2015年12月23日水曜日

アリスの国名シリーズ、第7弾でようやく王家の血統ど真ん中 - 有栖川有栖「スイス時計の謎」

 昨夜は雲が出て冷え込み甘くぎりぎりマイナスになった程度、雲だんだん厚くなる中、東京に出てテニス。

 午後の最高7度台とかなり低め、普段は東京に出ると暖かく感じるのに都心も寒々、午後からは小雨。

 冬の課題図書作家アリスシリーズ、第6弾の長編「マレー鉄道の謎」はさすがに読んだ記憶があるため、6冊目に手にしたのは国名シリーズ第7弾、世評の高い表題作を含む4編を収録。

 何故か本巻から活字がスカスカ、数えてみると「ペルシャ猫」までは41字×17行だったものが、本作から38字×16行に減少、うーん、他の文庫もそうだけど、どんどん紙の無駄遣いへシフトか…。

スイス時計の謎 有栖川有栖
 ダイイングメッセージ、首切り&ファイダニット、密室、そしてガチガチのフーダニット、と前短編集から一転して王道直球ど真ん中の作品ばかり、特に中編に近い分量で鮮やかなロジックを展開した表題作は噂に違わぬ逸品でした。

 本編を評するにピッタリの言葉を、太田忠司氏の巻末解説(講談社文庫版)より引用します:

これまで「本格ミステリとは?」という質問に対して「クイーンの『エジプト十字架の謎』におけるヨードチンキの瓶です」と答えていた。これからはそれに加えて「それと国内なら『スイス時計の謎』における腕時計ですね」と答えようと思う。

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