2005年12月31日土曜日

2005年印象に残った演奏会

 夜行バスは無事金沢駅に到着。着いた5分前は何故か晴れてましたが、いまは雪、さすが北陸です。

 今年行った演奏会は70回余り、次の2公演が強く印象に残っています。

ブロムシュテット&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管 ブルックナー7番
 ゲヴァントハウス管の渋い響きと、よく統制された完成度の高いブルックナー、文句無く今年のベストワン!

ムーティ&ウィーンフィル スペイン狂詩曲、三角帽子、運命の力
 VPOとしては珍しい筈の曲が見事な色彩感で鳴るのに驚き、一糸乱れず疾走するアンコールにシビレました。

 後は順不同に10公演くらい。

エッシェンバッハ&フィラデルフィア管弦楽団 マーラー9番
 第1楽章がこれほど烈しくうねる9番を実演で聴いたのは初めてです。

大野和士&ベルギー王立歌劇場管 マーラー5番
 やり過ぎなくらい耽美的な第4楽章としっかり鳴ったフィナーレに。

インバル&ベルリン響 マーラー9番
 うねるような分厚い弦の響きを非力なオケから引き出した終楽章に。

マゼール&トスカニーニ・フィル マイスタージンガー、未完成、牧神の午後への前奏曲、ローマの松
 若くて上手いオケを得て、やりたい放題のマゼール節が久し振りに聴けました。

ヤンソンス&バイエルン放送響 トリスタンとイゾルデ、火の鳥、ショスタコーヴィチ5番
 どの曲も豪華な響き。特に火の鳥のフィナーレは壮大でした。 

小林研一郎&日フィル マーラー1番
 各所で顰蹙を買っているとは思いますが、あれだけブラスが鳴るクライマックスは聴いたことがありません。

小泉和裕&都響 家庭Sym
フルネ&都響 ダフニスとクロエ組曲第2番

 小泉のダイナミックなR.シュトラウスとフルネの精妙な響きのラヴェルが一夜にして聴ける贅沢さに。

スクロヴァチェフスキ&読売日響 ブルックナー7番
 ザールブリュッケン放響との共演時よりスケールの大きい見事な演奏。

メータ&バイエルン国立管 ドン・ファン、ティル、英雄の生涯
 初めてメータの指揮で(少し)劇的な表現が聴けました。

岩城宏之&東フィル ローマ3部作
 今年7度聴いた「松」の中で、意外にもこれが最高の迫力。

 最後に番外編、ちょっと違う意味で記憶に残る公演です。

<番外>
カスプシク&ポーランド国立歌劇場 サロメ
 ラッパライネンさまを拝めたので。

マカル&チェコフィル マーラー5番
 マカルの指揮のキョ-レツな怪しさに。

ギルバート&東京のオペラの森管弦楽団 アルプスSym
 弦のよく鳴るいいオケでしたが、観客の少なさに驚き。

2005年12月27日火曜日

2005年一番聴いた曲

 昨夜からFMで年末恒例のバイロイト音楽祭が始まりました。ワーグナーの楽劇は留守録がきかないので、毎晩エアチェック(死語)に大忙しです。

 今年最後となる試合は開始が8時と無茶な時間設定のため、5時起きして出発。まだ暗い空では三日月と木星がランデブーしてました。相手が第2シードのため瞬殺され、午後には職場復帰。貰った賞金千数百円は片道の交通費程度。まあ、今年獲得した金額は総額でも数千円でしょうから、シャラポワの10万分の1くらいです。

 今年を振り返る第1弾として、コンサートでよく聴いた曲を集計してみました。これが比較的簡単にできるのがブログのいいところ。4回以上聴いた曲を挙げてみると、

8回:マーラー Sym1番
7回:ローマの松
5回:マーラー Sym5番、ローマの噴水
4回:ショスタコーヴィチ Sym5番、ラフマニノフ Sym2番、ローマの祭

となりました。

 ローマ三部作とラフマニノフは好きだから、という要素が大きいですが、マーラーやショスタコーヴィチに関しては、これが巷の演奏頻度を反映してるだけで、特に好きな曲という訳ではありません。マーラーだと、3,2,6,9番あたりが好みですし、ショスタコだとやはり4,8番あたりを聴きたいところ。

2005年12月26日月曜日

百番目? - ジャック・カーリイ「百番目の男」


 今日は仕事を休んで試合。茨城はいつも通り寒かったようですが、東京はそこそこ暖かかったです。ただ風はかなりあってプレーしにくかったです。その風のせいか珍しく勝ち、明日も仕事をサボる羽目に。

 週末に今年度の話題作の一つ「百番目の男」を読みました。「バカミス」とか「今年最大の驚愕(笑)」などと評される怪作らしいので、ちょっと楽しみ。

百番目の男 ジャック・カーリイ
 意外と普通のサイコサスペンス風警察小説でした。登場人物の造型やサイドストーリーもなかなかで、とても面白く読みました。ただ、某有名作品と設定が丸かぶりなのが難点です。また話題の「驚愕の真相」ですが、自分にはごく自然に感じる内容でした。ってことは、俺にサイコパスの素質があるってことか…。

 最後まで読んでも、タイトル(「百番目の男」原題も同じ)の意味が判りません。頭悪い…。

2005年12月23日金曜日

ラフ2で聴き納め - 米津俊広&埼玉大学管弦楽団

 昨日と同じ程度の気温でしたが、風が無かったせいでだいぶ暖かく感じた一日。日も少し長くなってきました。と言うのも、昼が一番短いのは勿論冬至ですが、日の入りが一番早いのはそれよりだいぶ前にずれ、一方、日の出が一番遅いのはだいぶ後、1月にずれ込むからです。理屈はよく判らないのですけれど(汗)。

 浦和まで遠征し、大学オケでラフマニノフを聴いてきました。以前だとマーラーでもない限り足を運ばなかった場所ですが、つくばエクスプレスのお陰で1時間しか掛かりません。

12月23日(金・祝) さいたま市文化センター
 米津俊広指揮埼玉大学管弦楽団 ボロディン 中央アジアの草原にて、シベリウス Vn協奏曲、ラフマニノフ Sym2番
 大学オケの常としてオープニングは危なっかしかったですが、後半のラフマニノフでは、特に木管陣が安定して、まずまずの演奏でした。ただ、結構いい音だったTpとTbにもう少し吹いて欲しかったです。響きの悪いホールのせいで迫力不足に感じた面もあるかもしれません。アンコールはくるみ割り人形から、短くて闊達な曲を1曲。少し羽目を外しぎみに楽しく終わりました。

 今年このホールに2度来ることになるとは思ってもみませんでした。たぶんこれが今年の聴き納めになると思います。

2005年12月19日月曜日

ドミトリエフ&サンクトペテルブルグ響のショスタコーヴィチ5番

 トヨタカップ、申し訳ありませんが勝たせていただきました。シシーニョがあれだけ凄いとは知りませんでした。高年齢化の進むセレソンのサイドバック陣を考えると、W杯制覇には欠かせない人材という気がしてきました。

 最高気温が5度を下回った昨日ほどではありませんが、本日も強い風が吹き荒れる寒い一日。ただ都心は今年初のマイナス気温を記録したようです(冬日と呼ぶらしい。最高気温がマイナスだと真冬日か?)。

 ロシアオケのショスタコーヴィチを聴いてきました。サンクトペテルブルクといっても旧レニングラードフィルとは全く別の楽団、そのせいか会場の入りは半分程度でした。

12月19日(月) サントリーホール
 アレクサンドル・ドミトリエフ指揮サンクトペテルブルグ交響楽団 エグモント序曲、モーツァルト PC21番、ショスタコーヴィチ Sym5番
 前半2曲は守備範囲外でコメント不能ですが、盛大な拍手に応え、盲目のピアニスト梯剛之が演奏してくれたアンコール(モーツァルトの幻想曲?)非常にロマンティックでした。
 ドミトリエフのショスタコーヴィチは、第1楽章など緩徐部分のテンポがかなり速く、逆に速い部分はやや遅め、また終楽章はムラヴィンスキー的なテンポでした。弱音を精妙に聴かせるタイプではなく、ffもそれほど爆発しないので、全体としてはやや平板な印象も。第2楽章の諧謔味、第3楽章の悲しみ、終楽章の空騒ぎ、どれもそれなりでした。ただ期待のロシアンブラスは要所でそれなりにブカブカ吹いてくれました(ラストのハイトーンでTpが力尽きたのは残念。)し、やや音程が怪しかった弦セクションも音量はかなり出てましたから、まずまずの演奏でした。終楽章のコーダへ向けて盛り上がる部分で、指揮で縦のリズムを刻まず、ふにゃふにゃな棒で持っていったのが個性的で印象に残りました。アンコールはグラズノフのバレエ音楽からタイプの異なる2曲、どちらも盛り上がってそれなりに満足の一夜でした。

 オケのロシア訛りも中位で、何を取ってもそれなりの演奏会でした。

2005年12月18日日曜日

弦楽の聖夜 - ローマ弦楽合奏団

 昨夜のスケート観戦の後はXmasパーティに興じ、1時頃に帰宅。留守録された「野ブタ」最終回を観ようとしたら、何故か「ぶらり途中下車の旅」が…。何と午前と午後を間違えるという基本的なミス!ショックです。生を観たので失敗してもよかったGPファイナルの方はしっかり録画されてましたけれど…。

 本日は冷え込みは甘かったのですが、日中は気温が上がらず、風も強かったので体感温度の低い一日。時節柄ということで、やや守備範囲外ですが弦楽合奏をみなとみらいで聴いてきました。

12月18日(日) みなとみらいホール
 ローマ弦楽合奏団 アルビノーニのアダージョ、パッヘルベルのカノン、ヴィヴァルディ 四季など
先月聴いたイ・ムジチと同じ編成(Vn6、Vla2、Vc2、Cb1+チェンバロ)。イ・ムジチに比べ、ややこじんまりとした響きですがまとまってました。得意分野ではないので、「四季」を季節毎に分割し、間に小曲を挟むというプログラミングは嬉しかったです。お約束とはいえ、アンコールもたっぷり3曲。こういった出稼ぎ系の演奏会では、特別編成の団体だったりして、ビックリするくらい下手な場合がままありますが、ここはちゃんとした団体なのか、音程もしっかりしてて、いい演奏でした。

 「野ブタ」ショックからまだ立ち直ってませんが、帰って(留守録されてる筈の)トヨタカップ決勝でも観ます。明日は今年最後のプロのオケ、ショスタコーヴィッチを聴いてきます。

2005年12月11日日曜日

もらい泣きのラフマニノフ2番 - 田部井剛&成蹊大学管弦楽団

 ポカポカ陽気の昨日とはうって変わって、身体に沁み入る寒さの一日。東京の最高気温9度はたぶん午前零時に記録されたもの。

 本日の午後、例によって行きたい演奏会が3つほど重なったのですが、ブラスのショスタコ(金賞受賞団体!)と迷った末、このアマオケを聴きました。

12月11日(日) 武蔵野市民文化会館
 田部井剛指揮成蹊大学管弦楽団 ベートーヴェン エグモント序曲、ハチャトゥリャン 仮面舞踏会、ラフマニノフ Sym2番
 オケは音程など全体的に発展途上の感はありましたが、ラフマニノフなどはそれなりにまとまった演奏でした。その代わり羽目を外さないところが少し物足りなくもありました。また第3楽章では、弦、特にVnの音がよく伸びるようになり、綺麗な旋律を聴かせてくれました。あと特筆すべきは女性ばかり4人(!)のTpセクションがとてもいい音を出していたことです。アンコールはこの日一番印象的だった第3楽章、後半をもう一度。当然ピッチも悪化し本番より出来が悪くなる訳ですが、Tp奏者の方が感涙されており、それを見てこちらも思わずもらい泣き、ちょっと恥ずかしい思いをしました。

2005年12月10日土曜日

ブラスの響き - ボストン・ブラス

 朝は5時起きして大磯まで遠征して試合。一発目で負ければ午後にボストンブラスを、一回勝てば夕方にアマオケでショスタコを聴き、その後は宴会。戻りは100%午前様になるので、記事だけ作っておきます。

<続き>
 いま日曜の朝、昨日は自分史上最低レベルのプレーで惨敗。考えてみればこの半年、テニスを始めて以来最も練習してなかったので、これが現在の実力です。練習量だけで持っているタイプなので。

 まあ、そのお陰で、2時開演のボストン・ブラスを聴くことが出来ました。先日偶然耳にしたオンエアで技巧はもちろんセンスのいいアレンジに舌を巻き、来日を知り是非聴いてみたいと思っていたもの。フィリアホールのある青葉台は大磯からの帰り道みたいなものですし。

12月10日(土) フィリアホール
 ボストン・ブラス くるみ割り人形、新世界、イン・ザ・ムード、キャラバン、クリスマスソングなど
1stTpが数ヶ月前から交代になりちょっと不安でしたが、それを感じさせない見事なアンサンブルでした。というか少しカラーも変わった気もします。時節柄クリスマスソングが中心で、お得意のジャズっぽい曲が少ないのはちょっと不満でしたが、ラストのデューク・エリントン「キャラバン」には感動しました。

 学生は入場料が1000円、しかも無料クリニック付きのためか、お客さんの半数近くは楽器持参の中・高生、そしてほぼ全員が女の子。金管なのに。最近の男の子はブラスバンドなんかやらないのか?

 演奏に満足したので、夜の宴会との兼ね合いもあり、夕方のアマオケは回避してしまいました。今日(日曜)はこれからアマオケでラフマニノフの予定です。

2005年12月8日木曜日

真打ちの誘拐物 - 連城三紀彦「人間動物園」

 今日も気温的には昨日と同じくらいでしたが、昼休みのコ-ト上はだいぶ暖かく感じました。身体が冬仕様になってきたのでしょうか。

 もしかしたら「過去の人」とされているのかもしれませんが、連城三紀彦は自分にとって、泡坂妻夫、島田荘司、笠井潔など他の黄金世代の巨人と同様、100%信頼して読める、本格マインド溢れる作家です。まあ、人によっては恋愛小説家だと思っているかもしれませんけれど。

 誘拐ものの秀作が輩出した'90年前後から少し時を置いて、彼が誘拐ものに手を染めたということで、ちょっと前に話題になった作品が文庫化され、もう古本屋に並んでいました。

人間動物園 連城三紀彦
 満を持して(?)発表した誘拐ものだけに、さすがとしか言い様の無い、考え抜かれた斬新なプロットでした。推理物では犯人側と捜査側の読み合いとは別に、読者のヨミとそれを外す筆者との化かし合いがあると思いますが、こちらの予見する手は次から次へと明かされてしまい、なかなか底が割れない展開は見事です。二、三、偶然に頼った部分が少し気になりますが、それに関してもちゃんと言及しているあたりもさすがです。ただ、内包するテーマを余り重くしないようにする配慮からか、はたまたカーの様に伏線を見落とさせるためなのか、敢えてドタバタ調にしていますが、なりきっていないところが少し微妙な気がしました。よりドタバタに徹するか(それはダメか…)、若しくはシリアス調にすれば、過去の代表作に迫れたのではないかと思います。

 初出の雑誌連載は1995年とのことですが、印象的なエピローグ、最後のくだりも、アメリカの同時多発テロの前に書かれているのだとしたら暗示的です。

2005年12月7日水曜日

ストラヴィンスキーづくし - 岩城&国立音大オケ 火の鳥、春の祭典

 本日も陽射しあるけれど最低マイナス2度、最高10度割れと寒い一日。しかも「ウォームビズ」なのか、職場の暖房は朝1時間だけなので一層寒く感じます。(だったら夏場あんなにガンガン冷房効かせるなよ!と言いたい。)

 岩城宏之の指揮は、メルボルン響とのアルプスSym以来20年近くご無沙汰でしたが、今年は2度聴くことになりました。今日は音大オケとのオールストラヴィンスキープロ、自由席なので暖房の弱い職場を早めに脱走し、2階センター前列を確保しました。

12月7日(水) オペラシティ
 岩城宏之指揮国立音大オーケストラ ストラヴィンスキー 火の鳥、詩編交響曲、春の祭典
岩城氏の指揮は手馴れた感じで、比較的淡々とした印象。またオケは管セクションはそれなり、弦セクションはもっと音に伸びが欲しい感じ。火の鳥は氏のやや速めのテンポにオケがついてこない部分もありましたが、最後はそれなりの盛り上がり。ただ終曲のファンファーレ2順目がスタッカートだったのは不満でした。1945年版(?)ではままありますが、1919年版でこの解釈は初めてな気がします。初めて実演を聴く詩編交響曲は真ん中にピアノが2台、そして弦が低弦だけという変わった編成。リズムなどオケは鋭さに欠けましたが、Pブロックあたりを埋め尽くす、総勢120名を超える合唱はホールを満たす迫力でした。最後のハルサイもリズムの鈍さが気になりましたが、ラスト5分に来ると、ここはより難しいだけによく練習したのか、急に響きが鋭くなり、なかなかのキレと迫力でした。Hrはイマイチでしたが、Tp,Tbが要所で突出して吹きまくってくれたのが野性味があって良かったです。

 オペラシティは悪い(安い)席でも結構音が好みなのですが、その分いい席に座っても余り感動はありませんでした。

2005年12月4日日曜日

陽性のブルックナー - 大井剛史&ル スコアール管のブルックナー8番

 昨夜のNHK杯、中野友加里はやりましたね。一方安藤美姫はちょっとヤバイです。しかし何より驚いたのは、リアシェンコが未だに現役で、しかも高いレベルを維持してることです。

 こっちもやってしまいました、ボケがどんどん進んでます。今日の午後はミューザ川崎でアマオケ鑑賞。当日指定だったので開演よりずっと前に会場に行き2階センターブロックを確保したのはいいのですが、開演時刻1時半を何故か2時と勘違い。1時間以上あるなあ、と思ってホール下の本屋で立ち読みしたり、駅の反対側、チネチッタの向こうにあるラーメン屋「ちくらっぽ」に行ったりしてました。1時50分にホールに戻った時には勿論前プロのヒンデミットは終わる寸前。ただ愕然とするのみです。まあ、ラーメンは濃厚とんこつしょうゆで美味しかったですけど。

 逆に嬉しかったのはフェドセーエフ&モスクワ放響の最安券が今日でも取れたこと。ほぼ1年置きの来日で新鮮味が無いのでしょうか。「展覧会」ショスタコ10番、両日とも確保しました。

12月4日(日) ミューザ川崎
大井剛史指揮ル スコアール管弦楽団 ヒンデミット ウェーバーの主題による交響的変容、ブルックナー Sym8番
 ブルックナーはそれ程聴かないので、お目当てのヒンデミットを逃したのは痛恨です。大井氏は学生指揮者かと思わせる外見の地味さと裏腹に、明快な指揮でオケから陽性で厚い響きのブルックナーを引き出していました。オケはどのセクションもなかなか安定しており、特にホルンの豪快な強奏が印象的でした。

 初めてミューザの良い席に座りましたが、2階席は舞台に近く、直接音と残響のマッチした独特の良さがありました。ただお客さんが少なめで、一階後方と2,3階のセンター付近しか入っておらず、勿体無い感じがしました。タダでミューザで音楽が聴けるのに。

 午後からは雨、本格的に降るのはほぼひと月振りです。

2005年12月2日金曜日

清楚なシェエラザード - 井崎正浩&法政大学交響楽団 プロコ ロミジュリ、シェエラザード

 今朝もマイナス2度の冷え込み&日中も10度程度。ただ午後から曇ってきたせいで、今夜の冷え込みはそれ程でもなさそうです。

 明日は一日都内某大学で集中講義を仰せつかっているのですが、その準備がまだ終わりません。こんな時こそ現実逃避行動、という訳で、埼玉に遠征してアマオケを聴いてきました。

12月2日(金) 川口リリア メインホール
 井崎正浩指揮法政大学交響楽団 シベリウス 「カレリア」序曲、プロコフィエフ ロミオとジュリエット、R=コルサコフ シェエラザード
 カレリアが組曲じゃなくて少しがっかり。ステージごとに多数メンバーが入れ替わる学生オケの常として、前半不安定だった演奏も後半はかなり落ち着きました。ただ、全体を通して金管が抑え目だったので、少し物足りなかったです。出色は、標題に相応しい楚々とした表情付けが見事だった、シェエラザードのVnソロでした。アンコールはコーカサスの風景より酋長の行進(?)。この派手に盛り上がる曲が地味に演奏されるのを初めて聴きました。

 初めて来ましたがこの川口リリア、開演前のベルが異常にうるさかったです。

2005年11月28日月曜日

ヤンソンス&バイエルン放響 トリスタン、火の鳥、ショスタコーヴィチ5番

 昨日のJC、レコードタイム2分22秒1にはビックリです。

 今日はこれから期待のヤンソンス、例によって記事だけ作っておきます。終演後オペラシティへダッシュしても京都芸大(ローマ3部作)には間に合わないだろうなあ…、聴けないのがホント残念。

 戻りました。ヤンソンスの特質は、奏者に気持ち良く演奏させる才能、だと思います。場所によってはもの凄くクセのある表現をするのですが、それらはリハで仕込んでおいて、本番では奏者にある程度自由奔放にやらせる、という感じ。昨年のコンセルトヘボウ管との演奏をその前のシャイーの指揮と、そして今回のバイエルン放響を以前のマゼールの指揮と比べた時、どちらもヤンソンスの下では、奏者(特に木管)が楽しそうにノッて演奏している分、音の伸びがいいように感じます。反面、アンサンブルの精度は落ちる気がします。

11月28日(月) サントリーホール
 マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送響 トリスタンとイゾルデ、火の鳥、ショスタコーヴィチ Sym5番
まずトリスタンは結構無造作に始まり、緊張度が足りない気がしましたが、クライマックスの密度の高い響きでその不満は忘れました。次の火の鳥では、階段を一段ずつ昇るような終曲の盛り上がりは壮大で、自分にはこれが白眉でした。後半のショスタコは、時たまクセのある表現を交えながらも、基本的にはオーソドックスな解釈。諧謔味溢れる第2楽章と、実力者の揃う木管陣のソロと弦セクションの幅広い表現力とが発揮された第3楽章が印象的でした。終楽章も弦がよく鳴っていて驚きました。一方、金管はHrこそ凄かったですが、Tp,Tbとももっと吹けるのに、という感じだったので、両端楽章は少し不満が残りました。とは言ってもトータルとしてはゴージャスな演奏でした。まあ、ショスタコ独特の厳しく背筋が寒くなる響きとは少し違う方向性ではありますけれど。アンコールは2曲、ソルヴェイグの歌とファランドール。勿論会場は大興奮です。

2005年11月27日日曜日

ジャジューラ&キエフ国立フィル ショスタコーヴィチ11番

 今日は昨日より少し暖かく、ぼちぼちの陽気。この週末、教え子の試合の応援や、テニスの後輩の学園祭などに行きましたが、自分自身の練習は出来ませんでした。

 初めて買ったLP(古い)がショスタコーヴィチの5番(バーンスタイン&NYPの旧盤)だったくらいショスタコは好きです。ただ、実演となると1,5,7,10番あたりはそれなりに聴く機会はありますが、11番となると初めてな気がします。アマオケの「ローマの松」を諦めてのショスタコ11番、旧ソ連系オケだけにちょっと楽しみです。

11月27日(日) 芸大奏楽堂
 ニコライ・ジャジューラ指揮キエフ国立フィルハーモニー響 チャイコフスキー PC1番、ショスタコーヴィチ Sym11番
前半のソリスト、アリス=紗良・オット(日本語ペラペラ)はスレンダーで麗しいルックスから受ける印象より逞しい音でした。拍手に応え、アンコールとしては大曲のハンガリー狂詩曲第2番を一気に弾いてくれました。ジャジューラの指揮はオーソドックスで端正なもので、細かい指示は余りせず流れに任せる感じ。そのせいか、ショスタコの第1楽章など、音に鋭さや緊張感が欠けている気がしました。ただ、虐殺を表現したとされる第2楽章後半では、一転して響きが鋭くなり凄みが増した感じ。速めのテンポの終楽章も、特にクライマックスになかなかの凄みを感じました。弦セクション(チェロに男性がたった2,3人)はよくまとまってはいるけれどボリュームが無い感じで、それに合わせるように、管セクションもバランスを崩すほどには鳴らさず、常にこじんまりとした音造りでした。その点、旧ソ連というと破天荒なバリバリブラスをイメージしてる自分には、意外であり、少し不満でもありました。アンコールはくるみ割り人形から2曲、チェレスタの活躍する曲と花のワルツ、こちらは少し表現に個性を感じました。

 それなりの凄みも感じる演奏でしたが、曲の凄さなのか、演奏の凄さなのか、初めての実演だけに判然としませんでした。爆演タイプと噂のラザレフが日フィル(だったかな?)を振った同曲を聴きに行けばよかったです。

 明日はこの秋一番期待している、ヤンソンス&バイエルンのショスタコです。

2005年11月26日土曜日

「芸術の秋」の悩み

 ああ、ホルキナやっぱり引退しちゃったんですね。彼女の不在は淋しいところですが、昨日の体操世界選手権女子個人総合、アメリカ勢2名の争いは熱かったです。所作の優美なリューキンを応援してたんですが、メメルが勝って良かったです(0.001ポイント差!)。何故って、勝敗を決する最終種目の床、メメルは前宙ダブル、伸身ダブル、屈伸ムーンサルト、屈伸ダブル(これは超余裕!)と入れてきたのに、リューキンのタンブリングは得意の捻り系のみで余りにセコいと感じたので。

 芸術の秋、という季節柄か、行きたいコンサートが重なって困ります。今週2度そういうことがありましたし、明日もキエフ国立フィルのショスタコとアマオケの「ボレロ」「ローマの松」が重なって後者を諦めます。また、明後日もバイエルン放響と重なって桐朋・京都芸大の合同演奏を聴くことが出来ません。特に後者は楽しみにしていただけに痛恨。

 と言うのも、マーラーと同じくらい好きなR.シュトラウスですが、感動する演奏に出会ったのは一度だけで、それが10数年前に京都芸大オケで聴いた「ばらの騎士」組曲だったから。また曲目も「展覧会」「噴水」「松」とド派手! 身体が二つあったらいいのに…。

2005年11月25日金曜日

コバケン&東京芸大学生オケのマーラー5番

 体操の世界選手権、冨田と水鳥の1-2フィニッシュは凄いですね。体操ニッポンと呼ばれた子供の頃を思い出します。個人的には日本選手が活躍してもしなくても構わないのですが、そのお陰で地上波で世界選手権が観られるのが嬉しいです。(昔は毎年しっかりと放送されていたのですが、このところ地上波での放送枠は激減してたので。) 今夜の女子個人総合が楽しみです。

 本日はこれからコバケン&芸大オケのマーラー5番。悲しいことに、同じ時間帯にすみだトリフォニーでやはり学生オケによるショスタコ「祝典」マーラー「巨人」という聴きものがあり、一昨日と同じく迷った末、コバケンにしました。例によって記事だけ作っておきます。

 更新が翌日になってしまいました。

11月25日(金) 芸大奏楽堂
 小林研一郎指揮東京芸大学生オーケストラ マーラーSym5番
今日の芸大学生オケ、メンバーがかなり異なるせいか、はたまた自学の先生の指揮で気合が入ったのか、演奏精度は先月よりかなりマトモでした。Tpなどソロもまずまず。第3楽章など乱れたりもしましたが、コバケンの浪花節的な歌い回しにもかなり付いてきており、それなりに納得の演奏でした。ただ、最後のブラスの爆発はコバケンにしては中位だったので、期待以上という訳にはゆかなかった感じです。アンコールは例によってコバケンの口上の後に、終楽章のラストをもう1度。

 コバケンの5番を聴くのは5度目ですが、かなり当たり外れがあり、2勝2敗1分け、という感じ。今回のは引き分けです。

2005年11月24日木曜日

弦楽の夕べ - イ・ムジチの四季

 本日はここ数日で一番の陽気。ただ17、8度くらいでかなり暖かく感じる自分が情け無いところ。昨夜帰ると留守電に「明日の埼玉オープン、ラッキールーザーに余裕がございますのでいらして下さい。」とのメッセージ。ラッキールーザーとは敗者復活みたいなもので、一度負けたトーナメントに棄権者が出た時、繰り上がりでまた出られる制度。また早起きして試合に行き、またサクサク負けてきました。休暇をどんどん無為に消費してます。

 自分は金管出身なので派手にブラスが活躍する曲しか聴かないのですが、いつもコンサートへ一緒に行く友人は弦楽出身。たまには彼の嗜好に合わせます。(でも年に一度くらいなので、申し訳程度。) それで今夜はイ・ムジチ。例によって帰りが遅くなるので、記事だけ作っておきます。

 オペラシティのクリスマスツリーはとっても綺麗でした。ただ、肝心の友人が仕事でドタキャン、これじゃ意味がありません。

11月24日(木) オペラシティ
 イ・ムジチ合奏団 四季など
Vn6、Vla2、Vc2、Cb1+チェンバロと思ったより大きめの編成。そのせいか、精妙なppから荒々しいffまで、表現のダイナミクスに幅広さを感じました。ただ、音程の正確さなどは想像してたほどではありませんでした。またヴイヴァルディのソロは年配のリーダーでしたが、前半のVnソロは際立って若い別の奏者が執っていたのが興味深かったです。アンコールは3曲、特に(いつもやるのでしょうけれど)赤とんぼで泣かせてくれました。

 開演が7時で終演は9時半、守備範囲外だけに正直途中はちょっとキツかったです。明日はコバケンのマーラーです。

2005年11月23日水曜日

気合のマーラー - 横島勝人&八王子フィル マーラー1番

 今朝は冷え込みも甘く、日中もまあそれなりの陽気。午前テニス、午後コンサートといつものパターン。

 ただ聴きたい演奏会が同じ時間帯に3つあり、迷った挙句、やはりマーラーに決定、八王子まで遠征してきました。

11月23日(水・祝) 八王子芸術文化会館 いちょうホール
 横島勝人指揮八王子フィルハーモニー管弦楽団 ブラームス ハンガリー舞曲1,6,5番、R.シュトラウス Hr協奏曲1番、マーラー Sym1番
 創立22年の中堅どころの市民オケ。各パート音程など不安定で少し危なっかしい面もありましたが、よく練習して意思統一が図られているのか、奏者のフレージングや強拍の付け方などに統一感があり、それが演奏にリズムをもたらしていました。また横島氏の指揮は唸り声や激しいアクションを伴う熱演型で、オケもかなりそれに応えていました。金管群も頑張って、終楽章コーダもなかなかの迫力。特に大増強のHrセクション(推定13、4名、数が多すぎて数えられませんでした。)は要所でよく鳴ってました。また何と3楽章冒頭の弦バスのソロをパート全員で弾くという趣向に驚きました。アンコールはしみじみとG線上のアリア。

 八王子駅へと向かう帰り道、「キムチ食べ放題!」という文句に惹かれ、ふらふらとラーメン屋へ。「八王子ラーメン とん八」とかそんな名前のそのお店、なかなか個性的ならーめんでした。

 明日は守備範囲外の弦楽合奏を聴いてきます。

<追記>
 その後第3楽章冒頭の弦バスユニゾンは新版譜によるものと判明、しかもマーラーの字が汚く"solo"とも"soli"とも読めるからだそう、個人的には圧倒的にソロを支持します、ハンブルク稿(チェロと弦バスのデュエット)からも意図はsoloだと思うのですが…。

2005年11月21日月曜日

ギエムのボレロ

昨日の高橋尚子はやりましたね。あと浅田真央も立派!さすが美人のお姉さんを廃業に追い込んだだけのことはあります。年齢制限(?)でオリンピックに出られないのは返す返すも残念。K1も無事録画できていて満足、ただ個人的には頑張って欲しい二人、ピーターとジェロムが初戦で当たったのは哀しかったです。

 今朝は6時半起き(つくばエクスプレスのお陰で以前より1時間遅く起きてもOK!)して試合、情けなくも1次予選で敗退。しかし今朝は寒かった!試合会場でずっと凍えてました。調べてみると、最低気温はマイナス2度を下回っていました。

 バレエは殆ど見ないのですが、「不世出のダンサー、最後のボレロ!」などという煽り文句に弱いので、今夜はこれからシルヴィ・ギエムを観てきます。

 戻りました。ド素人目にもギエムの手先・足先の動きには他と一線を画す流麗さがありました。でもボレロと同様お目当てだったハルサイがギエムじゃなかったのには少しがっかりでした。演目自体は迫力でしたけれど。

2005年11月20日日曜日

マカル&チェコPO マーラー5番

 夜行バスは早朝6時に東京着、テニスまでちょっと時間があるので、暖房が効いていて快適な山手線をまず1周。十分くつろいだので、いま秋葉原のネットカフェです。午後のチェコフィルを挟んで2箇所でテニス、深夜帰ったらまず留守録されている(筈の)K1決勝に集中、と今後予定が立て込んでいるので更新するのは明日になりますが、記事だけとりあえず作っておきます。

 いやあ、かなり奇妙な体験でした。

11月20日(日) サントリーホール
 ズデニュエク・マカル指揮チェコフィル モーツァルト Sym.38番、マーラー Sym.5番
初めて聴くマカルのマーラーは、かなり細かく表情付けする濃い目の解釈。しかしながら、両手を激しく震わせる彼の指揮に、オケが半分程度しか反応していない感じで、指揮者はコテコテなのに、実際出てくる音のこってり度は中位、といった印象。要はマカルの指揮が相当合わせにくいんじゃないかと思います。特に第3楽章は危ないくらいに乱れる箇所も(平然と調整してましたけれど)。とても数年一緒にやってるとは思えません。その意味シンプルな第4楽章は一番マカル節が聴けた気がします。まあ、オケに地力があるので、終楽章もそれなりに盛り上がりました。特に、(ノイマン時代に比べると落ちたとはいえ)Hrは先週以上に鳴りまくっていて見事でした。一方、TpとTbはもっと吹いてもいいと感じました。とにかく、オケが付いて来ようが来まいが一切構わず我が道を行くマカルにただただ圧倒された午後でした。

 往年の大指揮者って、こんな感じだったんでしょうか、シェルヘンとか…。

2005年11月17日木曜日

アルミンク&新日フィルのマーラー6番

 今朝の冷え込みはマイナス1度!また都心もついに今秋初の10度割れを起こした模様です。

 本日はこれからアルミンク&新日のマーラーを聴き、その足で夜行バスに乗り出張です。たぶん明日まで書き込むチャンスが無いので、記事だけ作っておきます。アルミンクのマーラーと言えば、音楽監督就任記念演奏会での3番を聴きましたが、余り細かい指示をせず、奏者の自発性に任せるという感じでした。ただ、新日フィルに任されてもなあ、という感じでパッとしなかった印象です。今日の6番はどうでしょうか。

11月17(木) サントリーホール
 クリスティアン・アルミンク指揮新日本フィル ハルトマン Vnと弦楽のための葬送協奏曲、マーラー Sym.6番
アルミンクのマーラー、アクが無くてスマートなところは以前聴いた3番と同じですが、少し表情付けが細かくなった気もします。金管を派手に鳴らすことはぜず、常にバランスよくこじんまりとまとまっているので、物足りないのは相変わらずです。また、基本のフレージングは奏者任せですが、各奏者、特に木管セクションに、ノリノリの人から淡々とした人まで、温度差があるのが気になりました。ただ、そのせいか自慢のOb,Hrソロが魅せる(旧来の順番の)第3楽章はなかなかに美しかったです。終楽章もよくまとまっており、よりオケとの共同作業が進んだのか、彼固有の表現が増した分、3番よりも良かった感じです。ただPブロック真ん中の席だったので、アルミンクの男前っぷりに惑わされているだけかもしれません(笑)。

2005年11月15日火曜日

イリュージョニスト - クリストファー・プリースト「奇術師」

 今朝、地震がありました。震度3くらい。一晩曇っていたせいか、朝の冷え込みこそ甘かったんですが、日中は殆ど気温が上がらず、最高で12度足らず。堪まらずコタツ導入を決定しました。

 世界幻想文学大賞と言われると思い出すのがK.グリムウッドの「リプレイ」。抜群の着想、先の読めない展開とある種感動的な結末に唸りました。「魔法」が傑作との呼び声高いC.プリーストの'96年同賞受賞作品にして昨年度のベストミステリーの上位に評価された「奇術師」をいま読んでいます。まだ50ページほどあるので、感想は後で書き足します。

奇術師 クリストファー・プリースト
 一言一句よく考えられ、非常に巧緻に紡ぎ出された物語にすっかり惹き込まれました。三重、四重の意味を含むタイトル(PRESTIGE)の意味が明らかになるにつれ、現れてくる物語の全貌も見事です。ミステリーと言うよりはSFに近い作品ですが、マジックがプロットの要だけにミステリー的興趣にも富んでいます。未読の「魔法」も是非読んでみたくなりました。

 そう云えば、R.マシスン「ある日どこかで」も'76年の世界幻想文学大賞だったとのこと。原作は未読ですが、ジョン・バリーとラフマニノフの甘美な音楽が彩る映画はとっても良かったです。主演のC.リーヴはもう故人なんですね…。

2005年11月13日日曜日

スマートな祭典 - デュトワ&チェコPO 春の祭典、プロコ ロミジュリ

 今朝も冷え込みました。ただ、深夜3-4時頃一旦気温が上がったので、零度まではゆきませんでした。

 午前中テニス、午後コンサートと典型的パターンの休日。毎年の様に違う指揮者で聴けるチェコフィルです。

11月13日(日) サントリーホール
 シャルル・デュトワ指揮チェコフィル プロコフィエフ ロミオとジュリエット、ストラヴィンスキー 春の祭典
最初のプロコフィエフは、想像していたよりも少しメリハリの効いた感じの演奏。後半のハルサイは曲が曲だけに、少々の出間違いなどありましたが、特に破綻も無く、整然としたスマートな感じの演奏でした。どちらも僕がデュトワに持っている、ソツなくまとまっているけれど、驚きも少ない、という印象そのままです。かと言ってつまらない演奏という訳では無く、チェコフィルの地力そのままに、分厚い響きが堪能できました。特にHrがガンガン鳴っていましたが、Pブロック左前方、Hrのベルの真ん前に座っていたせいかもしれません。アンコールは「ルスランとリュドミラ」、弦セクションの威力を見せつける快演でした。

 今夜はこれから「トリック」のスペシャル版、とても楽しみです。

2005年11月9日水曜日

改変の理由 - 理由 <'04>(日テレヴァージョン)

 ここ数日連続しての小春日和。11月は小春というには寒過ぎる、と以前書きましたが、撤回します。十分春並に暖かいです。

 ミステリーの映像化、特にTV化作品となると、原形を留めない位に変容しているものが多く(「霧越邸」とか)、ミステリーサイドからはあまり評価できないケースが殆どという印象があります。

 宮部みゆきのテレフィーチャーと云えば、「サボテンの花」「レベル7」「龍は眠る」「スナーク狩り」「火車」「蒲生邸事件」「R.P.G.」など、いろいろ観ましたが、純本格系ではないだけに映像化に向いているのか、それなりの出来のものもあったような気がします。「理由」も最初BS用に映像化され、その後劇場公開されたと聞きます。昨晩のは地上波用に新たに編集されたものとのこと。兎に角、大林宣彦が監督してるとなれば見逃せません。

理由 (日テレヴァージョン)
 ワイドショー風に再編集、と聞いてはいましたが、レポーターが狂言回しとして要所に出る程度で、基本はオリジナル版と同じと期待してました。が、これ全編ワイドショー風仕立て。しかも実際のワイドショー以上に(煽り)字幕が頻発・常駐し、観辛いことこの上なかったです。BS版および劇場版を観ていないので何とも言えませんが、相当の改変があるんじゃないかと思います。大林節と言える特有のセンチメンタリズムもラストにちょっと出るくらいで、とても監督自身の手になる編集とは思えません。オリジナルを観ずにこっちを観てしまったことを、かなり後悔しました。
 ただ、最近滅多に見ない裕木奈江、中江有里(ミヤベ役!)など、大林監督作品を彩った懐かしい顔に会えた点で少し感動しました。

 そう云えば、赤川次郎作品「長距離電話」のBS用テレフィーチャー「告別」で裕木奈江が凄くいい味を出していたのを思い出します。もう一度観てみたいなあ。

2005年11月6日日曜日

力業のショスタコーヴィチ - 田部井&埼玉フィル シェエラザード、ショスタコーヴィチ5番

 今夜は格闘技イベントHero'sとユーべvs.バイエルンが重なって嬉しい悲鳴。ともあれ、フジのチャンピオンズリーグ中継は3年目にしてやっと偏りの無いものになり喜ばしい限りです。

 朝帰りで午前中は惰眠を貪り、午後は浦和に遠征し、埼玉フィルを聴きました。立派な名前ですがアマオケです。

11月6日(日) さいたま市文化センター
 田部井剛指揮埼玉フィルハーモニー管弦楽団 R.=コルサコフ シェエラザード、ショスタコーヴィチ Sym5番
50回記念演奏会ということで大曲を2曲。全パートそれぞれに危なっかしい感じはあるのですが、何とか破綻なくまとまっているのは老舗の故でしょうか。シェエラザートで感じた迫力不足もショスタコ第1楽章中盤と終楽章では解消され、雄渾なサウンドが聴けました。特にラスト、Tpのしぼり出すようなハイトーンに気合を感じました。第3楽章の木管陣のソロもまずまず。
 重量級プロにも拘らず、アンコールも重量級、ハチャトゥリャンのレスギンカだったのには感服です。

 コンサート会場を出ると冷たい雨、夜半の今も激しく降っています。

2005年11月5日土曜日

純度のシベリウス - 小倉&小原勝吉記念オケ シベリウス5番 フィンランディア

 本日も20度超のポカポカ陽気、先程までテニスをして、今はヨドバシAkiba店1階のフリーインターネットスペース。これからアマオケでシベリウスプロ、それから後輩の結婚パーティと続き、帰りは確実に12時を回るので、記事だけ作っておきます。

 案の定、終電を逃してしまいました。

 上記の演奏会は「千代田区芸術の秋フェスティバル」の一環として行われたもので、アマオケ4団体がほぼ1時間ずつ演奏してゆく長丁場のイベント。自分に興味のある曲は最後のステージだけでしたので、それだけ聴きました。

11月5日(土) カザルスホール
 小倉輝彰指揮小原勝吉記念オーケストラ シベリウス フィンランディア Sym5番
大オーケストラ曲しか聴かないので、実はカザルスホールは初めて。明治大学の卒業生を中心に結成されたオケとのことで、2管プラス少なめの弦(チェロと弦バスは各3、4名)という、トータル50人程度の小さい編成です。それでも最初のゆったりしたテンポのフィンランディアから迫力十分でした。(ホールが小さいせいもあるかもしれません。) 音程がやや不安定なせいで5番の第1楽章中盤の弦が重なってくる部分が少し現代音楽風の響きになったりもしましたが、Hrを始め金管が安定しているので、終楽章クライマックスへ向けての雄大なスケールと最後の6つの和音の純度の高い響きは見事でした。

 定員500名ちょっとのカザルスホールはがらがらで、聴衆は百数十人程度。なかなかの演奏で、しかも無料なのに勿体無い気がしました。明日もアマオケ、シェエラザードとショスタコ5番です。

2005年11月3日木曜日

最後の一踏ん張り - 新通&立教大響 マーラー1番

 10日間も結果を耳に入れないように頑張って、先程やっとPRIDE30を地上波で観ることが出来ました。ジョシュは身体が絞れてなかったし、逆に(当て馬と思われた)シャムロック兄は意外と絞った身体でした。

 本日はまず寝呆けて目覚ましを切ってしまったらしく寝坊、そしてギリギリ間に合った電車に乗る直前、10秒の早業で缶コーヒーを買おうとしたら自販機が100円玉を認識せず、電車が出そうになって代金回収を断念、とツイてないスタートでした。

 昨日と同程度の20度弱の陽気の下、テニスを早めに切り上げて、大学オケのマーラーを聴きました。

11月3日(木・祝) すみだトリフォニー
 新通英洋指揮立教大学交響楽団 モーツァルト 「フィガロの結婚」序曲 R.シュトラウス 4つの最後の歌、マーラー Sym1番
 技術的には全パートまだまだ発展途上の感はありましたが、余り粘らず、メリハリを効かせた新通氏のマーラー表現に、オケはよく応えていたと思います。かなり練習したのではないでしょうか。また、要所でVnがよく伸びてました。あと、不安定でややパワー不足の金管群でしたが、コーダではTpが頑張りました。アンコールはパフォーマンス付きの2曲。指揮者無しのグリーンスリーヴスと、最後に(立てる人は)全員の奏者が起立するラデツキー行進曲でした。「巨人」の最後ではHrは立たなかったんですけれど。

2005年10月28日金曜日

日韓交流のマーラー1番 - 鄭致溶&東京芸大学生オーケストラ

 阪神惨敗につき、喪中です。元気が出たら、書き足します。

<以下ほぼ全て追記>
 この日は20度を超す暖かい秋晴れの一日。同時間帯のチョン・ミュンフン指揮で日韓交流ユースオケによるチャイコフスキーの4番も聴きたかったのですが、やはりマーラー優先でしょ、てことで行ったのが次のコンサート。

10月28日(金) 芸大奏楽堂
 鄭致溶指揮東京芸大学生オーケストラ チャイコフスキー PC1番、マーラー Sym1番
こちらも日韓交流イベントでしたが、指揮者とソリストのみ韓国から招いた模様。音大のオケにしては技術的に未熟な部分が多くやや不満でしたが、ただのアマオケと思えば各パート穴が無い(特に弦)のはさすがです。ソウル・フィルの音楽監督でもある鄭氏の指揮は、指揮棒を使わず、滑らかな両手の動きで微妙にテンポを揺らし、オケをコントロールするもので、マーラー特有のアクの強さは余り感じませんが、要所ではそれなりに煽ります。ただリハ不足なのか、その指揮にオケが十全に反応してるとは言い難く、やや欲求不満が溜まりましたが、終楽章コーダはオケも一丸となって燃えたので、それなりに満足しました。弦や木管は当然ですが、Tpまで女性ばかり(5人中4人!)だったのには驚きました。

 芸大(学生)オケは来月もマーラー、しかもコバケンです。

2005年10月25日火曜日

マゼールの松 - マゼール&トスカニーニ・フィル マイスタージンガー、未完成、牧神、ローマの松

 ここ2日連続して朝方の最低気温が10度を割り込みました。たぶん今秋初めて。でも今日は昨日より暖かくなりそう、都心なら25度くらいでしょうか。

 誕生日なので、大好きな曲「ローマの松」を聴きに行きます。(勿論たまたまですが。) マゼールだけに、ド派手な演奏期待です。日本シリーズも心配です。感想等はまた後で。

 戻りました。なかなか良かったです。

10月25日(火) サントリーホール
 ロリン・マゼール指揮トスカニーニ・フィル マイスタージンガー、未完成、牧神の午後への前奏曲、ローマの松
 2002年に誕生したこの新しいオケ、メンバーは若く、コンミスも若い女性でした。実力もかなりのもので、弦の音はデカいし、管もなかなか充実、特にHrが素晴らしかったです。マイスタージンガーはマゼールらしくゴージャスな演奏。殆ど同じ大編成での未完成は、クセだらけの解釈で笑わせてくれ、牧神も通常とは違う響きに驚かされました。そしてラストは今年7回目になるローマの松。まずは期待通りの起伏に富む演奏でした。ただ、バンダもステージで一緒になって吹くスタイルで、金管の人数も最小限に抑えたせいか、迫力としては一番ではなかった感じです。でも、トータルでは今年一、二の松でした。
 軽めのプロのため、アンコールは3曲。まずはマゼール十八番のファランドール、彼の同曲はこれで3度目ですがいつ聴いても凄いです。次は「運命の力」序曲、表情豊かでスケールが大きく、見事な演奏でした。最後は初めて聴く曲で、これもヴェルディの「オテロ」からとのこと。もう会場は大興奮です。昨年のマゼール&NYPのマーラーは大人しめで物足りなかったのですが、今夜はたっぷりマゼール節が聴けて満足です。

 このオケかなりの実力ですが、ステージ上の態度にはアマオケっぽい真摯さがあり微笑ましかったです。帰り道、一緒に聴いた友人にとんこつラーメンをご馳走してもらいました。誕生日ですし。

2005年10月24日月曜日

ゴシック本格 - 乙一「GOTH」

今日も秋晴れで20度を少し上回る陽気。そろそろ25度超えして欲しいものです。

 先日、乙一の跳躍点とされる「GOTH」を新刊で購入(かなり読みたかったので)し、一気に読みました。しかし、1冊にしても400頁に満たない本を2分冊にする角川文庫さんの商法には納得できません。

GOTH 乙一
 ややホラー風でありながら、しかし本格のテイストにこだわった連作短編集にして第3回本格ミステリ大賞受賞作。(広義の)本格ミステリーの語法が、あの手この手と各編に盛り込まれており、期待以上の佳作揃いでした。かなりあざといのもありましたけれど。個人的な好みはやはり正統的スタイルの香りを持つ「暗黒系」「リストカット事件」あたり。ただ、話が理に落ちることで、ゴシックホラーとしての凄みや完成度は犠牲になっているとは思います。また2分冊にした唯一のメリットは、楽しい著者あとがきが2度読めることです。

 明日からは日本シリーズ本番。昨日までのはオープン戦ですから。しかし、明晩はマゼールの「ローマの松」に行く(これも超楽しみ)ので、TV観戦は無理っぽいです。そう言えば2年前も、バレンボイム&シカゴ響とシリーズ第6戦(たぶん)が重なって落ち着かなかったことを思い出します。

2005年10月23日日曜日

渾身のラフマニノフ - 松下&文京区民オーケストラ ラフマニノフ2番

 昨夜、悪い夢を見ました。阪神がボロ負けする夢です。確か昨日の試合は濃霧でノーゲームになったと思うんですけど。

 今日は20度を超す陽気に誘われ、まずテニス、それからマオケを聴いてきました。ただ、これから第2戦が始まるので、それに集中します。感想はそれが終わってから。

 今夜も金星や火星が綺麗みたいです。でも涙で曇ってよく見えません。本日もボロ負けだったので。してみると、昨夜のも夢じゃなかったようです。これ以上書く気力が湧きませんが、何とか頑張って感想を書きます。

10月23日(日) 文京シビックホール
 松下功指揮文京区民オーケストラ ボロディン だったん人の踊り、ストラヴィンスキー 管弦楽のためのSym、ラフマニノフ Sym2番
10年ちょっとの歴史の、比較的新しめのオケのようです。ややパワー不足の金管群の中では、Tbが元気でした。またチューバ奏者が女性でビックリ!でも僕よりずっと立派な体格でした。また弦セクションもやや不安定な面もありましたが、肝心のラフマニノフの第1,3楽章では、Vnを中心として伸びのある響きを聴かせてくれました。終楽章ラストもなかなかの盛り上がりでした。

2005年10月22日土曜日

柔らかなコラール - 東京トランペットコアー

 今日から日本シリーズ、敵地最初の2試合のうち1試合くらいは勝っておきたいところです。

 予報では落ちてこないない筈の雨が午前から降ったりやんだり。テニスをそこそこに切り上げ、暇になった午後、渋谷タワーのイベントで東京トランペットコアーのミニライブを聴きました。今日はTp4本、Tb4本、Tuba1本の編成でしたが、通常は丁度この倍の編成とのこと。この規模ですから、たぶん在京オケのメンバーの方が多いのでしょう。バロック曲を中心に比較的新めの曲まで、40分たっぷり聴かせてくれました。迫力は勿論ですが、柔らかく温かみのあるハーモニーが印象的でした。

 夕方から宴会があり、日本シリーズTV観戦は無理(涙)。開戦前のひと時、ヨドバシカメラAkiba館1階の無料インターネットスペースでこれを書いてます。

2005年10月21日金曜日

オラモ節 - オラモ&フィンランド放響 フィンランディア、チャイコフスキー6番

 本日も爽やかな秋晴れ、気温も昨日と同じくらい。サカリ・オラモ率いるフィンランド放響の「1時間コンサート」のチケットが半額販売になり行くことにしました。

 一昨年バーミンガム市響との2公演を聴いた印象ではオラモは「オケを煽る人」です。またシベリウスのSym2番コーダの雄大なコラールには驚嘆しましたが、チャイコフスキーのSym4番は面白いけれどピンと来なかった記憶があります。今日もチャイコフスキーがメインなので少し不安です。

10月21日(金) オペラシティ
 サカリ・オラモ指揮フィンランド放送響 シベリウス フィンランディア、チャイコフスキー Sym6番
残席の安売りチケットなのに1階やや後方ながら真ん中の席でラッキー。オケはクラシックな対向配置でコントラバスは左手の奥。フィンランディアは思いのほか金管が大人しめ、一方弦の響きがとても分厚いのが印象的。チャイコフスキーでは激しいテンポの揺らしや個性的な表情付けなど、もうやりたい放題で、4番の時より更に面白かった反面、これでいいのかなあ、という気もしました。あと、拍手を避けるためなのか、第3楽章と終楽章を続けて演奏したのには驚きました。アンコールは「悲しきワルツ」、これは極端な表情付けがぴったりマッチして最高でした。

 席の位置のせいかHrの音が余り飛んできませんでしたが、フィンランド放響は響きの密度が濃く、思っていたよりずっといいオケでした。やはりメインもシベリウス、オラモなら5番あたりを聴いてみたかったところです。

2005年10月15日土曜日

ムーティ&VPOのR.シュトラウス

 目覚めると予報に反し、日が射すほどの天気。キャンセルしたテニスを復活するかどうか、TVで予報を確認、お天気お姉さん(小林麻央)が「今日は雨、明日は快方」とのコメント、あの甘ったるい声で言われると100%信じてしまう僕は即寝なおしました。結局、日中は殆ど降らなかったので、少し損した気分です。

 その代わり、山田太一の新ドラを珍しくリアルタイムで観つつ、マメにネットをチェックして、VPOの最安券を定価よりずっと安くGET!急遽聴きに行くことに。ムーティのR.シュトラウスは実演は勿論のこと、ディスクでも殆どイメージが湧かず、気になっていたので注目です。

11月15日(土) サントリーホール
 リッカルド・ムーティ指揮ウィーンフィル シューベルト Sym4番、ヒンデミット 気高き幻想、R.シュトラウス 死と変容
 シューベルトは前回同様守備範囲外でよく分かりませんが、表情たっぷりの第2楽章が印象的でした。ヒンデミットは響きの美しい演奏。盛り上がりもそれなりですが、比較的淡々としているかも。一方R.シュトラウスは、かなり演出を凝らしたケレン味たっぷりの演奏でした。金管はそれ程パワーがある訳では無いのですが、ウィンナホルン特有の割れ気味で重心の低い響きや、抜群の弦や個性的な木管などが重なって、とにかくオケの響きが分厚く、これだけゴージャスなR.シュトラウスは余り記憶にありません。バレンボイム&シカゴ響の同曲では聴けませんでした。カラヤン&BPO以来かも。(ただ一昨年のティーレマンの「英雄の生涯」は更に豊麗だったとの噂も。)アンコールはまたも「運命の力」。表情豊かにして切れ味抜群の演奏に会場大興奮でした。

 あくまで大まかで個人的な印象ですが、メータは8割方オケ任せで淡々として要所でキメる感じ、バレンボイムは旋律を歌って盛り上げ、ムーティは音の切れ味や強弱で表情をつくる、というR.シュトラウスかなあ、と思いました。

2005年10月11日火曜日

偉大なアタリマエ - ムーティ&ウィーンフィル スペイン狂詩曲、三角帽子

 昨日よりはお天気も気温も少しまともな一日。試合も何とか勝ち残り、明日も仕事をサボることに。まあ、明日の相手は2回対戦して2回負けてますので、ここで終わりでしょうけれど。

 午後には職場復帰して、夕方からはコンサート。今年のVPOは、曲が一般ウケしないものが多いせいか、最安席の入手が比較的容易でした。今日は東京2往復です。

10月11日(火) サントリーホール
 リッカルド・ムーティ指揮ウィーンフィル シューベルト ロザムンデ、モーツァルト Sym35番、ラヴェル スペイン狂詩曲、ファリャ 三角帽子
 シューベルトとモーツァルトは守備範囲外でよく分かりませんが、スタイルが確立されていると感じました。また後半、ラヴェルでの目の覚めるような色彩感、ファリャのやや南国情緒のある情熱的な響き、どちらもその曲の当たり前の特性ですが、その当たり前が眼前でしっかり鳴っている、ということが如何に素晴らしいことかを思い知らされた見事な演奏でした。緩急自在のムーティの棒についていくVPOはさすがです。アンコールは何と「運命の力」序曲。ムーティのクセのある節回しと快速テンポをVPOはこれまた見事に再現し、過去聴いた中でぶっちぎりで最高のヴェルディを聴かせてくれました。(と言ってもそんなに多く聴いた訳ではありませんが。)

 オケのせいもあるでしょうけれど、これまで聴いたムーティの中では最高でした。

2005年10月10日月曜日

6度目&4回目の松 - 高原守&丸の内交響楽団

 やった! オランダ本大会出場を決めました。しかもチェコに勝って。

 昨夜「男たちの旅路」の再放送をしており、一再ならず観た話なのに、ついまた山田太一節、いや鶴田浩二節及びゴダイゴ節をシカゴマラソンの合間に堪能しました。今日で3日連続の雨(統計的には7日連続の雨とのこと)、梅雨でも珍しいんじゃないでしょうか。気温も昼夜を通じて18度±1度でした。

 予想通りの雨で試合は明日に順延、これで仕事を休まなきゃなりません。試合は8時の予定だったので午前いっぱい暇、本屋さんでゴン格やボクシングマガジンを立ち読みしたり、持参した京極夏彦を読んだりして時間を潰し、午後にアマオケを聴きました。今年6度目の「ローマの松」です。

10月10日(月・祝) 文京シビックホール
 高原守指揮丸の内交響楽団 ウェリントンの勝利、マイスタージンガー、アルルの女、ローマの松など
前半のモーツァルトやベートーヴェンは苦手科目なのでちょっと意識を失いました。が、「ウェリントンの勝利」はステージ左右に配されたTpのバンダが活躍していました。後半は守備範囲、ワーグナーやビゼーでは、弦がなかなか伸びていました。木管のソロもまずまず。高原氏は全体的に大人しめの解釈でしたが、「松」のラスト、アッピアでは指揮ぶりも一気にダイナミックになり、2階両翼に配されたバンダと相俟ってかなりの迫力でした。実はこのオケ、「松」はここ6年で4回目、得意曲のようです。ただ、電子オルガン(?)の音は少しいただけませんでした。アンコールは地味な曲(不詳)と「威風堂々」。後者はこれまたこのオケの18番らしく、2階のバンダも加わって、会場大興奮でした。

2005年10月4日火曜日

微温のマーラー - シニク&テジョン・フィル マーラー1番

 今年の秋は気が早いらしく、銀杏のくさーい匂いやキンモクセイの甘過ぎる香りがもう漂ってます。本日は小雨混じりの一日、気温も昨日より更に下がり20度足らず。

 今週はこの時期恒例のアジア・オーケストラ・ウィーク。1000円でアジア各国のオケが聴けるので、例年2、3回は聴きに行くのですが、今年はお気に入りの曲がメインだったのは今日の1公演だけでした。

10月4日(火) オペラシティ
 ハム・シニク指揮テジョン・フィルハーモニック響 メンデルスゾーン Vn協奏曲 マーラー Sym1番
指揮のシニクはこの韓国第3の都市(?)テジョンのオケの音楽監督、彼のマーラーは第1楽章は淡々と進む感じでしたが、第2楽章以降、特に終楽章では部分的に個性的な表情もありました。が、全体的にはやや中途半端な印象で、クライマックスの盛り上がりもそれなりでした。オケも皆それなりの技量があるようですが、マーラーの語法に馴染めない、若しくは共感できないのか、温度が低めの演奏。特に弦セクションは音程の確かさからすると、もっと音が伸びてきてもいい筈なのに生彩がありませんでした。オケに火を点けるような指揮者だと、全く違う音が出てきそうな気もします。アンコールは韓国民謡「アリラン」でした。

2005年10月2日日曜日

豊饒のマイスタージンガー - メータ&バイエルン国立歌劇場

 本日は夏の(あくまで個人的に、ですが)日差しの下、午前中はテニス、午後は珍しくオペラに行きました。先日R.シュトラウスを聴いたメータ&バイエルン国立歌劇場のコンビで「マイスタージンガー」です。実演で聴くのは初めてなので、1,2幕あたりは苦しいかも。苦手のNHKホールだし。

10月2日(日) NHKホール
 ズービン・メータ指揮バイエルン国立歌劇場 ワーグナー ニュルンベルクのマイスタージンガー
前奏曲冒頭からいきなり弦の音が3階席最後列まで届いてきました。PAを使っているのでしょうか。そうでないとしたら、先日聴いた以上のボリュームです。オケの特性なのか、メータのやり方なのか、一音一音をしっかり鳴らして音楽を作っており、骨太、と言う程では無いにせよ、豊麗な感じ。半端な歌手では声がオケに負けて通らないでしょうが、凄い人ばっかりらしく、声も最後列までガンガン来てました。声楽のことは全く分かりませんが、エヴァの父親役の人(H=P.ケーニヒ?)の存在感が一番凄かったです。そんなにパワーのあるオケではないにせよ、お目当ての歌合戦の大団円では、合唱と相まって、舞台同様、豪華絢爛な響きが楽しめました。終演後、さっさとオケのメンバーがピットから出てしまい、「愛想のない奴らだ」と思っていたら何と全員舞台上に出てカーテンコールを受けていてビックリでした。

 初めて通しで聴き、途中で「トリスタン」が出てくるのを知ってビックリ!不明を恥じるばかりです。

 これからシリアルを食べますが、今日一日、グーッと鳴るお腹対策に、第3幕前にホール近くの讃岐うどん屋さんで105円かけうどんを食べただけなので、減量効果に期待。録画しておいたPRIDE武士道、中軽量級も楽しみです。

2005年9月26日月曜日

大野&ベルギー王立歌劇場管 マーラー5番

 今日は月曜だからマジック減りませんね。本日もかなり肌寒い一日。2日連続で大野&モネ管を聴きに出かけました。自分の中ではまだ夏なので半袖短パンですが、気がつけば周りは長袖やジャケット、おまけにマフラー(!)までいました。

9月26日(月) オペラシティ
 大野和士指揮ベルギー王立歌劇場管 ブースマンス 歌曲集、マーラー Sym5番
Pブロックで聴いた昨日は弦が弱いと感じましたが、今日は舞台から遠めの右サイドで聴いたせいか、弦がよく鳴ってました。特にチェロが強奏時に存在感がありました。また昨日はピアニシモに拘る指揮者だと感じましたが、ヴァンスカのようにいつでも、と言う訳では無いらしく、マーラーではポイントとなる数箇所のみぐっと抑えており、しかも余り上手くいってませんでした。氏のマーラーは大きくテンポをいじる訳では無いのですが、個々の旋律を表情たっぷりに奏するので、毒は感じませんが起伏はあります。第2楽章中間あたり、弦とHrを中心としたうねりはかなりの迫力でした。また本日の白眉は第4楽章、Vnの旋律の最初の3音で既にただならぬ雰囲気を醸し出し、以降これでもか、というくらいの耽溺的な解釈。オケもしっかりそれについてきており、これだけ大甘な演奏を聴いたのは初めてです、いい意味で。そして終楽章クライマックス、ブラスの迫力とその後の追い込みの凄みも十分で、かなり良かった昨日を上回る満足度の演奏会でした。満場の拍手に応え、何と第4楽章をもう一回。美味しいところをもう一度、というのは昨夜と同じパターンです。

 ああっ!夜中にコレ更新してたらフジの「スパイ2/7」見逃してしまった…。

2005年9月25日日曜日

表情豊かな優男 - 大野&ベルギー王立歌劇場管 ボレロ、 シェエラザード

(前記事の続き)
 新宿でのイベントから湘南新宿ラインでみなとみらいへと移動して聴いたのは、大野和士の凱旋公演です。氏の指揮はFMやCSのオンエアで気になってはいたのですが、実演で聴くのは初めて。

9月25日(日) みなとみらいホール
 大野和士指揮ベルギー王立歌劇場管 ラヴェル ラ・ヴァルス、シェエラザード、ボレロ、 リムスキー=コルサコフ シェエラザード
 木管群は味がありますが、オケは余り機能的でない感じ。ただ、大野氏の棒の下、非常に統率の取れたラヴェルを聴かせてくれました。弱いかな、と感じた弦も、ボレロの後半などかなりのボリューム。大野氏は弱音の精妙さに拘るタイプのようで、かなり無茶な要求にもクラリネット、フルート奏者(特に後者は大変)が見事に応えていました。特に、オケの真中に配した小太鼓で始まるボレロの開始は経験したことの無いピアニッシモ。2名のSaxは(たぶん)現地調達のエキストラ、実演ではプロでもよくトチるTbのソロは完璧、ラストでのTpのハイトーンはピッコロ使用でした。後半のシェエラザードは、Tp,Tbにもう少しパワーが欲しい気はしましたが、大野氏の表情豊かな解釈がなかなかで、特に3楽章が魅力的でした。ただ、音の強弱のコントロールは自在にやっていましたが、旋律の歌い回しまでは完全に思い通りにはなっていない印象だったので、更に良くなる余地があると感じました。伸びやかなVnソロを披露したコンミス(?)が若くてビックリでした。アンコールは何とシェエラザードの第3楽章をもう一度。

 初めて見る大野氏は優男風で、いかにもバーンスタインが好みそうな感じ(やや偏見)。心なしか、指揮ぶりも大植英次と共通するものを感じました。明日のマーラーも期待です。

青春の一頁 - 水越けいこ

 阪神マジック3です! 昨日の野口みずきはさすがでしたね。今夜はブラジルGP、コースが通常と逆周りなのは、南半球だから?渦と同じでコリオリのせい?な訳無いですね。

 本日は台風一過のすっきり天気、とはいかず、終日20度前後の肌寒い一日。朝方は雨が残っていたためテニスを中止してちょっと失敗でした。

 夕方のみなとみらいの前に少し時間があったので、青春の一頁、水越けいこをHMVのインストアイベントで聴きました。観客の年齢層が自分同様高めなのがちょっと気になりました(笑)。外見こそ20年分の年輪を刻んでらっしゃいましたが、曲と歌声は昔のままでした。今の世の中、70年代フォーク調の曲が受け入れられるのかは不安ですが。

 イベント途中、後ろ髪を引かれる思いでHMV新宿を出たのが3時10分。便利になったもので、湘南新宿ライン→みなとみらい線と乗り継ぎ、みなとみらいホール4時開演に間に合いました。シェフをつとめる歌劇場を引き連れての大野和士の凱旋公演です。氏の指揮はFMやCSのオンエアで気になってはいたのですが、実演で聴くのは初めてです。(続きは次の記事で)

2005年9月24日土曜日

興奮のボレロ - 藤崎&オーケストラ エレティール

 阪神マジック減ったでしょうか。(←4です!) 台風の影響で一日不順な天気。深夜零時に24度くらいあったのに、日中はそれより冷え込みましたから、今日も最高気温が午前0時に記録される一日になりそうです。

 雨で午前中のテニスは流れ、午後はアマオケを聴いてきました。ドビュッシー2曲、ラヴェル2曲という地味めのプログラムです。

9月24日(土) ティアラこうとう
 藤崎凡指揮オーケストラ エレティール ドビュッシー 夜想曲、海、ラヴェル ラ・ヴァルス、ボレロ
エレティールは1988年に電通大の卒業生を中心に結成されたオケです。やや非力な弦ながら、ドビュッシーでは美しいい弱音のハーモニーを聴かせてくれました。地味めなプログラム構成に加え、メインが「ボレロ」とは大変です。有名な曲ですが、ソロの連続で奏者への精神的負担が大きく、労多くして実り少なし、となりがちで、アマオケでは余り採り上げません。特にトロンボーン吹きにとって、真ん中辺りのソロは憧れでありかつ拷問でもあります。その問題のボレロ、前半の木管のソロがどれも見事で、特にソプラノSaxが素敵でした。その後紆余曲折を経て、最後のクライマックス、これは見事に決まりました。その興奮度はこれまで聴いたどのプロの演奏よりも上だった程です。ただ、これで燃え尽きたのか、はたまたオケの方針なのか、アンコールはありませんでした。

 明日もボレロを聴いてきます。みなとみらいで、大野和士の凱旋公演です。テニスはまたお流れかも(涙)。

2005年9月20日火曜日

メータ&バイエルン国立管 ドン・ファン、ティル、英雄の生涯

 阪神連敗しちゃいました。マジックは8のまま。この2日間の試合内容は本日の気温と同様お寒いもの、そのせいか風邪をひいてしまい、喉が痛いです。家では下着一丁でごろごろして、気が付いたら朝になっているという自堕落な生活をしていますが、それでも夏場に風邪をひいたなんて記憶に有りません。今朝かなり冷え込んだんでしょうか。

 ほぼひと月半ぶりに海外オケを聴いてきました。メータ指揮するオールR.シュトラウスプロ。メータのR.シュトラウスと言うと、ロスフィルとの「英雄の生涯」での伸びやかで豪快な表現が、デッカ特有の強調気味の重低音と相俟って強い印象があります。ただCD化されてすっかり音が変わってしまい残念です。

9月20日(火) サントリーホール
 ズービン・メータ指揮バイエルン国立管 ドン・ファン、ティル、英雄の生涯
オケはあまり上手くないと思うのですが、管はそれぞれに味があるし、弦はよくまとまっていて、全体として統一感があります。そのため、散見するミスも余り気になりません。メータの指揮は余り細かい指示はせず流れを大切にする感じで、ある程度オケの自発性にゆだねつつ、要所で見得を切る、といったスタイルで、それがこのオケとよくマッチしていました。全体としてロスフィルとの頃とは別の意味での伸びやかさを感じました。ドン・ファンでは芝居っ気は少なめな気がしましたが、ティル、英雄の生涯と、どんどんその度合いは増えて、なかなか効果的でした。アンコールは何とJ.シュトラウスの「こうもり」。普通の人には最高のアンコールですけれど、個人的にはサロメか薔薇の騎士あたりを期待していただけに、ちょっと残念。

 メータを聴くのは5度目くらいですが、初めて納得の行く演奏会でした。やはり来週のマーラー3番も聴きたくなってきました。

2005年9月17日土曜日

剛毅なドビュッシー - 藤原亜美さんのピアノ

 今夜はお月さんが綺麗です。中秋の名月?いや晩夏の名月です。今日も30度には届きませんでしたが、昨日よりは暖かく、日差しも強め。テニスの後はグロ氷を食べました。お店のおじさんによると、先月下旬にTV東京「でぶや」に出たとのこと。石塚さんは礼儀正しい方でした、と言ってました。元祖でぶやHPでチェックしたら、確かに8月19日放送分のバックナンバーに出てました。

 カキ氷の後は渋谷タワーのインストアイベント、藤原亜美さんのピアノです。ドビュッシーの前奏曲集から数曲を弾いてくれました。ドビュッシーと言うと、水彩画や点描画のようなもやもやとしたイメージを持ってましたが、彼女の演奏は一画一画を明瞭に刻み込む感じで、迫力すら覚えました。

2005年9月11日日曜日

驚速テンポ - 長田&東京楽友協会響 ローマの噴水、チャイコフスキー4番

 いやあ、みなさんのお陰で阪神6ゲーム差です。本日は午前中テニス、午後はアマオケ、と典型的な休日のパターン。とは言え、8月下旬以降、帰省や出張でバタバタしていたので、コンサートは久し振りです。

9月11日(日) すみだトリフォニー
 長田雅人指揮東京楽友協会交響楽団 リムスキー=コルサコフ スペイン奇想曲、レスピーギ ローマの噴水、チャイコフスキー Sym4番
このオケを聴くのは3、4度目くらい、今回はアマオケには珍しく対向配置を取っており、弦バスは左手後方にいました。今日は管楽器セクションがムラのない出来で、特にHrがよく鳴ってました。トレヴィでの迫力も印象に残りましたが、何と言っても、スペイン奇想曲の終曲やチャイコフスキーの終楽章など、長田氏特有の驚速テンポにオケが一丸となってついってるのは見事でした。熱狂のクライマックスの後は、地味めのアンコール「モスクワ河の夜明け」でした。

 テニスしている頃は30度を超す陽気でしたが、コンサートの途中休憩時、冷房を逃れようと外に出るとかなり強い雨。終演後は小降りになってましたが、雨とともに気温が8度ほど一気に低下しました。明日は試合なので、気温は上がって欲しいところです。また今夜のスパからのF1中継、選挙の影響(←間違いでした、世界柔道の影響(絶句))で放送開始が3時くらいに。その前に仮眠を取らないと、1、2時間睡眠で試合に出かけることになりそう…。

2005年9月1日木曜日

16歳の夏 - 乙一「夏と花火と私の死体」

阪神ついに崖っぷちです。涼しかった昨日に比べ、今日は真夏日の陽気、でも33度超えの大阪には遠く及ばない感じです。

 大阪出張からの帰り道、大垣駅前の本屋さんで買った乙一の伝説のデビュー作を読みました。

夏と花火と私の死体 乙一
 「平面いぬ」「ZOO」など、いまや飛ぶ鳥をも落とす勢いの著者の、何と16歳時に書かれた作品とのこと。計算されたサスペンス、巧みなプロット、斬新な語り口など、とても16歳の手になるとは思えません。ま、勿論、予備知識無しに読めば、ちょっとした佳品、といったレベルなのかもしれませんけれど。また僕が感じたことは、基本的には巻末の小野不由美氏の解説(集英社文庫版)に語り尽くされています。併録の「優子」は後年の作品なのか、文章がずっとこなれていますが、プロット的にはまあ、普通かなという印象です。

2005年8月28日日曜日

バッハへの愛 - 西山まりえさんのチェンバロ

 折角日本に戻ったのに今日は残暑も一休み、がっかりです。

 開通したてのつくばエクスプレスで上京し、午前中はテニスをして、午後はタワーレコードのインストアイベントに行ってきました。西山まりえさんのチェンバロです。

 チェンバロのソロを聴くのは2度目くらい、ハープシコードと同じかどうかも知りません。西山さんは登場してまず一気にバッハのフランス組曲(?)の第1番を15分ほど、そして少しのトークの後、同第5番をこれも10分以上一気に演奏してくれました。

 外見は普通の優しいお姉さんという感じの方ですが、ある意味迫力がありました。自分には守備範囲外の曲目なのでよく分かりませんが、西山さんのバッハに対する愛、というか、バッハを演奏できるのが嬉しい、という感じがひしひしと伝わってきました。

 これから学会の準備をして、夜行で大阪へと出張です。

2005年8月18日木曜日

フラメンコのサロメ - サロメ

今日はギリギリ真夏日といった程度の陽気でしたが、夜の空気感は真夏のそれに近いものがあり、むっとする感覚が少し嬉しいです。空には満月に近いお月様が晧々と輝いています。

 満月と言えば、「サロメ」はある意味月が狂気を呼び起こす物語です。先年日本公演もあった、アイーダ・ゴメス率いるスペイン舞踏団のフラメンコをベースとした「サロメ」、その演出はスペイン映画界の巨匠カルロス・サウラが担当し、並行して同名の映画も撮っています。先日の帰省時に実家の衛星放送で観ました。

サロメ <'02 スペイン>
 C.サウラ監督、前半が舞台のメイキング映像風で、後半が実際の舞台、という二部構成になっています。しかし、前半のドキュメンタリー風の部分は俳優が演じているそうで、虚実ないまぜの内容となっているようです。(確かにエンドロールに「監督役:だれそれ」とありました。) 主役のアイーダ・ゴメスは「伝説の舞踏家」と言われるだけあってサロメ役としてはややトウが立ってはいましたが、7つのベールの踊りとその後の部分の緊張感はただならぬものがあり、ゾクッとしました。また映像ではそれほど感じませんが、フラメンコでは足踏みの音などが重要な要素でしょうから、生の舞台はさぞかし迫力があったことと思います。来日公演に行っておけば良かったなあ、と今更ながらに感じました。

 阪神も少し復調ぎみ。何より前節連敗してあげた甲斐あって、巨人が援護射撃してくれたのが嬉しいところです。

2005年8月8日月曜日

嵐とカルミナ - 飯森&東響

 阪神、ロードに出て間もないのにもう1.5ゲーム差、追いつかれるのは時間の問題でしょうか。この時期毎年思うのですが、高校野球をたまには他の球場でやるとか、甲子園を提供する代わりに高校球児を1名優先的に入団させられるなどの特別措置をして欲しいものです。

 今日も無事真夏日でしたが、さっきからもの凄い雷雨になってます。しばらくしたらコンサートに出かけるのに、それ迄に去っているかどうか微妙なところ。現時点では出るに出られません。感想は戻ってから深夜にまた書きます。

 豪雨のため道路が川となってバスが遅れ、落雷でJRが遅れ、間に合わないかと思いました。が、開演直前に何とか到着。連れはもっと遅れてきました。

8月8日(月) ミューザ川崎
 飯森範親指揮東響 カルミナ・ブラーナ
好きな曲ですが実演で聴くのは初めてで、自分の中に基準となる響きが無いので確かなことは言えませんが、ほぼ予想通りの音響だったので、演奏もそこそこだったのではないでしょうか。飯森氏のエネルギッシュなところが活きてました。ただ新しい発見が無かったのも事実。この曲は同じ曲想を2度3度繰り返すパターンが多いのですが、繰り返す度にスケールが大きくなるのはよく分かりました。外人のトップ奏者がいなかったせいか、ホルンが今ひとつでした。バリトンは3階席まで余り声が届いてこなかったのですが、(カウンター)テナーは声も演技(!)も見事でした。合唱まで少し演技させられていました。

2005年8月6日土曜日

変化する惑星 - アンサンブル・プラネタ

 陸上の世界選手権が開幕しましたね。今日こちらは昨日よりやや気温は高めでしたが、全国的には昨日より少し低め。実は昨日がこの夏の頂点で、これからは下る一方なんでしょうか。そういえば明日はもう立秋(たぶん)。

 8月中旬以降の帰省や出張を考えると、今日が花火大会に行くたぶん最後のチャンス。昼はテニス、夜は花火、と思っていたのですが、テニス仲間にそれを打診したところあっさり却下。(「花火は行くよ。ただ他の人と。」) テニスの後は暇になったので、昼飯代わりにグロ氷を食べて、夕方は星を観てきました。

 但し、星といってもアンサンブル・プラネタ。女性のアカペラコーラスです。新宿南口のHMVのインストアイベントでミニコンサートを聴きました。ラフマニノフの「ヴォカリーズ」などの名曲と「埴生の宿」などの有名民謡をあわせて6曲、心に染み入る美しいハーモニーを披露してくれました。特に最後のパッヘルベルのカノンなど圧巻でした。

 このユニット、仲好しが集まって出来たと言うより、プロデュースする人が集めて結成したと言う感じ。そのせいか、数年前に同様のイベントで見た時とメンバーがかなり変わっていました。人数からして変化しています(4人→5人)。

 明日はアマオケのマーラー「復活」を楽しみにしていたのですが、日中のテニスと場所が遠く、行けるかどうか微妙なところです。

2005年8月4日木曜日

サンティ&PMFオケのローマ3部作

 本日も33度超のステキな陽気。今夕はサンティ&PMFオケの演奏会を聴きに行きます。ローマ3部作の前にロッシーニを何と3曲もやる弩級プロのため、12時前には帰れそうにありません。

 電車から降りた瞬間、都心の方がより暑かったことが判りました。たぶん35度クラス、羨ましい。演奏もなかなか熱かったですが、想像していたほどではありませんでした。

8月4日(木) サントリーホール
 ネルロ・サンティ指揮PMFオーケストラ ロッシーニ序曲×3、ローマ3部作
オケは少し心もとない部分はありましたが、後半に行くにしたがって調子が上がる感じでした。ロッシーニの序曲を3曲やった後に、3曲目の「ウィリアム・テル」の最終部分をアンコール。前半でアンコールをやるんじゃ最後はどうなることかと思いましたが、後半はアンコール無しでした。それでも終演は9時40分くらい。若者のオケなので、金管を中心としてパワーはあるのですが、サンティのスタイルなのか、はたまた座ったのが1階の雨宿り席だったせいか、爆発的な音響は感じられず、迫力では今年聴いた4度の3部作の中では中位でした。特に「祭」の終曲など、非常に整然とした熱狂、という印象です。サンティの解釈で印象的だったところは、「噴水」の1,4曲め、「松」の2,3曲めなど、静かなパートでは低徊趣味的な弱音に走らず、表情豊かに表現するところです。

2005年8月1日月曜日

イメージとの違い - 貫井徳郎「失踪症候群」 

 昨夜のK1ハワイ大会、格闘技マニアからすると、レベルから云ってB.J.ペンとヘンゾ・グレイシーの対戦が最大の呼び物だと思いますが、フジの中継はありませんでした。残念。まあ、予想されたことではありますが。

 本日は残念ながら平年並みの陽気、仕事を休んで試合してきました。昔ならハメることができた(たぶん)相手でしたが、練習不足と実戦の勘のにぶりとで要所のポイントを取れず敗退。8月は帰省や学会出張などと重なってもう試合に出られないので、早々に自分の夏は終わってしまったようです。

 ただ本はもう一冊読めました。

失踪症候群 貫井徳郎
 本格マインドに溢れたデビュー作「慟哭」に比べると、ミステリー的興趣は薄めで、小品といった印象。かなり物足りなかったです。ただ、筆力はあるので読みやすいし、社会派的な興味や主人公のキャラで読む人には向いてるかも。

 阪神、死のロードを前にして気が付けば3ゲーム差、尻に火か点いてきました。

2005年7月24日日曜日

中庸+α - 若杉&都響 マーラー5番

 いまF1ホッケンハイムが始まったところ。本日も関東は肌寒く、これで3日連続して最高気温が大阪35度前後、関東25度前後という情けなさです。これがひと夏続かないことを切に祈ります。

 20年ほど前、マーラーと言えば若杉&都響という時期があり、その頃このコンビを何度か聴きました。その後ベルティーニとかぶるせいか、余りこのコンビのマーラー聴く機会がありませんでした。本日、十数年ぶりに聴くことができました。

7月24日(日) ミューザ川崎
 若杉弘指揮都響 マーラーSym5番
あやふやな記憶によれば、若杉のマーラーは粘り過ぎず、といって淡白でもない、といった感じで、中庸という印象があります。今日も基本的にはそんな演奏で、ある意味安心感はありますが、目を瞠る部分も無いといった印象。またリハ不足なのか、オケの出来は今一つで、以前に比べ表現の統一感や音のシャープさに欠けました。と、ところが、終楽章のクライマックスは「え、コバケン?」というくらいに(バランスを崩してまで)ブラスを開放的に鳴らしており、かなり興奮の大団円でした。芸風が変わったのか、認識(記憶)が間違っていたのか、いずれにせよ嬉しい驚きでした。

2005年7月21日木曜日

アルブレヒトの煽り - アルブレヒト&ドイツユンゲ管のマーラー1番

 梅雨明け直後にしては暑さが甘く、ぎりぎり真夏日という程度。久々に海外オケを聴いてきました。

7月21日(木) 武蔵野市民文化会館
 ゲルト・アルブレヒト指揮ドイツユンゲ管 エグモント、ハルトマンSym1番、マーラーSym1番
アルブレヒトのマーラーと云えば、読響との5番を聴いた印象では、速めのテンポで粘らず淡々と、但し対位法などはカッチリと、立派だけれど面白みの無い演奏、という感じでした。今回の「巨人」も全般にそんな印象でしたが、若いオケに合わせたのか、ラストは少しあおっており、それが妙に効果的でした。オケはホルンがよく鳴っていて、なかなかの迫力。アンコールも頑張って2曲、ローエングリン第3幕前奏曲と「巨人」第3楽章中間部。前者の若さ溢れる雄渾な演奏が印象的でした。

 市民文化会館からの帰り道、満月がとても綺麗でした。

2005年7月18日月曜日

意欲的 - 橘&ル スコアール管のシンフォニエッタ、ニールセン5番

 今日は昨日を遥かに上回る真夏の陽気、このまま梅雨明けしそうな勢いです。冷房がギンギンに効いた屋内や車内から出るとホッとする季節になりました。フツーの人はゾッとするのでしょうけれど。
<追記> どうやら本当に梅雨明けしたようです。しかも外は3日連続の稲妻ショー。

 練習とコンサートの時間帯が重なり、最近コンサートへ行けてないので後者を選択。ヤナーチェク、ハチャトゥリャン、ニールセンと、いずれも実演では初めてかせいぜい2度目の曲ばかりなので楽しみです。

7月18日(月・祝) みなとみらいホール
 橘直貴指揮ル スコアール管弦楽団 シンフォニエッタ、仮面舞踏会、ニールセンSym.5番
このアマオケはいつも意欲的なプログラムで楽しませてくれます。どれも金管好きにはこたえられない曲ですが、特にヤナーチェクではPブロックに配した9本のTpのバンダの効果も目覚しく、ラストは壮大な響きを聴かせてくれました。TbとHrの音色も逞しく、ニールセンでもスケールの大きなクライマックスを築いていました。

 このオケの次回はブルックナーの8番、その次はマーラーの9番とのこと。本当に意欲的で目が離せません。

2005年7月9日土曜日

当日券と八面六臂 - 毛利沙織さんのハープ

 本日は雨、7月に入ってからは通常の梅雨より雨が多い気がします。今日はテニスの予定が無く、2つの演奏会を聴く積もりで東京へ。

 まずは渋谷タワーレコードでインストアイベント。毛利沙織さんのハープです。自作のクラシカルポップを中心としたCDを数枚リリースしているとのこと。スレンダーで優しそうな方で、自作のメロディにもその優しい雰囲気が出ている気がしました。2種類のハープを使用して、自作を数曲とポップス・クラシック双方から有名曲を2,3曲披露してくれました。自作の曲ではアレンジによっていろいろな音が出てくる都合上、録音した音声とマイク・アンプを使用してのパフォーマンスとなりましたが、純粋にアコースティックな演奏も聴いてみたかったです。

 ステージの前に音合わせを兼ねてリハーサルをやっており、そこではほぼ通しで3,4曲、しかも本番ではやらなかった曲ばかりを聴けて嬉しかったです。ミーハーなのでハープと云えば竹松舞さんですが、ハーピストは見目麗しい方が多いようです。また特筆すべきは共演のフルート奏者の渥美敏行さん。フルート、ピッコロ、2種のリコーダーを持ち替えて演奏するのみならず、サウンドエンジニアにカメラマンまで担当するという八面六臂の大活躍でした。
<追記> 毛利沙織さんのブログを見ていたら、この日の演奏会風景の写真に観客の一員としてうっかり入ってしまっていました。背中だけとはいえ、とても綺麗で楽しいブログに参加できて光栄です。

 上記のイベントの後、飯森範親&東響のマーラー9番を聴きにサントリーホールへ。この組み合わせの5番はダイナミックな箇所で本領を発揮する演奏でしたし、個人的に9番は繊細で神経質な演奏より、ダイナミックな演奏(特に終楽章)が好みなので、そうなるかも、と期待しての当日券狙いです。9番なら売り切れは無い筈ですし。開演よりだいぶ前に会場に着きましたが、当日券はもともと5000円以上しか出ておらずNG。余った券を持っていそうな方に声を掛けて(貰って)交渉するも4000円までしか見つけられず、国内オケに4000円以上は出さないポリシーなので、これも断念。9番にしては珍しく前プロのコンチェルトがあり、途中休憩時にディスカウントされる(だろう)当日券を買う作戦に切り替えました。

 しかーし、開演と共に当日券売り場が閉まったまま、2度と開くことはありませんでした。勿論未だ残券はかなりあったのですが…。コンサート後半からの入場者には残券を割引して販売する、という方式はまだ一般的ではなかったんですね。いくつかのオケはやっていると思いますが。という訳でスゴスゴと手ぶらで帰ってきた次第です。

2005年7月5日火曜日

愚直な後継者 - 法月綸太郎「法月綸太郎の功績」

 そこそこの陽気ながら、真夏日には1、2度届かない感じ。しかも夜からはまた雨。

 有栖川有栖と並び、そしてより愚直にE.クイーンの衣鉢を継ぐ法月綸太郎の新しい文庫を発見!デビュー後数作にしてE.クイーン後期の境地に達してしまった著者ですが、それ故になかなか新作が出ません。久し振りの文庫化作品なので、(珍しく)定価で購入し即読了。

法月綸太郎の功績 法月綸太郎
 タイトルから推測される通りの第3(?)短編集。ハリイ・ケメルマン風のアームチェア・ディテクティブもの「都市伝説パズル」が見通しの良いロジックの佳品、何と本国版のEQMMに英訳掲載されたとのこと!著書の後書きにもあるように、シンプル過ぎて真相が判り易いという難点はあるかもしれませんが、シンプルであってもロジックで真相に辿り着けるようなパズラー自体、稀少価値ですから。また「縊心伝心」は、折角のアイディアを上手く料理し切れていない感があって勿体無い印象。全体としてはやや無理のあるトリック・プロットの作品が多いのはご愛嬌、そういった作品はむしろメタ本格若しくは本格のパロディと読むことも出来ます。

2005年6月26日日曜日

3度目の3部作 - 岩城&東フィル ローマ3部作

 昨夜はブラジルうっかり勝っちゃいました。厳しいプレスに押されてましたけど。これからPRIDEミドル級グランプリ2ndラウンド、わくわくしてます。

 本日は午前中テニス、午後コンサートと典型的な休日。今年3度目のローマ3部作です。

6月26日(日) オーチャードホール
 岩城宏之指揮東フィル レスピーギ リュートのための古代舞曲とアリア、ローマ3部作
オーチャードホールは1年振りくらい、岩城宏之にいたってはメルボルン響の来日公演以来20年振りくらいです。やや響きの色彩感と、演奏精度に少し物足りないものを感じましたが、「祭」の最後の激しいアッチェレランドは凄かったです。また「松」を聴くのは今年4度目ですが、こと「アッピア」での金管の迫力(特に舞台上のTpのトップ)に関しては、これまでで最高の貫通力でした。

 この調子でずっと真夏日が続くといいなあ。

2005年6月21日火曜日

女神降臨 -ラッパライネンのサロメ-カスプシク&ポーランド国立歌劇場

 今日は夏本番に近い陽気で、それは嬉しかったのですが、そのせいか職場に冷房が入るようになり、とても悲しいです。あ、今シャラポワやってますね。と言うことは昨日は試合無かったのか、良かった。

 やむごとなき事情により、二日続けて「サロメ」を観に行くことになりました。しかも午後仕事を休んで高崎(!)に遠征してまで。ただ、スポット参戦(?)なのか、何故かエイラーナ・ラッパライネンさまのサロメが観られたのが思わぬご褒美でした。初めて降りた高崎の街は、駅からホールや市庁舎のある一画までの500m程もの間、商店街に沿って広々とした歩道があり、とてもおおらかさを感じました。

6月21日(火) 群馬音楽センター
 ヤツェク・カスプシク指揮ポーランド国立歌劇場 R.シュトラウス サロメ
演出は前日とほぼ同じですが、サロメ役が違うせいか、7つのベールの踊りはかなり、その後の独白の部分は少し違っていました。歌唱や演技は前日のホーガンと比べ一長一短かもしれませんが、さすがは世界中でサロメをやっているラッパライネンだけあって、7つのベールの踊りでのパフォーマンス、というか魅せっぷり(見せっぷり?)は断然上でした。またカスプシク率いるオケは今日も迫力たっぷりでした。昨日は標準的な演出と書きましたが、観なおしてみると、必ずしも必要では無い車椅子・こびと・盲人が登場するなど、オペラ初心者の僕には分からない暗喩に富む、ひねった演出なのかも、という気もしてきました。

 昨晩の武蔵野市民文化会館は冷房が控えめで過しやすかったですが、今夜の群馬音楽センターは空調からの冷風がキツかったです。

2005年6月20日月曜日

ホーガンのサロメ - カスプシク&ポーランド国立歌劇場

 日付は変わってしまいましたが、今は月曜の深夜です。昨夜のF1はガッカリでした。また、知らない間にル・マンまで終わっちゃってます。地上波ではやってなかった気が…。

 しかも今夜からウィンブルドンの放送が始まるのをうっかり忘れていました。さっき(夜中の2時)からずっと個人的には興味の無い日本人プレーヤーの試合をやってます。録画なんだから、コートチェンジなどカットしてコンパクトに放送して欲しいのですが、ここ数年のNHKの地上波は衛星のソースを無編集でそのまま垂れ流している印象です。シャラポワ見逃したかも。

 好きなジャンルは後期ロマン派以降の純オーケストラ作品なので、オペラには滅多に行きません。ただ、初めて観た生オペラがラッパライネンの「サロメ」で、フェルゼンシュタイン(だったかな?)の過激な演出に衝撃を受け、以来、半ば下世話な興味もあってこの作品をよく観に、じゃなくて聴きに行くようになりました。

6月20日(月) 武蔵野市民文化会館
 ヤツェク・カスプシク指揮ポーランド国立歌劇場 R.シュトラウス サロメ
演出は衣装が現代風でしたが、それ以外は(多分)標準的な感じじゃないかと思います。歌手の声のことはよく分かりませんが、タイトルロールのケリー・ケイ・ホーガンはルックス的には及第点でした(そこが肝心だったりします(笑))。露出度(?)も普通です、たぶん。カスプシクの指揮は7つのベールの踊りやサロメがヨカナーンの首にキスするシーンなど、遅めのテンポで官能性溢れるものでした。オケは特に上手という訳ではないのですが、弦管ともに音がとても柔らかで、木管のソロも雰囲気たっぷりでした。またホルンがいい音を出していたのが良かったです。最前列で聴いたせいか、クライマックスも過去に聴いた中では一番の迫力で、かなり満足できた演奏でした。

2005年6月18日土曜日

力勁いフランス - 増永玲未さんのピアノ

 右腕もそこそこ快復したので、今日から本格的にテニス始動。しかしまだ痛みでマトモにプレー出来なかったので、午前中で止めました。午後はいい陽気になっただけに残念。まあ、明日もやるので、一歩ずつです。

 空いた午後の時間、渋谷タワーレコードへ行きインストアイベントを聴いてきました。増永玲未さんのピアノです。フランスで学んでいる方のようで、フランスものを中心に、ドビュッシーが4曲とショパンが1曲。ドビュッシーというと色彩豊か、という先入観があるのですが、予想と違い、凄く力勁い音にビックリしました。

2005年6月16日木曜日

火村の研究 - 有栖川有栖「朱色の研究」

 本日も雨模様。

 昨夜はうっかりして「Happy Together」を観逃し、FMの名古屋ストリングスを録り逃し、そして深夜のコンフェデ杯ドイツ・オーストラリア戦をも寝ブッチするという、散々な夜。

 先日早稲田大で学会の折、早稲田通り沿いの古本屋にて50円で発見したのがこれ。

朱色の研究 有栖川有栖
 火村・有栖コンビの「マレー鉄道の謎」の一つ前の長編。題名の出典であるC.ドイル「緋色の研究」を読んだのが余りに昔なので、どの程度の本歌取りになっているのかは不明。内容は有栖川氏には高いレベルを期待してしまうためか、論理の切れ味に物足りなさを感じます。ただ、主人公の魅力で読むタイプの人には、犯人との対決シーンや、火村自身の過去に言及のある点など、重要度が高い作品かも。また、このやや奇妙なプロットにも少し納得が行きませんが、飛鳥部勝則氏の巻末解説(角川文庫版)の様に、すごーく穿った見方をする人には、たまらないかもしれません。ただ、そういったある意味カフカ的(?)内容を万人に納得させる筆力は、まだ著者には無い気はしますが…。

 やはり火村モノは今ひとつ自分には合わないようです。

2005年6月12日日曜日

びゅーてぃふる

 今朝、今年初めて夏の空気感みたいなものを感じました。大好きな夏の本格到来です!今夜は「びゅーてぃふる」というアマチュア室内楽を聴いてきます。室内楽は守備範囲外ですが、一度聴いたら病み付きになって毎年行っています。例によって記事だけ作っておき、後で書き足します。

 家に帰ったらF1カナダGPがスタート、ファイナルラップあたりで意識を失ったため、更新が遅れました。

6月12日 めぐろパーシモン 小ホール
 びゅーてぃふる メンデルスゾーン 木管五重奏曲第2番 イ短調、ドヴォルザーク 木管五重奏曲 ヘ長調 「アメリカ」
メインの2曲はどちらも弦楽四重奏が原曲ですが、とても編曲ものとは思えないほど、各楽器に見せ場のある魅力的な木管五重奏を聴かせてくれました。いつもながら、メンバー全員から、音楽をすることが楽しい、そしてこのメンバーで一緒に演奏するのが楽しい、ということが伝わってくる演奏会でした。メンバーの一人がご結婚されたとのことで、お祝いのサプライズアンコールとして奏された「結婚行進曲」が微笑ましかったです。

 めぐろパーシモンの周りは青くて綺麗なアジサイで一杯でした。諸事情により、今後このメンバーが集まって演奏するのは難しいとのこと。とても淋しいです。

2005年6月11日土曜日

嵐の巨人 - 佐川&国分寺フィル マーラー1番

 昨夜12chで放送の極真世界ウェイト制重量級、テイシェイラは予想通りの強さでしたが、レチの後ろ回し蹴りの切れ味は想像以上で鳥肌モノでした。また同時間帯放送の世界ユースでは、我がオランダは小粒な日本を問題にせず楽勝ペースだったので、前半だけで安心して寝てしまったのですが、どうやら日本も点を取ったらしい。

 台風で懸念された天気も何とか持ったので試合へ、とは言っても、日常生活に支障をきたす程の状態なので、まともにプレーできる訳もなく、コート上で「痛っ!」と何回か叫んでいるうちに終了、出なけりゃいいのですが、年に一度の県大会なので、出ない訳にもいかず…。

 その後茨城北部→多摩地区と100キロ以上移動してアマオケのマーラーへ、西武線小平駅の南口からルネこだいらまで、隣の車道よりも広い立派な遊歩道が続いており壮観でした。

6月11日(土) ルネこだいら
 佐川聖二指揮国分寺フィルハーモニー管弦楽団 ウィリアム・テル、ペレアスとメリザンド、マーラーSym1番
 第30回記念定期ということでマーラーを取り上げたとの由。まだまだ発展途上の感のあるオケですが、Tp、Tbはよく鳴っており、特に「巨人」のラスト、畳み掛けるようなクライマックスはかなりの迫力でした。

 その後宴会もあり、戻りは午前様。

2005年6月5日日曜日

国名のアリス - 有栖川有栖「マレー鉄道の謎」

 いいお天気、なのにテニスが出来ないのは辛いところ。

 「月光ゲーム」「孤島パズル」など江神・アリスコンビの作品群では、有栖川有栖は法月綸太郎をも凌ぐ、E.クイーン前期の正統な後継者だと思います。ロジック本格至上主義者としては、世界的にも高く評価されるべきだと考えるくらい。

 一方、「マジックミラー」など、ノンりシーズ作品にも切れ味鋭いものがあるにせよ、国名シリーズなど同著者の火村・有栖コンビの作品群は何作か読みましたが、ロジックの妙味に不足する気がして、このシリーズはもう読まなくてもいいかな、と感じていました。

 ところが先週末の帰省時、旅の途中で手持ちの本が無くなり禁断症状が出て、キオスクで手に取ったのがその中の一冊。

マレー鉄道の謎 有栖川有栖
 メインとなる謎は、海外の某有名密室競作へのオマージュとなっています。これまで読んだ火村ものの中では一番論理の妙味があり、それなりに納得出来る作品でした。とは言え、その点では江神ものには遠く及ばない気はします。また、謎の解決は人によってはしょうもないと感じるかも。鷹城宏の巻末解説(講談社文庫版)もなかなか穿っています。

 江神ものは、そのレベルを維持することを自らに課しているせいか、なかなか出版されませんし、火村ものもそれなりに読もうかな、と考え直した次第。

2005年6月2日木曜日

3次元音響 - 沼尻&日フィル 火の鳥

 交流戦はオイシイですが、ダイエーとはやりたくありません。日本シリーズで負けたのがトラウマになってるし。あ、今は違う名前でしたっけ。

 学会からの帰り道、抽選で当たったコンサートに行ってきました。

6月2日(木) サントリーホール
 沼尻竜典指揮日フィル 火の鳥<全曲版>など
火の鳥の組曲版はよく聴きますが、全曲版を実演で聴くのは初めてです。「組曲版より、やはり編成の大きな原曲版」とよく耳にしますが、ことディスクで聴く限り一長一短という印象です。例えばクライマックス、全曲版はTpのハイトーンがあるけれど、Hrのグリッサンドが無いのは淋しいなあ、って感じです。正直、迫力の面で差を感じたことは無かったです。初めて目にする全曲版の編成は、まず3台のハープに視覚的に圧倒されました。また、2階席のいろんな場所に出没するバンダ(Tpとワーグナーチューバ)の効果は絶大で、3次元的な音場を実現していました。(最後のハイトーンはバンダだったんですね。) 沼尻氏は速めのテンポでどんどん進み、表現に関してはあまり細かく指示をせず奏者に任せている感じで、もっと色気が欲しい気もしましたが、日フィルの奏者はそれぞれに達者な演奏ぶりでしたので、平板な印象はありませんでした。一方、強音部でのメリハリはきっちりつけるので、カスチェイの踊りや大団円はしっかりと盛り上がり、まずは満足の演奏でした。マーラーの8番と同様、原典版には実演で初めて実感できるスケールの大きさがあるんですね。

 昨日から毎日TV東京で放送の全仏オープン、連日深夜かと思っていたら、初日だけ昼の1時半だったんですね。昨夜やってないのでアレ?とは思ったのですが。肝心のシャラポワを見逃してしまいました、痛恨です…。

2005年5月30日月曜日

雄大な室内楽 - ムストネン&ヘルシンキ祝祭管のシベリウス2番

 阪神、ほぼ予定通りの貯金週間です。S券を四分の一の値段(2,500円)で購入できる優待券を入手し、急遽演奏会に行ってきました。

5月30日(月) オペラシティ
 オリ・ムストネン指揮ヘルシンキ祝祭管 現代曲、ベートーヴェンPC3番、シベリウスSym2番
自作自演・弾き振りのコンチェルト・定番の交響曲と、作曲者・ピアニスト・指揮者というムストネンの3通りの姿が見られる演奏会です。ヘルシンキ祝祭管はメンバー表によると総勢60名にも満たない小さめの楽団で、暖かい音色の弦セクションと、それと融和する木管・金管セクションの柔らかい響きが印象的でした。指揮棒を使用せず、両手を滑らかに使うムストネンの指揮スタイルは、二拍・三拍を一拍で振ることが多く、その流麗な姿とは裏腹にテンポは速めで、これほど速いシベリウスの2番を聴いたのは初めてです。また、奏者へのキューも判りづらく、それでも大きな乱れも無く統一感ある演奏が進んで行くのは、オケ全体に共通したスタイルがあることを感じさせ、よく訓練された室内オケを聴いている趣です。また最後のコラールはそれほど大きな音量が出ている筈は無いのに、何故か凄く雄大な響きがしました。アンコール、超快速テンポの「ルスランとリュドミラ」も楽しく、お得感たっぷりの演奏会でした。

 帰りの高速バスの車中、最初は足元に暖房が入ってましたが、途中からそれが停止、次に上から冷房の風が吹いてくる、という奇妙な体験をしました。

2005年5月28日土曜日

祈りの音楽 - 柳澤&江東シティオケのショスタコーヴィチ5番

 昨夜、H.ヒューズ監督の青春映画を観ていたらいつの間にか意識を失っており、「ホーリーランド」、PRIDE武士道(SRS)、極真世界ウエイト制(一撃入魂)と、格闘技マニアには外せない3番組を寝ブッチしてしまい、痛恨です。本日は初夏を思わせる陽気、日中はテニスして、夕方にアマオケを聴いてきました。入場無料でプロコの7番とショスタコの5番が聴ける、ありがたい演奏会です。

5月28日(土) ティアラこうとう
 柳澤寿男指揮江東シティオーケストラ プロコフィエフSym7番、ショスタコーヴィチSym5番
まだ発展途上のオケという印象ですが、ショスタコのSym5番の第3楽章では、美しい響きの「祈りの音楽」を聴かせてくれました。またアマオケにしては珍しくHrが充実しており、パート全体の迫力・ソロの美しさ、ともに見事でした。プロコのSym7番を初めて実演で聴きましたが、思ったより地味でした。

2005年5月23日月曜日

エッシェンバッハ&フィラデルフィア管の9番

 阪神またうっかり単独首位になってしまいました。試合に即負けしたおかげ(?)で、今夜のエッシェンバッハ&フィラデルフィア管のマーラー9番に間に合います。彼特有の異常な解釈が非常に楽しみです。戻りは深夜になりますので、感想はまたその後に。
 戻りました。密度の高い演奏でした。

5月23日(月) サントリーホール
 クリストフ・エッシェンバッハ指揮フィラデルフィア管弦楽団 マーラーSym9番
このコンビ、この1週間で1,5,9番とやったせいか、埋まっているのは安い席だけで、S,A席あたりは五、六分の入り。エッシェンバッハがNDRを振った同曲のFMオンエアを聴いた時の超スローテンポが強烈な印象だったので、彼のマーラーには「異形の造型、デフォルメの美学」といった先入観を持っていましたが、いざ実演で聴くと、各フレーズに説得力があり、余り違和感の無い解釈でした。(それでも90分位掛かってます。)そう云えば前回NDRとの来日で聴いた5番も想像していたほど異様な解釈ではありませんでした。また、かなり特異に聴こえる箇所でも、実際には他の人よりスコアに忠実なだけ、ということもありました、少なくとも5番では。
 今回の9番、肝心の終楽章の終結部など、エッシェンバッハの要求する神経質なまでの解釈にオケが応え切れていない部分はありましたが、全体としては各楽章それぞれに聴き所の多い、面白い演奏でした。特に第1楽章の再現部あたり(とは言ってもどこが再現部なのか自信が有りませんが)の響きの密度と表現の振幅が凄かったです。オケは弦セクションの内声、特にヴィオラがいい存在感でした。また曲の性質上、思い切って吹きにくい金管群もスケール大きな響きを出してました。ただ、フィラデルフィア管はオーマンディ時代の印象が強烈なので(トシがばれますが)、それと比べると、弦セクション全体の音量・音色と正確さ、管楽器群の実力、いずれもかなり落ちたなあと感じます。ちょっとやり過ぎ、という解釈や、木管セクションの目立つポカなど、いろいろ難はありましたが、総合的にはこの10年で聴いた20回程度の9番の中でトップに位置する演奏でした、あくまで僕の好みではありますが。

 実は9番に関しては、実演でこれ、という演奏に出会っていません。10年以上前で印象に残っているのは、ドホナーニ&クリーヴランド管とアバド&BPOあたりでしょうか。また残念ながらバーンスタイン&イスラエルフィルの伝説の演奏は聴いてません、チャンスはあったのに(涙)。今はレヴァイン&MET又はミュンヘンフィルで聴いてみたいところ。

2005年5月19日木曜日

デプリースト&都響の2番

 交流戦サマサマで、阪神うっかり首位になってしまいました。本日は夏日のポカポカ陽気、今朝の最低気温18度は真夏並みです。都響の新しい常任指揮者、J.デプリーストの就任披露演奏会といった意味合いのコンサートに行ってきました。このコンビのマーラー「巨人」が見事な演奏だっただけに、否が応でも期待は高まります。

5月19日(木) 東京文化会館
 ジェイムズ・デプリースト指揮都響 マーラーSym2番
デプリーストの指揮は特に奇を衒うことが無いもので、一見面白みに欠けそうな気がしますが、一点一画もおろそかにせず、しっかりと音を刻んでゆくせいか、テンポやバランスをいじってマーラーの特異性を強調しなくても、自然とマーラー固有の響きがそこに生まれてくる感じです。彼の創り出す音には芯があって、何と言うか、強い求心力を感じます。特にクライマックスの強靭な響きは見事でした。ただ、一音一音しっかりと彫りこむ演奏では、オケの弱い部分もはっきり出てしまう難点があるのも事実です。また、曲が長いせいか、「巨人」の時に比べると、細部の造りこみが少し甘い部分がありました。その意味で明日はもっといい演奏になるのではないでしょうか。

 このコンビ、今日はまだ改善の余地はありましたが、かなり期待できることは確かだと思います。

2005年5月15日日曜日

曲の流行り - 新通&法政大響のラフマニノフ2番

 昨日終日テニスをやって脚の痛みが増したので、本日は休養して、アマオケを聴いてきました。

5月15日(日) 新宿文化センター
 新通英洋指揮法政大学交響楽団 エグモント、アルルの女、ラフマニノフSym2番
弦楽セクションの分厚い響きが印象的でした。ただ、金管群がややおとなしめで、ラフマニノフあたりもっとブカブカ吹いて欲しかったです。また、第3楽章の終結部がただならぬ緊張感で、マーラーの9番終楽章結尾を想起させる程だったのが強く印象に残っています。

 一昔前は滅多に聴けなかったラフマニノフのSym2番ですが、この4,5年はホントによく演奏されるようになりました。

2005年5月13日金曜日

盛り上げ上手 - 下野&読響の1番

 このところホントに寒いです。先週前半は半袖半ズボンで大丈夫、各所で冷房が入るくらいでしたが、本日はマフラーをしてる人もいて、夕方の電車には(有難い事に)暖房まで入るほどです。ほぼひと月ぶりにコンサートに行ってきました。

5月13日(金) 芸術劇場
 下野竜也指揮読売日響 モーツァルトSym29番、マーラーSym1番
前半のモーツァルトではよくコントロールされ、メリハリのある澄んだ響きが聴けましたが、マーラーでは特に叙情的なパートで指揮者の意図が演奏に十分に反映されていない、もどかしくも散漫な響きになってしまった部分が多かったです。そのせいでどんなマーラーをやりたいかが伝わってこない演奏になってしまいました。指揮棒と視線だけで初対面の奏者から自由自在に望みの音を引き出す、といったいわゆる天才系の指揮者とは対極の、職人肌を感じさせるタイプのように見えますので、リハ不足だとこうなってしまうのでしょうか。ただ、奏者に気持ちよく演奏させる、という才には長けている感じで、テンポのいい部分やクライマックスなどは、上手く盛り上がります。そのため、終楽章はまずまずの大団円でした。オケでは、分厚い響きのTbと切れ味の鋭さと柔らかさを併せ持った1stTpが見事でした。

2005年4月26日火曜日

若き日のメータ

 先日メータ&バイエルン州立Oのマーラー3番(2004年ライブ盤)がオンエアされているのを聴きました。同曲の3度目か、もしかしたら4度目の録音でしょうか。ここ10数年のメータは実演・録音ともに余り心に響いたことがありませんでしたが、この演奏はオケが弱いにも拘らず、なかなかに良かったです。特に最後の盛り上がりは立派でした。ロスフィル時代の、何と言うか、清々しい迫力、みたいなものを感じました。

 同コンビの秋の来日で同じ演目が予定されていますが、主催がNBSでチケットが高いこともあり、はなっから諦めていました。けれど、このCDを聴いて、最安席(それでも8000円!)程度で入手できれば行きたい!という気分になりました。バレンボイム&ベルリンシュターツカペレなど、過去のNBS主催公演の経験からすると、まあ、多分無理ですが…。

2005年4月25日月曜日

ワイルドなツイスト - ワイルドシングス <'98 米>

 先週観て、期待通りの目まぐるしいツイストだったのがこの作品です。

ワイルドシングス <'98 米>
 異才J.マクノートン監督のサスペンス映画。M.ディロン、K.ベーコン、N.キャンベルなど出演陣もB級っぽい豪華さです。またビル・マーレーがいい味を出してました。二転三転の展開にすっかりダマされましたが、少し腑に落ちない点もあるので、いつかもう一度観直してみたい気がします。お色気の面でも、N.キャンベルこそ出し惜しみしてましたが、デニス・リチャーズはしっかり魅せてくれたので合格点です。

2005年4月18日月曜日

ミスターSの芝居っ気 - スクロヴァチェフスキ&読響のブルックナー7番

 本日も一日試合、珍しく2試合勝ち残りました。とは言っても予選の予選で、次がやっと2次予選です。テニスの後はコンサート、奇特な知人からご馳走になったチケットです。

4月18日(月) サントリーホール
 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮読売日響 ブルックナーSym7番など
スクロヴァと言うと「スコアの透けて見えるような分析的・解析的な演奏、ハッタリなどとは無縁」と(余り根拠の無い)先入観を持ってましたが、以前ザールブリュッケン響と来日した際の5番、そして今晩の7番を聴き、結構芝居っ気もある人だなあと感じました。3,4楽章にはかなり強烈なアッチェレランドもありました。もちろん、普段は聴き取れないパッセージが鮮明に聴こえる、という期待通りの部分もちらほら。第1楽章は弱音部などオケの音程が安定せず、今ひとつ乗り切れませんでしたが、第2楽章になると少し良くなり、弦楽器群の分厚くて伸びやかな音と相俟って聴き応えがありました。読響でこんな充実した弦の響きを聴いたのは初めてな気がしますが、単にいつもよりいい席で聴いたせいかもしれません。空いていたのをいいことにPブロックからRDブロックに移動(ごめんなさい)したもので。また要所では金管もかなり開放的に鳴らしており、クライマックスの音場の大きさは、2月のブロムシュテット&ゲヴァントハウスの名演を上回るくらいでした。まあ、完成度や響きの純度等、ちょっとゲヴァントハウス管には及びませんが、国内オケでこのくらい聴ければ満足、という演奏会でした。

2005年4月17日日曜日

豪快マタチッチ

 最高の日和で午前中はテニス、午後はアマオケに行こうかとも思ったのですが、何か大事な用事があった気がして帰りました。

 が、何だったか思い出せず日中は職場でごろごろ、夜にCSでマタチッチ&フランス国立管のブルックナー5番、79年ライブ盤を録音しに家に戻って気付きました。午後に注目のFMエアチェック(死語)があったことを!トホホ…、ヴァーレク&プラハ放響のタラス・ブーリバやガーディナー&チェコフィルのマーラー4番がおじゃんです。やはりボケが日々進行中。

 ショックでしばし茫然自失状態だったので(まあ、もともとブルックナーは余り聴かないのですが)、マタチッチ&フランス国立管のブルックナー5番に関してはクライマックスだけつまみ聴きしたのですが、金管の「鳴り」がハンパじゃなかったです。実演で聴けば鼻血が出そうになるんじゃないでしょうか。

 ナイーブレーベルの一連のフランス国立管のライブ盤はハイティンクとのマーラー6番もそうでしたが、ブラスが伸びやかでしかもウェットな音で録れていて、金管出身者にとっては血沸き肉踊るものが多い気がします。

 明日は読響でブルックナーを聴いてきます。

2005年4月9日土曜日

YUI

 いま、大好きな「タモリ倶楽部」の空耳アワーを待つ間、ふと見たフジの「僕らの音楽」という番組でYUIさんという若手女性歌手をフィーチャーしてました。

 「不機嫌なジーン」のエンディングに使われていた「feel my soul」が気になっていたのですが、何とこれがデビュー曲とのこと。しかも、メジャーデビューを果たしたにも拘らず、地元の福岡に帰れば、彼女の原点であるストリートライブをいまだにやるそうで、スゴイと思います。心に沁みるヴォーカルでした。

2005年4月2日土曜日

英国の響き - 橘&東京楽友協会響のエニグマ変奏曲、R.V.ウィリアムズ2番

 午前中は杉並区でテニスをして、午後は江東区でアマオケを聴いてきました。移動の都営新宿線で爆睡し、オープニングのM.アーノルドの序曲を聴き逃したのが痛恨です。

4月2日(土) ティアラこうとう
 橘直貴指揮東京楽友協会交響楽団 エニグマ変奏曲、R.V.ウィリアムズ Sym2番など
アマオケとしては意欲的な英国プロ、メインのロンドン交響曲を実演で聴くのは初めてです。前半のエルガーは少し地味かなと思いましたが、後半のRVWはなかなかダイナミックな演奏でした。アンコールもこのプロなら絶対コレ、という威風堂々第1番!かなり満足の演奏会でした。

 アンコールではコンサートミストレスの方が涙しておられ、思わずもらい泣きしてしまいました。

2005年3月25日金曜日

ロシアンブラス - シモノフ&モスクワフィルのチャイコ5番、白鳥の湖

 今夜は月とお星さまがとても綺麗です。当日券でモスクワフィルを聴いてきました。これから日本-イラン戦を見に帰るので、感想は後でまた書きます。

 学会を挟み、かなり遅れての感想upとなります。ロシアのオケと云うと、往年のメロディアのミョーにバランスの悪い録音で聴いた、「このヒトたち、絶対おかしい」とすら思わせるバリバリにビブラートのかかったブラス群の殺人的な響きがまず思い浮かびます。ところが残念なことに、一再ならずロシア系のオケを聴いてはいますが、そのイメージ通りのブラスに実演でお目にかかったことはありません。ムラヴィンスキー&レニングラードとスヴェトラーノフ&ソヴィエト国立響の両強力コンビの実演に接していないのが痛いところです。実はモスクワフィルを聴くのは初めてで、ディスクの印象から「今度こそあの爆裂ブラスを」と意気込んで当日券3000円を買い求めました。

3月25日(金) 東京オペラシティ
 ユーリ・シモノフ指揮モスクワフィル チャイコフスキーSym5番、白鳥の湖
シモノフの指揮ぶりは非常に滑らかで流麗なもので、出てくる響きもそれに準ずる印象です。つまり、整ってはいるけれどビックリするようなところも少ない感じです。チャイコフスキーはそれ程聴く作曲家ではないので、自分の中に基準となる解釈や響きは無いのですが、標準的な解釈だったように思います。初めて聴くモスクワフィルは、弦と木管に関しては来日オケの標準レベルという印象です。ただ弦セクションは、後ろのプルトまで懸命に弾いていた昨秋のゲルギー&VPOとは対照的に、良く言えば余裕のある、悪く言えばビジネスライクに演奏をする、というスタイルでしたので、本当は底力があるのかもしれません。期待の金管はそれに比べるとさすがに力強いけれど、期待した程ではないかな、という感じで、5番の時は物足りませんでしたが、白鳥の湖では曲想のせいか、かなり迫力のある響きではありました。また後半の白鳥の湖は、何度も盛り上がりのある濃密な4,50分の挙句のコーダで、スヴェトラばりの延々と続くフォルテシモクレッシェンドがくる、という濃ーいものでした。
 アンコールもチャイコが1曲とドヴォルザークのスラブ舞曲から2曲の計3曲。特にドヴォルザークでは、弦も凄いんですよー、と言わんばかりの演出と、「ロシア訛り」を感じさせる一風変わった表現が聴けました。全体としては、演奏会としての満足度90%、ロシアンブラスへの期待に対する満足度は60%、って感じです。

 唖然としてしまうようなロシアンブラスを聴けるのは、いつの日か…。

2005年3月21日月曜日

大植&大フィルの6番

 本日は珍しく地元でのコンサート、大植英次&大フィルの引越し公演によるマーラーの6番です。コンサート終了後、その足でこの春3度目のテニス合宿に出掛けるので、感想を書くのは明日以降になります。例によって記事だけ作成しておきます。

 大植のマーラーはミネソタ管との来日公演で5番を聴きました。その時は「マーラー指揮者ではないな」との印象でしたが、指揮スタイルにはある種のカリスマを感じました。アンコールで演奏されたキャンディード序曲が一番印象に残っています。そのコンビの次回来日でマーラーの6番が予定されていたのですが、9.11テロにより痛恨の来日中止、個人的には今日の演奏がそのリベンジとなります。

 合宿から戻りましたが、浅田舞ショックで更新するのをすっかり忘れてました。

3月21日(月) つくばノバホール
 大植英次指揮大フィル マーラーSym6番
ミネソタ管との5番は解釈がスマート過ぎて物足りなく感じましたが、今回の6番は、アゴーギク、つまり細かなテンポの揺らしや、浪花節的な粘りなどを要所に効かせた、かなり熱い演奏になっており、ずっと楽しめました。特に終楽章の劇的な表現が印象に残っています。この6年で彼のマーラー解釈が変わったのでしょうか。それともオケの特性に合わせて変えているのでしょうか。ただ、大フィルは評判通り(?)機能性にやや難があり、その点はミネソタ管との演奏とは比ぶるベくもありませんので、トータルでは一長一短といったところです。

 大フィルには申し訳ありませんが、大植英次を極東の一地方オケのシェフに留めておくのは勿体無い気がします。

2005年3月18日金曜日

閑古鳥 - ギルバート&東京のオペラの森管のアルプスSym

 東京のオペラの森管を聴いて来ました。お客さんは何と1,2割の入り、プロのオケでこんな経験は初めてです。不入りにもかかわらず、なかなかの演奏でした。

3月18日(金) 東京文化会館
 アラン・ギルバート指揮東京のオペラの森管弦楽団 アルプスSymなど
東京のオペラの森管(この長ったらしい名前やめて欲しい…)は、(たぶん)小澤の呼びかけで集まった特別編成のオケで、サイトウキネンオケを思わせます。音もまさにそのサイトウキネンと同じ特質を感じました。つまり、弦がやたらと上手く、管はそれに比べると見劣りはするけれど、要所に名手を配して何とかバランスを保っているという印象。ただ、弦が魅力とは言ってもキャラの違いも少し感じました。サイトウキネンの弦はどこまでも優美に伸びる音という感じですが、このオケの弦はやや荒削りな部分はあるにせよ、とにかく凄い迫力です。こんなに弦が鳴るアルプスSymを聴いたのは初めてです。ギルバートの指揮はあまり個性を感じませんでしたが、メリハリの利いたもので、歌わせるところや盛り上がる部分なども過不足無くやっていました。弦が凄いオケなので、嵐の後、日没のシーンで大きなクライマックスが来るあたり、カラヤン&BPOのスタジオ録音盤を想い出しました。(ケンペ&ドレスデン盤の方が好きですが。)

 こんなに凄いオケの演奏会に聴衆が殆どいなかったのは不幸なことだと思います。主催者は直前の半額販売など工夫して欲しいものです、演奏者のためにも。

2005年3月17日木曜日

サーブのフォームはどこですか? - 鯨統一郎「新・世界の七不思議」

 今日は4時半に起きて昭和の森まで試合に行ってきました。この半年はちゃんと練習が出来ず、ただ試合に出てるだけ、という状態なので、当然の様に予選一回戦負け、試合中にサーブの打ち方を忘れるくらいの体たらくです。ただ、移動時間が長いので、本を1冊読めました。

新・世界の七不思議 鯨統一郎
 著者のデビュー作「邪馬台国はどこですか?」では、抱腹絶倒のかけ合いの下、奇抜な発想と切れ味鋭い論理(詭弁?)に驚嘆しましたが、これはその姉妹編、お馴染みのメンバーが世界の七不思議に挑みます。ストーンヘンジなど綺麗にまとまったものもありますが、全体としては前作に比べ論理の切れ味やオチの衝撃度は落ちる気がしました。話題が日本から世界に拡がったことで各話題に関するこちらの先入観や予備知識が少なくなったせいかもしれません。また、最後に前作には無かったご褒美が付いてます。

2005年3月15日火曜日

インバル&ベルリン響の5番

 今夜はインバル&ベルリン響のマーラー第2弾、5番です。ホルンのトップが上手だったので楽しみです。例によって記事だけ作り、帰ってから書き込みます。

 戻りました。期待のホルンは空振りで、9番と比べ一長一短はありましたが、よりインバルらしさは出た演奏でした。

3月15日(火) サントリーホール
 エリアフ・インバル指揮ベルリン響 マーラーSym5番ほか
インバル独特の少しアクのある音のバランスは先週と同様で、それに加え、9番の際にはそれほど細かく揺らした印象が無かったテンポを、今日の5番ではかなり細かく指示を出して動かしていました。指揮ぶりもずっと生き生きしていた気がします。そう云えば9番の時、楽章間は指揮台を降りて椅子に座って休んでいましたので、体調が悪かったのかもしれません。ただ、やりたい放題やっていたせいで、よりインバルらしさは出たものの、その分完成度は今一つでした。フランクフルト放響との演奏を覚えている人は演奏精度の点で物足りなさを感じると思います。9番でトップを吹いたホルンの若者に個人的に注目していたのですが、残念ながら5番では3rdあたりを吹いており、線の細い音の別の奏者がトップで、ソロもパート全体としても冴えませんでした。表現の幅と細やかさでは今日の5番、木管・ホルンの出来と弦セクションの響きでは9番の方がよかったと思います。オケの機能性には相変わらず不満が残るにせよ、最近少なくなってきたアクの強いマーラーが聴けて面白かったです。

2005年3月11日金曜日

チョン&東フィルの4番

 知人からチケットを譲り受け、急遽チョン・ミュンフン&東フィルのマーラー4番を聴きに行くことになりました。4番はマーラーの中では一番聴かない曲なので、半分はソリストの森麻季さんを見に行く感覚です。例によって帰りが遅くなるので、記事だけ作成しておきます。

 戻りました。森麻季さんは素敵でした。

3月11日(金)サントリーホール
 チョン・ミュンフン指揮東フィル マーラーSym4番など
チョン&東フィルのマーラーは1月の3番に続き2度目、内声を少し強めにした音作りで、特に第3楽章で美しい響きを聴かせてくれました。3番のときもそうでしたが、流れを重視し、それなりに劇的な起伏もあるのですが、マーラー特有の「毒」に欠ける気がします。各声部を明瞭にして、分析的かつ解析的に演奏するタイプのマーラーでは毒が無くなることは往々にしてありますが、ロマンティックなタイプの演奏で毒を感じないのは珍しい気がします。

2005年3月9日水曜日

理の通った「猟奇」 - 猟奇的な彼女

今晩のチャンピオンズリーグ決勝ラウンド第2節の地上波放送を控え、うっかり結果を目にしやしないかと、ドキドキ、ソワソワしています。なるべくWEBに接しない方が無難なので、今日も転載ネタでごまかします。

 年末年始に観た映画で一番面白かったのがこれ。

猟奇的な彼女 <'01 韓>
 軽い感じのラブコメ、と思って余り期待せずに見始めたのですが、前半のいくつかの伏線がラストで一気に収斂する絶妙のプロットには唸ってしまいました。

2005年3月8日火曜日

豪華二本立て - 梅田&仙台フィルのツァラ、外山&仙台フィルのアルプスSym

 今日は仙台フィルでツァラとアルプスの豪華二本立てです。今日も12時を過ぎると思いますので、取りあえず書き込んで、感想は後で書き足します。冒頭が「2001年宇宙の旅」に使われて有名になったツァラですが、ボブ・サップの入場テーマ曲でもあります。先日実家で見たPRIDE再放送でのサップの入場シーン、冒頭以外に中盤部分の音楽もちゃんと使われているのには少し驚きました。

 戻りました。なかなかの演奏会でした。

3月8日(火) すみだトリフォニー
 梅田俊明&外山雄三指揮仙台フィル ツァラ、アルプスSym
オープニングは10分に満たない委嘱作品。二人の作曲家による、二人の指揮者を要し、けれど大編成のオケを二つに分ける訳ではないという謎の作品でした。前半のツァラは梅田氏の指揮、アンサンブルが比較的整然とした、よくまとまった演奏で、要所ではかなりの迫力もありました。後半のアルプスSymは外山氏の指揮、梅田氏に比べると各セクションのバランスはやや大まかで、勢いに任せる感じの部分が多いのですが、その分オケの音も伸び伸びした感じで、より表現に起伏が出たような気がします。曲の性格の違いはあるかもしれませんが、完成度とまとまりでは梅田氏、音色と面白さでは外山氏、という印象でした。
 初めて聴いた仙台フィルは想像していたより上手で、金管が安定していました。特にTpは両曲ともほぼ完璧の出来です。弦セクションもボリュームこそありませんが、それなりにまとまっている感じです。

2005年3月7日月曜日

インバル&ベルリン響の9番

 これからインバル&ベルリン響でマーラーの9番を聴いてきます。戻りは12時を過ぎると思いますので、日付を合わせるため、一応記事だけ作っておきました。感想は戻ってから書き足します。

 戻りました。久し振りにマーラーらしいマーラーを聴いた気がします。

3月7日(月) サントリーホール
 エリアフ・インバル指揮ベルリン響 マーラーSym9番
前回の来日で「巨人」を聴いた時はオケの機能性にやや不満を感じましたが、今回は少し改善されたような気がしました。それよりむしろ、マーラー特有のやや唐突で不協和的な響きを強調するインバル独特の表現がオケに浸透したのが大きいのかもしれません。特に終楽章では、それほど上手いとはいえないオケから、うねるような分厚い弦の響きを引き出していたのには感動を覚えました。全体的にはテンポをそれほど揺らさず、それでいて最後にぐっとテンポを落としたのも効果的でした。ただ、かなり独特なボウイングを採用しており、そのせいで輪郭のはっきりした響きが得られていましたが、この辺は賛否の分かれるところかと思います。またホルンのトップがかなり上手だったので、来週の5番も期待できると思います。

2005年2月26日土曜日

伝統の響き - ブロムシュテット&ゲヴァントハウスのブルックナー

 後ろ髪を引かれつつも四谷から相模大野へ急行、ブロムシュテット&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管のブルックナーを聴きました。ゲヴァントハウス管を生で聴くのは初めてです。

2月26日(土) 相模大野グリーンホール
 ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管 メンデルスゾーンSym4番、ブルックナーSym7番
 指揮者でオケの音が変わるのは当然として、「オケの音色がそもそも違う」という体験は余りありません。VPOやIPOはそれなりに違うとは思いますが。ところが、昨年初めてシュターツカペレ・ドレスデンの実演に接し(ハイティンク指揮でブルックナーの8番)、「音色が違う」ことを実感しました。ゲヴァントハウス管はそれに近い感じで、特に暖色系で均質な弦の響きが印象に残りました。
 「地味・堅実」という先入観のあったブロムシュテットですが、第2楽章の弦のたっぷりとした歌わせ方や、第1および終楽章コーダの重厚なブラスと豪快なティンパニなど、思ったよりケレン味もあり、密度も完成度も高いブルックナーを聴くことができました。とてもいい演奏会でした。

美女の変貌- イリーナ・メジューエワのピアノ

 本日もコンサートのダブルヘッダー、まずは美人ピアニスト、イリーナ・メジューエワさんから。ピアノは基本的には守備範囲外なので、我ながらミーハーです、情けない…。無料券を頂いたのですが、先着順だったらしく、ぎりぎりの時刻に行ったらもう入れないとのこと。

 昼飯抜きだったので、諦めてラーメン屋にでも行こうかな、と思っていたところ、主催者の計らいによりコンサート後半から空いている席に座らせて頂きました。有り難い事です。

2月26日(土) 紀尾井ホール
 イリーナ・メジューエワ(ピアノ) バッハ、ショパン、ドビュッシー、メトネルなど
コンサート前半は打木真乃さんのフルートリサイタルだったのですが、上記事情により聴けませんでした。ピアノの方はいわゆる名曲プロで、僕ですら聴いたことのある曲がいっぱいでした。普段のイリーナさんは楚々とした美人なのですが、いざピアノに向かうと楽譜を見る目付きはまるで獲物を前にした猛禽のよう。少し怖いくらいの凄みです。「月の光」を聴けたのが収穫でした。ただ、夜5時からのコンサート会場が相模大野と遠く、最後のメトネルを聴かずに移動しなければいけなかったのが心残りです。

2005年2月20日日曜日

齊藤栄&水星交響楽団のソヴィエトづくし

 今日はバレンボイム&ベルリン・シュターツカペレのマーラー7番を聴きたかったのですが、チケットの余りの高さ(NBS主催)に断念、代わりという訳ではありませんが、マーラーを得意とするアマオケを聴きに行きました。但し曲目はオールロシアもの、というか正確には旧ソ連もの。

2月20日(日) 芸術劇場
 齊藤栄一指揮水星交響楽団 祝典序曲、ガイーヌ、プロコフィエフ Sym5番
水星響は一橋大オケのOBを中心としたアマオケ、よくマーラーを採り上げるので何度も聴きに行ってます。バンダ付きの「祝典」、独自に10曲抜粋した「ガイーヌ」、そしてメインのプロコと、いずれもダイナミックな表現が聴けて楽しかったです。

2005年2月13日日曜日

長田&ダスビのショスタコーヴィチ1番

 午前中はテニス、そして午後はショスタコーヴィチを演奏するためのアマオケ精鋭集団、オーケストラ・ダスビダーニャを池袋で聴きました。

2月13日(日) 東京芸術劇場
 長田雅人指揮オーケストラ・ダスビダーニャ ショスタコーヴィチSym1番など
オールショスタコプロのため、前半では日本初演はおろか世界初演かも、というくらいにレアな曲が聴けるのがいつも感涙モノです。そしてアンコールもレアもの。メインのSym1番ですが、これだけダイナミックに鳴り響くのを聴いたのは初めてです。またコーダの驚速テンポも凄かったです。

2005年2月5日土曜日

ダブルヘッダー - 下野&都響のローマの松、東京メトロポリタントロンボーンカルテット

2月5日(土) サントリーホール
 下野竜也指揮都響 シチリア島の夕べの祈り、ローマの松など
下野氏の指揮はそこそこメリハリが効いていて、ヴェルディはなかなかハマってました。また盛り上げ上手な感じで、松のラストもまずまずの音響。次は彼のマーラーを聴いてみたくなりました。

終演後、渋谷のHMVに寄り、店内イベントで東京メトロポリタントロンボーンカルテットを聴きました。メンバーは先程までサントリーにいた都響のTb奏者達です。ご自身で編曲してるためか、メンバー全員に見せ場のある、そしてハーモニーが美しい曲を披露してくれました。

2005年1月30日日曜日

リッツィ&読響のローマ3部作

1月30日(日) 東京芸術劇場
 カルロ・リッツィ指揮読響 ローマの謝肉祭、ローマ3部作
リッツィにはリズム感の鋭さと弱音への(少しだけ)こだわりを感じました。「松」など迫力は今ひとつでしたが、「祭」はリズムのキレでそれを補っている印象。個人的には「噴水」中盤の壮大な盛り上がりが白眉でした。

2005年1月29日土曜日

メユール的「展覧会の絵」

 縁あって、茨城のひたちなかまで行き、ラ・メユール・ブラストリオのニューイヤーコンサートを聴く機会に恵まれました。ピアノ、トランペット、トロンボーンと一風変わった編成のトリオです。

1月29日 ひたちなか市 けやきホール
 ラ・メユール ブラストリオ
大きめの客間といった感じの空間で、いろいろなお話を交えながら、お客さんと同じ目線で演奏が進みます。奏者との距離の近さと体温を感じ(物理的にも精神的にも)、温かい気持ちになれる演奏会でした。バロックからビートルズまで、様々な曲が演奏されましたが、メンバー自身の編曲による「展覧会の絵」が印象に残りました。今回は抜粋でしたが、秋にはアレンジを変えて全曲を披露してくれるとのこと。今から楽しみですが、全曲通すのはトランペットあたりキツイのでは、と心配してしまいます。金管経験者なので。

2005年1月27日木曜日

爆笑パフォーマンス - コバケン&日フィルの1番

1月27日(木) サントリーホール
 小林研一郎指揮日フィル マーラー Sym1番
コバケン独特のノリに日フィルはかなり応えていましたが、応えきれない箇所もちらほら。終楽章のクライマックス、指定の場所でホルンが立たず「あれ?」と思っていると、何とその直後のコーダで金管全員が起立!唖然としているうちに朗々と鳴り響いて大団円。ブラス好きなので面白かったですが、眉を顰める方もいらっしゃるのでは。いずれにせよ、他では聴けない壮大な響きではありました。

 明日は下野竜也&都響で「ローマの松」です。

2005年1月21日金曜日

小泉&都響の家庭Sym、フルネ&都響のダフクロ

これがフルネを聴く最初で最後の機会となってしまいました。

1月21日(金) 東京文化会館
 小泉和裕&都響 家庭Sym
 ジャン・フルネ指揮都響 ペリのファンファーレ、魔法使いの弟子、ダフニスとクロエ組曲第2番
フルネは日本のオケではなかなか聴けない(と思われる)柔らかい響きを都響から引き出していました。でも個人的には小泉指揮するダイナミックなR.シュトラウスの方がより印象に残りました。

2005年1月16日日曜日

小松&新交響楽団のローマ3部作

1月16日(日) 池袋芸術劇場
 小松一彦指揮新交響楽団 ローマ3部作
さすがアマオケの老舗、繊細さと豪快さを兼ね備えた演奏でした。2階席後方のバンダがよく鳴っていて、「松」のラストもほぼ満足の音響です。

2005年1月9日日曜日

森山&高田馬場管のシベリウス

1月9日(日) 太田区民ホール アプリコ
 森山崇指揮高田馬場管絃楽団 シベリウス カレリア、Sym2番
TpやTbがよく鳴っていて、最後のコラールはほぼ満足の響きでした。

2005年1月8日土曜日

チョン&東フィルの3番

1月8日(土) 文京シビックホール
 チョン・ミュンフン指揮東フィル マーラー Sym3番
両端楽章には随所に唸らせる響きはあったけれど、中間楽章をはじめ、全体としてはチョンの意図が半分も音になっていない印象でした。リハ不足でしょうか?翌日のオーチャードはもう少しよくなったのではないかと思います。