、自分にとって3番の終楽章、10番の終楽章と並んでそれなりに演ってくれれば感動する曲、でも実際に感動したのは久々な気がします。

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