2011年12月25日日曜日

朝活オケ、夜の4番と1番やや原典版 - 小柳英之&モーニングフィルのマーラー4番、1番

昨日の有馬記念、内を回らないと末脚が不安なブエナに比して、位置取りを気にせずぶっこ抜く3冠馬オルフェーヴルの圧倒的な強さにかつてのルドルフを重ねてしまいました。

 朝はマイナス4度とそこそこ冷え込み、冬晴れの日中も8度に届かず低め、今夜からFMでバイロイトの中継がスタートするので集中です。

 本日は昨夜のコンサートから、聴いたのはやりたい人が集まって数回のリハでマーラーを演奏するオケで、これまで旗揚げ公演の9番7番5番6番と聴いてきました。

 今回は何と4番と1番を一気に演奏、(マーラーをやりたい人が多い)管楽セクションは参加料が要るけれど弦楽セクションは無料、というスタンスらしく、そのせいで管の少ない4番は1度企画倒れになっており、1番と抱き合わせで実現、という流れでしょうか。あと名前はモーニングフィルなのに、前回に続き夜公演、しかも開演は午後7時半と遅めです。

12月25日(日) めぐろパーシモン
 小柳英之指揮モーニングフィルハーモニー管弦楽団 マーラー Sym4番、Sym1番
まずは4番、オケは対向配置、弦バスが8人もいてよく集めたなあ、という印象、ソプラノソロの紺野恭子は第2楽章後に登場、このオケにしては弦が不安定でした。あとHrトップにとって高い音を弱音でかなり吹かされる難しい曲だってことを初めて認識。
 後半の1番はびっくり!ハンブルク稿っぽい演奏、ただそれにしては記憶より現行版と違いが少なく(とは言えハンブルク稿はヤングヤマカズで1度聴いたことがあるだけなので自信無し)、"花の章"も無いので自分の知らない原典版か独自の折衷版かも、第1楽章前半のTpファンファーレが舞台裏じゃなくて舞台上(ミュート)だったり、第2楽章冒頭の低弦にティンパニを重ねたり、第3楽章冒頭が弦バスとチェロのダブルソロだったりする点はハンブルク稿と同じ、一方ティンパニやHrの数(2組と7本)など現行版っぽく、Hrの起立も現行版通りに実行、奏者が慣れている1番の割には弦と木管に乱れが多かったのは版のせいか(リハ不足のせいかも)、それでもブラスはなかなか、特にTpが出色の鳴りで最後はそれなりに盛り上がりました。

 期待値が上がっているせいかもしれませんが、9番から回を追うごとに出来が悪くなっている印象です。これで純器楽曲はやり尽くしたので、一区切りでしょうか。

<追記>
 やはり1番は現行版をベースにハンブルク稿を取り入れた折衷版だったそうです。

2011年12月24日土曜日

聖夜にエイズの悲恋朗読劇 - リーディングドラマ もしもキミが。 - Last Christmas

かなりショックなニュース: メイウェザー、暴行罪で禁錮90日の判決
やっと、やっと実現にこぎつけたパッキャオとの世紀のビッグマッチはどーするの(涙)。

 今朝はマイナス4度台とかなりの冷え込み、冬晴れの日中は最高7度台と昨日より低めながら風が無い分暖かく感じました。2日連続して家に帰った時の室温10度と今季最低値、常時室温が10度を割るようになる日ももうすぐです(涙)。

 例年イブはテニス仲間で昼間テニス&夜パーティーなんですが、コート確保の関係上今年はそれを22日にやってしまい今年は通常の休日、まず午前は品川でテニス、この公営コート脇にはいつ行っても色とりどりのバラが咲いていて、薔薇って1年中咲く花なんだなあ、と感じます。

 午後はまた舞台へ、例によって奇特な方からの頂きモノ、再演を重ねている定評ある作品で今回はXmasバージョンになっているとのこと。ただ"リーディングドラマ"と題されており「ただの朗読?」と思ったんですが、演出が何と堤幸彦! ならばやはり芝居か?と興味津々。

 ただ日替わりキャストでヒロインは真野恵里菜と足立梨花の交替制、日にちは選べたのでマノエリを見たかったのですが日程が合わず残念、もう1人の足立梨花って誰?と調べてみれば、「ふたつのスピカ」で桜庭ななみのライバル役だった娘だと知り、何となく才色兼備キャラだったことはおぼろげに覚えていて、じゃあいいか、と参戦することに。

12月24日(土) 紀伊國屋ホール
 リーディングドラマ もしもキミが。 - Last Christmas
葬式から始まるため片方が死ぬことが予め分かっている悲恋もの、主役の2人(大貫勇輔、足立梨花)は半分朗読、半分二人芝居、という趣、客席通路を何度も使う(ため大勢が間近で見られる)サービス演出、2人以外の人物は声のみの登場、背面スクリーンへのスライド映写で場面を補助、そして舞台左袖からのエレキVnの生演奏(武内いずみ)が情感を高めます。内容が内容だけにそこそこ泣きました。

 終演後は主役の2人でトーク&イベントも少々、前から4列目と近くで見られたあだっちぃーは美形と可愛い系(funny face系)の中間位の印象でした。

 あとセリフで言ってたんですが、「ぐっすり眠る」の"ぐっすり"は"good sleep"からきてるとのこと、ホンマでっか?(←ウソらしいです(笑)。)

 明日はアマオケ2連発、午後にチャイコ&プロコのロミジュリ、夜にはマーラー4番と1番の一気演奏です!

2011年12月22日木曜日

15年待った甲斐ありロジックの城 - 有栖川有栖「女王国の城」

 先日湊かなえ原作ドラマ「境遇」を(ドラマ用書き下ろしってことで原作未読でもいいだろう、と)録画視聴、松雪泰子の朗読時の声がセリフ時の声質と全然違うのに驚き。

 朝はマイナス2度と普通の冷え込み、日中は最高6度台とかなり低めながら、予報に反し風が無く穏やかな中テニスをしたせいか寒さは全く感じず。

 終日のXmas企画、日中テニス、夜は東京と地元、パーティーを2つハシゴして忙しかった一日。

 本日はその移動の間に読了した本から、何と「双頭の悪魔」以来15年と7か月振り!の江神ものの第4作、2月に「読者への挑戦」まで読み推理がまとまらず10ヶ月も中断、気合でポイントを読み返して組み立てた推論は気持ちよく綺麗に外れました。

女王国の城 有栖川有栖
 消息が途絶えた江神を求めて推理研の面々が乗り込んだ新興宗教の総本山の"城"で起こる殺人が11年前に起きた密室殺人の謎と併せ読者に提示されます。「読者への挑戦」の後に繰り広げられる緊密なロジック、そして全てのパズルのピースが嵌ってゆく快感は素晴らしいの一言、(自分が初めて解けなかった江神モノとなったせいかもしれませんが)シリーズ中の最高作と感じました。

 因みに明日はアマオケでシベ2の予定です。

2011年12月21日水曜日

カラスとクローンの島 - 有栖川有栖「乱鴉の島」

 ビックリのニュース: 森田芳光監督が急死…61歳、急性肝不全で
えっ… 

 朝はそこそこ冷え込みマイナス3度、日中は雲りがちで余り上がらず最高8度台と低め、半月振りに講義で横浜へ、早めに出て実家石川の地銀の口座を東京支店で開設、たかが口座を作るのに30分も掛かるとは知らず、遅刻しそうになりました。大学の講義室は暖房が入っていて暖かいです。

 少し前気になったニュース: カラスの記憶力、色に関しては1年
以前カラスの知能と認識能力がスゴイって書きましたが、記憶力も自分以上であることが判明。

 でカラスと言えば、先日読んだ本、有栖川有栖の火村シリーズの1冊、初の孤島ものとのこと。

 現代のクイーンたらんとし、"トリックよりロジックを"重んじる著者の姿勢には100%賛成ですが、そのスタイルで量産は難しいのか、それを体現する江神シリーズは僅か4作、その最新作「女王国の城」が待望の文庫化なって読み始めたのは今年の2月、「読者への挑戦」で立ち往生し気が付けば年末に(涙)。

 で先日、余り感心したことのない火村シリーズ(「マレー鉄道の謎」「朱色の研究」)のうち、ほぼ同時期に書かれそこそこ評判の良かった本作を100円棚で発見、推理再開のウォーミングアップとして読むことに。

乱鴉の島 有栖川有栖
 カラスが跋扈し携帯も通じない孤島に迷い込んだ火村と有栖の前にはいわくありげな集まり、そして起こる殺人、いわゆる"孤島もの"かと思いきや、ITやクローン技術など現代風の話題を盛り込みつつ、殺人より寧ろ島の集まりの目的をメインの謎として話が進行、その真相の是非はともかく、シンプルなロジックで犯人を1人に同定する部分は(その論理展開は首肯出来ないにせよ)さすがでした。

2011年12月20日火曜日

シリーズ第5作は99%メッセージ小説 - 海堂尊「イノセント・ゲリラの祝祭」

 昨晩スーパーで買い物した際のお釣りが360円、渡された硬貨には銀色のがジャラジャラ5個以上あって「多過ぎます」と言おうとしてよく見ると、何と! 50円玉7枚+10円1枚、って、あり得ないんですけど…。

 朝はマイナス4.6度とかなり冷え込み、通勤の5分程の自転車行でも手が少しかじかむ季節に、冬晴れの日中は10度強とほぼ平年並み、まだ壁打ちをすればすぐ温まる程度です。

 本日は先日読んだ本から、処女作「チーム・バチスタの栄光」から続く人気シリーズの(番外編を入れると)第5作、ですが、作を追うごとにミステリー臭が無くなっているのが気にかかるところ。 

イノセント・ゲリラの祝祭 海堂尊
 医療事故調査に関する組織設立に向けた厚労省の委員会の場で主人公コンビが奮闘する姿を通し、いつものAiの重要性に加え、医療行政の不備、医療と司法との綱引きなど、著者の思いをたっぷり主張する99%メッセージ小説、ミステリーどころか医療エンタとしてもジャンルぎりぎりの感、"桜宮サーガ"としては「螺鈿迷宮」から直接繋がり、やはり医療と司法の問題を据えた「極北クレイマー」の宣伝もちゃっかり、内容に全く犯罪が絡まないことを考慮したか、「このミス」08年版所収の短編「東京都二十三区内外殺人事件」を文庫化にあたり組み込んでます。

 田口医師の1人称記述、しかも"僕"じゃなくて"俺"という表現にやや違和感を感じ「前からそうだっけ?」と読み返してみると、確かに「チーム・バチスタ」はその通り、ただ「ナイチンゲール」「ジェネラル・ルージュ」は3人称記述でした。こんな所にも工夫を凝らしてたんですね。

 キャラ立ちエンタ系ミステリーから出発し、地歩を固めた時点でミステリー要素は気にせず、思いっきり言いたかったことを表明している感じ、実際彼のペンの力が行政を動かした訳で、その証左として動かされた側の政治家が巻末解説(宝島社文庫版)を書いているのが最も凄い点かも。

2011年12月15日木曜日

王様の命令は絶対! - 王様ゲーム

昨夜の「家政婦のミタ」は「リバウンド」がらみのキャスティングに爆笑、ただそれを録画で観終わった1時頃意識を喪失し復活したのは5時、まだ暗かったのでベランダで夜空を数分見上げたんですが、流れ星は結局1つも見られずじまい(涙)。

 朝は僅かのマイナスでほぼ平年、よく晴れた日中は15度弱とかなり暖かめ、職場に父からの穫れたてミカン第4弾が到着、半日で13個も食べてしまいました。

 今朝TVで見たんですが、2転3転4転したと予想されるE.R.バローズの古典「火星のプリンセス」の映画化が遂に実現したとのこと、タイトルは「ジョン・カーター」で来春公開、初恋の人デジャー・ソリスのキャスティングに興味津々です。

 映画を劇場で最後に観たのはいつか思い出せない位、と思っていたら試写会イベントのチケットが回ってきて、特に気になってる映画でもなかったのですが、久々にスクリーンで映画を、と言うより(今やAKBの台頭で影の薄い)ハロプロ系のアイドルを生で見られる(笑)、ってことで東京まで出向くことに。

 六本木ヒルズには森美術館に草間彌生の展示「クサマトリックス」行ったことがある位で、同じ構内にあるシネコン(TOHOシネマズ)は初めて、入り口が判りにくくて戸惑いました。

 上演前のイベントに来ていたのは主演の(片方)鈴木愛理を含むアイドル?3名、ただ席位置が遠かったのでよく見えずご利益無し、それよりビックリだったのは、そのイベントが終了するや否や、ゾロゾロと半数近くが帰っていったこと、映画じゃなくて出演者のイベントを見に来てたんですね(映画はたぶん既に観た人達と思われ)。

王様ゲーム <'11 日>
 クラス全員に届く"王様"からの発信者不明メール、命令は絶対で服従しない者は消され、その内容は徐々にエスカレート、クラスから1人また1人と消えてゆく、というサスペンス、ラストの展開にもうひとヒネリと、カメラワークにもう少しの踏み込みが欲しい気もしましたが、80分強と短めなこともあり飽きず一気に楽しめました。

 帰り道前を歩いていた人達の会話によれば、オチなど原作とは変えてあるとか。

 スクリーンで観た限り、主演の2人では鈴木愛理より熊井友理奈(背がデカイ!)が好みかも。

<追記>
 実はイベントが始まっても15分ほど入場出来ず不審に思っていたのですが、他の参加者の日記を見ると、どうやらちゃんとお金を払った人?と招待券では差別化がなされていたらしく、イベントの前半では出演者と1人ずつハイタッチをして生写真を貰う、という趣向だった模様、成る程、さっさと帰っちゃった人はそれがお目当てだった訳ですね。

2011年12月12日月曜日

インバル&都響のシンフォニックなショスタコーヴィチ5番

 フィギュアスケートGPファイナルを一気に録画視聴、女子は低調でしたが男子はぼちぼち、P.チャンのSPでの4回転+3回転コンビネーションがクリーンだったのが印象的、直後に壁に激突しちゃったけど。

 朝はマイナス2度弱とやや低め、快晴の日中は14度とやや高め、と昨日に続き冬型の典型、宿舎の前は銀杏の葉っぱが散って黄色い絨毯の趣です。

 夜は東京に出てコンサート、聴いたのは年末から来年にかけ連続してショスタコーヴィチを採り上げるインバル&都響の第1弾、5番です。

 インバルはほぼマーラーしか聴かないのでこのコンビのショスタコは1回きり、以前に11番を聴いただけで、迫力はありましたが、普通にやれば十分凄い曲なので、他と比べてどうか当時はよく判らず。実演で100回近く聴いている5番だとどう聴こえるかが楽しみです。

12月12日(月) 東京文化会館
 エリアフ・インバル指揮都響 ショスタコーヴィチ チェロ協2番、Sym5番
 前半のVc協2番はHrの活躍が印象的、晩年の曲らしく最後はチャカポコ、ソリストは4階まで音がビンビン来たガブリエル・リプキン、ただ40分は長かったです。後半はお目当て5番、インバルは時にテンポを揺らしたり個性的な表現を交えたりしつつも速めテンポ基調にメリハリくっきりの音作り、曲の背景はともかく後期ロマン派延長上の古典作としてシンフォニックな表現をしている印象、オケは弦がシャープでかつ分厚さもあり、木管ソロはどれも達者、金管もややベタ吹き気味でなかなかの鳴りで特に第1楽章中盤のクライマックスが豪快、一番テンポを揺らして個性的だった第2楽章の中間部、VnとFlのソロそれぞれの最後の合いの手(VlaとFg)を異様に強調していたのが印象的、第3楽章からアタッカで入った終楽章、前半の加速がそこそこ激しく、緩徐部で弦がうねり、コーダもやや速めのテンポで一気呵成でした。

 個人的注目の第1楽章後半Hrの難所ソロの事前休憩、今回もしっかり休んで無難にハイトーンをこなしてましたが、興味深かったのはそのソロの時だけ楽器を持ち替えたこと、ただ遠目には楽器の違いは皆目分からず。

 開演前「指揮者が棒を下ろすまでは拍手はやめて!」という旨の場内アナウンスがあったにも拘らず、チェロ協の最後の1音が鳴っている間に、同じ場所・複数の人から拍手が起こったのには確信犯的なものを感じました。後半の前にも再度、同内容の場内アナウンスがあり、それでも5番ラストも大音量が鳴っているうちに同じ場所から拍手が起き、インバルははなっから諦めている感じですぐ指揮棒を下ろしてました。

2011年12月8日木曜日

不条理で大胆な27人 - 女の平和

かなり気になったニュース:「ヒッグス粒子」ついに発見?
もし本当なら世紀の大発見です。

 夜半から雲が出て冷え込まなかった代わり日中は気温上がらず最高8度台、予報通り午後には冷たい雨が。

 夜は東京に出て久々に舞台を観てきました、しかもかなり激しいやつ。

 先日から「今年は○○読んでないな」というミステリー本の選択をしていて、ふと「今年は舞台を観てないな」と思ったところへ、奇特な方からナイスタイミングで面白そうな公演のチケット提供があり、急遽参戦した次第、ま、特に観劇の趣味は無いのですが、年に1度位は観ておこうかな、と。

12月8日(木) 俳優座劇場
 女の平和
女の武器を使って反戦を訴えるアリストパネス「女の平和」が原案、とのことですが原形をとどめておらず、いきなり雪山で始まるイモ掘り大会、不条理な内容はさっぱり分かりませんでしたが、セーラー服に身を包む27人!もの女優さんが一斉に舞台に上ってハジケる姿に圧倒され、最後には「自分の限界まで」と言われ皆脱いでゆき、大半が手ブラにまでなっちゃうのには唖然。

 前から3列目だったので、たっぷり目の栄養になりました(笑)。

 明日はアマオケでマーラー5番です!

2011年12月4日日曜日

急遽参戦、デュトワN響の8番

 昨日の雨(低気圧)がもたらした熱気で朝は10度を割らず10月中旬並み、早起きして東京に出て午前中は練習、少し暖かい風が強く、春先に近い空気感、ただコート隣のお寺では紅葉が真っ赤、なのでやはり秋深し、です。

 午後はまずみなとみらいでアマオケのマーラー1番花の章付き、その後夕方は洗足音大オケで火の鳥&シェエラザード、の予定。

 ただ、前にも書きましたが元々午後はデュトワ&N響のマーラー8番も気になっており、ただ最安自由席が入手出来ず「デュトワのマーラーってソソらないし、NHKホール嫌いだし」と酸っぱい葡萄的に諦めてアマオケにした経緯あり。

 しかも今日の午後って、上記「巨人」花の章付きの他にも、マーラー9番の室内楽版とか、プロコ5番を前座にして「アレクサンドル・ネフスキー」をやっちゃうアマオケとか、興味深い公演目白押しで迷うところ。

 ところが練習に向かう途中、朝の新宿駅で電波を拾ってチケット掲示板サイトをチェックしたら、1500円席が1枚出てます!ただ「携帯持ってる人」となっており自分はOUT!

 それでも(知り合いかもしれないので)「他に誰もいなかったらお願いします、携帯無いし、昼過ぎまでメールも見られない最悪人間ですが…」と"滑り止め希望"連絡をしておいたところ、やはり知人だったらしく無事ゲット、有難うございました!

 当初聴く予定だったアマオケ会場のみなとみらいまで既に行っており、そこで公衆電話を探すのに手間取り、見つけてもカード専用電話でテレフォンカードを買うのに更に手間取る、とやや苦労しつつも無事連絡が付き、すぐNHKホールに取って返すことに。

 ただみなとみらい線(東急東横線)に乗った際、壊れ気味だったラケットバッグのファスナーが完全崩壊(涙)、全く閉められなくなり、中身が飛び出さないよう紐で縛りかつ抱えて運ぶ、という悲惨な状況で移動速度が鈍り、待ち合わせの時間に遅れそうになりました。

12月4日(日) NHKホール
 シャルル・デュトワ指揮N響 マーラー Sym8番
オケはさすがに大編成、視覚的に目立った(重複表現?)のは4本のHpと9本のHr、舞台奥の合唱は少年少女・女声・男声が各100-150人規模、デュトワは粘らずアクの無い表現で粛々と進行、ただ第2部序盤の管弦楽のみの部分では野太い低弦中心に激しめに盛り上がったのが印象的、Tpトップが不調、Tbトップが見事、栄光の聖母はオルガンのある右上バルコニーに降臨、両楽章クライマックスでのバンダはどこに出現したか3階外野席からは不明で音も余り届かず(2階?)、ただ全体ではさすがに分厚く豪奢な響きで、特に合唱に関しては(NHKホールであることを考えると)これまで聴いた8番では最高の迫力でした。

 終演後外に出ると夕方の空に半月、当初予定していた洗足音大に行くかどうか迷いましたが、ラケットバック崩壊状態でまた溝の口まで旅するのはシンドイので諦め、家に戻ってFMの円光寺&東フィルのボレロでもエアチェックすることに。

 すっかり暗くなってからは木星も現れて半月と覇を争ってます、今夜は冷え込むかも。

2011年12月3日土曜日

怒涛パーカッションのマーラー1番 - 増井信貴&首都大学東京管弦楽団

この日はアマオケのハシゴ、雨でテニスが流れ、予定外に参戦した午後の専大オケが終わってホールを出ると雨は上がっており、外はむんむんとした熱気に包まれています。予報通り雨のピークとともに気温が上昇し、最高は15度超と高めでした。

 多摩センターから上野へ移動し、当初予定通り夜に聴いたのも学生オケ、こっちのメインはマーラーです。

12月3日(土) 東京文化会館
 増井信貴指揮首都大学東京管 ワーグナー "ローエングリン"第3幕前奏曲、ブルッフ Vn協1番、マーラー Sym1番
最初のワーグナーはTbの鳴りっぷり素晴らしく(プロと比べても!)個人的には本日の白眉、続くブルッフのソリストは楽団のトレーナーでもあるN響コンマス山口裕之、これを聴く度「アルプスSym」と「ばらの騎士」が浮かびます(勿論こっちが先ですけど。) 後半マーラーでもTbの鳴りがよく、8本のHrも要所でなかなかの迫力、補助のTb、Tpと併せクライマックスの起立は楽譜の指示より遅らせて2度目のパッセージから、そして1番印象的だったのがラストのパーカッション怒濤のロール、笑っちゃう位のfffでした。アンコールは無し。

 終楽章のミュート早業着脱ファンファーレ部分、Tpは最後の1音アシ頼み作戦でしたが、Tbトップ(女性!)はしっかりキメてました。

 終演後はダッシュで六本木へ向かい宴会に突入、途中で抜けて終電で帰宅したのは1時でした。

裸足のヴァイオリニスト - 三河正典&専修大フィルハーモニー管、松田理奈(Vn)

昨夜の「11人もいる!」はミステリー的興趣もありこれまでで1番よかったです。

 朝から本格的な雨、念のため早起きして都心に出てはみましたが当然テニスは中止、夜まで暇になりネットの繋がる場所で午後の予定を練ることに。

 ピックアップしたのはパルテノン多摩での大学オケ、メインはチャイコ4番で余り食指は動かないのですが、前プロのソリストがビジュアル系で、5年程前にインストアイベントで見た時の記事を再読しての判断です。

 早めに現地入りし、恥ずかしげも無く最前列中央左寄りに陣取りました。指定席で選択の余地無く最前列に座ったことは何度かありますが、アマオケの自由席で(音のバランスの悪い)最前列に座るのは初めてかも。その席で3、4度程地震かと思う揺れを感じ、(でも後で調べてもその時間帯有感地震は無かったので)周りの影響でそんな揺れ方をする席でした(後方席はそんなことは無かったです)。

12月3日(土) パルテノン多摩
 三河正典指揮専修大フィルハーモニー管 ヴェルディ 運命の力、サン=サーンス Vn協3番、チャイコフスキー Sym4番
最初のヴェルディは(席位置のせいでバランス不明ですが)ブラスは大人しめ、続くサン=サーンスのソリストはお目当て松田理奈、左肩を出した黒のロングドレスから、あら? な、何と裸足が覗いています! なので気合いを入れて足を踏み込むたんびにペタッ!と音が…。アンコールはディエス・イレの出てくるイザイの曲をペタッと足踏みしながら、足の裏に何か刺さったりしないか心配、さすが大物です。
 所期の目的は達成したので後半のチャイコ4番は20列目前後の中央に移動、冒頭5本のHrがなかなか豪快、ブラス全体でもそこそこ鳴っての大団円、アンコールもチャイコ「くるみ割り人形」から葦笛の踊り?とトレパーク。

 1曲目と2-3曲目とではコンミスが交替、コンミス(コンマス)がローテすること自体はそれ程珍しくは無いのですが、1曲目のコンミスが3曲目では2ndVnに!これ結構珍しいのでは。

 冬のコンサートホールで自分以外に裸足の人を初めて見たかも、でも自分の場合はサンダル履いてますけど(笑)。

2011年12月1日木曜日

お得意のシチュエーションコメディーと映画愛 - ザ・マジックアワー

 今夜からテレ東でUFCのレギュラー番組が始まるみたいなのでワクワク、あ、でも放送枠たった7分しかない…。

 今日からもう師走、ほぼ終日の小雨、夜半に9度あった気温は朝6度を割り、そのまま日中はずっと5度台、午後で比べれば昨日より12度以上低い値です。

 夜になってもっと下がれば雨が雪に変わるかも。

 本日はひと月程前にTVで観た映画から、と言っても放送時はラスト10分辺りで意識喪失してしまい、やっと昨日その部分だけtudouで補完視聴に成功したもの、三谷幸喜脚本・監督第4作です。

ザ・マジックアワー <'08 日>
 禁酒法時代のシカゴを模した日本の(日活風無国籍)港町が舞台、ボスの女に手を出した子分が命乞いの代償として幻の殺し屋を探す羽目になり、それを売れない役者に演じさせて切り抜けようとするシチュエーションコメディー。三谷作品で同種プロットのドラマ「合い言葉は勇気」<'00>に比べてストーリーは落ちると思いますが、反面オマージュやお約束など"映画愛"的要素はたっぷり、ラストもまずまず、ただ全体としてもう少しテンポよくまとめられる気も。

 「ゴッドファーザー」のM.ブランド(かR.デ・ニーロ)を真似た冒頭の西田敏行には笑いました。

2011年11月29日火曜日

ミチオ流コン・ゲーム - 道尾秀介「カラスの親指」

 昨夜のコマ大は久々に歯応えのある問題(しかも未解決問題!)で面白かったです。

 薄曇、朝の7度台、日中の17度台はどちらも高め、昨日に続き背広で横浜通いです。朝の測定ではリバウンド無く風邪ダイエット2kg分を維持、ってことで今日も昼飯は同じパターン、美味いとんこつラーメンを連日食えて幸せです。

 本日はこの2日間の往復で読んだ本から、「向日葵の咲かない夏」に衝撃を受けて昨年は道尾作品を一杯読みましたが、その後未読の文庫をなかなか古本で見つけられず、これが今年最初の道尾作品となった次第。

カラスの親指 道尾秀介
 過去に闇を持つ詐欺師がいくつかの出会いを機に、これまでの自分を清算する大勝負に打って出ます。そもそもコン・ゲーム小説なので当然大小のサプライズがあり、かつ楽しく綺麗にまとまっているので、これまでの著者作品ではミステリーマニア以外へのウケは1番よさそうです。

 著者の作に馴染んでいると自然と身構えて読む(ディーヴァーみたい)ためサプライズ度は低めですが、一般的な読者の初道尾作品としては向いている気がします。

2011年11月25日金曜日

作風転換?第1作は日本版JFK - 伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」

 風邪は少し快方になれど食欲はゼロ、犬猫療法的には1日寝ていたいところですが、午後は横浜で講義があるのでそうもゆかず、朝は普段通りにまず職場へ行き、昨日届いた実家のミカンを朝飯代わり。

 朝は零度台とやや冷え込みつつもよく晴れた日中は15度超と高め、職場から出る際チェックした構内の紫フヨウ、先週から花が見えなくなっていたのに半開きの蕾が!衣替えしてしまった自分より逞しいです。

 ややグロッギー状態で乗った上りのつくばエクスプレス、我ながら現金な物でスレンダーな女神が降臨して一気に元気が戻りました。

 本日は横浜への往き帰りで読了した本から、先日に続き伊坂本、一般読者にもブレイクして(2008年度「このミス」第1位、そしてすぐ映画化)転機となった作品と言えるかも。

ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎
 J.F.ケネディ事件を下敷きに、日本(仙台)で起きた首相暗殺事件の濡れ衣を着せられた主人公の逃亡劇を伊坂調で描きます。巻末解説(新潮社文庫版)にある様に、これまでの特徴であるミステリー的仕掛けや伏線の回収は意図して少なめにして、反面胸が熱くなるシーンは増やして、より一般的なエンターテイメントに仕上がっています。個人的には以前の作風の方が好きですが。

 自分は残念ながら違うのですが、ビートルズにより詳しいと、感動がより一層高まりそう。あとこれまでの作品は映像にしても原作に及ばなさそうでしたが、本作は映像化とも相性が良さそう、そのうち映画も観てみます。

2011年11月23日水曜日

入道雲とラフマニノフ - 内藤佳有&東京農大農友会管

 午前テニス、午後アマオケと典型的休日パターン、の予定でしたが朝6時に起きると外は曇り、喉が激イタ、鼻は呼吸出来ない程詰まっておりテニスをキャンセルして寝直すことに。

 以前なら「風邪はテニスを休む理由にならない」とか「テニスした方が風邪は早く治る」とうそぶいていただけに、老後になって急に弱気になった自分が情けない限り。

 眩しい陽光で次に目覚めたのは8時、コンサートだけは、と風呂に入って着替えた所で力尽き、みたび床に。

 「いいとも」が始まったTVの音で目覚めたのが正午時過ぎ、気合いを入れて外出、意外と気温は高めで15度超、何より青空に入道雲まであったのがびっくりでした。

 新宿に出て聴いたのは東京農大のオケ、帰り道にラーメンを食べるほど元気を回復した気がしていました、この日は。

11月23日(水・祝) 新宿文化センター
 内藤佳有&東京農大農友会管 サン=サーンス 死の舞踏、R=コルサコフ スペイン奇想曲、ラフマニノフ Sym2番
 最初のサン=サーンスはマーラー4番第2楽章と同様調弦を替えたVnを2台使い分けるコンミスのソロが出色、続くR=コルサコフはブラス大人しめながら木管陣がまずまず、後半のラフマニノフ、気が入った時のシューッという息音が客席後方まで聞こえる氏の情熱系の棒の下、爆発度低めながらまとまった演奏を聴かせてくれました。アンコールもラフマニノフ、ヴォカリーズをしみじみと。

 この指揮の内藤佳有(Karl!)氏、なかなかケレン味たっぷりの人で、2番の第3楽章をマーラー9番の如く終えて10秒、そしてヴォカリーズでは15秒、音が消えてからも黙祷を捧げてました。

2011年11月20日日曜日

P.ヤルヴィ&パリ管のロングトーン幻想

前日の湿気むんむんだった朝は最低13度台と10月上旬並み、日中もそのままの湿度でほぼ曇りなのに20度を突破して春の陽気、朝は埼玉で試合、午後は横浜でコンサート、夜は新宿で宴会、と忙しい一日。

 雨は上がってだいぶ経つのに湿度でコートが乾かず試合開始が1時間遅れ、午後のコンサートに間に合うか気もそぞろ、相手は学生なのに攻めてこないタイプのため時短を兼ねてネットに出ては抜かれて予選1回戦没、でもコンサートにはギリギリ間に合いました。

 午後聴いたのはパリ管、何故かこれまで縁が無く、初体験な気がします(けれどボケ老人ゆえ忘れてるだけかも)。定価が最安9000円と基準を遥か凌駕していたためほぼ諦めつつも、地道に上限6000円で入札を繰り返していたら直前で無競争GET(でも同時期の出品では5000円で無競争落札ってのもありました)。同じ幻想メインでもサントリー公演と比べ前プロが協奏曲じゃない分こっちの方が個人的に嬉しく、逆に世間的にはニーズが落ちる様です。

11月20日(日) みなとみらいホール
 パーヴォ・ヤルヴィ指揮パリ管弦楽団 ビゼー 交響曲、 ドビュッシー Clと管弦楽のための狂詩曲第1番、ベルリオーズ 幻想Sym
 最初のビゼーは繰り返しが多く自分にはやや苦痛の35分間、終楽章の高速テンポが印象的でした(が曲想からすると誰でもやりそう)。次は牧神っぽい曲想の如何にもドビュッシーっぽい10分程の曲、こっちは初めてでも楽しめました。Clソロは首席奏者のパスカル・モラゲス、パリ管は木管が美しく、弦は音量はぼちぼち程度ながら低弦は太くVnがチャーミング。
 後半はお目当て幻想、ヤルヴィは滑らかな棒でテンポをよく揺らすのと、弱音を更に弱くという傾向が特徴的、遅いテンポで表情たっぷりの第2楽章ワルツ(コルネット無し)と第3楽章中間部での急加速と激しい表現が印象的。第3-5楽章をほぼ続けて演奏し、第3楽章冒頭の草笛はアングレが舞台左袖、Obは舞台裏、終楽章の鐘も舞台裏、あと第3楽章の雷ティンパニが4台を4人で叩く贅沢な布陣でした。第4楽章はブラス大人しめで弦が暴れる表現、冒頭遅めのテンポで不気味さを強調した終楽章でもブラスは抑えめ、その功徳か猛加速して煽った後のラスト1音は(抑えて吹いているブラスの息が続くので)これまで聴いた中で最長のロングトーン。アンコールは2曲、まずビゼーの「子供の遊び」"舞踏会(ギャロップ)"?を楽しげに、続いてパパもお得意のシベリウス「悲しきワルツ」を緩急と強弱たっぷりで(特に弱音は聴こえない程)、この曲で音が消えた後10秒も棒をおろさない人を初めて見ました。

 ブラスが爆発しないのは個人的に物足りませんが、オケの音色やアンコールを含めたトータルでほぼ満足、アンコールを2曲やってもまだ次の楽譜をさっさと出す団員がいて「こいつらプロだ」と思いました。

<追記>
 日記を読み返したらシンシナティ響の時もアンコールに悲しきワルツをやってました。親子で18番なんですね。あと「弱音はより弱く、速い部分はより速く」はパーヴォの一般的傾向のよう。

2011年11月18日金曜日

匠の技いろいろ - 泡坂妻夫「煙の殺意」

 終日の曇り、朝は冷え込まず最低7度と高め、日中は予報に反し上がらず最高13度と低め、マフラーをして出ても荷物にならない気候でした。生徒の都合でイレギュラーに横浜へ講義に、昼飯は大分ラーメンです。

 本日はちょっと前に読了した本から、名匠泡坂妻夫の比較的初期作を集めた短編集、今年連綿と続けてきた1年遅れの泡妻追悼企画もこれで一区切りです。

煙の殺意 泡坂妻夫
 大抵の作品が再読なせいか、名品の誉れ高い「椛山訪雪図」(やや作り過ぎの感)「煙の殺意」(もっと説得力のあるプレゼンが出来そう)「紳士の園」あたりよりも、やや泡妻らしくない倒叙物「歯と胴」(バリンジャーへのオマージュ?)と泡妻節全開の「開橋式次第」のファイダニットと手掛かりが印象に残りました。

 明日から2日間職場が停電になるので、その対処が意外と面倒です。

2011年11月15日火曜日

骨太苛烈な麻薬戦争30年史 - ドン・ウィンズロウ「犬の力」

朝冷え込まなかった代わり、そこそこ晴れた日中は予報通り気温上がらず15度をわずかに超えた程度、ただこれがほぼ平年値、でもこの秋は高めの日が多いせいかかなり寒く感じます。

 昨日職場に届いた実家のミカン、結局昨日1日で13個食べました。周りのみんなも食べてくれて、今日は2個食べただけでダンボール1箱尽きてしまいました。

 本日は先日読了した本から、このミス1位作品繋がりの3作目、「ミレニアム」3部作を抑えて2009年度の第1位に輝いた作品です。

 著者のニール・ケアリーシリーズを読破してから取り掛かろう、と思ってたんですが、第2作「仏陀の鏡への道」にそこそこ時間が掛かったので、全5作読破は遠い、と判断して本作を先に手にとることに。

犬の力 ドン・ウィンズロウ
 アメリカから中南米を又にかけて起きる麻薬戦争を30年に及ぶスパンで、多視点の群像劇スタイルを用い疾走感ある乾いた筆致で描きます。北中米現代史を踏まえて進む物語はそれをよく識る人には興味倍増と推測され(自分には不明…)、骨太な年代記風展開にロマンスや終幕のサスペンスも有っててんこ盛り、時に凄惨な内容は映画「ゴッドファーザー」を子供の頃初めて観た時の感覚を思い出しました。

 ニール・ケアリーシリーズとかなり違う肌合いに驚きました。あとマリファナとヘロインとコカインの区別が全く付いていない自分には、よく判らない部分も(笑)。

 だいぶ離れてきた木星とお月さんの間に冬の星座が綺麗に見えてました。今夜は久々に冷え込みそうです。

2011年11月14日月曜日

意外と情熱系、ジンマン&トーンハレのマーラー5番

 昨夜はTVで日本シリーズ第2戦を堪能、ファルケンボーグって初めて見ましたが、凄い球投げますね。

 午前中職場に実家の父から穫れたてのミカンが到着、一気に6個食べて指は今年もウンチ色。

 今夜はジンマン&トーンハレのマーラー5番、トーンハレ管は初めて聴くんですが、このコンビによる一連のマーラー録音を聴く限り弦の音がチャーミングなので期待してます。帰りが遅くなるので例によって記事のみ作成。

<続き>
 いやあ、ジンマンのマーラーってディスクでは透明感はあるけど淡白、という印象でしたが、実演で聴くと意外と情熱的で驚きました。

 この日も最低10度弱、最高20度弱と前日同様の小春日和、ただ午後から少し雲行きが怪しくなり夜にひと雨、日曜一日節制したのに土曜増加分の1kgが全く減らずがっくり。

 夜に聴いたトーンハレ管、昔からポツポツ来日している割にはお目に掛かるチャンス無く、最近全集が完成したジンマンとのマーラーでは潤いある弦の音色が魅力的で、前回このコンビが来日した時は聴こう、と思っていたんですが、招聘元の都合か常にヨーヨー・マとの抱き合わせ公演、そのためか最安8000円と自分がこのコンビに出せる基準価格より高くて諦めました。

 それから5年経って今回の来日もまた抱き合わせパターン、ただ最安8000円も同じです。この5年で来日オケの最安席は軒並み倍近くに跳ね上がっており、5000円以内で聴けるオケが少なめ、そして今や8000円は普通の価格(涙)、年に1公演くらい清水の舞台から跳ぶか、と一念発起しての参戦となりました。

11月14日(月) サントリーホール
 デイヴィッド・ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管 ショスタコーヴィチ チェロ協1番、マーラー Sym5番
 前半ショスタコはノンヴィヴラートのHrソロが印象的、ソリストは5分近いカデンツァが迫力だったヨーヨー・マ、アンコールに定番"鳥の歌"をしみじみと。休憩時間に2ndVnの後ろのプルトの若い女性が練習していて、その位置に少し驚き、ショスタコでは左から音域順に並ぶ配置だったのに、後半は2ndVnだけ対向配置となる右側に移動しています。
 その後半の5番、自由に始めていいタイミングでスタートしたソロTpは柔らかな音色で素晴らしく、動きがシャープで明快な棒のジンマンは続く最初の弦の主題から遅めのテンポで各フレーズを情感たっぷりに歌わせます、この後もマーラーっぽいアクは強調しない代わり、弦中心に全てのフレーズをとにかく歌う解釈は想像より主情的で驚き。新版らしく指揮者脇に出て演奏したHrソロはやはりノンヴィヴラートで色気が無い代わり正確、木管はニュートラルな音色、弦はディスクから期待した艶は感じませんでしたが混濁の無いクリヤーな音色で、何より長身のコンマスから低弦まで、下のプルトも一所懸命弾いていてかなりの音量、棒を置いた指揮でほどほどの情感だった第4楽章の音の分厚さと、終楽章で第4楽章動機が回帰する部分の穏やかな表情が印象的、安定感あるブラスはジンマンの音作りが弦中心なためか常にそれを消さない程度の吹きっぷりでしたが、それでもクライマックスは豪奢なサウンド、見事な完成度でした。

 ジンマンのマーラーに対する期待値が低かったせいもあるかもしれませんが、この秋1番のコンサートだった気がします。もう1回来日して非抱き合わせ公演で3番か9番あたり聴かせて欲しいものです。

 面白かったのは直径1.5m位ある巨大なドラ、奏者は常にドラを背にして叩き、音を止める際は背中とお尻、両手をフルに使っていました(笑)。

2011年11月12日土曜日

シナイスキー&N響の10番、大地の歌

 朝の最低は12度弱と昨日の最高気温並み、まずまず晴れた日中は20度弱と高め(都心は20度超)、朝は東京に出て教え子の応援&テニス、昨日は半袖半ズボンで凍えたのに懲りて上着を羽織り小さなマフラーまで、なのに外出10分でどちらも不要荷物に、相も変わらぬ"あつなま"パターン。

 久我山での応援、品川でのテニスをそれぞれ1時間で切り上げて渋谷へ、鬼門のNHKホールです。年末のN響は取って付けた様にマーラーイヤー帳尻合わせのマーラープロが並んでますが、今月は余り興味の無い4番に全く興味の無い「大地の歌」、で大の苦手のNHKホールってことで完全スルーの予定でした。

 そもそも「大地の歌」は歌曲なのでそれがメインとなるコンサートに行くことは無く、よって実演経験ゼロ。ところが奇特な知人が「それはよろしくない」とご馳走してくれることになり参戦となった次第、おまけに開演前に二郎インスパイア系ラーメンまでご馳走になってしまいました。

 今月のN響はコウトがキャンセル、その代役のメンツがパパ・ヤルヴィ、メルクル、シナイスキーってのが凄い。で今日はシナイスキー、実演は初めてですし、ディスクもショスタコのイメージしかありません。

11月12日(土) NHKホール
 ワシリー・シナイスキー指揮N響 マーラー Sym10番第1楽章、大地の歌
シナイスキーは棒を使わないスタイル、10番冒頭のVlaをかなり勿体付けてやっており、「これはねちっこくなるか」と期待しましたがその後はあっさり系、阿鼻叫喚のクライマックスも大人しめ(Tpのハイトーンは柔らかな音色ながら見事でした)、終わり方もあっさりでした。後半は「大地」初体験、1、3曲めと終曲くらいしか耳に馴染み無く、しかも終曲は生で聴くと思ったよりしつこくて長かったです。第1曲が5本のHrを吼えさせたり最後の1音のドスが効いていたりと豪快な解釈に感じました。

 因みに昨日書いた12月の8番は確かに現地でもほぼ売り切れてました。

 終演後の夕方はテミルカーノフ&旧レニングラードフィルのラフマニノフ2番、マゼール&東響「巨人」、法政大オケショスタコ5番、品川区民管ショスタコ10番のどれかに行こう、と思っており、熟慮、じゃなくて浅慮の末、少なくともテニス仲間2人に会えるテミルカーノフに決定、チケット入手のアテも無いのに文京シビックへ。

 予想通り当日売りは高い席のみ、「当日券売り場に並ぶふりをしてチケットが余っている人を誘い込む作戦」をやろうとした矢先、目の前でまさにそれをやられてS席が1枚無料で流れて激萎え、素直に「チケット求む」と書いて立っていれば手に入るんでしょうがその根性も無し。予定通りテニス仲間2名に挨拶出来、更に予定外にクラヲタ仲間1名にも会えたので、それで満足して帰ることにしました。

 明日はアマオケでシベリウスです!

2011年11月11日金曜日

ボージチ&都響の家庭Sym

 終日の雨、特に午後は久々の本格的な雨、気温も低めで日中も10-11度台と寒々、ただ夜になってから12度を超えて上昇中です。

 雨の中、構内の紫フヨウとサルスベリはまだ咲き続けています。

 夕方は東京に出てコンサート、電車の座席に暖房が入っていて嬉しい限り、メインが好きな曲No.1、2を争う家庭Symだけに未知の指揮者でもまず参戦です。

11月11日(金) 東京文化会館
 ウォルフガング・ボージチ指揮都響 モーツァルト PC23番、R.シュトラウス 家庭Sym
前半のソリスト、フレディ・ケンプは拍手に応え「ショパンのエチュード"別れの曲"」と日本語で言ってのアンコール、後半お目当てR.シュトラウス、Hrを9本揃えつつもSax群は省略らしく残念、学者っぽい風貌のボージチはオーソドックスで滑らかな指揮ぶりで、頻繁にタメを作りつつも流れのよい音楽作り、オケでは弦がキレと艶があって出色、ブラスが全開にならないのがやや不満ながら破綻無く、一番盛り上がる部分でティンパニが変でしたが、弦管トータルでなかなかの音響、大人の演奏、って印象でした。ただ、途中カットがあったように感じたのは気のせいでしょうか?

 明日はN響のマーラープロ、しかし苦手なNHKホールです。ところで来月初頭のデュトワ&N響の8番もやはりNHKホールゆえ参戦を迷ってますが、数日前はチケットぴあなどで全席ガラガラだったのに今は全席売り切れ、ってなってます、発売直後ならまだしも、発売開始から少し経ってるのに、ここ数日で何があったんでしょう?ちょっと不思議…。

2011年11月2日水曜日

ソ連恐怖政治下のネオハードボイルド - トム・ロブ・スミス「チャイルド44」

 朝は6度台と低め、日中は22度弱と高め、構内のサルスベリとムクゲはまだしぶとく頑張って花を付けてます。

 午前中は試合、1回戦で苦手サウスポーにあっさり敗退し、本日のお小遣いは1700円、お昼過ぎには職場復帰し、一昨日届いた実家の柿が昼飯代わり、でも残念ながら少しやわらかくなっちゃってます。

 本日は先日読了した本から、その前に読んだ「クライム・マシン」と"このミス1位"つながりで手に取ったもの、筆者の処女作にして2008年度のこのミス第1位作品です。

チャイルド44 トム・ロブ・スミス
 スターリン恐怖政治下のソ連を舞台に、主人公の捜査官が体制に揉まれながら異常な殺人事件に挑みます。実際の事件を下敷きにしつつ起承転結を整えたプロットはなかなかですが、一番印象に残ったのは事件よりも当時のソ連の社会情勢の厳しさでした(ショスタコーヴィチ!)。その意味"ロシアで発禁"というのもあながち嘘ではないのかも。タイトルの意味が判る部分ではゾクッとしました。

2011年11月1日火曜日

テミルカーノフのハルサイ

 朝は平年並みで10度割れ、よく晴れた日中は20度を超えてやや高め、本日からもう11月、午後横浜国大で講義した帰りに寄った横浜駅前ブックオフでは、何ともうクリスマスソングがかかってました。

 ブックオフの後はやはり横浜駅近くの(学生が「世界で一番おいしい料理」と評する)大分ラーメンを経由してサントリーへ、テミルカーノフ&旧レニングラードフィルの第2夜、メインのハルサイをこのコンビで聴くのは2度目です。

11月1日(火) サントリーホール
 ユーリ・テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルク・フィル ロッシーニ セヴィリヤの理髪師、メンデルスゾーン Vn協奏曲、ストラヴィンスキー 春の祭典
 最初のロッシーニは編成が小さく自分には詰まらないんですが連れは一言「上手い!」、続くメンコンのソリストは前回来日でもタッグを組んだ庄司紗矢香、アンコールにはバッハのしみじみ系。そして後半のハルサイ、Tp(たぶんピッコロ使用)は今日もバッチリ、Tbは今日も大人しめ、8本並んだHr(うち数本はワーグナーチューバ持ち替え)が壮観、テミルカーノフは第1部と第2部を続けて演奏、曲が曲だけに珍しく拍をしっかり振ってます、遅めのテンポで野性味薄く、旋律を歌わせる音作りでした。アンコールはお得意のエニグマ"ニムロッド"、いつ聴いても劇的にして壮大です。

 やはりこのオケ、細かいアンサンブルの揃いは気にせず、地力だけでガンガン来る魅力があります。このコンビで聴いたことのないラフマニノフSym2番のある文京公演もこれから頑張って最安席を入手したいところ。

2011年10月25日火曜日

短編の名手の粋 - ジャック・リッチー「クライム・マシン」

 曇り時々晴れ、朝の冷え込みも無くポカポカ感あり最高24.8度と夏日まであと僅か、プチ学会と雑用および接待が重なり、2kmほど離れた研究所と職場との間を自転車で3往復も(しかも背広で)させられました。

 その道すがら色とりどりのサザンカが一杯咲いてました。

 本日は先日読了した本から、このミス2005年度第1位に輝く短編集、ただ文庫化に当たり収録作に増減、と言うか微増&大幅減(涙)があるようです。

 大半の作品は雑誌掲載時に読んでいる筈なのですが、そこはボケ老人、殆ど覚えておらず、お陰で楽しく読めました。

クライム・マシン ジャック・リッチー
 さすがは短編の名手、どれも巧いですが、同傾向の作品が並んでしまうため一気に読むとサプライズが減ずるのが難点、そのせいもあってか、巻頭に配された、タイムマシンを使って得たと称するネタで殺人者が強請られる表題作が1番印象的でした。

2011年10月23日日曜日

セミ鳴く夏日の噴水とシベリウス - 江上孝則&エルムの鐘交響楽団

 下世話な話で恐縮ですが、今朝のおしっこがちょー長く、そのタイム、何と150秒!(概算)、勿論新記録、だと思うのですが、ボケ老人ゆえ忘れてるだけかもしれないので、こうやって日記に記録しときます。

 朝は曇り、気温は高めだった昨日より更に高く最低が20度台、ただ「余裕で夏日に」との予報程には上がらず最高は24.7度、それでも午後から陽が射してきてポカポカ感あり、半袖半ズボンには嬉しい限り、また東京はしっかり25度超でした。

 朝から東京に出て教え子の団体戦の応援、何とコート脇でセミが1匹鳴きました。正午前には勝利を確定し、心置きなくアマオケを聴きに中野へ。

 このオケを聴くのは1昨年春のシベ5に続き2度目、今回もメインはシベリウスながら7番です。

 ただシベリウスに関しては自分は未熟者ゆえ6番や7番を味わう境地に達しておらず、通常なら参戦しないところですが、前座に「ローマの噴水」をやること、更にその前座にバーバー「管弦楽のためのエッセイNo.1」があるのが参戦の動機、特に後者はセル&COのかっこいいライブをFM横浜で聴いて以来、1度は実演で聴いてみたかった曲です。

10月23日(日) なかのZERO
 江上孝則指揮エルムの鐘交響楽団 バーバー 管弦楽のためのエッセイ第1番、レスピーギ ローマの噴水、シベリウス 鶴のいる情景、Sym7番
 最初期待のバーバーでは弦セクションがまずまずの響き、ブラスはやや不安定ながら及第点のサウンド、続くレスピーギでは電子オルガンが加わったトレヴィの泉がブラスも鳴ってなかなかの迫力。後半はシベリウス、まず鶴のいる情景、次いで7番をしみじみと、後者のTbの響きがなかなかでした。でも済みません、7番の真ん中辺りでは意識を失ってました、未熟者です。アンコールもシベリウス、じゃなくてレスピーギ!「古代舞曲とアリア」からイタリアーノでした。

2011年10月22日土曜日

Z席のサロメ - ラルフ・ヴァイケルト&東フィル

 久々に夢を見ました、しかも鮮明なやつ(YA)。

 朝からの雨、ただ今後は快方に向かうらしいし東京は違うかも、とますはテニス道具を取りに職場へ、その時はやや強め程度の降りだったのに、そこから最寄り駅へ向かう際は土砂降り、傘さし自転車1キロ余の道のりで荷物も含めてずぶ濡れになりました(涙)。

 東京に着いても雨上がっておらず、練習はもとより、その後応援に出向く筈だった教え子の団体戦も中止、いきなり夜の宴会まで暇になり、試しに新国に寄って「サロメ」最終日のZ席に並んでみました。

 新国のZ席(1500円)と言えば以前「軍人たち」の時に1度トライして敗北、もうやめよう、と思った経緯あり。

 また最近はZ席のWEB抽選なるものも始まったと聞き、実は今回の「サロメ」で初めてトライすれど余裕で落選。そのWEBの分Z席の当日売りは少なくなっていることが予想され、並んでも無駄だろうなあ、と新国に着いたのは朝9時頃、それなりに並んでらっしゃいます。

 販売開始の10分位前に「本日のZ席の枚数は26枚です、これから人数を数えます。」と1名ずつカウント、ドキドキしながら待っていると、なんと自分が26人目!ラッキーです。

 その後先頭から1人ずつ席を選ぶことなく指定されたチケットを受け取ってゆき、自分の10人ほど前からは席番を読み上げる声が聞こえ、全員が4階LかRの1列目、つまり舞台の脇だけれど通常のD席より舞台に近く、かつ横向き1列しかないので身を乗り出してもOKそうな席、座ってみたかった場所です!

 しかーし!何故か自分だけはL3列の3番と言われ、サイド席初体験はならず、でも生まれて初めてのZ席GETはちょっと嬉しいです。

 ところで新国「サロメ」は既に2008年に1度観ているし、更にその前にも1度観ている気もするのにまた参戦したのは、ひとえにR.シュトラウスが好きだから、じゃなくて(笑)、Youtubeで見たボローニャでの7つのヴェールの踊りを見る限り、今回のタイトルロールのエリカ・ズンネガルドは新国サロメ史上最も細身(とは言っても相対的ですが)で踊り栄えがしそうだから。

 開演までは新国横の無線LANの入るマックに100円で数時間居座り、映画と舞台を数本ダウンロードしました。

10月22日(土) 新国立劇場
 ラルフ・ヴァイケルト&東フィル R.シュトラウス サロメ
4L3列3番(左端)に座ってみると舞台の右半分しか見えません(涙)、ただ中央寄りの1番の席が空席で2番の方が開幕と同時に1番へスライド、自分も真似して2番へスライド、何とか井戸は視界に入るようになりました。尾高忠明の代役ヴァイケルトは大人しめながら手堅い音作り、最終日のせいかオケも安定してます。少女っぽさを(頑張って)出していたズンネガルドは身体が(相対的に)細めで声も細め、それを考慮してか終盤ではオケも抑えめ、ただ最後の頂点など管弦楽だけの時はまずまずの迫力でした。お目当て7つのヴェールの踊りではオケもほのかな官能性があり、踊りがそれなりにサマになるズンネガルドは胸までの露出、やっとこのプロダクション当初の本来の演出に戻ったのは喜ばしい限りです。

 舞台が見辛い反面オケの右半分はそこそこ見えて、Tbが4本もいるなど編成の本数が多いのが印象的でした。

 明日はアマオケでローマの噴水とシベリウス7番です。

2011年10月16日日曜日

夏が戻った日のマーラーとスターウォーズ - 田部井剛&ザッツ管弦楽団のマーラー5番

 うーむ、フジがまたやらかしてくれました、昨日の体操世界選手権種目別、日本人の出ない種目(女子跳馬)を一切放送しない(結果のみ)という暴挙、く、狂ってます…。

 早朝に激しい雨を降らせた雲が低く垂れ込める中、東京に出て午前中は教え子の試合の応援、昼に向けて雲はすっかり消えて青空に、気温も高く最低20度台、最高28度弱は9月頭の値、湿度もあって梅雨の晴れ間に近い空気感でした。
 
 30度にあと0.3度まで迫った東京では一瞬夏が帰ってきた感がありましたが、さすがにセミの声は聞こえませんでした。

 応援は12時頃に切り上げ、午後はアマオケへ、初めて聴くオケで、10回記念でマーラーの大曲に挑んだとのこと。

10月16日(日) 文京シビックセンター
 田部井剛指揮ザッツ管弦楽団  ガーシュイン ラプソディー・イン・ブルー、マーラー Sym5番
前半ガーシュインは田部井氏の弾き振り、冒頭Clのグリッサンドはやはり難しいらしく、やり直していたのがご愛嬌、後半のマーラーのTpソロは線細め、ティンパニが小気味いい叩きっぷり、そしてHrソロが出色、Hrはパート全体でもよく鳴ってました。オケは全パートそこそこにまとまっており、弦もまずまずの鳴り、田部井氏の熱めの棒の下、第4楽章など情感豊か、終楽章クライマックスでは全ブラスしっかり鳴っての大団円でした。
 5番の後にはアンコールは無いかと思えば、Tp,Tb1名ずつ加入してヤル気満々、袖に引っ込んだ田部井氏がなっかなか出てこないなあ、と思ったらダースベイダーの扮装で登場し、赤く光る指揮棒で「スターウォーズ」のエンディングテーマ、Tp6、Tb4となったブラスが朗々と鳴り渡る快演でした。

 終演後一緒にラーメンを食べた後、連れが本郷3丁目の駅前で50-60円の缶飲料の自販機を発見、安さに感動して缶コーヒーを購入、サンガリアなど関西系メーカーでした、さすがは関西。

2011年10月13日木曜日

社会派倒叙+加賀自身の事件 - 東野圭吾「赤い指」

 昨日辺りからでしょうか、腰周りから太腿にかけてジンマシンが大発生中、最近食べたものか、実家の洗剤が合わなかったか、ともかく原因は謎。

 今日は先日の帰省の前に読んだミステリーから、東野作品の主要キャラの一人である加賀刑事物、東京への往復で一気に読める量(とリーダビリティ)でした。 

赤い指 東野圭吾
 今日的な子供・老人の問題を抱える家庭に突然起きた悪夢、その隠蔽工作に奔走する姿を倒叙形式で、次いでそれに対峙する加賀の捜査が同僚の視点で描かれます。ミステリー的にはそれ程でもありませんが、主たる事件に"加賀自身の事件"を絡めて感動を演出する巧さはさすが。一読短編ネタだな、と思ったら実際短編の長編化とのこと。

 先行して連ドラ化された「新参者」(こちらの方が時系列では後の作品)の番外編としてドラマ化されており、今年の正月に実家で録画しておいたものを今回の帰省時に視聴、「新参者」とのクロスオーバー部分?を除けばほぼ忠実な映像化、ぼちぼちの出来でした。

 どんどん映像化される東野作品、原作読んでから観よう、と文庫化を待っても、例えばブックオフでは100円棚に滅多に並ばない(東野圭吾、伊坂幸太郎、森博嗣など売れ線は100円にしないポリシー?)ので、なかなか入手し読んでから観る機会が訪れません。「流星の絆」「新参者」など録画したまんま溜まってます(涙)。

2011 小岩オープン2日目

 薄曇、気温はやや高め、本日も昨日同様東京に出て小岩オープンへ、ただ朝イチラウンドだったので休みを取らず参戦、2回戦予定通り0-6,1-6とさっくり負けて昼には職場復帰、本日のお小遣いは3100円。

2011年10月12日水曜日

2011 小岩オープン

 あーあ、昨夜の巨人vs.阪神、9回頭まで観て後ろ髪引かれつつ夜行バスに乗ったのですが、あれから藤川がサヨナラ食らったとは…。

 夜行バスは朝東京駅に到着、爽やかな秋晴れで気温は平年やや高め、その足で小岩オープンに参戦すべく新小岩の試合会場へ、1回戦大学生相手に6-3,6-4と珍しく、と言うかこと本選では今季初勝利、勝ちビビリして弱気になり最後は少しマクられる程の久しぶり。

 ここ数年書いてますが、本選で1度も勝てなくなったらテニスやめよう、と思っており、今年はずっと負け続け、よって最後の年と覚悟していただけに、首の皮1枚つながった感あり、来年も続けるかも。

 帰り道に通りがかった100円ショップで、TEA'S TEA NEWYORKブランドの見たことの無いミルクティーを発見、ジャンルが"乳飲料"とミルク分が多かったため、自分へのご褒美として購入しました。

 広口の金属ボトルなんですが、特に振った訳でもないのに蓋を捻ると同時に"プシュッ"と中から液体が噴出し、両手がびしょ濡れに、確かに上蓋には「噴き出すことが」という注意書きがありました、けれど出過ぎでしょう、振ってもいないのに。

 味はと言えば、砂糖以外に人口甘味料も少し入っている割にはそれを感じさせず、ぼちぼちでした。

2011年10月5日水曜日

パッパーノ&聖チェチーリア管のシェエラザード

朝から雲行き怪しく、昼前から雨、その後ずっと本格的に降り続けました。ちゃんと降ったのは台風以降2週間振り、ってことは秋雨の季節にしては雨が少なかったことになります。

 気温も低く終日10度台、ただこの日スタートする講義で横浜に出掛けていたため、日頃の半袖半ズボンでは無く背広、よって凍えずに済みました、びしょ濡れにはなったけど(笑)。

 講義の帰りは連日のオペラシティ詣で、聴いたのはパッパーノ&聖チェチーリア管のコンビです。ただこのコンビ、前回の来日時(巨人ローマの松)は4-5000円程度で聴けたのに、今回は最安8000円! ゲヴァントハウス管もそうでした(2011/3/4)が、この円高・ややデフレの時代に数年で2倍ってどういうこと! と招聘元の金銭感覚が理解不能で参戦予定無し。でしたが、節を折って(我ながら根性無し…)6千円台なら、とネットで漁って直前入手の飛び入り参加です。

10月5日(水) オペラシティ
 アントニオ・パッパーノ指揮ローマ・セント・チェチーリア管 プッチーニ 交響的前奏曲、ラフマニノフ PC2番、R=コルサコフ シェエラザード
 オケは対向配置、ただオケ脇3階Rからは右半分は見えずHr以外の金管はブラインド(涙)、最初はプッチーニ、前回のアンコール「マノン・レスコー」もそうでしたが、弦がうねり管が吼える圧倒的サウンド、縦の揃いは少々悪くとも音の奔流が凄いです。続くラフマニノフは熊の如きソリストのベレゾフスキーがオケと共に豪快、爆発的な拍手に応えて終楽章のラスト3分をもう1度、それでも拍手が治まる気配無く、おどけて最後の和音だけ弾いて見せてライトアップで強制終了。
 後半のシェエラザード、パッパーノはソロパートも含め細かく表情付けしていたのが印象的、第3楽章中間のマーチ風部分最初のClソロなど超ppp、オケはゴリゴリ感ある低弦など弦中心に厚みあるサウンド、表情豊かなVcソロ、Clを筆頭に達者な木管、繊細なHrソロ、そして愛嬌とケレン味たっぷり巨漢ティンパニ奏者が出色。かなり快速の終楽章クライマックスなど、ブラスは朗々としてますが爆発的なレベルにはならず。アンコールは「運命の力」を独特の節回しでメリハリたっぷり豪快サウンドで、次はあるの?と思えば団員はすぐに次の楽譜を出し音合わせまで始めてやる気満々、拍手が続く中パッパーノが歩きながら始めたのは定番「ウィリアム・テル」後半の有名部分、猛スピード一気呵成に走り切って終演でした。

 アンコール込みでハズレの無いこのコンビ、ヴェルディとプッチーニばかり聴いてみたい気がします、文句無く凄いでしょうから。

2011年9月25日日曜日

朝活オケの夜公演、ハンマー3発の6番 - 小柳英之&モーニングフィルのマーラー6番

ちょっと気になったニュース:発毛にスイッチ入れる物質を発見
早く実用化して下さい、どんどん薄くなる髪が無くなる前に!

 アマオケ2連荘の後半、錦糸町でのボッセのブルックナーの後、荻窪へ移動して聴いたのはモーニングフィルという朝活オケ、有志が集まり数回のリハでマーラーを演奏するオケです。

 ただその名の通り、基本は午前中の公演なのですが今回の6番は夜公演、しかも夜8時と自分の様な田舎者には帰りの電車が心配な程遅めのスタート、よってお客さんが入るか心配です、上手なオケなのに。 

 公演までに3時間ほど暇があり、古本屋や(荻窪ってことで)ラーメン屋などぶらぶらして時間を潰したのですが、今日になってその時間帯はニコ生でK1MAXのweb中継だったことを知り激しくショック、行動に計画性が無い…。

9月25日(日) 杉並公会堂
 小柳英之指揮モーニングフィルハーモニー管弦楽団 マーラー Sym6番
オケはこれまで通り対向配置、大好きなアンダンテが第2楽章となる自分の嫌いな楽章順、過去の演奏の平均と比べてややアンサンブルが粗い気はしましたが、個々の力量の故か分厚い音響が聴けました。特筆すべきは大きな木槌を使っていた終楽章のハンマー、何と3度目を叩いてました!あとやはり終楽章後半、ティンパニ以外のパーカッション全員がおもむろにシンバルを取り出して6つ(か7つ)の花を咲かせたのも印象的。

 お客さんをざっと数えたら100人は優に超えていたので、旗揚げの9番の時よりは多め、少なくともステージ上(100人強)よりは多くてよかったです(笑)。

 このオケ、これで9番7番5番、そして今回の6番、と後期の純器楽曲を全てやってしまった訳ですが、次はあるんでしょうか?

ボッセ振るブルのブル - ボッセ&ブルーメン・フィルのブルックナー4番

本日は午前テニスをして午後からアマオケ2連投、まず錦糸町で巨匠ボッセの振るブルーメンフィルでブルックナー4番を聴いてきたところ、オケが素晴らしかったです。

 これから荻窪に移動してモーニングフィルのマーラー6番、名前に反し開演は午後8時!(杉並公会堂、無料なのでご興味ある方は是非!)、帰宅は深夜になりそのままシンガポールGPに突入するので、昨日と併せ記事だけ作って詳細はまた明日。

<続き>
 昨日同様15度割れを起こした早朝、東京に出て午前中は前日と同じコートでテニス、昨日に比べ雲多く、気温は20度代前半までしか上がらず肌寒い程でした。

 午後のコンサート2連荘、まず聴いたのはブルーメン・フィル、くりようかんさん率いる"びゅーてぃふる"のメンバーの多くが属し、上手との定評もあり気になるオケではあったのですが、ベートーヴェンやブラームスなどの王道的プロしかやらないため、マーラーなどキワモノしか聴かない自分にはこれまで縁がありませんでした。

 ただ今回初めてブルックナーに挑戦しやっと守備範囲、しかもタクトを執るのはボッセ!彼の指揮にも接したことが無い(し、今後チャンスは無いかもしれない)ので参戦を決意しました。

 パンフを見れば(集めるのに苦労する)弦はフル編成なのにほぼエキストラ無し、一方Tbとチューバは全員がエキストラ! このメンバー構成では自分の聴く曲をやらないのはむべなるかな、の感。

 開演前にロビーコンサートでハイドン弦楽四重奏を、美しいハーモニーがその実力の片鱗を感じさせます。

9月25日(日) すみだトリフォニー
 ゲルハルト・ボッセ指揮ブルーメン・フィルハーモニー ブラームス ハイドンの主題による変奏曲、ブルックナー Sym4番
 前半のハイバリを生で聴くのは初めてかも、もう90歳近いボッセは介助者と共に杖をついてゆっくり登場し、椅子に座っての指揮、棒を持たず右手で拍を振り左手で表情やキューを、ただその左手で指示されたパートがすっと浮き上がるオケの反応には感心、特に弦はヴィオラなど普通アマオケではショボショボになるパートを含め充実の響きでした。後半はお目当てブルックナー、ボッセは一見ヨボヨボ(失礼!)なのにテンポは弛緩することなくキビキビ、オケでは弦のクレッシェンドが鮮やか、ブラスはバランスを取って控えめかと思いきやかなり朗々たる吹きっぷり、想像以上に明快かつ重厚なサウンドを満喫しました。

 いやあ、素晴らしいオケでした。昨年夏の公演はヴォーン=ウィリアムズとシベリウスのダブル5番だったとか、うーん、何で見逃してしまったんだろう…。

 この後は杉並公会堂へ移動してモーニングフィルのマーラー6番、がそれは次の記事にします。

2011年9月19日月曜日

SP映画版、これで完結? - SP 革命篇

 接近中の2つの台風のうち、より関東に影響を与えていた16号が遠ざかったせいか、朝は快晴で風も無し、気温も9時台で29度と快調、ところが西日本に雨を降らせている15号の接近の影響か、昼前からどんどん雲と風が、気温も降下傾向で8日振りに30度に届かず、夜になって雨まで。

 海外出張のせいで残務が溜まっており、大人しく職場に出て少し消化した一日、午後気晴らしに始めた壁打ちは開始1分で場外に打ち込んでボールロスト(涙)。

 気が付けば構内の桜並木の葉っぱが半分近く黄色くなってます。そう言えば、昨日久我山のコート脇は銀杏の実の臭ーいニオイで充満していました。秋の気配はどんどん進んでます、悲しいことに。

 本日もエールフランス機内で観た映画から、唯一の邦画がコレ、ドラマ「SP」の映画版は本作だけかと思ってうっかり視聴、後で第1作として「SP 野望篇」<'10>ってのがあったのを知り、そっちは未見だったのでショック、それでも何の戸惑いもなく観られたのは、TVスペシャル版「革命前日」と話が繋がっていたからでしょう。

SP 革命篇 <'11 日>
 SP内部も絡むテロが国会議事堂で勃発、お馴染みのメンバーが対峙し、これまでの伏線や謎もかなり回収されます。勿論TV版からの愛好者向け。映画版ゆえか音楽はオリジナルが中心、そのためTV版の個人的ツボだったクラシックの個性的な転用がみられず残念、「映画になるとアクションが派手に」という邪推・懸念よりはアクション映像は大人しめ、そして腕十字を取りにゆき潰されて上からパンチを食らう、とマニアには嬉しい格闘シーンは相変わらず。

2011年9月18日日曜日

デコボコ家族のロードムービー - リトル・ミス・サンシャイン

 台風がより近付いた筈なのに影響少なく、終日の晴れ、風も昨日よりやや弱め、最高気温も33度超と快調、ここ数日は室温も夜通し31度を維持、これは猛暑日が連続した時期と同じ値で、汗ばんで目が覚める最高の朝を満喫しています。

 予想以上の好天に恵まれ、朝から夕方まで教え子の試合の応援、そのためアマオケのマーラー9番は断念、リーグ戦の天王山でしたが敗退して無念、いつものことながら、自分が試合するより応援する方がずっと疲れます。

 本日はフランス往復の機内で観た映画から、初めて乗ったエールフランス、エコノミー座席には目の前に小さな液晶パネルが付いていて、好きな時に映画が観られます。

 ラインナップも数10本(100本超かも)と充実、しかし基本字幕版は無し、そして日本語吹き替え版があるものも10本程度(たぶん)、うち知ってる映画はほんの数本、まずその中から観たのがこれ、数年前アカデミーの候補に挙がっていた気がします。(←脚本賞、助演男優賞と受賞してました!)

リトル・ミス・サンシャイン <'06 米>
 施設を追い出された不良ジイちゃんや9ヶ月も口を利かない長男など、ひとクセもふたクセもある家族に自殺未遂のホモの叔父さんまで加わって、娘のジュニアミスコン参加のためみんなで車で旅する珍道中を描くロードムービー、長男の表情と妹のぽっこりお腹が印象的、そしてミスコンでのパフォーマンスには爆笑でした。

 最後のタイトルロールまで不良ジイさんがアラン・アーキンだったとは気付かず、相変わらず顔認識能力衰退中です。

2011年9月17日土曜日

Tp大暴れのローマ3部作 - 松元宏康&オーケストラ ハモン

がーん、フランス出張の間留守録してあった貴重なコンセルトヘボウ管のFMライブ、ハイティンク指揮するブルックナー7番とマゼール指揮するマーラー6番、昨夜確認するとどちらもブームノイズまみれになってます(涙)。ここ数ヶ月は常時出るようになったこのノイズ、未だ原因不明、別電源のアンプやDATのON/OFFを数回すると消える、という対症療法はあるんですが、留守録では如何ともし難く…。

 台風接近の影響で風強く、空のあちこちに灰色の積乱雲、それでも日中はたまに降る程度で半分は陽が射しており、最高32度台と残暑を維持、セミの声はますます少なく、一方夕方以降の虫の大合唱はかなりのもの。

 早起きして東京に出て午前練習、午後アマオケと典型的休日、聴いたのは大好物のローマ3部作、それに初耳の「教会のステンドグラス」まで、そしてオケはこの2月に素晴らしいマーラー3番を聴かせてくれた団体、期待大です。

9月17日(土) すみだトリフォニー
 松元宏康指揮オーケストラ ハモン レスピーギ ローマの噴水、ローマの松、教会のステンドグラス、ローマの祭
オケは弦バスが左奥の対向配置、ただ管楽器は前回と違って普通の並びです。最初は噴水、トレヴィの泉でのブラスが豪快でした。次は松、ジャニコロのClソロは前半同型パッセージを3回繰り返すのですが、2度目をかなりの弱音でやらされてシンドそうでした。アッピアのバンダは3階バルコニー席両翼舞台寄りから舞台に向かって吹く趣向(LにTp2、RにTp2+Tb2、かな?)、1階席中央に座ったのはその効果を味わうためにはやや失敗だったかも、それでも舞台上の本隊、特にTpが豪快な吹きっぷりでかなりの大音響でした。
 後半はステンドグラスから、ブラスが暴れた2曲目のラスト1音はドラがジャーン…と30秒近くの余韻、そしてオルガンが大活躍しブラス朗々だった終曲ラスト1音は大見得切って長ーく伸ばす、とケレン味たっぷり。トリは祭、チルチェンセスのバンダTp3本は舞台右袖で豪快な鳴り、十月祭のマンドリンはオルガン脇バルコニーに登場、そして何より凄かったのは本隊の1stTp、トスカニーニ&NBCの名盤を思わせる程の暴れっぷりで、プロアマ通じ同曲で1、2を争う凄絶さでした。豪快なTbや厚みのある弦など全体の音響も本日の白眉でした。アンコールは主権際のクライマックスをもう1度。

 祭に関してはアマオケでは過去最高、プロを含めても屈指の演奏でした。ところでチルチェンセスのバンダ3人のうち2名は出番終了とともにハケたんですが、1名はオケの真ん中辺り、弦の後ろか木管の前に加わりました。Tp奏者がTp以外の楽器、それもパーカッション("祭"だけに)以外に入るなんて初めて見た気がします。

 明日は雨が降ればアマオケのマーラー9番に行くかも。

2011年9月2日金曜日

インキネン&日フィルのすっきり系3番

うーん、昨夜は勝てた展開だった気が…、とは言え、ナゴヤで1勝1敗1分けなら御の字か。

 強い朝日で目が覚めてビックリ、台風が近いのに…、その台風12号、進路がどんどん西寄りになっているせいか、今日も過去2日間と同様、晴れたり降ったり、と言うか風こそ強くなってますが、晴れてる時間は今日が1番長く、気温もここ数日では最高の31度台、壁打ちの昼休み、完全に顔を出したお日様には傘(円い虹)がかかってました。

 この夏は7、8、9月と1度ずつ、計3度マーラーの3番を聴く予定(アマオケ2つ、プロ1つ)、ところが7月は会場がミューザで震災の影響で中止、今月のインキネン&日フィルは安価入手叶わずほぼ断念、とたった1度になりそうでした。

 と言うのもこのインキネンの3番、まずサントリーホールの開館25周年企画「ENJOY!オーケストラ プログラム」の招待抽選に申し込んでいて、その可否が直前まで分からなかったことと、日フィルは今回の様にややマイナーな演目でチケットがダブつく公演は直前にメルマガでチケットプレゼントがあったりするので、それをやや期待していたこと、等により入手に出遅れたのが大きな敗因。

 ところが捨てる神あれば拾う神あり、今日のお昼頃になって、心優しき知人から「今夜のチケット余ってます」とメールが! 1も2も無くご馳走になることに決定、少し早退けして家に寄り、着替えて髭を剃り、FMのPMFの1番の留守録をセットして東京へGO!

 このコンビは継続的にマーラーをやる予定で、昨冬に1番を聴きましたが、この春に聴く筈だった6番は原発の影響かインキネンがキャンセル、今回も本当に来てるのか、行ってみないと分かりません。

9月2日(金) サントリーホール
 ピエタリ・インキネン指揮日フィル マーラー Sym3番
インキネンちゃんと来てました(笑)。合唱は最初からPブロックの中央に児童合唱、その両脇に女声合唱が位置、通常は出番の第5楽章の少し前に立って終楽章の前半で座るんですが、今回はアルトのアンネリー・ペーボ(インキネンよりデカい!)が第3楽章後入場した際にが全員起立し、以降終演まで立ちっ放し、と大変そうでした。インキネンは1番と同様粘らずすっきり系、テンポ速めでアンサンブルの委細は気にせずどんどん進む印象、終楽章の前半、淡々としているのに情感溢れる表現になっていたのが印象的、さすがに後半はやや粘りつつクライマックスへ、最後の1音は天空に消えるように終わり、行儀のいいお客さんはしばし拍手開始を控えて協力していました。オケではとObソロが存在感、Tbソロは柔らかな部分はぎこちない割に野太い部分がgood、Hrトップが色気ゼロながら正確、8本のHrは全体でも豪快、そしてほぼ完璧に吹ききったポストHr、LA席からはカーテンコール時もブラインドだったため吹いていた場所(左袖の舞台裏?)も楽器も不明、あと弦の鳴りもやや悪かった気がしましたがこれも席位置のせいかも。

2011年8月28日日曜日

爆演系オケのフレンニコフとシェエラザード - 森口真司&オーケストラ・ダヴァーイ

 陸上の世界選手権が開幕、女子の最も距離の長い2種目、マラソンと1万mで共にケニア勢が1,2,3位独占って凄いかも。あと走り幅跳びのロシアの新鋭クリシナが美形でした。

 思ったより晴れて気温も30度近くまで上がってなかなかのテニス日和、午前テニス、午後コンサート、夕方またテニス、の予定でしたが、明日試合なのに2本しかないラケットの1本を地元のショップに預けたまま、それを回収するため午前中の練習をキャンセル、ま、右膝が少し痛いこともその理由の一つ。

 よって午前中はゆっくり昨夜の世界選手権を録画観戦し、昼前におっとりと都心へ、聴いたのはいつも爆演を聴かせてくれるロシア系アマオケ(前回はこれ)です。

 前プロにあるフレンニコフなる作曲家、寡聞にして名前すら知らなかったのですが、ソ連時代に体制派についていたため、その作品自体は今日やや不遇をかこっているとか、しかもつい最近まで存命(2007年没)で、この3番も1973年の作、日本のオケでは初演とのこと。

8月28日(日) すみだトリフォニー
 森口真司&オーケストラ・ダヴァーイ フレンニコフ Sym3番、伊福部昭 ラウダ・コンチェルタータ、R=コルサコフ シェエラザード
 最初のフレンニコフは20分程のロマン的で聴きやすい曲、期待通りブラスが吼えてます。続く伊福部はマリンバ協奏曲の態、ソリストは団員の山本勲、長ーいカデンツァで意識を失いましたが、常動曲的に果てしなく続く終楽章クライマックスは壮絶でした。そして後半シェエラザード、レコード時代の私的ベスト盤はブラスが吼えまくり、ハープとピッツィカートが目立ちまくるロストロポーヴィチ&パリ管、ただそれを想起させる実演に出会ったことが無かったのですが、(終楽章は息切れ感あったものの)ブラスバリバリの本日の演奏は少し近いものを感じ満足、また弦もまずまず鳴ってました。アンコールは「白鳥の湖」第3幕?終曲、最後のブラス咆哮も最高でした。

 コンサート後はダッシュで錦糸町から足立方面へ向かいテニス&ホームパーティー、12時前に帰宅し、スパ・フランコルシャン(と阪神の勝利)を堪能しました。アロンソにはセーフティーカーが痛かった…。

2011年8月27日土曜日

魔女の十月十日 - 海堂尊「ジーン・ワルツ」

 今日は朝から晩までテニス、時間が取れないので記事のみにて、因みに明日は爆演系オケでシェエラザードです。

<続き>
 昨日のボケ老人:ガットが切れて張替に出したラケットの受け取りが昨夕だったのを失念、土日とも早朝から深夜まで東京に出ている予定ゆえ、週末に回収不能、でも、月曜試合なのに…。

 曇りがちながら何とか天気は持ちましたが、気温は最高26度台と寒かったです。早朝から東京に出て午後までは久我山、夕方は青山と2箇所で終日のテニス、ただお盆の前後1週間膝痛解消"太極拳ゆったり体操"をサボったツケが回ったか、右膝が少し痛いです。

 本日はお盆の帰省時に100円棚で見つけた本から、「チーム・バチスタの栄光」以降、立て続けに本を出して"医療エンターテイメント"的なジャンルを確立した感すらある著者の作品、最近映画化されたと記憶してます。

 先日ドラマ化された著者の近作「マドンナ・ヴェルデ」は本作の続編・姉妹編的作品だとか、ただ、その「マドンナ・ヴェルデ」や「アリアドネの弾丸」など、ハードカバーでしか出てない新しめの作品をドラマ化するのは勘弁して欲しいです。原作を読まないと観られない性質ゆえ、録るだけ録っても、観られるのは文庫化されて更にそれが100円の棚に並ぶ3-5年後になってしまうので。

ジーン・ワルツ 海堂尊
 今回のテーマは不妊治療と医療行政、これまでの桜宮市を離れて舞台を東京に置き、"クール・ウィッチ"と仇名される切れ者の女性産科医の秘めたる意図を軸に、その上司および閉院が決定している産科クリニックを訪れた最後の患者達を巡る人間模様を、ミステリー的要素は極少ながら、お産をクライマックスに据えてしっかり盛り上げる手腕は見事、そしていつも以上にメッセージ性が強い感があります。

 本作で印象深かった記述:
コスモスは、神のパレットだ。この世の中にあるすべての色彩は余すとことなく、コスモス畑で見つけることができる。

 こんな風に感じるコスモス畑を見てみたいです。一番近かったのは、山中湖で合宿した時に寄り道した忍野八海の辺りで見たコスモス畑かな。

 余談ですが、「十日」を出そうとして「とうか」と書き変換されず(正しくは「とおか」)、それに懲りて「尊」を出す際に自分の感覚と意図的に違えて「とおとい」と書いてまた失敗(こっちは「とうとい」)、日本語の正しい読み方、分かってないようです(涙)。

2011年8月25日木曜日

時の狭間に落ち込んで - 恋はデジャ・ブ <'93>

 停滞前線が北上し夏が戻ってきた、と思ったのも束の間、台風が2つも3つも接近しているせいか、雨がちで不安定な天気、気温も30度に届かず(涙)、とは言えムシムシした空気感は秋雨より梅雨に近いので少し安心。

 発症してから10日以上経ち、やっと右前腕(下腕)部に出来たかぶれが乾き、液ダレしなくなりました。お盆の頃は服や布団を散々汚しましたっけ。

 本日はお盆の帰省時に実家で観た映画から、折角BSが観られる環境だったのに観たい作品が放送されず、1度観た作品を1本観ただけでした。

 コメディー中心のハロルド・ライミス監督・脚本、そして主演のビル・マレー、アンディ・マクダウェルにも惹かれず、初見の時は期待値ゼロ、なのに拾いもの的な良さがあったことを覚えており、字幕版は初めてかも、とまた観た次第。

 同じアイディアは古くからあると思いますが、ケン・グリムウッドの名作「リプレイ」<'87>によって世間に広まったとされる時間ループもの、今やありふれた設定かもしれませんが、当時は斬新だったのでは。

 西澤保彦の傑作「七回死んだ男」は「リプレイ」では無くて、この映画に想を得たとのことです。

恋はデジャ・ブ <'93 米>
 お天気キャスターが訪れた取材先で同じ1日を何度も何度も繰り返す羽目に陥るロマンティックコメディー、鼻持ちならない主人公が変化してゆく過程と、この種のプロットでどうオチを付けるかがポイント、オチは物足りなかったですが、主人公の苦悩の過程は一種感動的でした。同じタイムトリップものの佳作「ある日どこかで」<'80>でフィーチャーされたラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」を使っているのが粋です。

 例によってチョイ役で顔を出す監督のライミス、ふとクレジットを見ると"Ramis"つまり発音的にはレイミスであることを知りました(それともオーストラリア人?)。そう言えば主演のMurrayも以前書いた様にテニスのアンディ・マレーと同じく発音は「マリー」、しかも昔はマレー表記だったのに、今はマーレイ表記が主になっちゃってます。

 主演は最初トム・ハンクスを予定していたのに、"too nice"ってことでやめたらしいです(笑)。

 今夜は早く帰って阪神の応援です!

2011年8月24日水曜日

泡妻式ロンド、フーガ、或いはカノン - 泡坂妻夫「死者の輪舞」


 むむぅ、拙攻による負けはいつものことだからまあいいとして、ブラゼル離脱は痛いかも。

 そこそこ晴れて、青空と雲の感じも夏っぽさが少し戻り、気温も最高32度台と実に6日振りの真夏日、何より夜になっても残るムッとした熱気が夏の復活を感じさせます。

 夏の後半戦開始を告げるツクツクボウシの声を、地元では今季初めて耳にしました。

 本日も昨日に続き、帰省時に実家の本棚で見つけた泡坂妻夫作品から、「猫女」と同じ頃、中期?の長編です。

死者の輪舞 泡坂妻夫
 次々と起きる一見無関係な殺人、その謎に新人とベテランの刑事コンビが挑みます。ミッシングリンクものとして秀逸なだけでなく、全体の構図が明らかになった終盤になっても予断を許さない展開はさすが、伏線も大胆、個性的な登場人物の多い泡妻作品の中でも、海方刑事の濃いキャラは特筆もの、そして著者の某初期長編を読んでいる人向けのサービスまであり。

 この海方のキャラに愛着を覚えたのか、はたまた読者に好評だったのか、5年後に「毒薬の輪舞」で再登場させます、これも買った記憶があるような、気が、するんですが、探しても、見当たらない…。

2011年8月12日金曜日

猛暑日連続4日目のマーラー5番 - 現田茂夫&全日本医科学生オーケストラ

 あ、また完封負け…、今季15度目…。

 素敵なニュース:米独立リーグ、吉田えりが初勝利、女子選手で史上2人目
ずっと頑張ってるんですね。

 今日も晴れ、昨日同様一応は夏季休暇中なので、まず午前中は東京に出てテニス、余り暑くない気はしましたが、それでも都心は35度超、地元は少し35度には届かなかった模様ですが、おまけして4日連続しての猛暑日、ってことにしましょう。

 午後は暇だったので神田・お茶の水に出て古本屋巡り、その間昼飯代りに昨日で味をしめたシャビ乳の2連発、神田駿河台で見つけたコンビニが3軒連続ファミマだったのが謎。

 ノートPCで仕事でも、と殊勝な気を起こして無線LANに入るマックに100円で居座るも、冷房にお腹をやられて1時間でダウン、早めに夕方公演のあるみなとみらいへ移動することに。

 目的地のみなとみらいホールの手前、クイーンズスクエアのイベント広場からは記憶の底に眠っていた懐かしい歌声が、何と池田綾子さんがゲストで歌ってます。と言ってもちょっと昔、好きでよく歌っていた「愛なんていらねえよ、夏」の主題歌「Life」1曲のみしか知らないんですが、その透き通った歌声は間違えようがありません。

 しかもその前の時間帯には何とスガシカオまで!もうちょっと早く現地入りしとけば良かったです。

 そのイベント終了後、まだ1時間ほどあったので、屋外に座るところを見つけ、近くでやっている大道芸人の声をBGMに、ノートPCと共に小1時間暑さを満喫。

 その後聴いたのは全国から医科大生が集まり、1週間合宿してその打ち上げとして行う公演、聴くのは今回が初めて、お目当てマーラー5番以外に、前プロも面白そう。

 パンフを見ると例年豪華な講師陣と指揮者を招いている模様、さすが医者の卵達です。

8月12日(金) みなとみらいホール
 現田茂夫&全日本医科学生オーケストラ バーンスタイン キャンディード序曲、ブリテン 青少年のための管弦楽入門、マーラー Sym5番
 最初のバーンスタインから舞台からあふれそうな大人数、Tbなど6人も!それもその筈、パンフを見れば管は殆どのパートが10名以上!案の定、1曲終わると管は全取っ替えの趣、と言うか弦までかなり入れ替わってます!次のブリテンは解説付バージョン、しかも女医さん(か看護婦さん)に扮して登場したナレーターは何とトレーナーの1人!某都内メジャーオケのCl奏者にこんなことをさせるとは…。
 後半のマーラー、Tpソロ(女性)、Hrソロ共に大人しめでやや不安定、オケ全体もかなり危なっかしく、そのためか現田氏の指揮もシンプル&ストレート、それでも第4楽章再帰部では静かな抒情を引き出していました。倍管並みの本数の割には迫力がいま一つだったブラスも終楽章クライマックスではしっかり鳴って、終わりよければ、って感じの大団円。またまた人が大幅に入れ替わってのアンコールはローエングリン第3幕前奏曲、本日一番弦が鳴ってた気がしました。

2011年8月9日火曜日

昭和平成女三代記+α - 桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」

昨日は立秋、つまりもう暦では今日から残暑、なのに本格的に夏が戻ってきました。何故か例年より立ち上がりの遅かった南茨城のサルスベリも、ようやく色んな所で濃いピンクの花を見せています。

 お昼前後はまずまず晴れて午後にはきっかり35度に到達、ひと月振りにして今年2度目の猛暑日、ただそれを記録したのが3時半前後だったせいか、お昼休みに壁打ちした時の暑さは昨日と同じ程度でした。

 本日は先日読んだ本から、2007年度このミス第2位に輝く作品にして、ライトノベル出身の著者が一般的に認知されるきっかけとなった作品でもあります。

赤朽葉家の伝説 桜庭一樹
 山陰で製鉄業を司る名家を舞台に戦後から平成までの現代史を兼ねて綴られる女系三代記、過去作品(「少女には向かない職業」「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」)にはあったミステリーへのオマージュ的香りのしない第1、2部は、年代記物が苦手なこともあって「小説としてはいいのかもしれないけど…」とやや不満でしたが、第3部に入っていきなりミステリーテイスト全開、それまでの(強いて挙げれば、って程度の)謎、"飛行人間"に殺人の謎も加わり、しかものうのうとミスディレクションまで(まんまと引っかかりました!)、ただミステリーマニアには嬉しいこの第3部、ブンガク的には評価を落とす部分かも。また年代記物は著名先行作が多いだけに、当初企図された如く、小説調→マンガ調→ライノベ調、と文体を明瞭に変えた方がオリジナリティがあって良かった気がします。

 裏日本に住み、かつそれ以外の土地にも少なからず滞在して初めて書けるであろう、裏日本の気候描写が印象的でした。

2011年8月3日水曜日

ルイージ&PMFのマーラー1番

ふっ、ふっ、ふっ、ふ、5割復帰!

 今夜はこれからルイージ&PMFのオールマーラープロ、例によって帰りが遅くなるので記事のみ作成、続きはまた明日。

<続き>
 ここ数日より晴れ間も増え、気温も8日振りにギリギリ30度に到達、入道雲も見かけるようになり、陽射しにも少し力強さが戻りました。が、まだ暑いというレベルには程遠く、涼しくない、という程度。

 都心の百日紅に遅れることひと月近く、やっと構内のサルスベリが花を付け始めました。

 夕方東京に向かい赤坂で地上に出ると、夕立が降った気配、コンサートの連れによると浜松町でシャレにならないゲリラ豪雨に遭ったとか。

 聴いたのは世界中から優秀なユースを集めたPMFオケ、震災、と言うか原発の影響で欧米からの参加者が少ないかと懸念してましたが、見たところ大丈夫そう。

 また指揮するルイージのマーラーは過去2回、ドレスデンとの2番、そして今回の1番はウィーン響と聴いてます。

8月3日(水) サントリーホール
 ファビオ・ルイージ指揮PMFオーケストラ マーラー リュッケルトの詩による歌曲、亡き子をしのぶ歌、Sym1番
 まず少し驚いたのは最後列の金管の配置、普通と逆で右からHr、Tp、Tb、Tubaと並んです。前半は「リュッケルト」「亡き子」から9曲たっぷり小1時間、ソリストはトマス・ハンプソン、「真夜中にて」のブラスが見事(特にHr)、「私はこの世に忘れられ」での弦も情感豊かでした。後半の1番、ルイージは緩急強めながら、アクはほどほど程度、ただ第2楽章で中間部をテンポ揺れ揺れアク強めにやった後、再帰部では冒頭より明らかにテンポを速く演奏したのと、終楽章最初の緩徐部を情感たっぷりに聴かせたのが印象的。オケでは激ウマ強烈のトップを筆頭に8本のHrが豪快、Tpトップ(女性)も美音ながら、アシ無しなのでラストはキビしそう、ただTbトップ(女性)と共に早業ミュート着脱は見事にこなしてました。全体としては歌曲に比べてさらってない感があり、弦の鳴りも例年より悪い気はしましたが、最後はしっかり盛り上がりました。ラストのHrは補助のTp、Tbと共に起立せず、これはウィーン響の時もそうでした。アンコールは無し。

 Tp5名中トップを含め女性が4名! そう言えばこのPMFオケの一昨年公演はMTTとの5番で、女性のソロTpが見事でした。

 終演後、ホール前広場に出ていた臨時屋台村で、キャベツたっぷり広島風お好み焼きを楽しみました。

2011年7月30日土曜日

ハットトリックの日の練達ショスタコーヴィチ15番 - 北爪道夫&アンサンブル・オレイユ

 今朝最寄り駅に行く途中、いい感じのトロンボーン女性とすれ違いました。こんな田舎では初めての経験、またTb吹こうかな、と我ながら単純。

 今夕はアマオケでショスタコ、しかもハムレットと15番とややマニアなプロ、夜は時間が取れないので記事のみにて。明日もアマオケに行くかどうか迷い中。

<続き>
 朝は都心に出てテニス、相変わらずの秋雨モードで時折雨の交じる中、ちゃんとプレー出来ました。

 午後は晴れてきましたが気温は30度には届かず、テニスの後は教え子の応援で東大へ、陽も射してきて時間に余裕あり、以前住んでいた界隈なので懐かしむ意味もあって、後楽園から春日通りを歩いて本郷へ、すると春日通りの丁度向こうにスカイツリーが堂々と聳えています! それを見て、ああ、今この辺に住んでいたらスカイツリーが徐々に出来上がるのが日常の風景になっていたんだな、と感慨。

 その後本郷通りで寄った100円ショップではレジの女の子がチャーミング、毎日買い物したくなる位(笑)。

 負けちゃった教え子とアイスを食べてからアマオケへ、マイナー曲ばかり採り上げる、初めて聴く団体、基本小編成らしく、会場もオペラシティの小ホール、この小ホールも初体験、入り口からして大ホールと全く違って地下にあり、中に入ると舞台は無く平土間、そこに奏者と観客の椅子を並べる形、大ホールに比べると豪華さに欠ける印象です。

7月30日(土) オペラシティ リサイタルホール
 北爪道夫指揮アンサンブル・オレイユ プロコフィエフ ディヴェルティメント、ペルト ベンジャミン・ブリテンへの追悼歌、ショスタコーヴィチ ハムレット、Sym15番
 編成が小さいのでは、と懸念しましたが杞憂、ブラスもTp2,Tb3,Hr4とまずまず揃ってます。最初はハムレット、短め4曲と10分に満たない抜粋、オケ奏者は木管を筆頭に水準高く、とても一般のアマとは思えません。続いてプロコの聴いたことのない曲、でもプロコっぽさ満開でした。休憩を挟んでのペルトも実演は初めて、もっと響きのいいホール(席位置?)だとより凄みがあったかも、そして15番、ホールのキャパを考えてか、はたまたバランス感覚なのか、ブラスがfffで全開にならないのがやや不満でしたが、奏者のレベルが高いので聴き応えは十分、第2楽章で冒頭含め何度か奏されるブラスのコラールを深々と大きめにやっていたのが印象的。ペルトの終結の鐘の音や15番最後のパーカッションと共に消え入るように終わる部分が鮮やかで、お客さんもそれに応える行儀のよさでした。アンコールは無し。

 曲の性質上7人も集めたパーカッションは若者度高く、特にグロッケンシュピール担当の女性がキュート、朝のTbガールから数えて、これでハットトリックです(笑)。

2011年7月22日金曜日

シンプル&歴史秘話の第3作 - ジャック・カーリイ「毒蛇の園」


 昨夜のガリビエ峠の登り、歴史が動く瞬間を目の当たりにした思いでした。コンタとサンチェスは前日の下りを全開で踏んだのが祟ったのか、あとヴォクレールにはホント驚かされます。

 ただそれに興奮し過ぎたか、その後に家で観た南米選手権準決勝は後半で意識喪失、またPK戦にもつれる接戦だったらしいのに残念、ま、セレソン亡き後、応援するならここ、と思っていたチリが上がってなかったので気合が入らなかったのも一因、でもパラグアイ、1試合も勝たずに決勝なのでは? 

 目が覚めると毛布にくるまっていた朝の室温は27度、寒かった昨日より更に2度下がってます(涙)、それもその筈朝の最低15度は6月上旬並み、台風一過の割にはすっきり晴れなかった日中の最高24度も6月頭の値、昨日程ではないにせよセミの声もごく僅か、ただミンミンゼミの声を今年初めて聞きました。

 昼休みの壁打ちの後に寄ったサルスベリの群生ポイントはいまだに花を付けておらず例年より遅い感あり、その近くの虫の集会所には数多くのカナブンに交じってかなり大きなカブトムシのメスがいました。

 3日連続して試合に出かけたので、本はたっぷり読めました。本日はその中から、ややトンデモ系サイコ・サスペンスの処女作「百番目の男」で1発屋と思わせつつ、2作目「デス・コレクターズ」では本格趣味も取り込んで実力を示した著者のシリーズ第3作です。

毒蛇の園 ジャック・カーリイ
 女性キャスターの惨殺を一端とする一連の殺害事件にいつもの刑事コンビが挑みます。今回はサイコ色薄めで警察小説の王道的展開、そこにミスディレクションとサプライズを上手く盛り込んでいますが、前作にあった本格テイストは薄め、またアメリカ現代史に詳しい人なら、別種の興趣がありそうです。

 本作では出番の無かった主人公の兄(サイコキラー)が、次作では活躍するそう、ただ本作でのアメリカ暗部へのほのめかしが偉い人の不興を買ったのか、次作は本国では出版されなかったとのこと。

 今夜はアルプスステージのクライマックス、ラルプ・デュエズです! まだまだ何が起こるか分かりません、個人的には万年2位のエヴァンスに勝たせてあげたいところ、昨日も終盤一人で牽いてたし。

2011年7月10日日曜日

抜ける青空にシベリウス - 秋山和慶&洗足学園音大レパートリーオーケストラ

 今朝生放送の我がセレソン、アルゼンチン以上にヤバイ状態で、何とか引き分けに出来てラッキー、ともあれ今回の南米選手権、日本が出る予定だったせいか、予選リーグから地上波放送があるのは嬉しい限り。

 余り寝てない上、昨日の敗戦でヘコんでいるので、今日は練習サボろうかな、と思ったんですが、梅雨明け直後の1番暑い時(つまり1番好きな時期)にテニスやらないでいつやるんだ? と早起きして都心に出て、午前練習、午後アマオケ、と典型的休日、昨日に引き続き各地で猛暑日、ここ南茨城の最高34.1度も今年最高、夜空も綺麗です。

 部屋の温度も、何のことは無い、昨日の様に昼に開け放して一度30度以上に上げておけば、その後はいつも通り閉め切っていれば一晩中30度を割らないことが判明、気持ちいい夜を過ごせてます。

 午前中は文字通り雲ひとつ無い青空、ちょうど休憩時に地震、プレーしていては絶対気付かない程度の揺れでしたがそれでも震度3あったとのこと、しかも三陸沖震源のかなり規模の大きな余震だったそうです。

 午後聴いたのは洗足音大のオケ、会場はキャンパス内の綺麗なホールです。今年2月にここのSオケ?を聴いた時に書きましたが、この音大は演奏活動に熱心で、そこ以外にも学生オケがいっぱいあります。今日聴いたのは2-3年生中心のレパートリーオケ、その他1年生中心のビギナーズオケ、4年生中心のマスターオケ、ってのがあるそうです。

7月10日(日) 洗足学園 前田ホール
 秋山和慶指揮洗足学園音大レパートリーオーケストラ ハチャトゥリャン 仮面舞踏会、シベリウス カレリア、Sym2番
 最初はカレリア、1曲目ではアマではめったに決まらないHrのハイトーンをバッチリ決め、2曲目では弦が深々と鳴り、終曲のラスト1音は弦だけ最後に一瞬残すかっこよさ、Tbがよく鳴ってました。次のハチャトゥリャンは真央ちゃんで有名になったワルツを冒頭に5曲、全員交替かよ、と驚く程管セクションが入れ替わり、おや、とパンフのメンバー表を見れば、Flが11人、Clが11人、Hr12人、Tp12人、Tb9人にTuba3人、編成がTp4本、Tb3本、チューバ1本なので、この3パートは本当に3曲総とっかえです!
 休憩を挟み後半はシベ2、秋山はゆっくりめで弦中心の音作り、それに応えて弦はよく鳴ってました、ただ実は管と違って弦はコンミス以外ほぼ全員が「演奏補助要員」と記されており(トラ?)、先生も入ってます。ブラスの鳴りは今一つでしたが、クライマックスでは弦の刻みがホールを満たす中、Tp,Tbのコラールが青空高く抜けてゆく様に響き渡りました。アンコールは無し。

 どうやら洗足音大の数多ある学生オケ、管は人余り状態な反面、弦は人不足なため、ほぼ共通のメンバーで構成しているのでは。

 コンサート後に乗った新玉線、じゃなくて田園都市線、ドアが片側に6つもある新型車両のせいか、冷房効かせ過ぎで凍死するかと思いました。

 今夜はこれからシルバーストーンです!

2011年6月28日火曜日

泡妻流始祖礼賛 - 泡坂妻夫「猫女」


 ちょっとビックリのニュース: 88歳鈴木清順監督、48歳年下の女性と結婚
尊敬の眼差し…。

 よく晴れて気温も軽く30度を突破、湿度もあって素敵な日和(自分は体感温度、と言うか不快指数が高い方が快適なので)、昼休みの壁打ちに加え、同僚とのアフター5週イチテニスも通常の水曜から今日に変えてもらい梅雨の晴れ間を満喫。

 ここひと月4作品を再読or初読してきた2年遅れの泡坂妻夫追悼企画も「迷蝶の島」を読めば初期作制覇となってひと区切り、と思ったんですが、買った記憶はあり文庫カバーデザインまで覚えているのに何故か「迷蝶の島」が手元に見当たらず、しょうがないので買い置きしてあった中期?の本作を手に取ることに。

猫女 泡坂妻夫
 陶芸の世界を舞台に反目する両家の間で起きる怪死事件が化け猫伝説と絡みつつも軽妙な筆致で展開、不可能犯罪的要素もあり、かつ古典へのオマージュ的側面も(下のネタバレの項参照)、そして伏線の妙は相変わらず。
<< 以下ややネタバレに付き未読の方は飛ばして下さい!! >>
 始祖ポーの「黒猫」「モルグ街」への泡妻流のオマージュと感じました。

2011年6月26日日曜日

30回記念は骨太10番 - 高橋勇太&ル スコアール管

 阪神遂にAクラス復帰!この調子でオールスターまでに借金返済と行きたいところ。

 ただ昨夜はスポーツニュースをハシゴして疲れたのか、裏でウィンブルドンを録画しつつ、F1予選、江古田ちゃんスペシャル、リベルタドーレス杯と進む予定だったのにF1でダウンし意識不明に(涙)。

 朝からの曇り、昨日下がった気温がそのまま維持され最高21度台と低め、早起きして午前中テニス、午後アマオケ、と典型的休日。

 午後聴いたのは大曲志向なのでよく行くオケで、30回記念のコンサートに採り上げたのはマーラー10番のクック全曲版、10番は終楽章が大好きなので機会があればなるべく聴く様にしてはいますが、第2、第4楽章は未だ自分の中で消化し切れず、実はよく退屈します。

6月26日(日) すみだトリフォニー
 高橋勇太指揮ル スコアール管弦楽団 ワーグナー "パルジファル"第1幕前奏曲、バルトーク Vla協奏曲、マーラー Sym10番 <クック版>
 最初のワーグナーではブラスのコラールがまずまずの響き、続くバルトークでのソリストは元N響の川崎和憲、そして後半は第1楽章後に再度音合わせしていたお目当て10番、チューバおよびHr、Tp、Tb各トップがなかなかの音色でブラス全体もまずまずの鳴り、消防士の太鼓も迫力ある叩きっぷり、弦も終楽章ではよく鳴ってました。第3楽章以降、後半の3つの楽章に統一感があり、特に第4楽章は骨太でシンフォニックな表現で珍しく退屈しませんでした。

 両端楽章のクライマックスでオケが全強奏で絶叫する部分で突出するTpの悲痛なハイトーン、これがA音でアルマを表している、ってことをパンフを読んで初めて知りました。

2011年6月22日水曜日

ハーディング&新日のまろやか5番

 フジ「マルモのおきて」で1番の役者は犬のムックかも(要求された動き以外はしないので)、と感心していたら、そのムックが調教されたタレント犬じゃなくて一般のペットだと今朝のTVで紹介していて驚き! ま、調教されてはいるらしいですが。「犬を飼うということ」のスカイもプロの役者犬じゃなくてシロウト犬かも、こっちはそう言われると納得ですが。

 ドラマついでに言うと、今クールの個人的イチオシはぶっちぎりで「鈴木先生」、たぶん原作が凄いんでしょうけれど、キャスティングも素晴らしいです。

 朝から青空、気温もどんどん上昇して昼前には30度超、今年初の真夏日です! 初めて("夏っぽい"じゃなくて)"夏"と言える空気感と陽射しの力強さを感じます。

 夜はハーディング月間の第3弾、新日とのマーラー5番、本来は震災当日(3月11日)にあったこの公演、チケットを保有すれど交通機関ストップにより参戦叶わず、当夜公演が敢行されたと聞き諦めていましたが、今週に代替公演が行われることになり、11日の公演に対しても事務局が快く振替チケットを送ってくれました、感謝感謝です。

 ハーディングの振る5番は4年前ロンドン響で聴いてますが、その時は今一つでした、今回はどうでしょう。取り敢えず記事のみ作成、続きはまた明日。

<続き>
 戻りました。マーラーチェンバーオケとの4番はあんなにトンガッていたのに、今夜の5番はソフト&マイルドでビックリでした。

 結局今日の最高気温は33.5度、夏至に相応しい素晴らしい日でした。近所のスーパーや錦糸町へ向かう際の電車など「ふざけてんのか」ってくらい冷房が強くて閉口しましたが、トリフォニー内の冷房はかなり弱めで素敵でした、他の人には暑かったでしょうけど(笑)。

6月22日(水) すみだトリフォニー
 ダニエル・ハーディング指揮新日フィル エルガー "エニグマ"よりニムロッド、マーラー Sym5番
オケは対向配置、ただ先日のブルックナーと違ってHrとHpは左側、本来前プロにあったパルジファル前奏曲が無くなっていてガッカリ、その代わり、ではないんですが、最初に震災被災者への追悼を込め拍手禁止でニムロッド、穏やかな表現で最後の1音を終えた後、ハーディングは30秒程黙祷を捧げていました。休憩無しでマーラーに突入、冒頭、自由に吹いていいスタイルで開始したTpソロは柔らかな音色と吹きっぷり、続くオケの全強奏もマイルドでおどろおどろしさは皆無、全曲通してこの柔らかサウンドが基調、第4楽章以外はテンポは遅めで、ブルックナーの時と同様、弦主体の音作り、歌わせるけれど余り粘らずアクも少なめ、弦はエッジを効かせてましたが、木管・金管共にソフトに吹かせ、かつ弦を消さない程度に音量も抑えめ、要所で鳴り物を強調し、6本のHrは時に豪快でしたが、Tp,Tb共に最後まで8分程度の吹きっぷりで、かつ明らかに楽譜よりレガートに吹かせている部分も、あと誰もが強調する第3楽章中間でのヴィオラのピッツィカートを余り強調しなかった点が個性的、オケは高音弦がよく鳴り、Hrソロはそれなり、そしてTbトップの美音が印象的でした。

 ブラスが爆発しないので好みの表現ではありませんでしたが、それなりに筋の通った統一感ある演奏ではありました。

2011年6月16日木曜日

ハーディング&新日のブルックナー8番

 ひと月振りの4位浮上! とは言えダルを打ち崩した訳じゃなく貧打は相変わらず、なので微妙なところ。

 昨夜は2時前に一旦就寝、3時半に起きて月食を見ようと4時過ぎまで時折外を眺めてみましたが、雲が多くてそれらしきものは見えず、間もなく夜空が白み始めてアウト、サロメの赤い月は拝めませんでした。

 お天気は曇り、ただ昼前から陽も射してきて予報に反し気温も上昇中、と思っていたら昼休み直前に一雨来てまた気温降下、これじゃ壁打ちも出来ないのでこれ書いてます。

 さっき職場の(私見では10害あって1利しかない)定期健診を終えてきたところ、1年で1番憂鬱な日が終わってほっと一息。

 夕方はハーディング月間の第2弾、ブルックナーの8番です。ただ場所は遠方の多摩、と言うのも同じ演目が都心で2公演あるのに強気の価格設定(全席5,000円以上)だったのが祟ったかS,A席を一律1000円で直前販売、これなら電車賃込みでもペイすると思っての急遽参戦、当然帰りが遅くなるので感想はまた明日。

<続き>
 ただでさえ混む夕方下りの京王線が、人身事故の影響で準特急や急行が間引き運転かつ車両数も減らした影響ですし詰め、新宿から多摩センターまで普段より掛かって1時間弱、調布から相模原線に入って数駅もすると「ここが東京か」という景色が広がります。

 多摩センター駅前に広がる巨大なショッピングモールを抜ける堂々とした坂を上ると会場のパルテノン多摩に突き当たります。ここに来るのは上手なアマオケでマーラーを聴いて以来5年振り。

 当日引き換えだった1000円席は前後も左右も真ん中のS席、有難うございました!

6月16日(木) パルテノン多摩
 ダニエル・ハーディング指揮新日フィル ブルックナー Sym8番
オケは対向配置、弦バスが左奥で3本のハープと8本のHr(うち4本ワーグナーチューバ持ち替え)は右奥、第1、2楽章をほぼ続けて演奏したハーディング、時折個性的な強弱やテンポ操作を交えつつ、基本は弦のパッセージを明瞭にしたシャープな音作り、ブラスはそれをかき消さない8分程度の吹きっぷり、弦はそれに応えてやや重心高めの響きながらよく鳴ってました。拍を余り振らない指揮のせいか、時にかなり乱れた部分はありましたが、明日以降は修正されるでしょう。いつもながらHrトップの美音は出色。

 例によってラスト1音の余韻が残っているうちに拍手を始める人がいて、それが全体に伝播、そうなってしまった後ハーディングはやや残念そうに?ゆっくり棒を下ろしていました。

2011年6月12日日曜日

梅雨吹き飛ばす重厚ブラスのチャイコフスキー - 十束尚宏&フィルハーモニア・エテルナのチャイコフスキー6番

ほぼ終日の曇りで気温はやや高めの夏日、早起きして東京に出て午前練習、午後コンサート、と典型的休日、先週は薄緑だったアジサイの花が青や赤に色付いています。

 午後聴いたアマオケのメインはチャイコフスキー、自分の守備範囲の端の方ながら参戦することにしたのは、まず上手なオケであること、そして会場がトリフォニーのため、手持ちの震災当日のハーディング&新日のチケットを払戻しor振替の手続きを新日のチケットボックスでやって貰えるかな、と思ったから。 

6月12日(日) すみだトリフォニー
 十束尚宏指揮フィルハーモニア・エテルナ メンデルスゾーン 真夏の夜の夢、十束尚宏 間奏曲、ある物語によせて、チャイコフスキー Sym6番
 最初のメンデルスゾーンは5曲抜粋30分とたっぷり、美音のHrソロとチューバに存在感、続いて指揮者の自作が2曲、最初は作曲中のオペラの間奏曲でロマン的な映画音楽風、次はソナタ形式の交響詩で響きが少しモダンになり、編成も大きくなっておどろおどろしい感じ。後半チャイコは弦管共に充実した演奏、金管、特にTbの重心低くソリッドな響きが見事、第3楽章後に起きがちな拍手(この日も約1名)を想定してか、休まず終楽章に突入してました。アンコールは無し。

 ただ、新日のチケットボックスは日曜がお休み、目的その2に関しては無駄足でした(涙)、電話代ケチったのがいけなかったか…。

2011年6月11日土曜日

ウルバンスキ&東響のショスタコーヴィチ10番

 朝からの雨、気温は平年前後で日較差小さめ、午前は楽しい系、午後は真面目系のテニス、の予定がどちらも中止(涙)、午後は雨上がったのに…。

 重いテニス道具持って朝っぱらから都心に出たのにド暇になり、100円で無線LANの入るマックで粘って映画などダウンロードして過ごしました。

 夕方はコンサート、時折お世話になる知人から招待されたS席は1階の舞台から3列目のVn側、音のバランスは今一つですが、ソリストは目の前です。

 また指揮するウルバンスキは100%未知の指揮者、若手なので激しいショスタコを期待。

6月11日(土) サントリーホール
 クシシュトフ・ウルバンスキ指揮東響 ルトスワフスキ 小組曲、シマノフスキ Vn協奏曲2番、ショスタコーヴィチ Sym10番
 まだ20代のウルバンスキは見るからに若者、って感じ、最初のルトスワは彼のお国もの?唯一知ってる「管弦楽のための協奏曲」に比べると明るく楽しい感じの曲で、コープランドっぽい曲調も。続くシマノフスキのソリストは諏訪内晶子、久々に間近に見ると初めて拝見した頃に比べて随分貫禄が出てきました。アンコールにはバッハのしみじみ系の曲を。
 後半のお目当てショスタコでは、1-2楽章、そして第3-4楽章を続けて演奏(前者は珍しいかも)、ウルバンスキの棒は基本オーソドックスでシンプルかつ細かめ、ただ棒の表情より顔の表情で音作りをしていた感あり、また第2楽章など時々身体をくねらせて踊っていることも(笑)。要所でのピッツィカートの強調が印象的ながら全体的に表現はすっきり系で大人しめ、第1楽章頂点でのハミル率いるHrの鳴りはまずまずでしたが、個人的にはブラスをもっと鳴らして欲しかったところ。

 コンサート後は池袋に出てコンパに合流、それを途中で抜け出しギリギリ間に合った終電、隣席は半睡している様子の妙齢女性、やはり宴会帰りだったのか終点近くになって突然の嘔吐、幸い、ご自身の肩掛けバッグの中に放出した模様で実害は無く、敢えて言えば漂う酸っぱい臭いだけでした(笑)。

2011年6月7日火曜日

ハーディング&MCOの自由闊達4番

 はぁ…、今シーズン、終わるの、早かった…。

 ほぼ終日の曇り、気温はやや高めでギリギリ夏日に到達、職場に新しい液晶ディスプレイが届いてちょっとウキウキ。

 左手の火傷はまだちょっと油断すると水ぶくれが復活する状態ながら、土曜にやった突き指は腫れがかなりひいて曲げられるようになってます。

 大震災の当日に何とマーラー5番を指揮したハーディング、今月また来日してひと月たっぷりの活動、さしずめ6月はハーディング月間の趣、その手始めがマーラー・チェンバー・オーケストラ(MCO)との各種公演、その中で唯一食指の動くマーラー4番を聴いてきました。

 とは言っても自分がTb出身のせいか、ブラスが活躍する曲しか興味無く、マーラー好きと言えども編成の小さい4番は余り感心無し、また大地の歌に至っては歌曲だと思っているため実演で聴いたことすらありません。

 よって4番もプロで(つまりお金を出して)聴いたのはたったの3度、しかもうち2度はソリストを見に行った(森麻季幸田浩子)恰好でした。

 ただ5年前ルツェルン祝祭管の驚異の巧さを耳にして以来、その母体であるMCOも機会があれば、と思っており、ただ室内管の4番に最安5,000円は高くてちょっと、と様子見してました。

 で直前になってネット上の相場が定価の6-7割程度と許容範囲に到達、公演前日に入手しての参戦となった次第。

6月7日(火) オーチャードホール
 ハーディング指揮マーラー・チェンバー・オーケストラ マーラー 花の章、子供の不思議な角笛、Sym4番
 オケは弦バスが左端に来る対向配置、最初から何故かソプラノもハーディングと一緒に登場、花の章から拍手の間を入れず不思議な角笛へと進む趣向、花の章の振幅大きな表現、Hrの繊細な吹きっぷり、黒い楽器を手にしたFlソロの大胆な吹きっぷりなどが印象的、ソリストは細身のクールビューティー系モイツァ・エルトマン、黒いドレスの胸元がセクシーでした。
 逆に後半の4番ではソリストは途中から(第2楽章後)登場、ハーディングは静と動、明と暗の対比くっきりの音作り、あと木管の合いの手などしゃくる部分を殊更に強調、中でもClの大胆な吹きっぷりが出色、弦はさすがに統一感ある響き、その美点満開の第3楽章は余り粘らない表現ながらしみじみ感あり、またフレーズ内のポルタメントは弱めな割にフレーズ開始時のグリッサンドを強調していた点、そして唐突に爆発するコーダでのHrの豪快な吹きっぷりが印象的でした。

 最後の音が消えた後もハーディングは手を挙げたまま、その約8秒後に約1名ブラボーの声が掛かったんですが周りから叱責の声(笑)、結局指揮の緊張を解いたのは約25秒後、ところがその直前に盛大にお腹が鳴ってしまいました(涙)、済みません、それを防ぐため、開演前に食パン2枚食べたのに…。

 あと、TbやTubaは終始不参加でしたが、4番は当然として、花の章や歌曲もそんな編成だったかしらん。

 プログラムによれば来週末にMCOとPACオケとの合同演奏でマーラーの3番をやるとのこと、それを聴ける関西の人が羨ましいです。

2011年5月29日日曜日

やっぱり名手 - 恩田陸選「スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎003」

 昨夜、いや今朝のC.リーグ決勝、バルサには感動すら覚えました。スペインが欧州を、そして世界を制し、バルサが新たな伝説を作る時代に立ち合える幸せを天に感謝するのみです。クライフの頃はよく覚えていないので。

 ただ、今回バルサの試合を見られたのはこれが初めて、如何にフジの放送カード選定が犯罪行為的だったかを再認識。

 今朝のボケ老人:
その決勝後、「練習は中止だし寝直すか、とその前に一勝負」と始めたフリーセル、攻略不能番号#11982であることに気付かず、2時間も空しい努力を(涙)、しかも以前にも同じことやってます…。

 昨日に続き台風の影響で終日の雨、気温も昼過ぎまでの時点では18±1度と昨日より更に一定(←夜には16度台になりましたが、それでも日較差は2.8度)、朝から夕方までみっちり練習の予定だったのに当然キャンセル、最下位阪神の不甲斐無さを忘れさせてくれるロシア国立響のニューサウンド、ジロ第20ステージ、モナコGP予選、そしてC.リーグ決勝と続いた興奮が冷めやらず、地元に残って残務整理したりビデオを消化したりしてのんびり火照りを冷ました一日。

 実家の父は本好き、ただ今は短編しか読まないとのことなので、帰省する際はいつも短編集を持ち帰ります。本日は先週末のそんな帰省の途に読んだ本から。日本推理作家協会のアンソロジー収録作から更に特定編者がチョイスする作品集の第3弾、昨年同時期の帰省時にもそのシリーズを読んでます(その時の選者は東野圭吾)、今回の選者は恩田陸。

スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎003 恩田陸選
 選者のお薦めミステリー本がずらっと並ぶ巻末解説が楽しく、またそこで「本格寄りのチョイスになってしまった」との旨書いている割にはバラエティあるラインナップ、中でも短編の名手佐野洋による「死者の電話」のどうなってるの?って展開が印象に残りました。

 これから日本ダービー、そして夜はモナコGP、でもその前のNHKサンデースポーツも見逃せません(笑)。

2011年5月28日土曜日

ゴレンシュタイン&ロシア国立響のラフマニノフ、明瞭峻烈サウンドの衝撃

 昨夜のジロ第19ステージ、主役はまたまたコンタドール、2重の意味で凄かったです。

 今日のボケ老人: サントリー前で人と待ち合わせた時には持っていた傘、終演後ホールを出る時には失くなってました…。

 終日の雨、台風に刺激された梅雨前線、ってまだ5月なのに…、気温は終日18±2度と低め安定ながら寒い程でも無し、ほぼ丸2日間休まず冷やした左手の火傷はかなり快方へ、何と言っても両手でタイプ出来るのが楽だし、テニスも出来そう、とは言え午前のテニスは勿論中止、ゆったり朝寝し、一応冷却シートを貼っての外出。

 まず昼過ぎに学園祭に寄って後輩に差し入れし、サントリーへと出陣、聴いたのはロシア国立響、約20年振りの来日とのこと(←実際は14年振りらしいです)、残念ながら(いつでも聴けると思っていたら)スヴェトラーノフとのコンビを聴きそびれてしまったため、このオケの実演は初めて、なのでワクワク、勿論現在のシェフ、ゴレンシュタインが振る日を狙い撃ちです。

 また公演の殆どを西本女史が振るため、価格設定が西本シフト、つまりPブロックなど音が悪い(けど指揮者に近い)席が高く、2階後方など音がいい(けど指揮者から遠い)席が最安になっていて、普段座れない席で聴けるのも嬉しいところ。

5月28日(土) サントリーホール
 マルク・ゴレンシュタイン指揮ロシア国立響 グラズノフ ライモンダより、ショスタコーヴィチ チェロ協奏曲1番、ラフマニノフ Sym2番
 オケのメンバーは見るからに若く、スヴェトラ時代とかなり入れ替わっていることを伺わせます。最初のグラズノフは初めて聴く曲、のっけから弦を中心としたオケの統率の取れた響きに驚愕、木管も均質な響きで溶け合ってます。また驚きは金管、他とバランスを取った音量で、全くバリ吹きしません。ゴレンシュタインは曲想により棒の有無を使い分けますが、棒を持っていても手の動きが妙に細かくせわしない印象、続くショスタコでのソロは予定のクニャーゼフから変更になった(若手っぽい)アレクサンドル・ブズロフ、終楽章前の長ーいカデンツァに凄みがあり、アンコールにはバッハのしみじみ系を。
 そして後半ラフマニノフ、とにかく驚愕は弦セクション、そんなに音量や伸びがあるタイプではないのに、奏法込みで揃っているせいなのか、あらゆるパッセージが明瞭に聴こえ、ここでこんなことやっていたのか、と驚くことしばしば、と言うか、「じゃあ、これまで自分が聴いていた弦がダンゴになったりマスクされたりしていたサウンドは何だったの?」と言いたくなる位、特に第2楽章中間の水際立った迫力は初めての体験、終楽章でも弦はクリアーそのもの、解釈としては煽ったり粘ったりはぼちぼち程度、第3楽章など緩徐部では主旋律を抑えめにして対旋律を際立たせていたのが印象的、でもClソロは吹きにくそうでした。ブラスは最後まで抑えめでバランス重視、終楽章クライマックスのファンファーレ手前で少しTbがベタ吹きした以外はロシアンブラス度ゼロ、Tpなどシャープ系の吹き方、Hrなんてノンヴィヴラートで細く優雅に吹くスタイルで正反対(全強奏ではもっと吹いてほしかったところ)。アンコールはTpが増えて4人になり、もう一人パーカッションのあたりにも入った(ハープ?)ので、「どんな凄いのをやるのか」とワクワク、ところがゴレンシュタインの「震災の被災者に捧げる」とのアナウンスの後始まったのはしみじみラフマニノフ「ヴォカリーズ」、でも確かにTp、Tbやティンパニまで加わる独特な編曲でした。

 いやあ、疑い無く今年最大の衝撃でした。メロディアのLPで聴くスヴェトラ&ソヴィエト国立響とは全く別のサウンド、スヴェトラ時代を生で聴いている知人2名も「全く別モノ」と言っていました。

 ただ同じベクトルでスケールダウンだとがっかりですが、全く違うベクトルなのでOKでしょう。スヴェトラ時代(一部で勝手に)ゴスオケと呼ばれていた頃は「世界で1番デカイ音がする」と言われていたオケが、旧レニングラードフィルやモスクワ放響と比べても音量スケールは小さくなった代わり、(個々の上手さはともかく)均質性や統制の取れ具合では過去聴いたロシアオケの中でもNo1、その味を敢えて例えるなら、オケの各パートの均質さは東欧系の老舗、ドレスデンやゲヴァントハウスを思わせ、弦のクリアーさは、シモン・ボリバル・ユースオケを思い出す、といった感じ、とにかくビックリでした。

 ジロもあと僅か、今夜が7番目にして最後の頂上ゴール、その後はモナコGP予選、そして(今度こそホントに)C.リーグ決勝、と今夜は寝られません。

2011年5月21日土曜日

レック&東響の情熱系5番

 マーラー5番ハシゴの後半戦はレック&東響、震災により本拠地のミューザ川崎がボロボロになってしまった東響、ミューザ公演の多くを昭和音大のホールであるテアトロ・ジーリオ・ショウワで行っています。

 行ったことのないホールだけに最寄り駅(新百合ヶ丘)からの道が不安でしたが、要所に案内の女性を立たせる配慮によりストレートに現地到着、歌劇場っぽい作りの座席構成、ただ音響はややデッドな感じがしました。

 指揮するシュテファン・アントン・レックは「名前は見かけるなあ」という程度の認識で、風貌はもとより、どんな音楽をするかという認識もありません。

5月21日(土) 昭和音大 テアトロ・ジーリオ・ショウワ
 シュテファン・アントン・レック&東響 モーツァルト VnC3番、マーラー Sym5番
前半のソリストはシュロモ・ミンツ、かなり昔に聴いた時より音程があやしくなってる気はしましたが、拍手に応えてアンコールにバッハを、そして後半マーラー、初めて見るレックは一見学者風、でも実際はよくジャンプするわ、歌い声が3階席まで届くわと熱血系、数時間前に聴いたヴロンスキーと同じ重厚系の解釈ながら、対位法の強調と表現のアクはこっちが強め、棒を置いた第4楽章で後半止まりそうなテンポになったり、ラスト1音が史上最長クラスだっりしたのが印象的、Tpソロはぼちぼち、Hrソロのハミルは(いつも通り)上手いけど雑、オケはややリハ不足なのか全体的にレックの意図を表現しきれない感はありましたが、ラストは激しい追い込みに応えてまずまずの大団円でした。

 読響vs.東響の5番対決、指揮者の解釈はどちらも面白かったんですが、オケ全体の鳴りのよさと演奏精度ではやや読響に軍配が上がった印象、ただ鳴りに関してはホールの影響もあるかも。

 5番のハシゴ終了後は新宿に出て、夜行バスで実家の小松へと向かいました。バスが出る前、ジロのゾンコランステージが急遽コース短縮になっているのを知りビックリ!でも頂上ゴールまであと5km!って所で発車時刻が近付きWEB観戦を断念(涙)。

ヴロンスキー&読響の重厚5番

 何とか5番のハシゴ完了、これから夜行バスで実家へ帰るので記事のみにて。今夜のジロはゾンコランの登り、あとC.リーグ決勝もあるのにLIVEで観られないのが痛恨。

<続き>
 翌日石川の実家でこれを書いてます。4日連続していい感じの晴れ、最高気温は更に上がって真夏日に迫る勢い、午前中テニス、午後以降はコンサートといつもの休日の流れでした。

 この日は読響と東響、2つの在京メジャーによるマーラー5番の競演、しかも時間帯が違うのでハシゴも可でした。読響はマカルの原発による撤退でヴロンスキーという未知の指揮者、マカルの5番はチェコフィルとの来日公演で聴いてるので、個人的には指揮者変更で聴く気がUP、一方東響のレックも名前は聞くけど実演は未だ、とこちらも興味津々。

 ただ、どちらも前々日の時点でチケットは未入手、東響に至ってはミューザ川崎の震災崩壊の影響もあって公演の存在自体忘れていた程、ただこちらは公演前日に掲示板で無事安価入手に成功、一方読響の方はマカル降板で安価入手が容易になると思いきや、23日公演はまだしも、21日は苦戦して当日まで入手叶わず。

 ま、夕方の東響まで暇だし、とテニスもそこそこにオペラシティへ、読響は休憩後半額システムがあるので、状況次第ではそのパターンありかな、と。でも"当日券売り場前で物欲しそうな顔でウロウロしてお金持ちから譲って貰う作戦"で首尾良くS席をGET、5番ハシゴ作戦準備完了です。

5月21日(土) オペラシティ
 ペトル・ヴロンスキー&読響 モーツァルト PC24番、マーラー Sym5番
前半モーツァルトのソリストは清水和音、初めて見るヴロンスキーは銀髪でコワモテな印象、マーラー冒頭のTpソロは自由に始めさせ、オケが入る部分で初めて手を動かすスタイル、第1楽章は棒を使わず、かつ拍を余り取らずに曲想を巧みに両手で表現、遅めのテンポ基調に今時珍しい重厚長大系の音をオケから引き出していました。第2楽章以降は(第4楽章を除き)棒を手に取りましたが、ゆったり重厚系の表現は変わらず、第2楽章後には音合わせ、その間にHrソロが左脇奥に移動して起立、つまり新版の楽譜のよう、Tpソロ、Hrソロは共に見事、また終楽章で中低弦が効いていたのが印象的、全体にブラスの鳴りもよく、第1楽章と終楽章の頂点部のコラールはTp筆頭に同曲屈指の貫通力でした。

 パンフを読んで、第4楽章2小節目、いつも違和感を感じていた8分音符の(再現部と異なる)進行が、実はアルマによる音符の改竄だったことを知り、衝撃を受けるとともに、得心が行きました。"やるせない感じ"を出す非音階的進行はもう少し後の小節までとって置くべきだと常々思っていたので。

 その後、新百合に移動してレック&東響で5番を聴きましたが、それは、また次の記事で。

2011年5月7日土曜日

朝活オケ、激ウマTpソロの5番 - 小柳英之&モーニングフィルのマーラー5番

ううぅ、4たびの借金生活…。

 曇りの予報でしたが朝から雨、午前コンサート、午後テニス、と通常の休日の逆パターン、の筈でしたが午後のテニスは無理そう、結局ほぼ終日の雨、気温も朝は高めで昼低め、ともあれ早起きして都心へ。

 聴いたのはモーニングフィル、とその名の通り朝に公演をするアマオケ、マーラーを演奏したい人が集い、たった3-5回程度の合奏で本番を迎えるとのこと、見事だった旗揚げ公演の9番いま一つだった7番に続き皆勤となる3度目の参戦です。

 実は春に4番をやる予定だったらしいんですが、もともと弦楽器奏者不足により、参加費を管楽器は有料、弦楽器は無料、というシステムが基本、で4番は編成上経済的に苦しくなって(笑)順延になったそうです。

5月7日(土) 杉並公会堂
 小柳英之指揮モーニングフィルハーモニー管弦楽団 マーラー Sym5番
9番の時と違いオケは通常配置、冒頭の朗々としたTpソロが激ウマ、そのバカ上手Tpトップの率いるTp軍団(他の3人は女性!)の鳴りは豪快、粒の揃った6本のHrが轟然と吼え、のっけから壮大な音場、これは凄いことになるかも、と思わせましたが、木管や弦はぼちぼち程度で、トータルでは7番以上9番以下、といった印象、Hrソロは美音でまずまず、最後はブラス中心にしっかり盛り上がりました。指揮の小柳氏(パンフ・チラシ等一切無いので推定)は1箇所、終楽章クライマックスのコラールの後テンポが急に速くなる部分で、途中で急に音量を下げてからクレッシェンドするという奇妙なことをやってました。

 5番の冒頭、Tpソロに続くオケの全強奏の部分は、いい演奏だと想像を遥かに凌駕する巨大な"音の壁"が眼前に立ち上がる気がするものですが、久々にその感覚を味わいました。

 午後はやはり雨でテニス出来ず暇に、まっすぐ帰るのも何なので、新宿タワレコのインストアイベントへ、聴いたのはAira Mitsukiさん、ジャンルはテクノポップとのこと、それなりに知名度があるのか早めに会場入りしたのに50人以上の聴衆(ほぼ男)が前に陣取ってます。

 最初にシンセサイザーを自ら操作してテクノっぽい曲を、続いてバックダンサー2名を従えて普通のポップスっぽい曲を2曲、でその後者の曲になるや目前の大集団の8-9割が決められた振りらしきものを一斉に始め、少し恐くなったので早々に退散、どうせ遠めでよく見えなかったし。

 夕方茨城に戻ると、こっちは都心よりは雨が少なかった感じ、夜には雲の切れ目から三日月が拝めました。

 明日は学生オケによるラフマニノフです!

2011年5月4日水曜日

3連発! - 南部やすかさん(Fl)と堀沙也香さん(Vc)のデュオ、CANDY弦楽四重奏団、シャニ・ディリュカさんのPf

祝!'85年を髣髴とさせる阪神クリーンアップ3連発!! 昨夜は嬉しくて民放5社のスポーツニュースを全てハシゴしてしまいました。

 今夕はコンパで遅くなるので記事のみにて。その前にまた丸の内でラ・フォル・ジュルネの無料イベントを冷やかしてくる予定。

<続き>
 翌日に続きを書いてます。この日は爽やかな晴天で気温も最高22度とやや高め、夕方に青山でテニス、夜に上野でコンパがあり、帰りは深夜でした。

 日中は暇だったので、早めに上京し丸の内のラ・フォル・ジュルネへ、無料イベントを1つか2つ、と思っていたのですが、阪神3連発を祝して、3公演ハシゴすることに、ちょっと忙しかったです。

 まずは丸の内ブリックスクエア前の広場へ、聴いたのは南部やすかさん(Fl)と堀沙也香さん(Vc)のデュオ、緑豊かな中庭でPAも使わない生の音を春の風に吹かれながら楽しむ、という音楽祭に相応しい環境で、チャルダーシュに始まり、バッハ、ヴィラ=ロボスからニュー・シネマ・パラダイスなど映画音楽まで、粒だった音のFlと優しい音のチェロを満喫しました。

 続く2発目には行幸地下イベントスペース、という場所へ、何のことはないただの地下通路、そのせいかここもPAを使用せずいい感じ、聴いたのはCANDY弦楽四重奏団という、国立音大の在学生・卒業生で構成されるカルテット、個人的イチ押しはチェロ、ボロディンをメインに映画音楽なども交え、シメはこのところ(マスコミの操作により)震災復興のテーマ曲となりつつある「見上げてごらん夜の星を」をしみじみと、因みに1発目に聴いたデュオとサウンド・オブ・ミュージックとチャルダーシュがカブってました。

 そして3発目は丸ビル1階マルキューブ、ここはPA使用デフォなのが残念、屋外ですら使わなくてOKだったので主催者は生の音の力をもっと信じて欲しいところ、聴いたのはシャニ・ディリュカさんのピアノ、リストの華やかな曲とブラームス最晩年の小曲をとても振幅の大きい表現で弾いてくれました。

2011年4月17日日曜日

50と90、節目のマーラー - 松岡&東京楽友協会響のマーラー9番

ショックなニュース: フィラデルフィア管弦楽団、破産申請へ
絶句…。

 もう一つ、懸念通りのニュース: ラ・フォル・ジュルネ、全チケット払い戻しへ
ああ、やっぱり、って感じです。リス&ウラルフィルの「巨人」は聴きたかったかも。

 むむぅ、「春眠暁を覚えず」状態なのか、昨夜は「のだめ」映画版の途中で意識喪失、復活して「フラッシュフォワード」を観ていてまた人事不省、そしてF1中国GP予選観戦中に意識が飛ぶ、と3度も落ちてしまいました(涙)。

 爽やかな晴れ、朝昼共にほぼ平年並みながら、昨日の夏日の後では涼しく感じます。羹膾(あつなま)体質ゆえ、上着を昨日の冬用オーバーからテニスウェアの上っ張りへと薄着にしてしまい、日が落ちると寒いです。

 練習予定無く午前中は教え子の応援、昨日は空調の入ってなかった(有難や)京王電車で、何故か今日は(冷房ではないにせよ)空調、というか送風が頭上から降ってきて寒く、それから逃げ回ってました。「京王よ、お前もか!」

 昨日より気温は下がってるのに何で? と冷静になって気付いたのは、昨日乗ったのとは違う新型車両のため、窓がはめ殺しになっていて開けられないタイプだったこと。

 振り返ってみれば、昨日冷房が入っていて発狂しそうになったTXとJRも、窓がはめ殺しの新型車両だった気がします。同様に新しく建つビルもはめ殺しの窓が主流です。なので、4月に空調を入れるセンスを疑うより、365日空調することを前提として、電車やビルの窓をはめ殺しにする設計思想をこそ疑うべきだったのかもしれません。

 今日のボケ老人: 午後のアマオケの招待状を家に置いて出かける(涙)。
ま、自分のボケ度ならよくやりそうなことですが、初めてな気がします…。

 と上記理由により、電車の空調を避けつつスカイツリーの見える錦糸町に早めに行き当日券を購入、トリフォニーは冷房が入っておらず、少し暖かくてホッ。聴いたのはマーラー9番、よく聴くオケですが、創立50周年にして、90回記念の演奏会、という節目ゆえ、生誕150周年という節目のマーラーを採り上げたとのこと。

4月17日(日) すみだトリフォニー
 松岡究指揮東京楽友協会交響楽団 バッハ(シェーンベルク編) 前奏曲とフーガ、マーラー Sym9番
前半バッハは鳴り物も入る巨大編成でスケール大きな音場、後半のマーラーは松岡氏の標準的な棒の下、ブラスの厚みもそこそこ、終楽章の弦のうねりもそれなり、とまずまずまとまった演奏、第1楽章後、終楽章前と2度も途中にチューニングしたのと、9番にしてはパーカッションが激しめの打ち込みだったのが印象的、最後の一音はどこでやめればいいのか判らないような指揮ぶりで上手く消えてゆき、その後の黙祷は10秒弱と潔い短さ、アンコールは無し。

 ただ、あろうことか、昨夜の"春眠不覚暁"病が再発、終楽章以外の各楽章で一瞬意識を失う時間がありました(涙)。これから中国GP決勝、意識喪失しないようにせねば。

2011年4月16日土曜日

夏日のシベリウス - 中島章博&東京海洋大・共立薬科大管

 朝の15度台は6月並み、予報ほど崩れずほぼ晴れていた日中もグングン上昇して26.7度、今年最初の夏日です! 午前テニス、午後コンサートと典型的休日、冬のオーバーを羽織って出たら汗だくになり途中で脱ぐ羽目に。

 震災による電力不足により、この夏は夢にまで見た"冷房の無い夏"を迎えられる、いや、夢なんて大袈裟ですね、自分が子供の頃はそれが当たり前でしたから、ま、ともあれ冷房の無くなる夏が楽しみ、今からウキウキしてました。

 しかーし! 何たることか、今日乗った電車のうち、TXとJRには冷房が!! 嘆かわしい…、と言うか、電力不足とは無関係に、4月に冷房するセンスが理解不能、世間のスタンダードと自分の感覚との乖離に愕然としてます。

 その点京王は「空調はしていませんので、暑い場合には窓をお開け下さい」と車内放送、素晴らしい!

 午前の練習中に地震が、都心は震度3位だったので、テニスしてると気付かず、周りに言われて何となく、という程度だったのですが、コートにいた20数名のうち、1人だけ怯えてうずくまってしまっています。どうやら、ややPTSDっぽい症状らしく、被災地じゃなくてもこんな影響が出ているのを知ってビックリでした。

 あと家に帰ったらまた少し部屋が崩れていたので、茨城は震度4は軽くあったっぽいです。

 午後聴いたのは東京海洋大学と共立薬科大学の合同オケ、通常なら聴くかどうか迷う演目ながら、震災以降コンサートに飢えているので敢えて突撃、生まれて初めて東京海洋大のキャンパスへ、品川から歩ける場所で少し驚き。

 会場は大学の講堂、舞台がありその正面は平土間、その後方はゆるい階段状になってます。オケを乗せるには舞台が狭く、この場合舞台を背にして平土間の舞台寄りにオケを並べ、残った平土間の後ろ半分および階段状の部分に椅子を並べて客席とするのが普通だと思います。

 ところが何故か講堂のど真ん中にオケが、つまり平土間の後ろ半分および階段部の前半分に位置しており、客席用の椅子はそれを挟んで前後に置かれています。しかもよく見ると弦セクションが平土間、管楽器が階段部、つまりオケは舞台を向いてます! で平土間の舞台寄りに置かれた100席余の客席は舞台を背にしてオケの正面、そして階段部後方に置かれた60席程の椅子はオケの後方、つまりPブロックの趣、丁度(地震で壊れた)ミューザの狭い1階席+Pブロック、って感じの状況です。

4月16日(土) 東京海洋大学中部講堂
 中島章博指揮東京海洋大・共立薬科大管弦楽団 シベリウス フィンランディア、シューベルト 未完成、シベリウス Sym2番
 最初のフィンランディアはブラス朗々、続く未完成第1楽章最後の音はアクセント解釈、そして後半のシベリウス2番、オケは発展途上ながら最後まで頑張って熱気溢れる盛り上がりでした。アンコールはお約束のカレリア、ではなくてハンガリー舞曲(スラブ舞曲?区別付いて無い…)の有名なやつ。

 まだ昼の暖気の残る夜空には殆ど円くなったお月さんが浮かんでいますが、予報によると一晩で20度近く下がるそうです。明日もアマオケ、マーラー9番です!

2011年3月21日月曜日

祈りと希いをこめた"復活" - ジェフリー・リンク&東京アマデウス管弦楽団 マーラー2番

 南茨城の放射線レベル、午後からまた平時の10倍~数10倍の数値に上がってます(涙)。

 ちょっと早い春分の日は雨、少しは原発にも降ってくれたでしょうか。1ミリ以上のちゃんとした雨が降ったのは何と2週間振り、春先にしては珍しいかも、深夜には10度以上あった気温は日中回復することなくほぼ7、8度台と肌寒い一日、午後アマオケへ、震災以降初めて都心へ出ます。

 アマオケを聴くのは大好き、ただ自分が演奏する側だった時は「こっちがお金払ってですら来て貰うのは申し訳ないのに、お金をいただくなんてトンデモナイ」という感覚でした、よって聴くための予算は限りなくゼロに近く、価格設定が強気のアマオケとは自然と縁遠くなります。

 今日聴いたのもそんなオケ、よって元々は全く予定の無かった公演だったんですが、この時節敢えて中止にせず被災地復興の祈りをこめて演奏し、収益は全額被災地へ寄付、更に義捐金も募るとの情報を得、その心意気を買って急遽参戦した次第。

 また、本来3月の最終週は次の3公演

・27日 都民響(かなり上手なアマオケ)のマーラー10番全曲
・29日 スダーン&首都圏8音大合同オケの展覧会の絵、ローマの松
・31日 バスケス&エル・システマ・ユースオケのサン=サーンス3番とショスタコ10番(重量プロ!)

が予定されており、この3連戦は個人的に上半期のハイライトと考えていた一大イベントでしたが、震災の影響で全て中止、何か淋しいなぁ、と思っていたのも足を運んだ理由の一つ。

 都心までの途中駅の暗さや新宿駅の人の少なさ(あくまで相対的に、ですが)にビックリしつつ、特別ダイヤ等の影響で30分待ちなどあって通常1時間半で着くところ2時間半掛かった新宿文化センター、防災上如何なる効果があるのか不明ですが、2階席は締め切りで1階席のみ使用、でもほぼ1階が満席になって見上げてみると2階に潜入?しているお客さんも。

 まず開演前に指揮者ジェフリー・リンク氏より「悲しい時にこそこの曲を」との口上、国外脱出する外人が周りにもウジャウジャいる中、この原発クライシスの時期に敢えて来日したんだとすれば天晴れの一言です。

3月21日(月・祝) 新宿文化センター
 ジェフリー・リンク指揮東京アマデウス管弦楽団 マーラー Sym2番
前述の理由により初めて聴くオケ、東大オケのOB中心に結成されたとのこと、3団体概算200人超の大合唱はオケの後方の雛壇、指揮者と一緒に入場のソリストはその最前列中央に位置、リンクのゆったり重厚骨太系の棒に応えるオケは弦が安定しており、管もまずまず、女性ティンパニストのキレのいい叩きっぷりが印象的。第1楽章後に休憩の代わりに音合わせ、終楽章"荒野の呼び声"のHrのハイトーンをTpで代用(ワルター&NYPでしたっけ)したのを実演で聴いたのは多分2度目、合唱は最初の出番は座ったまま、2度目の出番で立つスタイル、クライマックスではバンダも加わったブラスがそれなりに鳴り、オルガンも吼えてまずまず雄大でした。

2011年3月4日金曜日

シャイー&ゲヴァントハウスの劇的ブルックナー8番

昨日同様、風強く気温低めの冬晴れ、ただ寒さも強風も前日よりマシ、その代わり何故か宿舎の室温は昨日より下がって9度とまたも10度割れ(涙)。

 夜は急遽参戦が決まったシャイー&ゲヴァントハウス管、急に決まったのはチケット代が高騰し、入手を躊躇していたから、このコンビ最初の来日だった3年前(結局は中止(2008/1/17))は4000円だった最安席が、円高が進んだこの時節だと言うのに、何とその倍の8000円に設定されてます!

 その招聘元の姿勢に納得行かず、ボイコットだ!と息巻いてました。

 が、自分一人がそう言っても何の意味も無いし…、仕切り直しだった2年前の来日では、オケに火を点けたマーラー1番陽性のブルックナー4番、どちらも良かったし…、ゲヴァントハウス管のブルックナーと言えばブロムシュテットとの7番も最高だったし…、とあっさり志を枉げてヤフオク等で最安席を探索すること2か月、公演前日深夜12時半にようやくGETしたチケットです。

 会場のサントリー、貧民席は9割程度埋まってますが、S-Aなど高そうな席は6-7割の入り、やはり売れ残ったようです、強気の価格設定との関係は不明ですが。

3月4日(金) サントリーホール
 リッカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管 ブルックナー Sym8番
オケは対向配置、右端にハープが3台! Hrは9本、うち持ち替えのワーグナーチューバ4本の隣にチューバ、4番の時もそうでしたが、シャイーのスタイルは宗教的な敬虔さとは反対で、よりロマンティックに、より劇的に、という感じ、個性的な強弱もしばしば、濃いめの表情付けで進行した第3楽章、シンバルの入るクライマックス後に弦が残る部分で1音1音見得を切りまくっていたのが特に印象的、オケは弦がさすがの均質な響き、ただ要所ではその音の肌理が荒れる程にシャイーが煽っていて、この老舗オケにここまでやらせるか、って点で凄かったです。ブラスはその弦を消さない8分程度の吹きっぷり、終楽章ではTpが時たま9分程度になってましたが、コーダではほぼ8分程度と弦管のバランス保持、それでもオケ全体では重厚なサウンドを満喫しました。

 シャイーは1-3楽章全て、最後の音が消えてからも数秒棒を上げたまま、なのに棒が下りる前に咳をどんどん始める人が方々にいて、「TV中継も入ってるのに、これじゃあ、終楽章も余韻が残るうちにブラボーや拍手が出ちゃうだろうな」と思っていたらさにあらず、最後だけはお行儀よく、(ほぼ、ですが)棒が下りてからの拍手喝采でした、久々だったかも。

2011年2月27日日曜日

花オケ、第2回公演はマーラー5番 - 吉田貴弘&ブルミーネ・フィル

2週に亘ったFMのマーラー特集、金曜は最終日に相応しくマーラー10番全曲(リットン&ベルゲンフィル)、それもカーペンター版でした。しかも偶然その放送の直後にジンマン&チューリッヒ・トーンハレ管の10番、しかも同じカーペンター版のディスクがCSで放送され、一夜にして聴き慣れないカーペンター版を2度も聴くことに。

 ただ10番と言うとクック版、しかもモリス&NPO盤の演奏が刷り込まれている(昔は外盤を入れてもこれとオーマンディ&フィラデルフィアくらいしか無かった)せいか、ドンシャン鳴り過ぎるのが気になる上、終楽章冒頭"消防士の葬送太鼓"が弱音で叩かれるのがどーもしっくりきません。

 朝は零度弱とやや高め程度でしたが、よく晴れた日中はグングン上昇して17度台とまたも4月の陽気、朝していったマフラーを午後は外すことに、ただくしゃみ鼻水は昨日より激しめになりました。

 午前テニス、午後コンサートと典型的休日、聴いたのはマーラー「花の章」を冠するアマオケ、昨年(と思ってら一昨年でした)の第1回公演に続き、勿論今年もマーラーです。

2月27日(日) 練馬文化センター
 吉田貴弘指揮ブルミーネ・フィルハーモニー管弦楽団 チャイコフスキー ロミオとジュリエット、マーラー Sym5番
 前半のチャイコ「ロミジュリ」であった不安定感が後半のマーラーでは少し解消、それでもこの発展途上のオケには5番はやや荷が重い印象もあり、とは言え終楽章クライマックスはブラスがそこそこ鳴っての大団円。オケではHrソロが出色、また木管はもっと思い切って吹いていいのでは。あと珍しかったのはTpソロのパートを(1)1stが吹く(2)アシと2人で吹く(3)アシが吹く、と3パターン使い分けていたこと、こんなの初めてです。

2011年2月26日土曜日

ゾルテス&都響のサロメ

 21度以上あった昨日の午後から20度以上下がって朝はマイナス1度、ただこれでも平年より高い値、日中も昨日より12度位低く10度に届かず、まあ、この時期の普通の冬晴れに戻った感じ、

 練習予定無く、朝ビデオを少し消化してからまず職場へ、着いてしばらくすると(5-10秒位の間隔こそありましたが)くしゃみ12連発! 本格的に花粉症発動です。

 午後は上野に出て二期会の「サロメ」、鬼才コンヴィチュニーの演出が話題のようですが、それにしては唯一の休日公演なのにS-Aなど高そうな席のサイド寄りや後方はガラガラで人っ子一人いないブロックも。自分は勿論2,000円の貧民席(5Fサイド)、双眼鏡片手に鑑賞です。

2月26日(土) 東京文化会館
 シュテファン・ゾルテス&都響&二期会 R.シュトラウス サロメ
さすがコンヴィチュニーの演出は異色、舞台は近未来の核シェルターっぽい閉鎖空間、サロメがすぐに殺されて食べられ(!)たり、死姦のカマ掘り大会があったり、サロメが周りを踊らせたりといろいろ、歌の無い箇所を上手く使って過激な場面を挿入している印象、未知の指揮者ゾルテス率いる都響はマイルドな音色で質の高いまとまりを感じましたが、音に凄みや怖さが余り感じられない点(でも首切り手前の低弦の刻みは気合入ってました)と、歌手陣のパワーを考慮して抑えているのか鳴りが悪かったのが今ひとつ物足りない点、ただオケのみの中盤の場面転換はかなりの迫力でしたし、サロメとヨカナーンが手に手を取る(!)ハッピーエンドもまずまずの迫力でした。

 上演中、鼻水やくしゃみが心配でしたが、大体建物に入って30分もすれば落ち着くようでほぼ問題無し、ただ夕方地元駅にに着いた瞬間、くしゃみ連発&鼻水ダラーリ状態に、都心より茨城の方が花粉が多いのか?

 明日はアマオケでマーラー5番です!

2011年2月22日火曜日

なぜチキンラーメン? - 崖の上のポニョ <'08 日>

 3週振りに「最上の命医」を観たんですが、いつの間にかヒロイン(比嘉愛未)がいなくなっちゃってます、元々そんなストーリーなの?それとも何かあったの?
(↑NHK朝ドラ「どんど晴れ」の続編?の撮影のため転勤させた(笑)そうです、さすがNHK。)

 よく晴れて朝は平年値に戻って3日振りのマイナス気温、日中もほぼ平年値ながら昨日と同じく春の暖かみを感じます。

 フジで再放送していた「ベートーベン・ウィルス」を保存用録画しながら結局全話視聴、独自のカットを施しているらしく、エピソードによって大幅に削ったりほぼ完全に残したりとまちまち、それでもテレ東放送時には無かったシーン満載で、特にカンマエのモデルがチェリビダッゲだったことは、分かる人には分かる、という仕掛けかと思ってましたが、実際は劇中で明言されてました。ただカンマエの元カノとのエピソードが(あるらしいんですが)見られなかったのは残念。

 あと今回認識を新たにしたのは、
・挿入曲の1つを少女時代のメンバーが歌っていたこと
・フルート少女イドゥンの名前がハイドン(ハ・イドン?)だったこと
・カンマエが破り捨てるチョン・ミョンファン(笑)のポスターはチョン&ソウルフィル(今年来日!)のものだったこと
・カンマエの夢のシーンで「愛の夢」の「愛せる限り愛せ」原曲の歌曲で効果的に使われていたこと
などなど。

 その「ベートーベン・ウィルス」を録画するテープの空きを作るために観た映画がこれ、宮崎アニメのヒット作ですが、宮崎作品のいい視聴者ではない(一応有名どころはほぼ観てますが、一番面白かったのが「カリオストロの城」ですから)ので、ながら観です。

崖の上のポニョ <'08 日>
 人魚姫をベースとした童話、ここからどうクライマックスへと進むのかな、と思った所でエンドタイトルとなり少し驚き、ただこの短さ(101分)が個人的にはポイント高し。微妙に違和感のある声優が数人いる中でもダントツに天海祐希にミスキャスト感があり、音楽担当の久石譲は「ワルキューレの騎行」をもろパクってました(笑)。そして、なぜチキンラーメン?「魔女の宅急便」のクロネコの如くタイアップ? 

 巷ではエンドクレジットに感動、という人が多いようで、言われてみれば成る程、って感じです。

2011年2月20日日曜日

タコオケの室内Sym、12番 - 長田雅人&オーケストラ・ダスビダーニャのショスタコーヴィチ12番、室内Sym

がーん、昨夜5番のハシゴから帰りTVを観ていて1時半頃に人事不省に、楽しみにしていた深夜のC.リーグダイジェストおよび早朝のC.リーグマガジンを寝ブッチ(涙)、1回戦の結果を目にしないよう頑張ってきたのが全て徒労に…。

 今にも降りそうな感じの曇り、その雲のせいか朝はプラス気温、日中はほぼ平年並み、早起きして都心に出て、午前テニス、午後コンサートと典型的休日パターン。

 聴いたのは年に1度の楽しみのショスタコ専門オケ、ダスビ(昨年は6番)、その熱い豪演は、優に100回を超えるショスタコ体験の中で、トップ5のうち2つか3つは間違いなくこのオケ、と言える程です。

 本日のメイン12番は軽薄とのレッテルを貼られて演奏機会が少ないだけに、ダスビがどう料理するか興味津々、また室内Symに関しては、DSCH音型がこれでもかとしつこく繰り返されること、そして「ザッザッザッ」という3連打が怖いこと、この2点しか印象にありません。ただ、これを弦楽四重奏から弦楽合奏へ編曲したバルシャイが昨年11月に亡くなっていたことを(いつも通り詳細な)パンフを読み初めて知りました。

2月20日(日) すみだトリフォニー
 長田雅人指揮オーケストラ・ダスビダーニャ ショスタコーヴィチ 映画「司祭とその召使いバルダの物語」より抜粋、室内Sym <バルシャイ編>、Sym12番
 最初は拍手が残るうちからいきなり起立したミュート付きTbソロからスタート、9曲を抜粋しても20分に満たない楽しい曲で、ワーグナーチューバやサックスまで動員する大編成、音楽(映画)のクライマックスは試練を乗り越えたバルダが司祭にくらわすデコピン(!)3発(バスドラムで表現)、まるでマーラー6番です(笑)。
 続く室内Sym、破壊的なブラスとパーカションが売りのダスビゆえ、弦のみの曲はちょっとキツイかなと思いましたが杞憂、重戦車の如き低弦を中心に肺腑をえぐるサウンドに凄味があり、やはり技術よりスピリット、と思わせてくれました。マーラーの名を冠するオケも見習って欲しいもの。この曲を初めてちゃんと聴きましたが、全編これ自曲からの引用に満ち満ちており(いきなりSym1番ですから)、まるで「英雄の生涯」です(笑)。
 後半の12番、まず第1楽章が激しく阿鼻叫喚レベル、昔よく聴いたムラヴィンスキー&レニングラードフィルのLPも真っ青、終楽章はどうなっちゃうの?と思ってましたが、さすがにあの息の長い、と言うかクドくてしつこい、と言うかブラスには拷問、のコーダではTpトップが体力切れしたか壮絶なレベルには至らず、それでも実演では滅多に聴けないレベルの豪快サウンドを満喫しました。あとHrソロが美しかったです。アンコールは何とショスタコーヴィチ編によるシュトラウスのポルカ「観光列車」を玩具のラッパを使ったアトラクション付きで、次のアンコールは激しい曲か、と思ったらこれで終わり、残念。

2011年2月19日土曜日

ペーター・フロール&東響のユニークブルックナー5番

 5番をハシゴした土曜、みなとみらいでマーラー5番を聴いた後、サントリーへ移動して聴いたのは同じ5番でもブルックナーです。

2月19日(土) サントリーホール
 クラウス・ペーター・フロール指揮東響 ハイドン Sym101番、ブルックナー Sym5番
初めて見るペーター・フロールは小柄・小太りで人の良さそうなおっさん、って感じ、前半ハイドンは棒を使わず全身で様々な表情を演出する雄弁な指揮、ただ30分は長かったです。そして後半お目当てブルックナー、オケは午後の神奈川フィルと同じくチェロと弦バスが左にくる対向配置、7本のHr(ハミルは1stアシ)は左側、それ以外のブラスを右端に固め、ずらっと6本並んだTp(倍管?)が壮観、ここでは棒を使用し指揮姿は少しオーソドックス、でも内容は楽譜に書いて無さそうなテンポのオンオフや強弱など個性的表現のオンパレード、第2楽章第1主題でピッツィカートに極端な抑揚を付け、続くアルコによる第2主題で思いきりたっぷりと弾かせたのが特に印象的、第2-3楽章は続けて演奏、終楽章はHrを筆頭(時に一斉にベルアップ!)としてブラスは豪快、Tp、Tbは全開の1歩手前ながら、全体の鳴りは過去最高かも。

 第1楽章では最後の音の余韻が消えてからもたっぷり5秒は指揮棒を下ろさず、「終楽章はこれは通用しないだろうなあ」と思っていると案の定、最後の1音が鳴ってるうちにブラボーって拍手する人がいました(笑)。

 ブルックナー好きには眉をひそめられそうですが、自分の中でのこの曲の位置は「楽譜通りに演奏するだけで終楽章は鼻血が出そうなド迫力」というもの、ところが(まだ10回にも満たないとはいえ)実演でその期待に応える演奏にはお目にかかってません(チェリの5番を聴きたかった…)。ただこの日(と千代田フィル)が今までそれに1番近かった気がします。

 終演後ホールを出た所で京都時代の研究室の後輩に遭遇、えっ!そんな趣味あったっけ?と訊くと奥様とお母様のお迎えとのことでした。

金&神奈川フィルの5番

 ほぼ終日の曇り、気温は平年並みながら昨日暖かだったせいか、朝テニス始める前は寒く感じました。早起きして都心で昼まで練習、テニスコート近くの梅干屋さんの梅はひと月前に咲き始めていたのに、まだ5分程度の咲きに見えます。

 テニスの後はコンサートのハシゴ、と先々週の土曜と同じパターン、ただ先々週はアマオケのハシゴでしたが、今週はプロオケのハシゴ、そして先々週は両方マーラーでしたが、今週は両方5番です。

 まず午後に聴いたのはマーラーの5番、金&神奈川フィルが昨年来やっているチクルスの一環、去年3番を聴いてます。会場のみなとみらいは9割程度と結構埋まってました。

2月19日(土) みなとみらいホール
 金聖響&神奈川フィル モーツァルト VnC4番、マーラー Sym5番
オケは1stVnの隣にチェロ、その後ろに弦バスがくる対向配置、前半モ-ツァルト(第1楽章のカデンツァが長かった)のソリストは3ヶ月前に音大オケで見た南紫音、萌黄色?ウグイス色?ともかく春めいた色のドレスが素敵でした。後半のマーラー、テンポは標準的でアクは薄めでメリハリのある音作り、3番の時に比べて拍を振らずに流れる棒で表現する箇所は少なめでしたが、棒を置きそのスタイルで各動機を丁寧に積み上げてゆく表現だった第4楽章が印象的。ややソフト系の音色のTpソロ(C管使用、たぶん)とストレートな吹きっぷりのHrソロは共になかなか、Obが味のある音色、金は第1楽章からブラスをしっかり鳴らしつつも9割程度に抑えておき、終楽章クライマックスのコラール頂点でTpが突き抜けてMAXに達する構成力は見事、その後コーダも無闇に煽ることなく、乱れない様にコントロールしてのフィニッシュでした。

 10年近く前にやはり5番を都響とやった時は、第3楽章の(日本人の苦手な)ワルツを粋にやるべく紡いだ流麗なタクトも空しく"笛吹けど踊らず"状態でしたが、今やオケとの兼ね合いも見すえてそれなりの表現が出来るようになった印象です。

 この後サントリーに移動してペーター=フロール&東響のブルックナー5番を聴いた(個性的かつ豪快で良かったです)のですが、それはまた別の記事にします。

 明日は例年爆演が楽しめるショスタコ専門オケ、ダスビです!

2011年2月16日水曜日

ゲルギエフ&マリンスキー歌劇場のロシアンプロ

 朝は冷え込んで2週間振りのマイナス5度割れ、よく晴れた日中は9日振りの10度超え、ただ昼休みに出たテニスコートの日陰は氷でカチンカチンでした。

 夜はゲルギエフ週間の3日目、オールロシアンプロです。メインのショスタコ5番は5年前にも同じコンビの演奏をミューザで聴いてます。

2月16日(水) みなとみらいホール
 ワレリー・ゲルギエフ指揮マリンスキー歌劇管・合唱団 1812年、「ムラーダ」"貴族達の行進"、「ボリス・ゴドゥノフ」"戴冠式の場"、「イーゴリ公」より、ショスタコーヴィチ Sym5番
 昨日同様合唱がオケの後方に位置、金管は昨日程端っこではありませんが右寄りに位置、1812年の冒頭では弦が本数が少ない割におやと思わせるふくよかな響き、ただブラスは終始抑えめ、唯一頂点時の1stTpのハイトーンだけ1発目立たせていた程度、大砲は1台目と反対側に置いた2台目のバスドラで代用、合唱はいつ入るの?と思っていたら終わりまで参加せず、どうやら通常版に当日変更になったらしい。続く3曲は男性独唱2名と合唱が適宜参加、合唱が60人程度なのに迫力がハンパ無く、この合唱でマーラー8番をやったら凄いだろうな、と思ってしまう程で、この3曲が本日の白眉。だったん人のラストは未体験の速さ、そして最後の1音では1stTpが上方60度くらいベルアップしてハイトーンを吹く演出(ジャズバンドでよくやるアクション)がお茶目でした。
 後半のショスタコになり合唱がハケたせいかTpとTbが最後列にずらっと本来の並び、ゲルギエフは1度も手を下ろさず4楽章続けて演奏、構えず粘らず速めのテンポは5年前と同じ、ただ緩徐部の速さとテンポの揺らしは前より激しくなった印象(特に第1楽章第2主題などびっくりのスピード)で、オケが付ききれない部分もしばしば、ブラスはアシ無しの最少本数(Tp3,Hr4)、第1楽章など腹8分目どころか6分目くらいの抑えた吹きっぷり、やや雑だった第1楽章後半のHrソロは直前休憩無し、第3楽章の木管ソロはなかなか、ブラスは終楽章ですら8分程度の吹きっぷりでがっかり、アンコールも無くて2度がっかり。オケは縦の線が余り揃わず、それが前半は音色の豊潤さで気にならなかったのに、後半は耳慣れた曲のせいか雑に感じてしまいました。

 5年前の5番との比較ではオケの音は良くなった印象ですが、連日のハードスケジュールが影響してるのか演奏自体は大雑把で迫力も減じた感じです。

 あと見落としただけかもしれませんが、昨日と今日の2公演でゲルギーは1度も指揮棒を手にしなかった気がします。5年前の日記を見ると、同じショスタコ5番でも棒を使っていた模様、使用頻度が減っているんでしょうか?

2011年2月11日金曜日

チョン&N響の3番

 この日のボケ老人: 井岡Jrのタイトル戦、深夜に観よう、と留守録を再生するとニュースが…、留守録設定時刻を1時間間違えたらしい…、無念。

 翌日にゆっくりこれを書いてます、予報通り朝から雪、何とこの日は午前零時の4度台が最高気温で、その後下がって朝昼ほぼ0度台とかなり低め、その割にはずっと降っていた雪が殆ど積もらなかったのが不思議です。

 フジで放送中の「ベートーベン・ウィルス」、テレ東放送時よりカットが少なく、未見シーン満載なので結局また観ており、先日は中盤のヤマ場「愛せる限り愛せ」でまた泣き、フェスティバルの選曲を訊かれたゴヌが「マーラー3番の第6楽章」と答えてカンマエに一蹴されるのには笑いました。

 夜聴いたのはそのマーラー3番、早くも今年2度目、またチョンの指揮で聴くのも東フィルに続き2度目、雪で練習中止になり、午前中に上記「ベートーベン・ウィルス」や「Fringe」(第1シーズンやっと完投!)など消化してゆっくり出陣しました。

 因みに午後はコンサートの前に渋谷タワレコでインストアイベントを2つ楽しみましたが、またそれは後日の日記にします。

2月11日(金・祝) NHKホール
 チョン・ミュンフン指揮N響 マーラー Sym3番
冒頭9本のHrはやや抑えめにスタートして最後にクレッシェンド、チョンはやや遅めのテンポでマーラーっぽさは薄め、また独自の濃い表現も1番に比べるとやや少なめ、それでも速い部分はより速く、という傾向は相変わらずで特に第2楽章が顕著、また普通と違う場所でテンポの加速・減速をしていた(特に終楽章)のが印象的。オケは低弦に厚み(弦バス12本)があり、Tbソロはマイルド系、遠方感があり安定していたポストホルンソロはコルネットっぽい楽器、女声合唱(約50名)は最初から、児童合唱(約30名)は第3楽章のコーダに入場、そのタイミングより少し早くアルトが入場(したらしいのですが気付いたらもう指揮者脇にいました)。楽譜ではアタッカなのに何故か終楽章の前に休止、そして遅めテンポで思ったほど粘らずしみじみ進んだ終楽章、クライマックス前のTpコラールは楽譜通りハイトーンを強め、左隅にもう2組(2台×2)あって気になっていたティンパニをコーダのみ使用し計4組、弦管鳴って壮大な音場での大団円、と想像されますが巨大ホールの外野席だけにあくまで推定なのが悲しいところ。

 その後家に帰ってFMライブの留守録をチェックすると、肝心の終楽章になってブームノイズが発生しておりオシャカ(涙)、今や留守録が出来ない電波状況になりつつあります。

2011年2月8日火曜日

アクション度上昇の第2作 - トランスポーター2

昨夜の「大切なことはすべて君が教えてくれた」での風間杜夫の声の裏返り方にはぐっと来ました、昔は演技出来ない人の代表格だったのに。

 昨夜は西の空で木星と三日月が仲良く並んでましたが、深夜から雲が出たのか朝は冷え込まず零度弱、今年3度目?の曇りとなった日中は気温上がらず最高6度台、日照時間ほぼゼロは今年初めてか、そして更に下り坂とのこと、晴れと雨を繰り返す春っぽい気候に近付いているようです。

 本日は週末に観た映画から、主人公の個性とキレのあるアクションが印象的だった映画「トランスポーター」の続編です。

トランスポーター2 <'05 仏/米>
 今回の任務は子供の送り迎え、それが陰謀に巻き込まれ、子供との約束を果たすべく大暴れ、しかも舞台は何故かアメリカ、リュック・ベッソンの脚本にしてはヒネリ無く(元々そう?)、前作以上にリアリティは気にせず、かつアクションにつながらない部分をバッサリ切る、ある意味潔い演出でノンストップでアクションを楽しめますが、前作の方が好きだったかも。

 ゴールデンの映画枠の放送時間は正味90分程度、80分台の作品なので当然ノーカットと思い視聴したのですが、CM前後の"かぶせ"以外にも、何と「トランスポーター3」の冒頭?まで入っていて、そのせいで少々カットしていた感じ(涙)、来週のパート3はより長尺なのでもうこの枠では観ないことにします。

2011年2月6日日曜日

Sオケの充実ラフマニノフ2番 - 秋山和慶&洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団

 がーん…、昨夜のチョン&N響「幻想」FM生中継、留守録を確認するとブームノイズまみれ(涙)、せめてもの救いは、ノイズの向こうに聴こえた響きが(期待した)熱狂ではなくて整然だったことか。

 今年3度目の曇り、当然朝の冷え込みは甘め、ただ日中は平年やや高め、そして夜には本格的な雨、午前中の練習予定がキャンセルになり、午後ゆっくりとコンサートに出かけました。

 連日のミューザ通いをして聴いたのは洗足音大のオケ、ただこの音大、オケがいくつもあって(たぶん3つ以上)よく違いを把握してません。パンフを読むと精鋭を集めているようで、いわばAオケ、いや芸術監督秋山氏の下に集まったらしいのでSオケか。

2月6日(日) ミューザ川崎
 秋山和慶指揮洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団 ラフマニノフ PC2番、Sym2番
オケには先生っぽい人も加わっており、学生さんのレベルも高めに感じました。前半協奏曲のソリストは田村響、ブラスが結構吹いてました。後半の交響曲では弦がよくうねり、ブラスが(ロシアっぽさは皆無ながら)Tbを筆頭によく鳴ってました。第3楽章のClソロの豊かな情感は特筆もの。全体で印象的だったのは躍動感と歯切れよさで、第2楽章や終楽章コーダなど「秋山さんってこんなに煽っちゃう人なの?」とビックリの急加速がしっかりキマって鮮やか、あと少し編曲っぽい改編があった感じ。

 ラフマニノフの2番は結構好きで年2回程のペースで聴いている(日記によると過去15回/6年)ので、(プロは10回に満たないとはいえ)優に30回以上は聴いていることになりますが、その中で間違いなくトップ3に入る感動度でした。

 5月のロシア国立響による同曲がますます楽しみになってきました!

2011年2月5日土曜日

マエストロ主役のマーラー6番 - 海老原光&豊島区管弦楽団

 午後に川崎で3番を聴いた後に池袋で臨んだのがこの6番、このオケは初めてな気がします(がずっと昔に聴いて忘れてるだけかも)、創立35周年の大曲とのこと。

2月5日(土) 東京芸術劇場
 海老原光&豊島区管弦楽団 マーラー Sym6番
緩徐楽章が第2楽章となる今風の順序、オケは2ndVnとVlaを入れ替えた対向配置で、弦バスがずらっと最後列に、こうなるとパーカッションの場所がなくなるので両翼に分散、木槌で台を2度叩いたハンマーは左隅の最前部、そして何とチェレスタがオケのど真ん中でした。各パート達者でオケの実力を感じ、終楽章コーダのTbの掛け合いなど聴き惚れました。指揮姿が個性的でカッコいい海老原氏は、何度もジャンプしたり(アンダンテですら1度ジャンプ!)、左手がゲルギエフっぽかったりと存在感抜群、度々急加速したり、急に減速してタメを作ったりする棒に、乱れながらもついていったのはオケが上手だからでしょう。

 オーケストラ演奏の主役は勿論指揮者、しかしアマチュアは趣味で、つまり自分でお金を払い、自分の愉しみのためにやっている、という特殊性があるため、アマの主役はある意味オケ、よって客演する指揮者は"自分のやりたい演奏"と"オケのやりたい演奏・やれる演奏"との妥協点を見つける作業が必要になるので、これだけ指揮者の個性が前面に出る演奏会は珍しい気がします。

 この週末は3つの演奏会が全て当たり、滅多に無い幸せでした。

骨太かつ情感豊かなマーラー3番 - 冨平恭平&オーケストラ ハモン

 翌日にこれを書いてます。この日は少し雲の出た日中こそ昨日に比べれば低めだったとはいえ、最高最低共に3月並みの気温でした。午前練習、午後コンサート、と典型的休日パターンながら、午後はマーラー2連荘と濃いスケジュールでした。

 まず聴いたのは3番、いつも着実な演奏を聴かせてくれ、年1度かそれ以上のペースで聴いているオケです。

2月5日(土) ミューザ川崎
 冨平恭平&オーケストラ ハモン マーラー Sym3番
オケは弦バスが左奥に来る対向配置、しかもウィーンフィルの如くTpとTbの左右が逆です!(FgとClも左右逆でした、VPOは知らんけど) 冒頭9本のHrが雄大に吠え、遅めのテンポで第1楽章が骨太に鳴り終わると、オケがハケて15分の休憩、マーラーのようなゲテモノに慣れていない大半の観客にとってはいいのでは。再登場時に少女合唱(約30名)と女声合唱(約50名)がPブロック、アルトソロがVlaの後ろに位置、ポストホルンはTpっぽい音(でしたがカーテンコールではポストホルンを手に)、終楽章は自分好みのかなり遅いテンポ(25-6分コース)、やや抑え気味なのにしみじみとした情感溢れる表現、クライマックス直前の弱音Tpコラールは遅いテンポにもめげず情感がこもり、コーダ最後の一音の天国的な長さは過去実演では最長(13秒程)だったかも。

 昨年は3番を5回も聴きましたが、そのどの3番より今日の演奏の方が感動しました。この後芸劇へ移動して次は6番、でもそれは次の記事で。

 このオケ、次回(9/17)はローマ3部作とか、超楽しみです、あ、でもその頃は出張を入れてしまった気が…。

 因みに明日は音大オケでラフマニノフ2番です!

2011年2月3日木曜日

第3作は刺青再び、そして名作へのオマージュ - 高木彬光「大東京四谷怪談」

本日は早起きして平年並みながらマイナス4度と寒い中試合へ、苦手な左利きに初戦(しかも予選)であえなく敗退、試合中何となくデジャブー的感覚があったんですが、試合後アドバイスを訊くと、何とほんの数ヶ月前、しかも同じ会場で当たった相手(2010/10/15)でした。忘れてるとはさすがボケ老人。

 ただ新年以降続けている膝痛防止"太極拳ゆったり"体操(2011/1/20)の効果か、試合中も試合後も全く膝に痛みや不安を感じることが無く、こんな状態はここ半年以上無かったこと、なさすが中国4千年の歴史は侮れません。

 12度とややポカポカしてきた午後には無事職場復帰、試合会場への往き帰りと待ち時間で読みかけの本を読了、墨野隴人シリーズの第3作です。

大東京四谷怪談 高木彬光
 語り手の未亡人が今回巻き込まれたのは「四谷怪談」を下敷きにしたかの様な連続殺人、勿論墨野隴人が解決してくれますが、犯行の必然性などすっきり感が薄いなあ、と思っていると、その点も腑に落ちる仕掛けが! 某有名作品へのオマージュにして、功成り名遂げた大家晩年の作にしては野心的な試み、読了後、冒頭を読み返すことをお勧めします。

 因みに角川文庫版の中島河太郎氏の解説はネタバレしてますので先に読まないで下さい。

 次はシリーズ第4作、と行きたいところですが、高木彬光作品は全作角川文庫で出ているものと勘違いしており、角川文庫版の墨野隴人を揃えれば足りる、と思ったら大間違い、シリーズ全5作中、第4作「現代夜討曽我」は光文社文庫のみ、ゆえに未入手、と言う訳で墨野隴人プロジェクト、一時中断です。

2011年1月27日木曜日

第2作は○○殺人 - 高木彬光「一、二、三 - 死」

昨夜帰宅時に予想外の雨、そこそこ強くて傘を取りに戻る羽目に、ただ通り雨だったらしくその2時間後には星空、よって今朝もマイナス5度以下まで冷え込み、冬晴れの日中はほぼ平年並みかやや高めでした。

 本日も墨野隴人シリーズから、一昨日読了した第2作です。

一、二、三 - 死 高木彬光
 主人公のご近所で資産家の老婦人に届いた謎の手紙を発端として起きる殺人に墨野隴人を中心とした前作のメンバーが挑みます。終段になってやっと事件の構図が判明するまではやや風俗小説的側面もあり冗長な感があるのと、犯人が読まれやすいのが難点、ただ犯人像は心に残ります。
<< 以下ややネタバレにつき未読の方は飛ばして下さい!! >>
 本格好きなら誰しもゾクゾクする童謡殺人もの、なのにその事実がかなり終盤にならないと判らない、という点が勿体無く、スリルを殺いでいる気がします。

 今第3作「大東京四谷怪談」に掛かってます。

2011年1月25日火曜日

高木版「隅の老人」第1作は歴史物テイスト - 高木彬光「黄金の鍵」

今昼休みの壁打ち帰り、強い風が吹いてますが、北風というより春の風に近い感じ、近所の小学校では紅い梅が4分程度咲いてました。今夜は東京で宴会、戻りが深夜になるので記事のみにて。

<続き>
 思ったより宴会から早く戻れて、家に着いたらアジア杯の日本vs.韓国の後半が始まったところ、因みに宴会後の会話:

「日韓戦は地上波あるの?」「ありますよ!」「10ch!」(←自分)「5ch!」(←学生)

ううう、地デジ化が済んでいる人にはテレ朝って5chなんだ…。

 ちょっと前、墨野隴人シリーズの最終作「仮面よ、さらば」を1冊100円で入手した際、元ネタのオルツィ「隅の老人」やドルリー・レーン4部作と同様、シリーズを通しての趣向があるだろうから、全作100円で揃えてから一気に読もう、と考え、集め始めて数年、やっと揃った(気がしたけれど勘違い…)ので第1作から読むことに。

黄金の鍵 高木彬光
 シリーズの主人公となる未亡人(サム・ペイシェンス?)の墨野隴人との出会いが描かれ、彼女が遭遇した殺人事件を彼が解決。その過程で徳川幕府の埋蔵金に関する推理が語られる部分は著者の「成吉思汗の秘密」を髣髴とさせる歴史物テイストで、こっちが本作の主眼かも、現実の事件も(オリジナリティは無いながら)悪くないプロットなのに、プレゼンがいま一つのためインパクトに欠け、霞んじゃってます。

 次はシリーズ第2作「一、二、三 ─ 死」へと進みます。

<追記>
 ペイシェンス・サムでした…。さすがボケ老人(涙)。

2011年1月24日月曜日

惚れっぽいストリートキッズ、中国へ - ドン・ウィンズロウ「仏陀の鏡への道」

今日のボケ老人: 学会会費を払いに昼休み郵便局へ、窓口で5分並び自分の番が来て会費分の現金を持ってないことに気付く…。

 昨夜遅くに雨、これが今年2度目の降水、その雨雲のせいか朝の最低は1度とプラス気温、零下にならなかったのは12月下旬以来31日ぶり、それだけ天気が良かった証左です。

 膝痛解消"太極拳ゆったり体操"の効果絶大なれど、先週の左ふくらはぎに続き、今週は右ふくらはぎに鈍い痛みと張りがあり、壁打ちを自重、共に初めて傷める部位ながら平仄は取れています、筋力バランスが変わると傷める場所も変わる、ってことでしょう。

 本日は先日読了した本から、先々週だったか、職場から出掛けようとして、読みかけの本を家に忘れたことに気付き、(本無し)手ぶらで外出出来ない性質ゆえ、その場で未読本を探して手にしたのがこれ、ここ数年「犬の力」など単発作品の世評が高い著者によるニール・ケアリーもの、「ストリート・キッズ」に続く第2作、ただ前作の内容を(読んでから10年程経っているため)殆ど覚えていません(涙)、ほろ苦い話だったことくらい。

仏陀の鏡への道 ドン・ウィンズロウ
 前作の影響で隠遁生活を送るニール、無理矢理呼び戻されて与えられた使命は中国娘と出奔した研究者を連れ帰る、という簡単なもの、それがもつれにもつれて中国まで赴く羽目に、ややご都合主義な感はあれど、全ての要素が収束して畳み掛ける終盤は素晴らしく、またもほろ苦い結末ながらエピローグがお洒落です。

 忘れているせいかもしれませんが、第1作よりよかった気がしたので、このミスの「ストリート・キッズ」第2位に比しての本作の着外(10位台)はちょっと不思議。

2011年1月23日日曜日

暖色サウンドのシベリウス2番 - 山元富雄&ヴィルトーゾ・フィルハーモニー管

 午前テニス、午後コンサートと基本休日パターン、例によって早朝マイナス5度以下の中東京へ、ただ雲の少し出た日中は平年並みの気温ながら何となく暖かめに感じました。

 久我山のコート近く、美人で気立ての良い娘がいた梅干屋さんの梅林も少しだけ花が咲き始めていました。

 コンサートへ向かう途上、渋谷駅で電波を拾ってメルクル&国立リヨン管の最安席をGET、最近では来日オケの最安席4,000円は貴重です。

 蒲田で聴いたアマオケは"ヴィルトーゾ・フィル"、す、スゴイ名前です、わくわく。でも聴くのは初めてかも、マーラーを余りやらないらしい(←調べてみると、過去30回の歴史でホントにただの1度もマーラーやってません…)。

1月23日(日) 大田区民ホール アプリコ
 山元富雄指揮ヴィルトーゾ・フィルハーモニー管弦楽団 ベートーヴェン エグモント、チャイコフスキー 幻想序曲「ハムレット」、シベリウス Sym2番
 前半ベートーヴェンもチャイコも弦管バランスを保ちブラスが羽目を外さないサウンド、名称通り名手揃いかどうかは別として、各パートまずまず安定しています。シベリウスもマイルドで大人しめの音作り、それでも大団円のコラールはなかなか雄大、そしてフィニッシュで弦の音を残すあたりがカッコよかったです。オケではHrがいい音でした。アンコールはカレリア、じゃなくてチャイコフスキー、「エフゲニー・オネーギン」のポロネーズ。

 帰り道途中買い物に降りた秋葉原では歩行者天国が復活していて歩きやすく、悲劇のあったと思われる場所には献花が捧げられていました。

2011年1月20日木曜日

月夜の一幕劇 - メグ・ライアンの男と女の取扱説明書

錦織や伊達、森田の記事を見て、全豪OPがとっくに始まっているのを知りました。地上波で観られなくなって久しい…。

 今日の暦は大寒、朝はそれに相応しくマイナス5度を割りましたが冬晴れの日中は午後9度台と高め、ただ風が強くポカポカ感は無し。

 正月にTVで観てこの2週間ほど毎朝3分やっている膝痛を解消する体操(オリジナルは喜多方市の「太極拳ゆったり体操」とのこと)の効果は絶大で、昨日の様に冬場に2時間試合した翌日は膝痛で足を引きずるのが普通なのに殆ど痛み無し、また同じ膝でもいつもと違う部位に鈍い痛みを感じるあたり、膝痛は筋力の不足やアンバランスで起きることを再確認させてくれます。

 本日はお正月休みに実家で観た映画から、これも予備知識ゼロで臨んだのですが、観終わってみればお正月の4本中一番印象に残った作品(日本未公開)、後で調べてみると、女優から監督/脚本家として頭角を現した矢先に殺害されてしまったエイドリアン・シェリーの脚本に、友達のよしみだったのかやはり女優が本業のシェリル・ハインズが監督した作品とのこと。

メグ・ライアンの男と女の取扱説明書 <'09 米>
 離婚したい夫としたくない妻、両者のバトルをコミカルに描く室内劇、後半第3者が乱入して流れが変わり、しっかりオチも付きます。あの「普通の人々」のティモシー・ハットンがすっかりオジサンになっていてビックリ、あと「HEROES」で手から稲妻を発していた娘も出てきます。未公開作品ゆえか邦題は愚劣ですが原題は"Serious Moonlight"、オチと関連したダブルミーニングになってます(以下参照)。
<< 以下ややネタバレに付き、未見の方は飛ばして下さい!! >>
 "moonlight"には「秘密のアルバイト」という意味があるようです。

2011年1月16日日曜日

雪の日のスキタイとブルックナー7番 - 金子建志&千葉フィル

 朝起きると外は一面の雪景色、しかもまだかなり降ってます、午前テニス、午後コンサートと典型的休日、家を出る頃には雪はあがり冬晴れがスタート、午後聴いたのは金子建志指揮するアマオケでプロコ「アラとロリー」とブルックナー7番、期待に違わぬ演奏でしたが、今時間が取れないので、昨日分と併せ続きはまた明日。

<続き>
 上りの電車では都心に近付くにつれ雪の量が減り、都内では降った気配無し、無事テニスが出来ました。

 一方夜地元に戻ると、せいぜい2-3cmの積雪が日陰っぽかった所を中心にまだかなり残っているのには驚き、日中ずっと晴れていたのに。日中の気温はより低いのに、沢山降ってはどんどん消える石川では考えられません、湿度が関係するのか?

 最低ー3度とやや高めながら、最高は5度台と低め、ここ数日外出している間は顔が少し熱っぽく目が痒いのは、もしかしてもう花粉症の症状?

 一昔前のFM名解説でお馴染み金子建志率いる千葉フィル、昨年のマーラー9番が良かったことに加え、プロコ「アラとロリー」はアバド&シカゴ響の豪演ディスクに接して以降、ローマの松や家庭Symと並び、マーラーを超えて好きな数少ない曲の一つ、ただ実演で聴ける機会は滅多に無く、ひと月以上前から楽しみにしてました。

1月16日(日) 習志野文化ホール
 金子建志指揮千葉フィルハーモニー管弦楽団 ロッシーニ どろぼうかささぎ、プロコフィエフ スキタイ組曲「アラとロリー」、ブルックナー Sym7番
 オケは2ndVnとVlaを入れ替えただけの対向配置、最初のロッシーニではTbがいい鳴り、その豪快な鳴りにHr、Tpも加わってアラとロリーの前半2曲の迫力はかなりのもの、(1番大人しい)第3曲での中盤の激しさが印象的で、終曲クライマックスもなかなか壮大、とほぼ満足の出来でした。
 後半ブルックナーではHr4本とは別にワーグナーチューバは(持ち替えではなく)専業で4本、金子氏はゆっくり目のテンポで第1楽章からブラスを息長く壮大に鳴らします。第2楽章クライマックスでブラスが豪快に吹き切った後のワーグナーチューバのコラール部分をもう一つのハイライトと捉えているのか、ゆったりテンポで朗々とかつ表情たっぷりにやってました(←楽譜ではfff表記とのこと)。終楽章ではコーダになって急にスローダウンし壮大に締めくくったあたり、チェリビダッゲを意識してるかもという印象を受けました。アンコールはお正月ってことでシュトラウス「皇帝円舞曲」、初めて聴いて恐ろしいほどクドイ曲と知りました。

 毎度のことですが、パンフに寄せられる氏の詳細な解説がもう一つの楽しみです。

2011年1月15日土曜日

高関&東大オケの1番

 昨夜のボケ老人: 昨夜「スクール!!」第1話を観ていて、自分も九九を一部言えないことに気付きショック…。特にm×nでm > nの場合、頭の中でn×mに変換しないとスムーズに出てきません、つまり8の段や9の段はサッと言えない…。

 冬晴れ、気温は平年より高め、10度を超えた日中は微妙にポカポカ感あり、正月の特番で「膝痛が治るご当地体操」なるものをやっており、新年から毎朝それを実践してるのですが、嘘の様に10数年悩まされている膝痛がおさまっています。ところが昨日のなごなご系テニスで過去記憶に無い部位(左ふくらはぎ)を少し傷めてしまい、今日になっても張りが残っているため壁打ちはお休み、ホント年を取ると故障との闘いになることを実感。
<以上は1月17日に関する話題>

 N響の後に聴いたのはかなーり久々の東大オケ、ってことは余りマーラーをやらないのか、東大オケは。

1月15日(土) ミューザ川崎
 高関健指揮東京大学音楽部管弦楽団 ショスタコーヴィチ Sym9番、マーラー Sym1番
 オケは日曜の千葉フィルと同様、2ndVnとVlaを入れ替えただけの対向配置、(個人的に)堅実安定の印象のある高関にしては、ショスタコのラストはかなりの快速テンポ、後半のマーラーは楽譜にこだわる高関らしく新版で第3楽章冒頭の弦バスはユニゾン、オケでは弦が安定してるのは当然として、Hrがバカウマ、メンバー揃って上手いのはアマオケでは珍しい、あと大太鼓の叩きっぷりが豪快、曲想により棒の有無を使い分ける高関は基本アク無しスマート系ながら、静と動のコントラストはなかなか、特に終楽章の激しい部分は彼の堅実イメージを少し改めた程、補助のTb,Tpと共に起立した9本のHrは迫力十分でなかなかの大団円でした。アンコールは何とショスタコ「タヒチ・トロット」(2人でお茶を)、お洒落です。

 終楽章のミュート着脱早業ファンファーレをTp,Tbともちゃんとやっているのを久々に見て感心、まあ、昔はみんなやっていたことですが。とは言え、1拍の間に外したミュートを床に置いてから構え直した1stTbの早業っぷりはやはりお見事!

歌姫とセレンディップ - 幸田浩子さんのソプラノ

 1月18日のボケ老人:
昨年11月"watermark"ウィルスにやられたノートPC、結局駆除出来ず、必要なファイルのバックアップを取りWindowsを再インストールする羽目に、ところが半分しかバックアップを取っていないのに(全部取った気になっていたらしく)実行してしまい、ここ数年のデータのかなりの部分が永遠に消去…(涙)。

 連日の冬晴れ、朝はやや低めで-5度近く、日中はやや高めで10度を超えて日較差は15度余り、週末の雪は殆ど消えましたが、軽めの壁打ちをしに出た際、日陰の水溜まりはお昼になっても凍ったまんまでした。
<以上1月18日に関する話題>

 2つのコンサートの前に寄った渋谷タワレコのイベントで聴いたのは幸田浩子さんのソプラノ、最新のアルバムから2曲だけ披露(去年もそうでした、声は消耗品だから?)、2曲目に歌ったリスト「愛の夢」は元々が歌曲とのこと、初めて知りました。

 とその時は思ったんですが、これはボケ老人の忘却力のなせる業(笑)、1年半程前に韓ドラ「ベートーベン・ウィルス」の流れでそのことを日記にしっかり書いてます(「愛せる限り愛せ」)、やっぱアホです。

 基本インストアイベントを聴きに、と言うより"見に"行っている身としては、ピアノ伴奏の梅田麻衣子さんの可愛さがより印象に残っています。

マリン&N響の個性派展覧会

 朝はマイナス5度割れ、日中も5度台と寒かった一日、何よりほぼ終日の曇りで、晴れなかったのは年末以降何と16日ぶり(都心では20日ぶり?)、さすが表日本です。

 午前は都内で練習、早朝-5度の中最寄のターミナル駅へ、そこで乗った上りのつくばエクスプレス、発車前は座席の下から温風が吹いていて人心地ついたのも束の間、発車した頃にはそれが停止、その後駅に停まるたんびに寒風吹き込み車内が冷え、アキバに着く頃にはすっかり凍えてました。冷房の時もこれだけケチって欲しいもの。

 当初午後はインストアイベント経由で学生オケのマーラー、とゆったりした予定でしたが、数日前教え子から「学校の課題でオーケストラを聴いてレポートを書く、というのを早急にやらなきゃいけない」とのことで、初心者でもそこそこ聴きやすく、かつ自分も聴く気になる公演としてマリン&N響をチョイスし参戦することに。

 本当はその前日、既に入手済みだった大野&東フィルのショスタコ&プロコに(学生の迷惑を無視して)連れて行く積りだったのですが、まさかの大野和士キャンセル(「トリスタン」は振ったのに…)で、即チケットを手放した(渡邊さんごめんなさい)ため、この日の強行スケジュールとなった次第。

 本日の指揮者のマリン、金曜のFM生放送を少し聴いた感じでは、何と「クープランの墓」ですらテンポをいじったり、ラストで思いっきり妙なタメを作ったりと、かなり個性的な解釈をする人のよう。

 ただ、行く気になっていた幸田浩子のイベントも捨てがたく、教え子をホールに押し込んだ後、前プロを諦めて渋谷タワレコへダッシュ(これについてはまた別記事で)、よって聴いたのは後半の「展覧会の絵」のみとなりました。

1月15日(土) NHKホール
 イオン・マリン指揮N響 ムソルグスキー 禿山の一夜、ラヴェル クープランの墓、ムソルグスキー 展覧会の絵
 着いたら丁度「クープランの墓」の終曲後半(の館内中継)、FMで聴いた通り、ラストで妙なタメを作ってました。後半の展覧会<ラヴェル編>でも冒頭Tpソロを始め、至る所で楽譜に無い強弱付けまくり、また基本的にはゆったりテンポで、最後のキエフの大門などチェリばりの悠然たる歩み、N響ブラス陣も頑張って吹いており、NHKホール外野席で無ければ同曲屈指の壮大な音場を満喫出来たかも。

 マリンは新日との1番を聴いてますが余り印象に残っておらず、こんな変な人だったかなあ、と日記を読み返してみると、その時もかなり個性的だった様です、忘れてました、さすがボケ老人…。

 その後ダッシュで川崎へ向かい、東大オケのマーラー1番、これはまた別の記事で。深夜地元に戻ると雪、しかもかなり降っており、積もりそうです。

2011年1月10日月曜日

年末恒例の9番、今年は成人の日 - 齊藤栄一&国立マーラー楽友協会管のマーラー9番

最低気温はマイナス3度とほぼ平年並みながら日中は余り上がらず最高6度と低め、午前中は東京に出て練習、ここ数日昼休みに壁打ちしたり同僚と軽くプレーしたりはしましたが、実質これが今年の打ち初め、強い北風が吹いて気温以上に寒く感じました。

 練習は昼過ぎに終り、夕方のコンサートまで時間があったので渋谷に出てタワレコのインストアイベントへ、これについては明日にします。

 夕方は国立(くにたち)まで遠征してマーラー、一橋大オケおよびその卒業生を中心とするアマオケ水響のメンバー(中のマーラーマニア)で組織していると思われる、国立マーラー楽友協会(くにたち、笑)なる謎の団体があり、そこは毎年「年末には第9(もちろんマーラー)を」と9番を演奏しており、以前は毎年の様に聴きに行ってました。

 ところがここ数年は演奏会の案内が来なくなり、「活動が中断してるのかな」くらいに思ってましたが、単に連絡してくれなくなっただけで、ずっと毎年やっていたことを昨年2月に知ってショック(2010/2/14)、この年末はアンテナを張りまくってましたがどこにも告知無く、「今年(2010年)は無いのかあ」と思って正月を迎えたところ、親切な方より当方のブログ(楽天の方)に「今年度はお正月の10日」との情報提供あり、喜び勇んでの参戦、会場は組織の本拠地、一橋大キャンパス内にある講堂です。

1月10日(月・祝) 一橋大学兼松講堂
 齊藤栄一指揮国立マーラー楽友協会管 マーラー Sym9番
オケは2ndVnとVlaを入れ替えた形の対向配置、メンバーは若手中心、Hrが4本と少なめ、Tp5本(うち4本女性!)、Tb4本、チューバ2本は多め、木管は全パート4-5人いて弦バスは4本のみ、と色々です。第2楽章の躍動感と第3楽章の激しいパーカッションを中心とした豪快なサウンドが印象的、終楽章では2ndVnを筆頭に弦がまずまず鳴ってました。淡々と進んだ結尾、最後の一音が消えてから拍手までの沈黙は20秒弱。

 入館時、講堂の改築前には無かった暖房が効いていてホッとしたのも束の間、「演奏の都合上」とアナウンスがあり暖房停止、第3楽章あたりから寒くなり終楽章後半にはお腹に差し込みが、腹痛に悶えながらの鑑賞となりました(笑)。

 終演後ダッシュでトイレへ、改装して数年しか経っていないため読み通りウォッシュレット付きの洋式、ところが個室のドアが見たこともないモダンな半円形のスライド回転式、しかも貼ってあるインストラクションが何故か左右反対、つまり鏡像対称に書いてあった(のと焦っていた)せいで、閉めるのに手間取ってしまいました、幸い漏れませんでしたが。

 国立も星が綺麗らしく、終演後の夜空は東にオリオン座やシリウス、西に木星と三日月のランデブーと華やかでした。

2011年1月7日金曜日

聴き初めは飯森&東響のマーラー1番

昨夜「おねマス」を2週分録画で観たところ、何と先日の「AKBINGO!」同様、中1の課題曲「高度な技術への指標」が使われていてビックリ! たまたま同じ製作者だったのか、思ったよりメジャーなのか。

 朝の冷え込みはマイナス3度とほぼ平年並みながら、寒風吹きすさぶ日中は余り気温が上がらず、かなり寒く感じた一日。帰省前は12、3度あった部屋の温度が帰省後は10度台、そして今日は遂に10度割れ、ただ7、8度だった実家に慣れたせいか、余り寒く感じません。

 夜は2011年の聴き初め、マーラーイヤーの2年目はやはりマーラーからスタートです。

1月7日(金) ミューザ川崎
 飯森範親指揮東響 ウェーバー オイリアンテ、リスト PC1番、マーラー Sym1番
オケは対向配置、最初のウェーバーは弱音が繊細、続くリストでのソリストはスレンダーな身体をパールホワイトのドレスに包んだアリス=沙良・オット、拍手に応えて珍しく?も「エリーゼのために」をアンコール。
 後半のマーラー、開始では一旦棒を上げたのに会場の静まり方が物足りなかったのか棒を下ろして仕切り直すコダワリ、ところが納得の静寂を得て第1音を開始したと同時に大きな咳が出たのは可哀想。第2楽章後に改めてチューニング、指揮者が違う時もそうだったのでオケの方針かも。飯森は基本すっきり系ながら遅めのテンポを取りマーラーの指定した細かい強弱をきっちり押さえて各動機を丁寧に組み上げている印象でしたが、何となく説明口調と感じ、勢いや色気が不足気味、それでも8本のHrが補助のTb,Tpと一緒に起立したクライマックスは悠然としたテンポから最後は加速してそれなりの盛り上がりでした。

 意図したのかどうか判りませんが、第1楽章舞台裏のTpのファンファーレが過去聴いたどの演奏よりも遠く小さく聞こえました、またその3本が舞台に戻るタイミングも1stだけすぐ(ソロがあるので)、2nd、3rdはかなり遅れて、と変化球。ミュート着脱早業部分はミュート時最後の1音だけ(アシ無しだったので2nd以下が)肩代わりする作戦。

 「ラストコンサート」の"ステラに捧ぐ"コンチェルト、ラフマニノフやベートーヴェンに加え、今日新たにリストPC1番にもそっくりな部分を発見、まあ、自分が協奏曲を聴かないため気付かないだけで、まだいっぱいあるんでしょうけど。