2010年12月29日水曜日

朝活オケ、午後の7番 - 高橋勇太&モーニングフィルのマーラー7番

年末年始の留守録用にテープを整理していて、途中まで観た後散逸してしまっていたイオンカップを発見、近年新体操はオリンピックですら放送してくれないだけに貴重、さすがにベッソノワは引退してしまったのでしょうか(涙)? そのベッソノワと同様、新女王カナエワの陰でいつも2位のコンダコワ、ボールでブルックナー9番の第2楽章(スケルツォ)を使っていてビックリ! あと以前観た部分ゆえ定かではありませんが、カナエワはハルサイを使ってたような。

 今日も冬晴れ、風はやや強め、朝は意外に冷え込まずプラス気温、そのせいか日中も平年よりやや高め、昼過ぎまで職場で残務をこなし、これから"朝活"オケの午後公演でマーラー7番を聴きます。春の旗揚げ公演の9番(本当に午前中!)は素晴らしかったので期待です。 

 例年年末に9番(勿論マーラー)を演奏する国立(くにたち)マーラー楽友協会も今年は告知が無いので、これが聴き納めとなります。夕方以降は夜行バスで帰省とバタバタするので、取り敢えず記事だけ作っときます。感想はまた改めて。

<続き>
 戻りました。会場は何と代々木オリンピックセンター、この中にコンサートホールがあるなんて、自分は勿論のこと、殆ど誰も知らないんじゃないでしょうか。7-800人収容の綺麗な中規模ホールでした。

12月29日(水) 国立代々木オリンピック記念センター大ホール
 高橋勇太指揮モーニングフィルハーモニー管弦楽団 マーラー Sym7番
第1楽章のソロはユーホ、第2楽章のHrの掛け合いでは冒頭だけ片方が舞台袖で演奏、9番の時と違って演奏経験者が少ない(たぶん)せいか、9番より手こずっている印象はありましたが、ホールが小さめなこともあって両端楽章は迫力十分、低弦がしっかり響き、2nd、3rdTpがよく鳴ってました。

 今回は午後開催ということもあってか、聴衆は100人以上はいたので、演奏者より少ない、ってことは無さそうでした(笑)。

2010年12月27日月曜日

2010年観た映画

 昨夜はスポーツイベントが充実、まず有馬記念最後の直線はつい身を乗り出して叫んでしまいました、ブエナが軽く勝つと思っていたので。また女子フィギュアの全日本選手権、上位3人が現状のほぼベストで滑ったのは圧巻、また個人的注目の庄司理紗はぼちぼちでしたが、同じく全日本ジュニアで気になっていた大庭雅のフリーは見事、そして何だかんだ言っても亀田家長男の3階級制覇は偉業、相手がムニョスだし。

 このところ天気は安定してきて今日も冬晴れ、気温も平年並み、週イチの横浜外勤を年内で終わらせるべく本日は午前中に補講、帰りに学生が「世界で一番おいしい料理」と評する大分ラーメンをまた食べ、横浜VIVREにオープンしたブックオフを発見し突入、100円棚が充実していてつい14冊も購入。

 2010年もあと僅か、ってことで例年通り年末回顧企画、第2弾は映画です。

 今年観た映画はたったの25本(劇場0本)、これは昨年と同じく中学以降の最低値、しかも映画らしい映画は少なかったです。

 そんな状況なので強く印象に残った作品はゼロ、そこそこ印象に残ったのは以下の3つ。

エターナル・サンシャイン <'04 米>
 予想外でポップな展開に。

ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ <'09 日>
 大好きなTVシリーズの続編をそのままのテイストで観られたので。

処女 <'01 仏/伊>
 姉妹の脱ぎっぷりと衝撃のラストに。

 今年は裏ベストも少なめです(上記「処女」を表に入れてしまったので…)。

ドッペルゲンガー <'93 米>
 ダイナマイトD.バリモアの血のシャワー!

 ドラマでは(かなり忘れてますが)「トラブルマン」「モテキ」などテレ東深夜枠が味わい深く、あと「Mother」の子役の存在感が鮮烈でした。

2010年12月24日金曜日

懐かしのメロディ - ラストコンサート

がーん、今夜から年末恒例バイロイト、「ラインの黄金」がちゃんと留守録されているか不安になり、宴会を1次会で抜けて帰ってみると、またも昨年末悩まされたブームノイズが復活(涙)、原因はいまだ不明ながら対処法は既にマスターしており、別系統のアンプ電源を一旦ONにすることで消しましたが、前半1時間全てノイズまみれだと悲しい、というか、コンパを抜けて早く帰ったこといい、イブの夜が「ラインの黄金」で留守録がノイズまみれになったことといい、1年前のイブの夜の再現です。

 悲しい(というか、家に戻ってまたノイズを監視しないといけない)ので、この続きはまた明日。

<続き>
 翌日にこれを書いてます。この日は朝軽く零下にはなりましたが晴れて平年よりやや高め、イブは例年仕事を休んでテニス&宴会、その宴会を途中で抜けて上記の羽目となった次第。

 昔、特に地方ではロードショーは常に2本立て、お目当ての映画よりノーケアだった併映作の方が印象深かったことがままありました。中学の時に「スコルピオ」(たぶん)を観に行って同時上映「燃えよドラゴン」にハマったのがその典型です。

 本日はそんな映画から、やはり中学の時「カサンドラクロス」(たぶん)を観に行って同時上映だった本作の方が印象に残ったと記憶してます。先日テレ東で放送、カット2分は許容範囲だったので録画して視聴、改めて観ると、イタリア・日本合作なのにセリフは英語、と奇妙な作品です。

ラストコンサート <'76 伊/日>
 初老のピアニストが奔放な少女に出会って再生するお話、昔ほど涙腺を刺激されなかった代わり、ヒロインのパメラ・ヴィロレージ(ビロレージ)が記憶程可愛くなかった(ジュヌヴィエーヴ・ビジョルドと記憶混濁)ことや、リチャードの弾くピアノ曲以外劇中にかかる音楽はメインテーマのみ(アレンジは色々ですが)だったことに驚き、そしてリチャードが初めてピアノを弾く時の音楽をすっかり忘れていたのには愕然としました。

 以前書いたことによると、劇中の"ステラに捧ぐ"コンチェルトは誰が聴いても似ているラフマニノフのPC2番以外にも、ベートーヴェンのPC5番も少し入ってるっぽいです。

2010年12月22日水曜日

ケイゾク祭り - ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer

 夜明け前轟然と降っていた雨は朝には上がり、午後には陽光も、昨夜来の熱気は続き朝の最低気温9度は10月並み、午後は16度まで上がり完全冬装備で出掛けた外勤先の横浜では汗だくになりました。

 「月9」を連発しつつ劇場版を示唆して終了した「SPEC」、元々は実現しなかった企画「ケイゾク」シーズン弐の10年越しのリバイバル、そこで以前ネットで拾っておいた「ケイゾク」映画版を観ることにしました。

 ただ、その前に先日の再放送を機に発掘した「ケイゾク」を本編&特別編共に観直し、西荻弓絵とは思えない前半の巧妙なミステリー部分と、「24」も真っ青の終盤の絶体絶命度を改めて満喫するとともに、その後の「トリック」の元ネタとなる登場人物、例えば山田奈穂子(1字違い?)や矢部謙三の原型が出ていたことなど、新しい発見もありました。

 で、評判の悪い映画版です。

ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer <'00 日>
 特別編からダイレクトに続く内容から始まり、中盤は孤島の連続殺人、という黄金プロット、そして終盤は謎の展開へ、TV版に親しんでいない人(親しんでいる人でも?)には理解不能でしょう。キャスティングが映画っぽくない(つまり余り豪華ではない)のがいい感じ(笑)、中では小雪の胸元と(近年とんと見かけなくなった)大河内奈々子がGOOD、確かにミステリー部分や話のまとめ方は微妙でした。幻の企画となったシーズン弐の宣伝もしています。

 ただ、野々村係長に関する謎は深まるばかり、本編では"バツイチ独身"とされ、雅(みやび)ちゃんとの婚姻届を捨てられたりしていたのに、何故か映画版では妻との離婚が成立してません。また特別編と映画版で出てきた雅は高校生くらい、よって10年後の「SPEC」で顔出ししていた雅とは別人と思われますが、一方「SPEC」では雅に離婚を迫られていたので、「ケイゾク」の雅と無事結婚したと推定され、「SPEC」最終回でその通りであることが示唆されてました。

 もしかしたら、"雅ちゃん"は3人かそれ以上いるのかも、某驚愕ミステリー(ネタバレになるので言えませんが)の様に。

 明日はアマオケでマーラーです!

<追記>
 「ケイゾク」シーズン壱および映画版のノベライズ本に載っていたシーズン弐の企画書を見る限り、シーズン弐の基本プロットは仲間由紀恵が出ていた「アンタッチャブル 事件記者・鳴海遼子」で使われてしまったようです。

2010年12月10日金曜日

インキネン&日フィルの爽快系1番

今日も冬晴れ、気温は平年並み、ただ朝はやや高めで今季いまだにマイナス気温無し。昨日テニス仲間からこちらに納品で来るとメールがあり、本日の昼休み職場のコートで落ち合って練習、試合形式でボコボコにシバかれました。

 その後東京に出てコンサート、の筈が夕方虎ノ門で特別講義を仰せつかっており、まずそっちへ、虎ノ門駅から会場へ向かう際、とある高層ビルの1階のあたりになぜか金毘羅さんの市が立っており、露店まで出てました。ここは毎日こうなんでしょうか?

 講義の時間は5-7時とコンサートと微妙にかぶってますが、サントリーまで歩ける場所ゆえ、「6時半に終わらせてコンサートに間に合わせよう」との心づもりでスタート。

 しかし、そうは問屋が下ろさず、ぴったり7時まで掛かってしまい質問に対応していると7時20分に(涙)、ダッシュでサントリーに着いた時は丁度休憩に入ったところでした(涙々)。

12月10日(金) サントリーホール
 ピエタリ・インキネン指揮日フィル シベリウス クリスティアン2世、マーラー Sym1番
前半の滅多に聴けないシベリウスに間に合わなかったのは痛恨の極み、ってことで聴いたのはマーラーのみ、初めて見るインキネンは貴公子然とした風貌にオーソドックスで判りやすそうな指揮、冒頭明らかに弾きにくそうと感じられる程に弦を抑えていて、おやっ、と思わせましたが、その後は標準的なテンポにアク無しスマート系の表情付けをベースにロマンティックな部分はそれなりに粘る、というスタイルと、リズムしっかり歯切れよい音作り、オケは全体に粗さを感じましたが、ffではパーカッションとブラスを開放的に鳴らすため爽快感がありました。(その是非はともあれ)弦バスソロはとても上手に弾いており、外人のTpトップ(前からいたっけ?)は浮き沈みありつつもラストのハイトーンの突き抜けっぷりは見事、7本のHrと補助のTp,Tbは楽譜通りに起立、PブロックでHrのベルが目の前の席だったため全体とのバランスは不明ですが、かなり鳴っていた気はします。

 終楽章のミュート早業ファンファーレ部分は先日のロンドン響と同様、完全分業制でした。

 日フィルはこのインキネンと継続的にマーラーをやってゆくようですが、いわゆるマーラー指揮者ではないと思うので、ちょっと不思議です。

 明日は音大オケフェスの最終日でローマの祭です!

2010年12月1日水曜日

ゲルギエフ&LSOのマーラー9番

 気が付けばもう12月、朝の冷え込み甘く、よく晴れた日中は17度を超えて昨日以上のポカポカ陽気でした。

 昼は横浜へ週イチ外勤、夜は東京でコンサート、と先週の水曜と似たパターン、赤坂駅から地上に出ると綺麗な電飾、そしてサントリーホール前も、特に噴水の辺りがクリスマスツリーの電飾で一杯です。

 聴いたのは先週の1番に続くゲルギー&LSOのマーラー、彼の振る9番は過去に2度(マリンスキー歌劇場管とロッテルダムフィル、ただどちらも日記開始(2005)以前らしく日記に記述があったのは5番のみ)聴いてますが、どちらも「ゲルギーならもっとやれるのでは」という印象があります。

 またロッテルダムフィルとの9番の際、ずっと「キーン」という電子音が鳴り続け、それ以降「補聴器をご使用の方は…」という例のアナウンスが入る契機となったことを思い出します。

12月1日(水) サントリーホール
 ワレリー・ゲルギエフ指揮ロンドン響 マーラー Sym9番
オケは先週と同じ対向配置、女性Tb奏者はアシ無しのトップ、Tp,Hrはアシ付き、やや濃密さに欠け淡白に感じた第1楽章、最後の1音を通常の倍近い長さに引っ張ったせいでピッコロ奏者が死んでました(笑)。第2楽章での一部個性的な強弱、第3楽章前半での色んなパートの強調と後半の快速テンポが印象的、また同楽章中間部での見事な弱音Tpソロでは1度目と2度目で楽器を替えてましたが、近くで見てもどっちもB管にしか見えませんでした。そして終楽章、過去2度の演奏と同様最初の数分は遅めのテンポで細かく表情を付け濃厚な表現、途中からテンポアップして迎えた前半クライマックスは過去2度の演奏に比べるとやや抑えめ、そして速いテンポの中間部を経た後の頂点部、Tpの凛とした鳴りは過去2度の演奏を凌駕し、その後残った弦のユニゾンは痛切さは無い代わり純度の高い響き、かなりテンポが揺れ、パウゼも多かった結尾部、最後の1音はどこで音を止めればいいか判らない指揮スタイル、音がいつともなく消えいってからゲルギーが緊張を解くまで概算30秒弱ありました。

 大まかには過去2度と同じ印象で、第4楽章前半と同じ位ねちっこく全体(特に第1楽章)をやってくれると嬉しいのに、と感じました。

 明日(正確には今日ですが)もまたサントリー、西本&ラトビア国立響です!

2010年11月28日日曜日

スダーン&東響の剛直ブルックナー8番

昨日に続き見事な晴天、夜雲が出たせいか冷え込みは甘め(それでも2度)、日中は18度近くまで上がってポカポカ感あり、午前中は教え子の試合の応援、午後は昨日と同様ミューザへ。

 今年の春、1、2日の間にブルックナー8番が3版(ティーレマン&ミュンヘンフィル、インバル&都響スクロヴァチェフスキ&読響)そろい踏み、なんて異常な現象がありましたが、半年経って今度は在京メジャーが4つ(日フィル、東フィル、東響、読響)相次いで同曲を採り上げる、という椿事勃発、ブルックナー初心者の自分でも、何と今年これで4度目の8番になります。

 あとなかなか評判がいいスダーン&東響のコンビを聴いたことがなく、1度聴いとくならこの曲か、という選択でもあります。

11月28日(日) ミューザ川崎
 ユベール・スダーン指揮東響 ショパン PC2番、ブルックナー Sym8番
前半のソリストはダン・タイ・ソン、拍手に応えてアンコールにちょっと変わった感じの曲を(でもショパンだそうです。) 後半のブルックナー、左奥に陣取ったHrは何と10本(うち4本ワーグナーチューバ持ち替え)、第2楽章後には音合わせで仕切り直し、初めて見るスダーンの指揮は棒を使わないスタイルながら流麗というより精力的、指示も細かく分かりやすい感じ、標準的かやや速めのテンポで各声部をきっちり表現する直球の音作り、フレーズ内の表現でややテンポを揺らすにしても全体的にはインテンポ感があります。オケはなかなかの統一感と鳴りで、ブラスは最初の3楽章は腹8分目から全開に近い鳴りまで、所々使い分けている印象でしたが、終楽章に入ると最初からパワー全開、ペース配分が良かったかコーダでもTbを中心に豪快な鳴りで盛り上がりました。

 スダーンには何の根拠も無く精緻な音のイメージを(勝手に)持ってましたが、寧ろ剛毅な感じの音でした。

 前半ダン・タイ・ソンのアンコールで既にフライング拍手があったので、後半のブルックナーもダメだろうなあ、と思っていたら案の定、最後の1音が鳴りきるやいなや、その余韻が全く聴こえないタイミングで拍手が起きていました(笑)。

 ミューザの最安席ではなるべく3階の脇を選んでいるためか、Pブロックに座ったのは久し振り、今日だけなのか、いつもなのか分かりませんが、3階正面奥にあるコントロールブースっぽいスペースのガラス窓から、何度も赤いフラッシュがこっちに向かって光るため、集中しにくいことこの上なし、ちょうど赤目防止フラッシュを派手にした感じの光です。

 頭にきて途中から数え始めたんですが、第1楽章の途中から数えて30回余、第1楽章後半と第2,3楽章は止んで「終わったか」と思ったら終楽章にまたフラッシュスタート、フォルテシモの部分を中心に32回光りました。一体何なんでしょう?テレビカメラが入っていたことと関係あるんでしょうか? ともあれ勘弁して欲しかったです。

 今夜はフジで極真の全日本大会の放送があるので楽しみ、昨日は12chで新極真会の全日本を観られたし、まだ地上波は格闘技を見限った訳では無いようです。

2010年11月24日水曜日

ゲルギエフ&LSOのマーラー1番+神Tpの運命の力

この日は朝の冷え込みは甘めでよく晴れた日中は平年並み、早朝職場へ、それから地元の警察署へ行き免許の更新、その後横浜に出向いて講義、更に夕方は大宮に遠征してコンサート、と忙しい一日でした。

 久々に行ったソニックシティで聴いたのはゲルギー&LSOのマーラー1番、ゲルギエフのマーラーは何度か聴いており、(期待値が高いせいか)余り感心したことが無いのですが、LSOとのコンビでは初めてなのでそれなりに楽しみでした。

 また、さすがマーラーイヤーというべきか、原典版を含めるとこれで今年11度目の1番です。 

11月24日(水) 大宮ソニックシティ
 ワレリー・ゲルギエフ指揮ロンドン響 ヴェルディ 運命の力、シベリウス Vn協奏曲、マーラー Sym1番
オケは弦バスが左端にくる対向配置、思ったよりあっさり系だった最初の運命の力、テンポが上がってコーダへと進む直前、Tpが主要テーマを朗々と吹く部分があるんですが、通常は途中からオクターブ下げるところを、下げずにオクターブ上のままで吹いた(しかもB管!)のには唖然、初めて聴きました、ここがぶっちぎりで本日の個人的ハイライトでした。続いてはゲルギーには珍しいシベリウス、濃紺のドレスに身を包んだソリスト諏訪内晶子はアンコールにバッハのしみじみ系を披露。
 後半のマーラーでは内声や対旋律の強調、緩徐部での濃いめの表情など所々にゲルギー節は聴けましたが、全体的にはアクは中庸か薄め、オケは縦の線が余り揃わず大雑把な印象、弦の音量はここ数年と同様ぼちぼち、要所でティンパニの叩きっぷりが爽快、ブラスの鳴りはTpを筆頭にまずまずでした。第3楽章冒頭の弦バスはハーディング&スウェーデン放響と同じく新全集版なのかユニゾン、先日のメータIPOと同様後列にずらっと並んだHrは8本、クライマックスではチョン&東フィルオラモ&RストックホルムPOと同じでタイミングを遅らせて起立してました。アンコールはハンガリー舞曲の有名どころを一気呵成に。

 個人的注目の女性Tb奏者は前半が1stで後半が1stアシ、そのアシを活用して終楽章のミュート着脱早業ファンファーレ部分ではミュート担当とオープン担当で完全分業制でした。

 昼は生協食堂でSライスボタンを押した積りがLライスを押してしまい、開演前はソニック近くのとんこつラーメン+替玉を食したのに、会場で知人に遭遇して終演後一緒につけめんの店を訪問、体重増加が心配です。

2010年11月21日日曜日

ヤンソンス&コンセルトヘボウのマーラー3番

 チョン&東フィルのブルックナー8番を聴いた後、コンセルトヘボウの3番は聴きたいけれど券は無し、でも渋谷から川崎はそう遠くないし、と「チケット売ります/買います」状況を様子見するべく夕方ミューザへ盲進。

 観察の結果「売ります」の人は高い席ばかり、そしてやはり「買います」の人の方が多く、それに加わる根性も出ず、そろそろ帰ろうか、と思っていたところで知人と遭遇、「折角ですから挑戦なさっては」とマジックまで出して勇気付けてくれたので、遅ればせながら「チケット求む」立ちんぼに参戦することに。

 何人か声を掛けていただきましたが、自分の予算で買える最安席9000円は無く、何度も断っているうちに、10年程前、アバド&BPOのやはりマーラー3番で同様にサントリー前で立ちんぼしつつ、高い席の申し出を断るだけで終わった空しい記憶が甦ってきました。

 とそこへ、上品な感じの女性二人連れから「どうせ余って無駄にしてしまうので、よろしければ。お金は要りません」とS席29000円!が差し出され、お言葉に甘えることに、しかも場所は3階正面最前列!(ミューザは4階は遠いけれど3階はそこそこ近い)

 たぶん席は並びだろうから、お礼(と言っても気持ちだけですが…)は席に着いてからゆっくり、と思っていたらお二人は全く違う場所だったらしく、その後会えずじまい。十分にお礼の言葉もお伝え出来ず済みません、本当に有難うございました!

11月21日(土) ミューザ川崎
 マリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管 マーラー Sym3番
弦は音域順に並ぶ通常配置、Tb,Tpの左に9本ずらっと並んだHrが壮観、女声合唱は正面奥、児童合唱は左手奥、その前方にソリスト、アンナ・ラーション(で、デカイ…)が第1楽章後に登場、舞台裏のポストホルンは前半が右袖、後半が左袖と移動する趣向、Tpっぽい音でしたがカーテンコールではバルブ付きのポストホルンを手にしてました。オケは序盤のTpソロのミスからやや連鎖反応を起こしてました(神っぽかったHrトップまで!)が、まあそれなり、ただコンセルトヘボウにしては弦が伸びと厚みに欠ける感じ、まあ、来日の度にそう書いてる(2006/12/32008/11/11)のでそれが本来のキャラかも。楽想によって棒の有無を使い分けるヤンソンスは時折楽譜に無い強弱を付けつつも基本は無難でアクの無い表現、終楽章クライマックス前の弱音コラールではTp、Tb共にミュート代りに黒い布をベルにかぶせて吹いていたのが印象的、その後のクライマックスではそれまで不満だった弦が鳴ってなかなかの高揚感、そしてラスト1音はかなり長めでした。

 同じコンセルトヘボウとの3番だと、完成度では8年前のシャイーの時に及びませんが、前半楽章の楽しげな表情と終楽章ラストの高揚感なら上だったかも、ただ、コンセルトヘボウでマーラーをやればこの位は当然、という演奏と感じました。

チョン&東フィルの豊麗ブルックナー8番

午前テニス、午後はオーチャードでチョン&東フィルによるブルックナー8番の豊麗な音の奔流を浴び、ミューザへ移動、そこで出会った知人の助けを借りて「チケット求む」作戦を敢行、何とS席(29000円!)をただで下さった方のお陰でコンセルトヘボウの3番を楽しんできたところ、これらの感想は明日また改めて。本当に有難うございました!

<続き>
 この日はまずまずのテニス日和、午前中は久我山で練習、気温は平年より高いとはいえ、日が翳ると寒かったです。

 午後は渋谷へ出てオーチャードへ、チョンの振るブルックナーです。オーチャードホールでブルックナーと言えば、チェリビダッゲ&シュトゥットガルト放響(ミュンヘンフィルだったかも)で聴いた8番、これが初めてのブルックナーで(たぶん)初めてのオーチャード、3階最後列だったのに、壮絶な音の大伽藍にただただ圧倒されました。音のスケールは先日書いたオーマンディ&フィラデルフィア、ショルティ&シカゴ響に続くもので、しばらくはオーチャードが音の飛んでこないホールだと知らなかった程(笑)です。

11月21日(土) オーチャードホール
 チョン・ミュンフン指揮東フィル ブルックナー Sym8番
Hrが左奥に9本(うち4本ワーグナーチューバ持ち替え)、チョンは標準かやや速めのテンポ、終楽章では少しケレン味ある表現が増えた感はありましたが、基本は余り細工せず一筆書きでどんどん進む印象、最初からオケの鳴りが尋常で無く、これで持つの?と思ってましたが、終楽章になっても衰え知らず、Tpなどコーダの吹きっぷりは壮絶、弦も本数が多め(弦バス12本!)なのかピラミッド型サウンドで分厚い響き、東フィルでこれだけデカイ音を聴いたのは初めてにして、オーチャード3階最後列で音の奔流に呑み込まれるのもチェリ以来の体験でした。ただ豊麗な反面、縦の揃いなどは悪く透明感は低め、ともあれ、ブルックナー好きは眉をひそめそうですが、個人的には大満足の豪演でした。あと第3楽章冒頭、弦バスだけ一瞬先に出るサウンドが印象的。

 サントリーで同じ公演(19日)を聴いた知人によるとそれ程の鳴りではなかったとのこと、ホールによって変えているのか、席位置にもよるのか、はたまた自分の耳が壊れているのか…。

 この後、ヤンソンス6コンセルトヘボウの3番を現地入手すべくミューザへ、この続きは次の記事で。

2010年11月20日土曜日

シュテンツ&N響の豪快2番

朝は雲がちで半ズボンでは寒く、そのまま東京に出て青山霊園近くのコートで練習、テニスするうちそこそこの晴れ間が出て気温も15度を軽く超して高め、

 テニスの後はシュテンツ指揮する「復活」を聴くべく、青山から代々木まで歩いてNHKホールへ、ただここは苦手なのでなるべく避けており、数日前までは当日の流れと気分で聴くかどうか決めよう、と思ってました。

 ただ、奇特な知人からチケットをいただき参戦決定、しかも昨夜FMで聴いてそのクライマックスの豪快な金管に期待は高まり、現地に来て「当日券無し」の掲示を見て友人に感謝感謝です。

 シュテンツのマーラーはいくつかライブ盤が出てますが録音だけして積読、いや積録状態、当然生は初めてです。

11月20日(土) NHKホール
 マルクス・シュテンツ指揮N響 マーラー Sym2番
200人もの合唱が最初から座れるスペースがあるのがさすが巨大ホール、オケは2ndVnとVlaを入れ替えただけの対向配置(たぶん)、舞台上にはHr7本にTpが6本、両脇に配したティンパニはどちらも音程がイマイチ、第1楽章後に指定の5分より短いにせよ3、4分の小休止、シュテンツは台を降りて2ndVnの後ろに座り、その間ソリスト2名が舞台前方へ入場、前のお客さんの頭でシュテンツの指揮ぶりは全く見えませんでしたが、多分オーソドックス、音としては細部に拘らない割にテンポのメリハリがあり、タメやパウゼが長めで芝居っ気あり、特に終楽章前半の行進曲の開始を告げるパーカッションのpppからfffへのクレッシェンドが30秒以上掛ける未曽有の長さ!(FMで確認したところ、1度目は50秒弱!2度目が5秒)驚愕です。バンダはHr4本(スキンヘッドはハミルかも)が巨大ホールを利してすごく遠くから、4本のTpは四方に散っていたかも、そのバンダが加わってHr11本、Tp10本となったクライマックス、特にHrのベタ吹きがド迫力、そして最後の1音も長ーく大見得切っての大団円。NHKホールだけに憶測ですが、ブラスは過去最高クラスの迫力だったと推定されます。

 明日はチョン&東フィルのブルックナー8番、その後ミューザに移動してコンセルトヘボウの「チケット買います」作戦をやるかどうかは未定。

2010年11月6日土曜日

メータ&IPOの1番、ハルサイ

 この日はコンサートを3つハシゴ、まずトリフォニーでメッツマッハー&新日の6番を聴き、続いて芸劇で高関&桐朋の「英雄の生涯」、その終演後の拍手酣なうちに恵比寿へダッシュし、サークルのOB会へ。そこで腹ごしらえすること僅か15分、次は最終目標上野へ。

 聴いたのはメータ&IPOのマーラー1番、過去このコンビで6番と7番を聴いてますが、メータは煽ったり粘ったりせず基本オケ任せで、本来下品な筈のマーラーがお上品になっている点と、決して(売りの)弦を消さない程度しかブラスを吹かさない点が不満でした。オケはべらぼうに巧いんですが。

11月6日(土) 東京文化会館
 ズービン・メータ指揮イスラエル・フィル ストラヴィンスキー 春の祭典、マーラー Sym1番
 オケは対向配置、そして8本のHrが木管の後方、Tp,Tbの前にズラッと横1列に並んでます。前半のハルサイはIPOらしくまろやかな音色で野蛮さは微塵も無く、チェロを筆頭に弦に存在感があるハルサイは初めて、完成度の高い立派な演奏ではありました。
 後半のマーラー、テンポは標準的、アクの無いお上品な表現は前と同じ、第1楽章のリピート省略はナイス、「花の章」付きだったのにはビックリ、弦バスソロがマーラーの意図通り下手っぽく弾いたのは見事、(前もそうだった気がしますが)何故かノンヴィヴラート系のHrは全員バカウマ、クライマックスでは補助のTp&Tbともども起立せず、2組のティンパニの右側奏者がケレン味ある激しい叩きっぷり、ブラスも終盤少しだけハジけて、IPOで初めて少しお上品さを欠く表現が聴けて嬉しかったです。アンコールはJ.シュトラウスのワルツ「ウィーン気質」を瀟洒に、次の楽譜を出す団員もいましたが、ここで終了。

 終楽章のミュート着脱早業が必要なTpとTbのファンファーレでは完全にミュートを省略してました。近年こうやってサボる人が増えた気がする…。

 因みにこの日聴いた3つのオケ、全てが弦バスが左奥にくる対向配置でした。

反則VnソロのR.シュトラウス - 高関&桐朋学園オケの英雄の生涯

終演後まだ拍手が盛大なうちに池袋へダッシュ、芸劇で音楽大学オーケストラフェスが1時間遅れで始まっており、その後半だけでも、という目論見、前半の秋山&洗足音大「火の鳥」は逃しましたが、後半の高関&桐朋「英雄の生涯」には間に合いました。

 この日はコンサートを3つハシゴ、まずトリフォニーでメッツマッハー&新日の6番を聴き、それが終わるや否やまだ拍手が盛大なうちに芸劇へダッシュ、音楽大学オーケストラ・フェスティバルの初日です。総武線→丸の内線と乗り継ぎぴったり30分で池袋に到着、ちょうど前半の秋山&洗足音大の「火の鳥」の大団円でした。

 前半に一度休憩が入ったらしく、余裕で後半の桐朋学園に間に合ったのは予想外、そして休憩時に出会った知人に「コンミスが南紫音」と教えられてビックリ!大学オケと言うよりは、サイトウキネンに加わってる方が相応しいのに。

11月6日(土) 芸術劇場
 高関健指揮桐朋学園オーケストラ R.シュトラウス 英雄の生涯
オケは対向配置、コンミスの南紫音は4年前に見た時に比べるとすっかり大人になってます。さすがにソロは上手、パート全体でもVnがよく鳴ってました。ブラスでは11本!も集めたHrが豪快に鳴り、バストロが存在感たっぷり、全体でもまずまずの迫力でした。戦を告げる舞台裏Tpのファンファーレ、1回目はミュート、2回目はオープンという趣向が印象的。この後すぐに移動したのでアンコールの有無は不明。

メッツマッハー&新日の堂々6番

朝の冷え込みはやや甘くなったとは言えそれでも5度割れ、いつも通り早起きして薄着(日中暖かくなることを見越して半ズボンにTシャツ+ジャケット)で都心へ、期待通り20度前後まで上がってぽかぽかテニスを満喫。

 昼過ぎテニスを早めに上がり都心を横断し錦糸町へ、メッツマッハー&新日の6番です。彼を聴くのは初めて、と言うか、ディスクやFMライブも印象に無く、何となく現代音楽が得意そう、という印象の他は、どんな音楽をするのか、というイメージもありません。

11月6日(土)  すみだトリフォニー
 インゴ・メッツマッハー指揮新日フィル マーラー Sym6番
中間楽章は従来順、しかも2-4楽章をほぼ続けて演奏、メッツマッハーは指揮棒を使わず、静と動の対比を強く取る表現、音量だけでなく、静かな部軍は停滞し、激しい部分は推進する印象です。第2楽章では特に闊達な部分は速く、緩徐部分はゆっくりの傾向が顕著、表情まで指示してゆったり歌った第3楽章がなかなか、オケではチューバとハープに存在感、全体でも弦がよく鳴り、ブラスも9本揃えたHrを筆頭にしっかり鳴って雄大な音場が聴けました。ハンマーは2度、大きな木槌で板をぶっ叩くスタイル。拍手もそこそこに芸劇に向かったのでアンコールの有無は不明、無かったとは思いますが。

 "現代音楽得意そう"(ギーレンっぽいイメージ?)という勝手な先入観から即物的なマーラーを想像してましたが、思ったより色々やっていて楽しみました。

2010年11月5日金曜日

ギャルドのダフクロ、ボレロ

 昨夜の日本シリーズ中継の千葉テレで盛んに流れていた「東京ドイツ村」のCM、でも場所は袖ヶ浦、って木更津の近く? ディズニーランドも真っ青の誇大インフレ命名にしばし唖然。

 連日の冬型晴れ、昨日同様朝は冷え込んで2度、ただ日中は18度まで上昇、構内の紫ムクゲ(フヨウ)も気が付けば1輪しか花が残ってません。

 夜はギャルドの2日目、個人的注目はダフニスとクロエ、と言うのもこの曲の吹奏楽版には2つの思い出があるから。

 まずブラスで全日本を目指していた中学時代、全国大会で出雲一中(たぶん)演奏する同曲のレコードを聴いて「これが同じ中学生か…」と呆れたこと。

 次は大学の頃、ブラス時代の先輩属する国立音大ブラスオルケスターの定演で聴いた同曲、クライマックスでの耳を聾する大音響は、先日書いたオーマンディ&フィラデルフィアに匹敵する迫力でした。しかもその時指揮していたのは奇しくもギャルドの常任だったロジェ・ブートリーでした。

11月5日(金) 芸術劇場
 フランソワ・ブーランジェ指揮パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団 バーンスタイン キャンディード序曲、ハチャトゥリャン 仮面舞踏会、剣の舞、レズギンカ、ラヴェル ダフニスとクロエ、ボレロ
 最初のキャンディードは弾(ハジ)け方が足りない印象、その後に縦揺れ地震が来てビックリ、地震に慣れている我々よりも怖い筈なのにOb奏者が大袈裟なヴィヴラート音出しのお茶目っぷり。次の仮面舞踏会はまろやか系サウンド、続く剣の舞、レズギンカは、パーカッションソロに石川直をフィーチャー、大小9個のドラムを半円に並べて叩き通し、それを消さぬ配慮か、激しい曲なのにオケは抑え目。
 後半のお目当てダフクロではFlに女性エキストラ1名、"夜明け"の頂点部では今回唯一ともいえる巨大な音場が現出、この瞬間が今回2度の公演での白眉かも、と言うのも"全員の踊り"ではぼちぼち程度の迫力だったから。続いて再び石川直がステージ前に加わったボレロ、Tbソロは無難、終盤のTpはピッコロ使用、ラストの迫力はぼちぼち。
 アンコールは4曲!まず石川直が鐘の様な音のする特殊ドラムでアクロバットを披露、続いて先週と同じく熊蜂の飛行、次にブラスが活躍する活発な曲(作曲者不詳)、最後に観客の手拍子を交えラデツキー行進曲、Hrの起立パフォーマンス付きでした。

 明日はメッツマッハー&新日の6番メータ&IPOの1番とマーラー連投です!

2010年10月31日日曜日

ハロウィンに原典マーラー - 山田和樹&新日本交響楽団の巨人1893年ハンブルク稿

今日こそ日本シリーズ観戦を、と夕方帰ってTVを点けると、またまたバレーは放送してるのに野球はやってません(涙)、もう一度言います、世も末です。

 ま、中日vs.ロッテと個人的には一番興味の薄い顔合わせであることだけが救い、もし阪神だったら発狂してるかも。

 台風一過の晴天、とはならず終日霧雨の混じる曇天、気温も低め、午前中は教え子の応援をして、午後はトリフォニーへ、スカイツリーがまた伸びていました。が、これで最高点まで到達したらしいです。

 今日はハロウィン、日本でも徐々に定着してきたのか、都会の街中はそれらしい飾りでいっぱい、移動中の井の頭線ではハロウィンのペインティングをしてる女性すら見かけました。

 聴いたのはアマオケのマーラー、しかも珍しいハンブルク稿の「巨人」、最近マイナーなオケ(名前覚えてません)が出したライブ盤を聴いて、オーケストレーションが余りに違うのにビックリしたこともあって、興味津々の出陣です。

10月31日(日) すみだトリフォニー
 山田和樹指揮新日本交響楽団 さすらう若人の歌、巨人 <1893年ハンブルク稿>
時々聴くこのオケ、名前は立派ですがれっきとしたアマオケです。前半のソリストは小松英典、拍手に応えてオケ伴のマーラーの歌曲(たぶん)をもう1曲。後半は1番ならぬ交響詩「巨人」、第2楽章(ブルーミネ)が付くのみならず、楽器の使い方がかなり違います(舞台裏からのTpやHrの起立もありません)し、編成もやや小さめながら、鳴り物はより活躍する印象で、今日は特にティンパニ奏者の叩きっぷりが痛快でした。(ヤング)ヤマカズのエモーショナルな棒の下、全体でも熱気ある表現、特にラストはTpとTbがよく鳴って派手なパーカッションと併せ盛り上がりました。第3楽章(現行の第2楽章)までと4、5楽章で第1部、第2部と分かれているためか、その間で音合わせを兼ねて1、2分休止を取ってました。

 挟み込みチラシ10枚中、大学オケが4枚あったんですが、何とその4校中3校のメインがチャイコ「悲愴」!重なる時は重なるんですねえ。

 明日から街は一気にクリスマス仕様に変わるんでしょうか、年を取ると1年が早いです。

2010年10月30日土曜日

ギャルドのローマ3部作は包容力サウンド

夕方家に帰って日本シリーズを観ようとしたら、あれ?やってない…、バレーはやってるのに…、台風で中止?いやいや、試合はやってる筈です。日本シリーズを放送しないとは世も末ですねぇ、って言ってる時点で時代遅れなのか…。

 台風14号の接近で朝から雨、気温は終日11-13度台と低め、当然テニスは中止、午後のギャルドは今年最大期待のコンサートゆえ早めに家を出ました。

 案の定東海道線が途中で停まってしまい、京浜東北でちまちまと横浜へ向かうことに、ただ都心や横浜での風雨は「これで停まるのかぁ?」って程度でしたけれど。

 ギャルドと言えば、自分の世代で吹奏楽をやった者にとっては伝説の存在、それなのにこれまで聴く機会に恵まれず、ただ今回はローマ3部作とあって、半年前から期待で胸がはちきれそうでした。

10月30日(土) みなとみらいホール
 フランソワ・ブーランジェ指揮パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団 レスピーギ ローマの祭、噴水、松
さすが音合わせの最初の音はB、軍楽隊っぽいユニフォームに身を包み、女性団員もチラホラ、編成は管がオケの3管と同じ形に並び、弦の位置にクラ、Sax、ユーホ、弦バスとチューバが並びます。つまりクラやチューバはそれぞれ全く別の役割で2箇所ずついる訳です。最初の祭のバンダは(たぶん)舞台上左奥、Hrが不安定でクラも粗く、想像より大雑把な印象、ブーランジェのストレートな棒の下、音場のスケール感はありましたが、ビックリする程の音量にはならず。
 休憩を挟んで噴水ではトレヴィが雄大、そして期待の松、カタコンブのTpソロはオルガンの右脇、ジャニコロの終わりで楽音が消えた後もパーカッションの3,4名が鳥笛を吹き続けるうちに照明が落ちる趣向、その間に音大生っぽいバンダがオルガン両脇に入場、何と左にコルネット8本!右にユーホ2本とテナーホルン(かアルトホルン)3本、アッピアではさすがに本日最大の音響が聴けましたが、あくまで柔らかく包み込むようなサウンドで、風圧を感じるタイプではありませんでした。アンコールはまず熊蜂の飛行を軽妙に、そしてファランドールを豪快に。

 これまで聴いたオケの最大音量はオーマンディ&フィラデルフィアの「火の鳥」、次はショルティ&シカゴの「展覧会の絵」、前者は包み込み頭を飽和する様な包容力、後者は痛みを感じる程の風圧、というイメージでしたが、ギャルドは前者に近いタイプの印象、ただ期待よりは一回り音場が小さく、「文化会館の壁が揺れた」と言われた'61年の松はもっとデカい音を出していたのでは、と少し残念。

 富商の松の感動再び、とはゆきませんでした、でも11月6日にもう1公演あります。

 明日はアマオケでマーラーの予定です。

2010年10月24日日曜日

最終ステージは劇場で - ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ

 ほぼ曇り、朝は連日の10度割れで昼は20度に遠く及ばず、夕方からは予報通り雨、昨日傷めた右脚はいつもと違う部位なので大事を取って練習をサボり、行きたいコンサートも無く地元でゴロゴロ過ごした一日。

 溜まっている仕事でも、と職場に来てはみたけれど、余り捗らずここでもだらだら、やっぱ家に帰ろうかと思った昼過ぎにドーンと縦揺れ地震、次は凄い横揺れか、と思ったら震度2程度のゆったりした横揺れ、震源は近いけど規模は小さい、ってパターンか。

 結局残務をこなさないまま、気分転換と称して、以前雨の日に蒲田のマックでダウンロードした映画を1本見てしまいました。

 3年前かなりハマった「ライアーゲーム」、昨年その続編として第2シーズンが放送され、最終話だけは映画館でどうぞ、というカタチ、でも実際の撮影は映画の方がシーズン2より先に行われてます。

ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ <'09 日>
 ドラマが映画になると映画っぽい表現を、となってテイストが変わりがちですが、本作はTV版のテイストそのまま、という点がファンにとっては嬉しい限り(だって、単なる最終回ですから)、2時間を超す長尺を一気に楽しみました。その長尺ゆえかTV版より知的ゲーム的側面はやや落ちる反面、ドラマ部分はやや強めになっており、トータルではほぼ満足、勿論、TV版に馴染んで無い人は観ない方が無難だと思います。

 明日はクレー&都響のブルックナーです!

2010年10月18日月曜日

上岡&ヴッパータール響の奇天烈5番

 あーあ、やはりあっさり負けましたね、ま、能見、久保ときて、久保田・藤川も打たれたとなれば、諦めもつくってもんでしょう。ナゴヤドームでボロボロに負けるのを見なくて済んだし。

 それよりサロネン来日中止に衝撃、先日のフィルハーモニア管との演奏は最高だったし、今年の来日シーンはサロネンで決まり、と思っていたのに…。とは言え、VPOとの9番は価格的に入手出来そうに無かっただけに、聴けない悔しさを味わわずに済んだのは精神衛生上良かったかも。

 今夜は上岡&ヴッパータール響第2弾、マーラー5番です。帰りが遅くなるので、記事だけ作って続きはまた明日。

<続き>
 いやあ、奇妙奇天烈なマーラーでした、シェルヘン(勿論ディスクですが)を思い出しました。

 今日はそこそこ晴れて気温は平年並み、夕方から気温が下がったか、サントリーに早めに着きホール前でウロウロしてると半袖半ズボンでは寒かったです。

 寒くなったと言えば、今月(9-10月)のガス使用量は前月(8-9月)のぴったり倍の4m3、小数点以下切り捨ての影響もあろうかと思いますがビックリです。

 そして倍と言えば、来年のシャイー&ゲヴァントハウス管、2年前キャンセルになった時は最安席が4000円だったのに、今回はきっかり倍の8000円! その頃よりずーっと円高なのに。

 で話を戻すと、夜に聴いたのは上岡の超個性的マーラーでした。

10月18日(月) サントリーホール
 上岡敏之指揮ヴッパータール交響楽団 モーツァルト Sym28番、マーラー Sym5番
 昨日はコンマスだったのに今日はコンミスになっていてビックリ。最初のモーツァルトでは殆ど拍を振らない上岡の流麗な棒が印象的、そして期待のマーラー、想像を遥かに凌駕する個性的な解釈でした。まず冒頭のソロTpのタタタターン(とパウゼ)からして史上2番目(1番は後述)の遅さ(因みに終楽章冒頭のHrの音は史上最長のロングトーン)、その後も遅めテンポを基調として、冗談の様な急加速と減速、止まりそうな程のスローダウン(第2楽章や第4楽章の中間部など)、サントリーですら聴こえない程のピアニシモ、実に意外なパートの強調などなど、もうやりたい放題で、口(くち)アングリに近いレベル。ソロTp(男性)は朗々、ソロHr(女性!)は素朴系、全体に昨日のワーグナーと比べブラスを始めオケを盛大に鳴らしてスケール感アップ、終楽章クライマックスでは非力とも思える弦からも大きな音を引き出して豪快にフィニッシュ、オケは次の楽譜を出しHrもローテーションしてやる気満々でしたがアンコールは無し、残念。

 賛否はあろうかと思いますが、面白かったことは間違い無く、実演で100回以上聴いた5番の中では2番目に破天荒な演奏、貴重な体験でした。因みにNo.1は6、7年前の山岡重信指揮する豊島区管弦楽団です。3番目は昨年の大植&大フィル、かな。

2010年10月17日日曜日

上岡&ヴッパータール響のワーグナー

 おやおや、能見で初戦落としたようですね、阪神。ま、僕の中ではとっくに今シーズンは無かったことになってるんで、いいんですけど。

 今日はこれから上岡&ヴッパータール響のオールワーグナープロ、今夜バタバタするので、取り敢えず記事だけ作っときます。

<続き>
 戻りました、今夜も半月と木星が綺麗です。今日もぼちぼちの陽気で気温もやや高め、練習場所がみなとみらいからかなり遠かったため午前中の練習をサボり、悠々と午後のコンサートへ赴きました。

 昨日あたりから近所でもそうなんですが、お巡りさんが異常に多く、職質しまくりです。みなとみらい界隈でも全ての交差点をはじめうようよ、背中を見ると「警視庁」の他「青森県警」「静岡県警」の文字が、全国から集合して警戒する程の何かがあるんでしょうか?

 そのみなとみらいで聴いたのは上岡敏之率いるヴッパータール響、このコンビを聴くのは3年前、牛歩のブルックナー以来です。

10月17日(日) みなとみらいホール
 上岡敏之指揮ヴッパータール交響楽団 ワーグナー 序曲「ファウスト」、ジークフリート牧歌、「リング」ハイライト
 前回と同様、オケは小じんまりとまとまっており、上岡は弱音に拘り、パウゼを多用、そして楽譜には書いて無さそうな強弱を大きく付けた個性的な表現を聴かせます。初めて聴く「ファウスト」は思ったより長い曲、次のジークフリート牧歌は勢いを付けたり急ブレーキを掛けたりとテンポの出し入れが多く、その割りには叙情性を失わない歌い回しで本日の白眉、後半の指輪抜粋は少し普通と違う場所から始めたり、ブリュンヒルデの自己犠牲はやらずジークフリートの葬送で終えたりと少し変わった版、表情は豊かでしたがブラスの爆発度はほどほど、6人のHrが途中何度もローテーションしてました。アンコールは驚きのベートーヴェンSym3番の2楽章!葬送行進曲つながりでしょうか。変幻自在の演奏に聴こえました、ベートーヴェンのことはよく判りませんけど(笑)。

 明日は同じコンビでマーラー5番、今日のHrソロはジークフリート牧歌とリングでは違う人(後者は女性!)だったし、女性Tp奏者もいたので、誰がソロをやるのか楽しみです。

2010年10月15日金曜日

ミチオ流青春小説、第2弾は冬なのでややダーク - 道尾秀介「ラットマン」

 凱旋門賞で頭差の2着!って凄いです、ナカヤマフェスタ、でも恥ずかしながら知りませんでした、この馬。

 爽やかな秋晴れ、気温は高めでほぼ2週間振りの夏日、気持ちよく壁打ちしたのも久々な気がします。

 構内ではキンモクセイの香りはますますぎつくなり、いつの間にか栗のイガが割れて実が落ちてますが、紫のムクゲ(フヨウ?)は変わらず新たな花を咲かせています。 

 本日は出張中に読んだ本から、この夏の課題図書である道尾作品もこれで7作め、これが文庫化されている最新の作品なら一区切りです。

ラットマン 道尾秀介
 前作「ソロモンの犬」と同様ベースは青春小説ながらトーンは暗め、心の傷を持つ主人公とその周りで起きる(起きた)2つの死を巡り倒叙物のテイストを出しつつも謎を残し、最後に霧が晴れます。それなりに鮮やな反転こそありますが、伏線の内容・有無など本格ミステリー的にはここまでの7作では1番落ちる印象、反面読み物としては一番シンプルにまとまっているので、一般に受け入れられるのは本作か。

2010年10月11日月曜日

英国のニシン泳がせ上手 - D.M.ディヴァイン「災厄の紳士」


 やっとすっきり晴れて、都心でテニスするべく早起き早出、とやっと通常の休日パターンに、ただ半袖半ズボンだと早朝はかなり寒くなってきました。

 まず午前中はなごなご系テニス、有明ではセミがフツーに鳴いてました。気温がどんどん上がって余裕の夏日(都心は28度、地元茨城でも27度超)となった午後は場所とメンツを変えてお茶大で練習、キャンパス内は銀杏の実がそこらじゅうに落ちていて、かなり臭かったです。

 本日は出張中に読んだ本から、英国現代(近代?)パズラー、昨年の評判作です。

災厄の紳士 D.M.ディヴァイン
 ジゴロが金持ちの令嬢をある意図を持って誘惑するコンゲーム風の序盤から殺人の勃発を経て王道の犯人探しへと展開、犯人を最後の2人から絞りきれず、不覚にもニシンをパクッと食べてしまいました。相変わらず内面描写がレッドへリングと巧く結び付いてます。1人に絞る決め手となる手がかりには余り感心しなかったのですが、多くの人が絶賛してるのを読んでるうち、優れてるかも、という気になってきました。

 創元が地道に訳出してくれているディヴァイン作品、昔現代教養文庫で「兄の殺人者」「五番目のコード」と出た時はそれで打ち止めになったかと思ってたんですが、本作の巻末解説(鳥飼否宇!)を読み同じ教養文庫からもう2冊(「ロイストン事件」「こわされた少年」)出ていたのを初めて知りました。今後は古本屋に寄る度にチェックせねば。

2010年10月9日土曜日

雨吹き飛ばすHr11本のマーラー1番 - 黒岩英臣&パイオニア交響楽団

 昨夜スタートの「SPEC」、期待に違わず面白かったですが、「ケイゾク」の頃より蒔田光治テイスト(「トリック」風)に近くなった感じ(今回は関わってないのに)、元企画の「ケイゾク」シーズン2との大きな違いは「HEROES」色でしょうか。

 朝から小雨、気温も終日16-19度と低め安定、午前のテニスは中止になり早朝にビデオを消化、午後のアマオケに備え、早めに出て現地(蒲田)入りして無線の入るマックで映画を2本ダウンロード。

 昼飯はラーメン屋へ、行きたいとんこつの店があったからなんですが、ネットで情報を確認してたら近くに美人の女将さんで有名な店があると知りそちらに変更、ただ美人度もラーメンも微妙だったので結局とんとつの店もハシゴ来訪、明朝の体重測定が怖いところ。

 聴いたのは初めて聴くパイオニアの社内?オーケストラ、マーラーをやるためにかなりトラを呼んで大編成にした感じです。

10月9日(土) アプリコ
 黒岩英臣指揮パイオニア交響楽団 モーツァルト フィガロの結婚、Sym38番、マーラー Sym1番
前半モーツァルトでは弦が瑞々しい響き、後半のマーラーはブラスが多くTp5、Tb4、Tuba2、そして何とHrが11本! ベルアップ時は壮観でした。緩徐部になると粘る黒岩氏の棒の下、補助のTbと11本のHr起立するクライマックスではTpやTbも頑張っての大団円でした。そしてアンコールは必ず盛り上がる「エニグマ」のニムロッド、うねる弦を中心にスケール大きな響きを聴かせてくれました。

 予報通り午後から本降りに、雨が長引けば明日もアマオケに行くかも。

2010年10月6日水曜日

ローティーンにしてダイナマイト - 静けさは危険な香り

 今日も秋晴れ、夏日には僅か届かなかったものの気温も高め、ただそれでも猛暑日を連発したひと月前、9月上旬と比べるとガス使用量がほぼ倍になっちゃってます(涙)。まあ、湯温を40度として、元の水温が30度から10度下がって20度になれば確かに必要な熱量は倍にはなるのですが…。

 後期は講義のために週イチペースで横浜へ外勤する羽目になり本日が初日、都心を縦断して片道2時間半、この程度の移動は土日なら毎日やってることですが、テニスのためだったら気にならないのに、仕事となると気が重く面倒です。

 大学院向けということもあり受講者数少なく、毎回2コマ分講義することで週一を隔週に変更する談合に成功、帰り道は学生に教わった横浜駅近くのお薦めとんこつラーメン屋(曰く「世界でイチバンうまい!」)へ、しかし行ってみると「水曜定休日」でガックリ。

 ミステリードラマ史上に燦然と輝く「ケイゾク」(その後「トリック」に路線が引き継がれた)、毎回本格マインドをくすぐる内容となっているのもさることながら、原作・脚本がそれまで通常のドラマしか書いてこなかった西荻弓絵、ってところが当時最大の驚きでした。

 そして企画されながら幻に終わっていた続編「ケイゾク」シーズン2が11年の時を経て遂に実現! その番宣で今週昼に「ケイゾク」一挙再放送をやっており、保存用に録画するべくテープを空ける必要が出てきて、前回と同様拾ってきたVHSテープの内容を消化することに。

 録画されていたのは聞いたこともないマイナーな映画、しかもまたもドリュー・バリモア主演、そして公開年からするとバリモアが麻薬や自殺騒ぎでどん底だった頃の作品、元の持ち主はなかなかのマニアですねえ。

静けさは危険な香り (原題: FAR FROM HOME) <'89 米>
 ガス欠で荒野の町に足止めを食らった父娘が巻き込まれるサスペンス、ミステリー的には予想されやすいややありきたりの展開ながら、撮影当時は13歳位なのにTシャツの前部分の裾が宙に浮いてしまう胸を持つバリモアの存在感は出色、またジェニファー・ティリー(メグ・ティリーのお姉さん)が端役で色気を、サングラスに映った像を使った表現がちょっと印象的。

 ところで「ケイゾク2」が番組表に見当たらないので調べてみると、シーズン2は内容も設定・キャスティングも変えて、タイトルも「SPEC」と変更になったらしい…、がーん、ま、でも戸田恵梨香ならベストに近い選択か。

2010年9月22日水曜日

生霊はオカルトかミステリーか - ドッペルゲンガー

 うーむ、やっぱナゴヤドームでは1勝も出来ない気がしてきました。ま、3連敗したところで、7割方終わっていたシーズンが9割終了になるだけですけれど。

 昨日より気温は更に上がって最高34度弱、やっと夏が帰ってきたと言える空気感になりました。

 でも残暑も今日が最後との予報、夕方からは強い風が出てきて体感温度は急降下、アフター5のテニスの後しばらく外にいたら鼻水がタラリ、雲で中秋の名月も隠れてしまいました。

 本日は昨晩観た映画から、明日から出張のため、留守録用にテープを大幅に空ける必要が出てきて、昨年何千本も捨てられていた中から失敬してきたVHSテープの内容を1本消化してそれに供することに。

 ドリュー・バリモア主演のサスペンス、一部で有名な彼女のシャワーシーンだけネットで拾って鑑賞したことがあります(笑)。

ドッペルゲンガー <'93 米>
 自分のドッペルゲンガーの影に怯える美人ルームメイトを迎えた主人公が、殺人事件まで絡む犯罪に巻き込まれるスリラー、ドッペルゲンガーの存在が合理的に解明されるのか、オカルトとなるのかは観てのお楽しみ。D.バリモアのお色気シーンは期待通り、またバリモアのお母さん役を実のお母さんがやっており、あら懐かしや、往年の青春スター、デニス・クリストファーが登場!音楽が個性的、と言うか少し変、トーキー初期の音楽スタイルにヒッチ作品のテイストを加えた感じ。

2010年9月12日日曜日

甘い残暑に大甘ラフマニノフ - 橘&東京楽友協会響の舞踏組曲、ラフマニノフ2番

あーあ、阪神ホントにどこまでも落ちて行きそうです(涙)。それより昨夜のブエルタ、マイヨ・ロホのアントンの落車リタイヤは衝撃でした。

 昨夜は残暑のお蔭で部屋の温度がまた30度に復帰、ただ今日は終日雲多く気温も30度に届かず、また室温が下がりそう、台風9号以降は残暑が甘くなっちゃってます。

 午前に練習予定無く、午後の練習はアマオケとバッティングし、これで今週末はラケットを握らずじまい、朝寝して昼前にのんびりと錦糸町へ、見るたんびにちょっとずつスカイツリーが伸びてる印象ですが、半分気のせいかも。

 本日のお目当ては大好きなのに実演では滅多に聴けないバルトーク「舞踏組曲」、でも今年は4月に同じトリフォニーで聴いており、なかなかダイナミックな好演でした。因みにこの曲、「ロミジュリ」「ロメジュリ」と同様、「舞踏組曲」「舞踊組曲」と2通りの呼び名が混在していますが、今日はプログラムの表記に従います。(自分は「ロミジュリ」&「舞踊組曲」派です。)

9月12日(日) すみだトリフォニー
 橘直貴指揮東京楽友協会交響楽団 ドヴォルザーク 「謝肉祭」序曲、バルトーク 舞踏組曲、ラフマニノフ Sym2番
 最初のドヴォルザークはTbがいい吹きっぷり、続くバルトークは(期待しすぎたせいか)ややキレと迫力に欠ける印象、一方後半ラフマニノフはよくさらってあるらしく、橘氏の甘くロマンチックな解釈をしっかり具現しており、もともと甘い第3楽章は勿論のこと、第2楽章と終楽章の緩徐部でのスローで情熱的な表現は同曲未曾有のレベル、第1楽章の提示部リピートをやっていない(賛成!)のに軽く1時間を超え、ベタな表現のクライマックスでもブラスがベタに鳴って、ベタもここまで来るともう感動モノ、そしてアンコールにはハチャトゥリアン「仮面舞踏会」ワルツをケレン味たっぷりと。

 期待したバルトークの代わりにラフマニノフが収穫でした、元々ベタな曲を徹底してベタに演奏することは意外と少ないので。

2010年9月3日金曜日

ミチオ流ひと夏の青春 - 道尾秀介「ソロモンの犬」

 今年の素敵な夏を衰えを知らず、今日は何と36度オーバー、9月だというのにこれで4日連続の猛暑日、7月下旬に猛暑日が続いた頃(当時はそれが今夏のピークかと思ってました)に比べると風も無く体感温度はより高め、この4日間の昼休みの壁打ちは最高でした。ただ日没は確実に早くなってきています。

 例年は夏の終わりに、そしてここ数年は夏の初めにも悩まされている謎の蕁麻疹(2008/5/26)がここ数日出てきており、腕と脚、そして腰周りがボロボロです(涙)。

 本日は先週の合宿の頃読んだ本から、この夏の私的課題図書となっている道尾作品、その第6作です。

ソロモンの犬 道尾秀介
 ひと夏の青春ストーリー、そこに一つの死の真相を巡って謎解き興味も加わる展開、著者らしくヒネリが用意されてますが、一部かなりあざといです。そして本作でもミチオが重要な役割を果たします。

 初期4作は真備シリーズ(「背の眼」「骸の爪」)と少年もの(「向日葵の咲かない夏」「シャドウ」)が2作ずつ、と色分け出来ましたが、第5作「片眼の猿」はハードボイルドタッチ、本作は青春小説と趣向を変え、間口の広さを見せています。

2010年9月1日水曜日

ゴシックロマン風桜宮サーガ番外編 - 海堂尊「螺鈿迷宮」

 久々の聖地復帰で首位堅持、これも横浜さんのお蔭です。あ、ブエルタもいつの間にか始まってます…、しかもまだ3、4日目なのにもう山岳ステージが。

 今日から9月、それでも今年の素敵な夏は昨日に続く猛暑日、9月に35度を超えるのは珍しいのでは、昨日のガス使用量は0.092m3と最低記録を更新、それでも夕方になると、セミの鳴き声は前より少しトーンダウン、代わりに虫の鳴き声がパワーアップした気がします。

 8月上旬気になったニュース:「Aiを前向きに推進」で一致 - 厚労省検討会
勿論Ai学会などその方面からの働きかけもあるのでしょうが、海堂尊が「チーム・バチスタの栄光」に始まる諸作でAi(オートプシー・イメージング、死亡時画像診断)の重要性を繰り返し主張したことがきっかけとなったのは間違い無いと思われ、ペン1本の力で行政を動かしてしまった訳で、ホント凄いことです。

 本日はお盆に読んだ彼の本から、氏の一連の作品は舞台・人物が共通しており"桜宮サーガ"と呼ばれてますが、本作はその番外編的ストーリー、時系列的には「ジェネラル・ルージュの凱旋」の少し後あたりでしょうか。

螺鈿迷宮 海堂尊
 ある医大生が失踪者を探すべくお化け屋敷的存在の古い病院に潜入調査するお話がゴシックロマン風に描かれます。白鳥などお馴染みのメンバーと共に、正編で脇役(若しくは名のみ登場)だった人達が活躍、終盤も冒険小説風です。

 トータル400頁程の本を上下分冊にする宝島社の悪質商法が、版元が変わって(角川)も引き継がれているのはやや納得が行かないところ。

 因みに「ジェネラル・ルージュの凱旋」を読了後、録画してあったドラマ版を追っかけ視聴しましたが、原作とは僅かの共通点しか無い、全く別のお話になってました。

2010年8月31日火曜日

神津恭介最後の事件 - 高木彬光「七福神殺人事件」

あ、全米OP、知らない間に始まってる…。あと、動画は未だチェックしてませんが、B.J.がまた同じ相手(エドガー、よく知らない…)に負けたニュースを見て衝撃を受けてます。

 昨日は試合後のシャワーで朝風呂を代用したため、本日が合宿後最初の体重測定、増加量は0.5kgと少なめ、昨日余り物を口にしなかったのが効いたかも。

 よく晴れて最高気温35.6度と8月に入って10度目の猛暑日、ここ5日間のハードワークが祟って微妙に右膝に痛みを感じてますが、今後激減する猛暑日をいつくしむべく昼休みは壁打ち&日向ぼっこ。

 本日はお盆の帰省時に読んだ本から、著者のシリーズ探偵の中でも最も高名な神津恭介、その最後の事件と記されています。実家近くのブックオフで100円購入、ただ高木彬光作品は昔かなり古本で買い溜めており、しかもその大半は未読、もしやと思い確認すると、実家に既にありました(涙)。

七福神殺人事件 高木彬光
 神津恭介の元に届いた「七福神を殺す」というメッセージ通りに起きる、一見無差別な連続殺人、その真相は名探偵最後の事件としては物足りないものではありましたが、これが最後の事件となる事情も語られているあたり、著者自身の状況を重ねている様で感慨深いものがあります。

 因みにこの神津恭介シリーズ、本作の後平成になって復活したそうです、余り評判が芳しくないようですが…。

 同じ著者の墨野隴人シリーズも実家にいっぱい買い置きが、こっちは順を追って読まないと最終作の衝撃が味わえないそうなので、いつかまとめて読んでみたいと思ってます(いつの日になることやら…)。

2010年8月27日金曜日

ジャッド&アジアユースオケの5番


 白子での合宿パート1から戻り、これからジャッド&アジアユースオケのマーラー5番、深夜に戻り明日は5時起きして合宿パート2、尾瀬へと向かうので、続きはたぶん週明けに。

<続き>
 この日白子や都心は猛暑日だったようですが、南茨城は連続猛暑日は途切れて最高33.5度、まあそれでも十分気持ちのいい残暑です。

 昼過ぎまで白子で練習し、職場に一瞬戻ってからオペラシティへ、ほぼ例年聴いているアジアユースオケです。ただ、音楽監督のR.パンチャスの指揮で聴くことが殆どで、ジャッドの指揮は初めてかも、当然彼のマーラーも初体験です、たぶん。

8月27日(金) オペラシティ
 ジェームズ・ジャッド指揮アジア・ユース・オーケストラ シューマン チェロ協奏曲、マーラー Sym5番
 この企画20周年とのことでオーディションでアジア各地から集められたメンバーは過去最大の108名、前半シューマンのソリスト、ジャン・ワンはアンコールにバッハ(たぶん)を2曲も、また何と彼は後半マーラーでもプルトの1番後ろで弾いてました。そのマーラー5番は新しい版らしく、第3楽章ではHrソロが起立して演奏、前半のTpソロと共になかなかの吹きっぷり、あと1stTbが見事でした。ジャッドは標準的テンポでアクは少なめ、旋律をより歌うために強弱を大きく付けたりテンポを揺らしたりする印象、第4楽章で時に拍を振らないフレージング主体の棒で弦から叙情的な歌を引き出した点と、終楽章で第4楽章を回顧する部分でのしみじみした表情が印象的、クライマックスでのブラスの鳴りとそれに消されない弦の音量もなかなか、そして最後の唖然とする程の急速なアッチェレにもオケはくらい付いてゆき、鮮やかな大団円、会場大興奮でした。アンコールは無し、たぶん翌日の最終日にとってあるんでしょう。

 ジャッドのマーラー、前半はやや面白みが無いかも、と感じてましたが、最後の方にケレン味が出てきて楽しめました。

2010年8月23日月曜日

名作再訪:ポオとニッキ -  平石貴樹 「だれもがポオを愛していた」

 あうぅ、1勝すれば、の希望も空しく3連敗、ダメ元だった第2戦はいいとして、昨夜の第3戦は取りたかった…。ともあれ、これで勢いを付けてあげたんですから、次はちゃんと中日を叩いて下さい。

 暦は「処暑」とのことですが、昨日から関東の夏も気合を入れ直したか最高36度超と連日の猛暑日、本日のガス使用量0.095m3、および書き忘れてましたが今月のガス使用量3m3(ガス代1345円)は共に最少記録更新です。

 本日はお盆の帰省中に読んだ本から、個人的な好み(ロジック重視、パズラー大好き)では「人形はなぜ殺される」「りら荘事件」「占星術殺人事件」などに伍して国産ミステリーのオールタイムベストテンに入る大傑作と思っている作品です。

 お盆のプチ同窓会の後、地元のブックオフに寄った際100円の棚で集英社文庫版を発見、(創元推理文庫版を有してるのに)装丁の可愛さに惹かれて購入、敢えて再読する積りは無かったのに、冒頭事件開幕の日付が自分の誕生日、つい運命を感じて?読んでしまった次第。

だれもがポオを愛していた 平石貴樹
 その名もアッシャー家を思わせるボルティモアのアシヤ家で起こる、ポオ作品への"見立て"連続殺人に素人探偵ニッキが挑む、という稚気溢れるパズラー、何より読者への挑戦が嬉しいです。初読時ほどロジックに必然性が感じられず、やや評価は下がりましたが、「アッシャー家の崩壊」の絵解きは本当に見事、そのため評価が甘くなっていたかも。

 間違いなく言えるのは、本作を読む前にポオ「アッシャー家の崩壊」を読んでおかないと、その妙味は半減するってことです。

2010年8月22日日曜日

18切符で松本詣で - ヴェルバー&サイトウ・キネン・オケのサロメ

 貧乏人には一生縁が無いと思っていた松本のサイトウキネンフェスティバル、不意に安くチケットが手に入り、急遽参戦となりました、勿論往き返りは青春18切符です。

 今乗り換えの都合で途中下車した甲府駅前のマックで電波を拾ったところ、午前中なのにかなりの気温、目の前では「岸岡ちなみ」なる少女が伸びやかな歌声でストリートライブをやっています。

 さっきまで乗っていたホリデー快速は鈍行ユーザーには珍しい2階建て車両、下層は脚フェチにはたまりません。

 松本で時間があれば吉敷竹史推薦(「寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁」)のラーメンも食べてこようと思ってます。戻りは深夜になるので続きはまた明日。

<続き>
 この日甲府は余裕の猛暑日、松本ですら35度弱に達し、南茨城も35度超と全国的に暑かった模様。

 松本に着き、まず吉敷竹史の推すフォルクスラーメン(現・松本ラーメン)へ、その後開演まで1時間以上あったので散策、金沢と比べると松本の街はずっと観光向けに整備されており、どこも歩道スペースが広くて快適、街なかを流れる川を挟む道ではドラマ「白線流し」の映像が浮かび、ついスピッツの主題歌を口ずさんでしまいました。

 少し早めに会場入り、お隣が「白線流し」慎ちゃんの実家、深志神社だったまつもと市民芸術館は長細くて巨大な施設、入口からホールへと続く長く緩やかな傾斜が日常から非日常への移行感を高めます。心なしかロビーに佇む客層はハイソな感じ、また会場スタッフもリッチで丁寧な印象です。

 サイトウキネンオケを聴くのはお正月の東京公演で小澤の振るマーラー(2番や9番など)をやっていた頃以来、また指揮のヴェルバーって誰?って感じですが、だからこそ安くチケットを入手出来たとも言えます。

8月22日(日) まつもと市民芸術館
 オメール・メイア・ヴェルバー&サイトウ・キネン・オーケストラ R.シュトラウス サロメ
最上階の末席でも声やオケの音がよく届く音響、オケはさすがに上手で各パートの分離よく柔らかな音色でしかも迫力は十分、過去聴いた同曲で1番の演奏水準、ヴェルパーの解釈にはケレン味や官能性は余り感じませんが、奏者それぞれの表情でそれなりの色気が漂います。演出は(たぶん)オーソドックス、タイトルロールのデボラ・ヴォイトは胃のバイパス手術によるダイエットで見違える体型になったとのこと、それでこの重量感とは以前はどんなだったんだ? 7つのヴェールの踊りの最後は肌色タイツでした。

 開演前のアナウンスに「身を乗り出しての鑑賞はおやめ下さい」とあり、「細かいなあ」と思ってましたが、自分の前の男性(4階1列)が開演と同時に手すりに乗り出さんばかりの前のめり、舞台の中央殆どがブラインドとなってしまい(涙)「成程必要なアナウンスだったんだ」と納得、さすがに7つのヴェールの踊りの時だけは彼の頭を避けるべく前後左右に動いちゃいました(笑)。

 終演後ダッシュで松本駅へ向かい、地元誌で評判の高いラーメン屋を経由して帰途に、途中高尾で寝過ごして危うく甲府に逆戻りするところでしたが、何とか切り抜けて深夜1時半頃に無事帰宅。

2010年8月21日土曜日

乙一流童話 - 乙一「暗黒童話」

うう、巨人に粉砕されてもた、ま、3試合のうち1回勝てばいいんですけど。

 朝から雲多く、今日も寒いんかいな、と思いつつ早起きして東京へ出てテニス、日中はそこそこ晴れて気温も33度前後まで上がりまずまず、昼過ぎまでプレーを満喫し、午後は古本屋等でまったり過ごした休日。

 日々テニスをしてるため、肌の日焼けはもうサチってるかと思ってましたが、帰省で少し褪めたのか、両腕が真っ赤に焼けてます。

 本日は帰省時に地元の古本屋で買って読んだ本から、天才乙一初の長編とのことです。

暗黒童話 乙一
 やや不気味な内容の童話をモチーフに、事故で片眼と記憶を失った少女が移植で新しく得た左眼の"記憶"を探る旅に出るサスペンス、勿論この著者のことですからミステリー的趣向があしらわれており、しっかりミスディレクションに引っ掛かってしまいました。

 文庫版(集英社文庫)では、著者自身によるあとがきが相変わらず滅茶苦茶楽しいです。

 明日は青春18切符でサイトウキネンフェスに行ってきます!

2010年8月20日金曜日

2転3転フレンチミステリー劇 - W~ダブル

いやあ、3日連続で書きますが、ホント横浜サマのお蔭です! 特に林の調子を上げてくれたのが嬉しいっす。

 曇りがちで気温も上がらず30度割れ(涙)、2日連続して気温は西高東低傾向のよう、実家の小松(石川)ですら真夏日が36日続いているというのに…。

 閉め切って保温に努めている自室、深夜の室温も帰省以降、32度台→31度台→30度台と日々じりじり降下中です(涙)。

 夜は銀座で観劇、例によって奇特な方からの頂き物、主演の中越典子に惹かれての参戦ですが、ロベール・トマ原作のミステリー劇ってところもポイント、因みにオゾン作品「8人の女たち」もそのトマ原作です。

8月20日(金) ル テアトル銀座
 舞台「W~ダブル」
放蕩三昧の夫に愛想を尽かした妻が、夫に瓜二つの弟がいると聞き一計を案じる、というお話。前半ややテンポ遅めながら、休憩後の後半は2転3転、予想したオチを更にひっくり返されて大満足、長台詞もきっちりこなす中越典子は美しく、他の俳優陣もメジャーな人達ばかり、堀内敬子(ドラマ「CHANGE」の女医さん)を見られたのもちょっと嬉しく、終演後には楽しいアフタートークのオマケも。

2010年8月11日水曜日

背後は重い軽妙ハードボイルド - 道尾秀介「片眼の猿」

 あーあ、ついに5連敗、まあ、いいですけど。それより横浜さんグッジョブですっ! 

 そこそこの晴れながら台風の影響か雲多く風も強め、気温も先週の予想程は上がらず33度台、実家の石川では37度台を記録したとのこと、羨ましい限りです。

 本日は先日の試合の時に読んだ本から、「向日葵の咲かない夏」で驚かせてくれた道尾秀介の第5作、ノンシリーズ作品です(たぶん)。

片眼の猿 道尾秀介
 盗聴を得意とする私立探偵が産業スパイの調査をするうち殺人に遭遇、個性的な仲間達と事件の解決へ、という軽妙なタッチのハードボイルド、と思わせておいて終盤色んな真実が炸裂、仕掛けを見破ったと思っていてもそれ以上のサプライズを味わうと共に、軽いノリで書かれた理由まで最後に浮かび上がる仕組み、ちょっとあざといけど。

 処女作「背の眼」あたりに比べると格段にリーダビリティも向上してます。

 因みに著者の書下ろし原作によるドラマ「月の恋人」は、結局ミステリー的オチの無いオールドファッションな恋愛ものでしたが、一つだけ小ネタ(硬貨4枚の示すもの)でオチがあってちょっとビックリ。

2010年8月10日火曜日

結末が個性的なSF系青春ミステリー - 米澤穂信「ボトルネック」

 この試合の2日間、移動時や待ち時間で本は沢山読めました。ただ今日はその前、先週末に読んだ本から。やや分別臭い内容を持つ青春ミステリーの多い筆者の個性が前面に出た作品です。

 ただ金沢や東尋坊に土地鑑のある(石川出身の)自分には、その舞台の描写だけで十分楽しめましたが、一般の読者にはそのあたりが微妙かも。

ボトルネック 米澤穂信
 恋人を弔うべく訪れた東尋坊で意識を失い、金沢で目覚めた時に周りの世界に感じる違和感、その謎が氷解するに従い主人公が冷厳な事実に直面するというお話、謎の解明にはミステリー的語法が使われていますが、内容はSF仕立ての青春小説、それでも以下のネタバレの項で述べる印象的な結末ゆえ、やはりミステリーとして楽しめました。
<< 以下ネタバレにつき未読の方は飛ばして下さい!! >>
 結末に至り、本作が「女か虎か」に連なるリドルストーリーとなっている仕掛けに唸りました。

2010年8月8日日曜日

ジャンプのマーラー - 金子建志&千葉フィルのマーラー9番

 あーあ、やっぱ12球団(11球団じゃなくて)で唯一山本昌を打てないのが阪神のよう、これで目標の1勝が怪しくなってきました。

 あと昨夜テレ東で放送のUFC、済みません、今の五味ならタイソン・グリフィンにも負けると思ってました。

 空にはうろこ雲が見えたりもしましたがそこそこの晴れ、気温は少し盛り返して最高34.5度、この半月は部屋の温度が常時31-2度を維持しており、日記を付け始めて以降、最高の夏です。ま、それは環境の話であって、私生活的には100%夏は終了してしまいましたが(笑)。

 早起きして午前中テニス、午後アマオケ、と典型的休日。先々週だったか、乗った電車(TXと中央線)がことごとく冷房が効き過ぎ(含む弱冷房車)で凍死するかと思いましたが、今日はまだ許容範囲、と思ったら八重洲から有明へ向かう都バスが激寒でした。

 ま、乗ってきた人達は口々に「冷房効いてる!」と嬉しそうでしたが…。

 午後聴いたのは昔のFMライブ番組の名解説でお馴染み金子建志の振るマーラーです。特に9番はバーンスタインが1度だけBPOを振った同曲のFM放送時の体験が彼のマーラー感の大きな転機となったことをどこかに書いてました(自分にもそうだったかも)ので、彼にとって思い入れの強い曲であることは間違い無さそう。

 ただこの季節、ホール内の冷房にも悩まされるため、共にマーラーだった昨日も今日も、終楽章になる頃にはお腹がゴロゴロ、トイレ警報発令状態で聴く羽目になるのが辛いところ(涙)。ああ、冷房の無い国に住みたい!(ってか、俺が子供の頃はそうだった…。)

8月8日(日) 習志野文化ホール
 金子建志指揮千葉フィルハーモニー管弦楽団 バーンスタイン 管弦楽のためのディヴェルティメント、マーラー Sym9番
 メインが9番ゆえか前半はバーンスタイン、実演で全曲聴くのは初めての楽しい曲、金子氏はバーンスタインを意識してか何度もジャンプ!そして後半のマーラー、氏によると9番は1stVnと2ndVnの掛け合いが重要なので対向配置は譲れないけれど、アマゆえ弾きやすさを考慮して低弦の位置は変えず2ndVnとVlaだけ入れ替えたとのこと、冒頭から無理に抑えることなく各動機をしっかり鳴らしてゆく音作り、HrとTpソロが見事、またも何度かジャンプの出た第3楽章は躍動感とブラスの鳴りが激しく、終楽章前半では非力でやや不安定な弦セクションから訴求力ある響きを丁寧に紡ぎ出しており少し感動、クライマックスでのTpの鳴りも豪快、終幕の静かな部分では早い段階からVlaを強調するバランスが印象的、そして余り粘らずに到達した最後の1音、どこで音を止めていいのか判らない振り方のため、かなり長めに音が消えてゆき、その後20秒程の黙祷が続きました。

 今年9番はこれで4度目ですが、今日の演奏が一番オケが未熟なのに一番感動した演奏でした。金子氏の9番はこれで2度目(か3度目)ですが、確実に彼の中で深化が進んでいると思います。

 例によってパンフには金子氏の詳細な解説があって楽しく、様々な発見がありましたが、9番の第3楽章の主題が1番の第3楽章"フレール・ジャック"の早回しになってるとは知りませんでした。

2010年8月7日土曜日

立秋のマーラー3番 - シュピーラー&フィルハーモニックアンサンブル管

 うーむ、やはりナゴヤドームでは勝てません。でも広島はよくやった!ただ前田の3勝以外巨人に勝ってないのはどうかと思います。

 今日は立秋、これを過ぎると"残暑"と呼ばれる訳ですが、たぶん統計的にはこの立秋の頃が暑さのピークなのでは、本日もよく晴れて34度には届きましたが、2日連続して微妙に低下傾向です。

 練習場所が無く日中は教え子の試合の応援へ、勝つべき試合は勝ってくれて一安心。

 夕方はマーラーを聴きにサントリーへ、演ずるのは挟み込みチラシで以前から気になっていたアマオケの老舗、ただその価格設定が異様に高く(最安券だとプロより高い!)、これまで聴く機会に恵まれませんでしたが、知人の奢りで初の参戦です。

 パンフを見ると、何とこれまで演奏旅行でムジークフェライン、コンセルトヘボウ、フィルハーモニー、カーネギーなど名だたるホールで演奏してます。す、凄い…。

8月7日(土) サントリーホール
 カルロス・シュピーラー指揮フィルハーモニックアンサンブル管弦楽団 マーラー Sym3番
まずHrが12本もいるのにビックリ、オケは弦が安定しており管も全パート達者、確かにアマオケでもトップクラスの実力か((元)プロも混じってる感じ)。第3楽章が終わると驚きの20分休憩、この間に女声約100人、児童約50人の合唱とソリストが加わって後半戦へ、終楽章クライマックスでは弦管バランスの取れた雄大な響きを満喫しました。ただオケにこれだけの力があれば、指揮者の個性によるプラスアルファが欲しいところ、シュピーラーの紡ぎ出す音には余りそれが感じられず少し残念。

 明日もアマオケでマーラー、金子建志の振る9番です!

2010年7月29日木曜日

要再読、一見恋愛小説、その実ミステリー - 乾くるみ「イニシエーション・ラブ」

 幸せな"梅雨明け10日"の期間も12日間で終焉、今日は終日風が強く、雨が降ったりやんだり、気温も日中一向に上がらず16日振りの30度割れ、セミの声も切れぎれです。

 本日は以前から気になっていた作品で、昨日のコンサートの往き帰りで一気に読めました、が、帰宅してから再読(ざっとですが)する羽目に。

イニシエーション・ラブ 乾くるみ
 80年代の静岡を舞台にした恋愛小説、何の犯罪も起こりませんが背後にはミステリー的企みが、仕掛けに気付いた、と思ったのも束の間、再読して自分の読みが浅かったことに気付かされ、真相に背筋が寒くなりました。ただ昭和を知らない読者には種々の伏線の大半は理解不能なのでは。個人的には「山本スーさん久美子」がツボ、あと、"面白かった新刊"が「十角館の殺人」だったのにもニヤリ。

 巧緻な企みに舌を巻きましたが、作中にも出てくる連城三紀彦や泡坂妻夫がこのプロットを書いたのなら、さすが、の一言で済ませていたかも。

 登場人物の描き方(男・女共に)など、まるで男性が書いたとしか思えない内容、と思っていたら、何とこの著者、女性じゃなくて男性!「くるみ」なのに…、2重に騙された…。

 読後、つい「木綿のハンカチーフ」を口ずさんでしまい、歌詞があやふやになっていることにショックを受けました。

<追記>
<< 以下ネタバレにつき未読の方は飛ばして下さい!! >>
 A面の夕樹を「たっくん」と呼ぶのに無理があるのは当然ですが、B面の辰也の愛称が「たっくん」というのも微妙に不自然(普通なら「たっちゃん」か?)なことから、辰也の前にも「たくや」とかそんな名前のたっくんがいて、子供の父親もその"たっくん"だったと考えると、
「初めての相手がたっくんで、(中略) 二度目の相手もたっくん。三度目の相手もたっくん。これからずっと、死ぬまで相手はたっくん一人」
というセリフの怖さが倍増します。

2010年7月24日土曜日

アンコール素敵な爆演系 - 森口真司&オーケストラ・ダヴァーイのグラズノフ5番、シンデレラ

 今ツールの最終決戦、個人TTをテキストライブ観戦中、2位のアンディが、そしてマイヨジョーヌのコンタドールが出て行きました。

 またも晴れて猛暑日&熱帯夜、最高気温も35.8度と微妙に最高値を更新、この2晩は自宅の室温も32度を維持してます。梅雨明け以降の8日間、一滴の雨も無く気温は常に高めをキープ、そしてこの3日間は35度超、日記を付け始めての5年間では、最高の1週間を過ごしている気がします。

 最高のテニス日和ながら練習場所が無く、後輩が男女揃って名誉ある大会の決勝に進んだのでその応援へ、多摩の奥地まで青春18切符で向かいました。いつもながら、真夏は自分がプレーするより観ている方がアツイです。

 試合を全部観終わる前にアマオケの開演時間が近付いてタイムアウト、後ろ髪を引かれつつ、東京を横断し、スカイツリーの待つ錦糸町へ向かいました。

 聴いたのは過去爆演を聴かせてくれた(ラフマニノフ2番ショスタコ8番)ロシア圏音楽専門オケです。

7月24日(土) すみだトリフォニー
 森口真司&オーケストラ・ダヴァーイ グラズノフ Sym5番、プロコフィエフ シンデレラ抜粋
 最初のグラズノフは期待よりブラスが大人しめ、リズムのキレもやや甘く感じ、終楽章はそこそこハジけたものの、かなり物足りない感。後半のプロコ「シンデレラ」の実演は初めて、と言うか12時の鐘が鳴る部分しか耳覚えが無く、全曲から27曲も抜粋した1時間の長尺版が不安でしたが、プロのアナウンサー曽根純恵嬢のストーリーテリングが数曲ごとに入ったお蔭でダレずに楽しめました。ただ曲の大半は「ロミジュリ」と言われても違和感の無い金太郎飴プロコ節でした(笑)。Hrが前半より大分よくなり、Tp、Tbの吹きっぷりもややスケールアップ、階上のオルガン右脇に配した鐘とチャカポコを激しくぶっ叩く12時を頂点に盛り上がりましたが、それでも期待した爆演では無い感じ、ところがアンコールはレスギンカ、勿論パーカッションを筆頭に暴れまくり、最後に期待の爆裂サウンドが聴けて満足でした。

 明日はアマオケでシベ5を聴くかどうか迷い中です。

2010年7月15日木曜日

救いある翳 - 道尾秀介「シャドウ」

 曇りながら青空ものぞく熱帯夜&真夏日、日没後の西の空には三日月と金星が仲良く並んでいます。

 さすがにもうツツジの花は見かけなくなりましたが、ヒマワリは半月ほど前からあちこちで咲いています。

 時々通る道沿いに、庭の中の5m四方程が全部ヒマワリ、というお家があります。例年は数え切れない位の本数の2m以上ありそうなヒマワリが押し合いへし合い立っているのに、今年はパラパラとほんの数本しかありません、意図的にそうしたのか、自然にそうなったのかは分かりませんが、ちょっと淋しい感じです。

 ヒマワリと言えば「向日葵の咲かない夏」の道尾秀介、彼の第4作は同様に子供を主人公しており、第7回本格ミステリ大賞受賞傑作とのこと、ブラジルの喪に服していた頃に読み、これで夏の課題だった初期作完遂を果たしました。

シャドウ 道尾秀介
 ある父子家庭を軸に主人公の周りで起きる転落死など大小の事件が他視点で語られ、種々の伏線を回収する結末へと収束します。序盤掴み所の無いストーリーの背後にある絵が徐々に浮かび上がってくる構成は巧く出来ており、しっかり騙されました。ただ、お話を綺麗にまとめようとする意図が見える点と真相の意外性の点で「向日葵の咲かない夏」には一歩譲る印象です。

2010年7月10日土曜日

3人がセレブを目指したワケ - セレぶり3ラストステージ ~セレブは惜しまれつつ解散するものだ~

今土曜早朝、これから近場へ合宿に出掛けるところ、夜は急遽「セレぶり3」舞台版への参戦が決定したので、昨日のNBAFinalGame7の続きはまた明日の記事で。

<続き>
 合宿から戻りました。この日は雨予報が見事なまでに外れ、青空望める真夏日、しっかり朝から夕方までテニス出来ました。

 夕方少しだけ早めに上がって新宿へ、水曜申し込み&金曜結果発表と直前の無料招待抽選が当たっての観劇は、去年散々楽しませてもらった「セレぶり3」の舞台版、これが2作目とのことです。

7月10日(土) 全労済ホール スペース・ゼロ
 セレぶり3ラストステージ ~セレブは惜しまれつつ解散するものだ~
「セレぶり3」の3人で組んだユニットの歌が大ヒット!ホントにセレブになってしまった彼女達が、そもそもセレブを目指すことになったキッカケをそれぞれ回想する3つのストーリー、その前後に3人の生歌が入ります。ジョナの名前の由来やミチコマンがカープファンになった訳が明らかに!劇中3人は何役もこなし、中には強烈なキャラ(タニシの西田)も。グッチ・ジョナ・ミチコマンを生で見られて幸せ。

 早めに会場に着いたので、ロビーのソファで食パン+牛乳の夕飯をパクついていると、事務所関係なのか、TVで見かけたことのある女優(の卵)が次々と目の前に集まってきて挨拶&業界トーク(「先日の収録ではどうも…」)、近くで見るとさすがにみんなビックリするほど細くて可愛く、ボーッとなってしまいました。

2010年7月1日木曜日

本格度アップ、他の要素ダウンのシリーズ第2作 - 道尾秀介「骸の爪」

 ここ2日間続けて3時間睡眠だったせいか、昨夜はフェデラーの試合を見てるうちに意識喪失、目が覚めたらジョコヴィッチの試合(しかも内容イマイチ)になってました(涙)。

 今日から7月、ほぼ曇りながら気温は高めで30度弱に達する準真夏日、数日前関西時代のテニス仲間から「1日早朝テニス出来ないか?」と連絡があり(彼は神奈川在住!ここは茨城なのに…)、早朝貸し出している公営コートを確保し7-9時で練習、しかも何かの記念日らしくコート代無料!ラッキーでした。ただ膝の具合がイマイチなのにガッツリやったので後を引かないか少し心配。

 本日は昨日読了した本から、今年の課題図書、道尾作品の3冊目は、彼の第3作にして処女作「背の眼」(2010/6/23)メンバーの活躍するシリーズとしては2作目となる作品。

骸の爪 道尾秀介
 今回も主人公が山奥の仏所で怪奇現象を体験、それと時を同じくして不可解な失踪も起き、その謎に「背の眼」のコンビ(トリオ)が挑むことになる展開、前作に比べるとお話のスケール、ホラー度、キャラ読み度や人情話などの物語性等々、かなり減じてはいますが、その代わりロジックやトリックなど本格ミステリー度が上昇(ロジックを構成するために無理矢理感があったり、若干あざとかったりしますが…)、特に数多くの伏線の回収は見事、どっちの要素を好むかで評価は分かれそうです。

 偶然なのか意図的なのかは分かりませんが、前作を読んだ人なら「ここは真の怪奇現象なのか、それとも論理で解体される部分なのか」といった通常の本格とは別次元の推理も必要になる分、より謎解きが困難になる趣向にもなっています。

 次は最も期待する「シャドウ」です!

2010年6月27日日曜日

メルクル&N響の1番

「アイドルの穴2010」が昨夜最終回、元キャンパスナイターズ木村好珠がどうなったか気になってW杯、ウィンブルドン、F1の合間にチェックすると、まだ残っていたのみならず、何と余裕の2位通過で日テレジェニックに! しかしキャンパスナイターズの中堅が2位、って日テレジェニック大丈夫? しかも選出された6名中、木村が下から2番目に若い、ってどういうこと?

 昨夜降りだした雨は朝にはほぼやみ、日中は時折ぱらつくけれど本降りにならない状態が継続、気温も午後はほぼ28度前後と高め、また朝の最低23.6度はたぶん今年最高値。右膝の状態が思わしくなく、かつ明日は試合があるため練習はパス、午前中にウィンブルドンなど溜まったビデオを消化し、午後ゆっくりとコンサートへ。

 聴いたのはメルクル指揮するN響のマーラー、彼のマーラーは初めてでかつこのコンビはトーキョー・リング「黄昏」で豪演を聴かせてくれたので期待です。

6月27日(日) 所沢ミューズ アークホール
 準・メルクル指揮N響 リスト PC2番、マーラー Sym1番
いいコンビだと思うのに会場は6、7分の入り、また地方公演のせいかメンバーも微妙に違う感じ(他の在京メジャーの人とか)です。前半のリストはよく耳にする(マーラー6番の出てくる)やつかと思ったら違う曲、あれはPC1番でこれは2番らしい、最後の1音でTpを強烈に吹かせていたのが印象的、若そうなソリストジャン=フレデリック・ヌーブルジェは拍手に応えてしみじみ系のアンコール(曲名チェックするの忘れました…)。
 後半お目当てのマーラー、メルクルは余り神経質にならず流れを重視している印象、時々変な所でポルタメントをかけたりもしてましたが、基本的にはアクもやや少なめでメリハリある音作り、テンポは中庸ながら速い部分は速くなる傾向、終楽章では大きくタメを作る表現もあり、ブラスを開放、クライマックスでは低弦の刻みを強調し、起立した8本のHrもよく鳴り、Tpもなかなか爆発、細かい不揃いは気にせず一気に盛り上がりました。

 最近ここによく書いている終楽章中盤のミュート着脱早業ファンファーレ、Tbはミュート部後半を2ndに肩代わりさせる作戦でしたが、アシュケナージの6番の時にもトップを吹いてた1stTpは見事にキメてました。

 ミューズから航空公園駅までのそこそこある道のり、膝をいたわりつつかなりゆっくりと歩いていると、片手に楽器、片手に着替え(コンサート用の服)を持った楽員さんが何人も抜いてゆきます。めっちゃ着替え早いっすね、みなさん!

 今夜のウィンブルドンは日曜で休み、F1とサッカーに集中できます! あ、その間のNBAダイジェストも忘れないようにしなければ。

2010年6月26日土曜日

バンダ大活躍 - 下野&新日のハチャトゥリャン3番、ローマの祭

昨夜はブラジルが不甲斐無いサッカーをし、NHKがキリレンコじゃなくてペトロワを選んだのでテンションだだ下がり…。

ただ、朝にスペイン1位通過の報を聞き少し立ち直りました。ホンジュラス相手ですら0-0、ってスイスらしいかも。

今「不甲斐無い」と書いて、これって2重否定だから甲斐が有ることになってしまい、意味が合わないかも、と疑問に思い始めました。気にせず使ってましたが。

で、調べてみました。やはり「不甲斐無い」は間違いで、正しくは「腑甲斐無い」、「腑」は肝に通じ「肝っ玉があるのにその甲斐もない」との意、音による誤字が広まって「不甲斐無い」が定着してしまった(してない?)ようです。

お天気は何とか持って気温も昼前後は28度台と高め、午前は膝と相談しつつ練習、余り思わしくないので2時間で切り上げてトリフォニーへ。

聴いたのはマニアックなプロの多い下野竜也の振る新日、今日も15本!のTpがバンダで活躍する珍曲、ハチャトゥリャン3番が入っており、プロで聴くのは初めてです。

6月26日(土) すみだトリフォニー
下野竜也指揮新日フィル バッハの編曲もの、ハチャトゥリャン Sym3番、レスピーギ ローマの祭
最初のバッハ「幻想曲とフーガ」はエルガー編、鳴り物ジャンジャカの派手な編曲でした。そしてオルガン脇左右に15本のTpが並ぶハチャトゥリャン、バンダにはトカレフさんの顔も、ヘルツォークさんなど新日メンバーも2名入ってます、女性も3名、そして小さめの楽器を使用してる人が4名ほど、それなりのメンバーを揃えたのか、最後までしっかり鳴っており、舞台上の本隊やオルガンと併せ、(期待した程ではないにせよ)まずまず壮大な響きが聴けました。後半もバッハから、レスピーギ編の「ハッサカリア」、こっちはオーソドックスな編曲でした。そしてメインの「祭」、チルチェンセスのバンダは(1階席にいたので定かではありませんが)3階(か2階)の通路あたりに左右3本ずつ(!)いた感じ、五十年祭でのテンポの加速が大きめ、十月祭でのマンドリンはオルガン左脇に位置、ラスト主顕祭はまずまずの豪快さ、全体ではHrの豪快な鳴りが際立ってました。

明日はメルクル&N響のマーラーです! その前に今夜もW杯決勝T、ウィンブルドンにF1予選と寝られません。

2010年6月23日水曜日

ホラー+本格の処女作 - 道尾秀介「背の眼」

 昨夜のウィンブルドン、ナダルと互角に打ち合い、かつよりショットにバラエティーのある錦織はポテンシャルの高さを証明、また相手がやや悪かった伊達、ことサーブに関しては復帰前より良くなっている気がします、忘れてるだけか。

 朝から断続的な雨、時には晴れ間もあり時には激しい降り、風も強めと台風接近中の天気みたい、そう言えば今年は台風未だ来てません。右膝は徐々に快復傾向、雨で壁打ちもお休み。

 本日は先週読んだ本から、自分の中での今年の課題図書ならぬ課題作家である道尾秀介、処女作がなかなか手に入らず第2作「向日葵の咲かない夏」を先に読んでしまい(驚愕し)ましたが、第5回ホラーサスペンス大賞の特別賞受賞作を改稿したデビュー作をやっと読むことが出来ました。

背の眼 道尾秀介
 著者の分身たる主人公が神隠しの起こった山村で遭遇した怪異現象を旧友の"霊現象探求家"に相談、自殺者の背中に「眼」が写り込む心霊写真とも関連することが分かり、殺人事件も絡んでくる展開、処女作だけに描写がやや冗長ですが、ホラーであると同時に本格物にもなっているため、通常の謎解きに加えて、これは純然たる怪異現象なのか?論理で解体されるべきなのか?というメタな判断も必要となる趣向(二階堂黎人「人狼城の恐怖」第1部で似た体験をした記憶あり、勘違いでしたが(笑))、また幕切れにはしみじみ部分まであって盛り沢山、京極堂シリーズのエピゴーネン的内容となってはいますが、それを逆手に取ったヒネリまであって楽しめました。

 次は「骸の爪」「シャドウ」と進みます!

2010年6月19日土曜日

インバル&都響の豪快2番

 昨夜0-2から追い着いたアメリカ、結構スゴいっす。あとその裏だった「ハガネの女」、前の「警部補 矢部謙三」が本当に「トリック」の番宣だった?ため変な時期のスタートでしたが結構面白く、原作がよく出来ているのではと推察されます。

 昨夜からの雨は昼にはあがり、午後には少し晴れ間も出た夏日、午前の練習が中止になり練習は午後から、井の頭線沿いのアジサイはいつの間にか赤に青に紫にすっかり色付いてます。

 2時間だけプレーして抜けて、渋谷タワレコのインストアイベントへ。これについてはまた別記事で。

 夜はサントリーホールへ、マーラーばかり重なった"マーラー週間"の最後を飾るのはインバルの「復活」です。首都圏では今年既に何度か注目の「復活」公演がありましたが縁が無く、本年最初の2番となります。

6月19日(土) サントリーホール
 エリアフ・インバル指揮都響 マーラー Sym2番
インバルはいつもの様にアク強めの表現で、特にしゃくる様なアクセントの多用が印象的、テンポのオンオフも多めでフィルハーモニア管との時よりいじっている感じ、第1楽章半ば、派手に鳴り物が鳴った後の静寂から低弦が呟く様に歌い始めて終楽章を予告するディエス・イレ動機へと続く所をドスローテンポで始めてどんどん加速したのと、第3楽章で緩徐部的な所になるとぐっとテンポを落としたのが印象に残りました。オケでは矢部達哉率いるVnがインバルのクセのある表現に応えつつも美しく歌う、という難業を実現してました。インバルが退席した数分の休憩は楽譜と違って第2楽章の後、その間Pブロック最前列に独唱者が2列目以降に約80名の合唱が入場しました。終楽章前半ではTbソロが色っぽい音(これはたぶん賛否あるでしょう)、そしてクライマックスでは舞台裏のバンダ(Hr4、Tp4)が合流して何とTp10本にHr11本!特にそれまでのハイトーンをしっかりこなしていたTpの鳴りがよく、ラストの豪快な吹きっぷりは過去同曲の中でも屈指の貫通力、やや期待外れだった3番に比べ、かなり満足の演奏でした。

 ただ3番の時と同様、片方のティンパニの音程が悪いのが気になりました。大丈夫か?

2010年6月17日木曜日

アシュケナージ&N響の疾速6番

昨夜のスペイン、負けはいいとして、イニエスタの故障の度合が心配。

 今年2度目の真夏日、梅雨に入ってからいい感じの気温が続いてます。ただそのせいで今日から職場に冷房が入り始めたのにはがっかり。健康診断を機に減らした1kg、昨夜コンサート帰りに友人とラーメンを食べた割にはリバウンドしておらず一安心。

 夜はアシュケナージ&N響の6番、彼の振るマーラーはチェコフィルとの5番、7番等何度も聴いてますが感心したことがありません(ECユースオケとの2番は良かったけど、これも解釈じゃなくてオケの頑張りに、だったので)。今夜の6番はどうでしょう。

 昨日書いた様に本日のチケットは元々は昨日(16日)の公演を入手、ハーディング&スウェーデン放響と重なるためネット掲示板で17日公演と交換してくれる人を募れども(同様の人が多いのか)反応ゼロ、見かねた元のチケット所有者の方がご親切にも翌17日に振り替える手続きをして下さって、無事参戦となりました、有難いことです。

6月17日(木) サントリーホール
 ウラディーミル・アシュケナージ指揮N響 マーラー Sym6番
第1楽章はかなり速いテンポで駆け抜けて、そのテンポの割には疾走感やメリハリには乏しくオケも乱れがち、次はアンダンテと流行りの順、中間2楽章はやや速め程度のテンポで、粘るでもなくあっさりでもない中途半端な感じ、ただ普通のテンポで開始した終楽章に至り、表現にタメが出てきて「ここが本題か」と思わせました。ハープをかなり強く弾かせていたのと、弱音部でも各動機をかなり大きめに奏していたのが印象的、ただ行進曲に入るとまた速めのテンポでどんどん進行、木槌を使用して2度だったハンマー、1発目の後にオケがかなり乱れることも、Tpトップがそれ以降右手で自分で拍を取りながら吹いていたのが可笑しかったです。オケは弦がN響にしてはやや厚みに欠ける気はしましたが、9本揃えたHrが豪快な鳴りで他のブラスもまずまず、全体では分厚い響きが聴けました。

 開演の少し前、ホール入り口にVnのまろさんが人待ち顔で立っており、「今日は降り番か」と思っていたらしっかりコンマスやってました。

2010年6月16日水曜日

ハーディング&スウェーデン放響のドン・ファン、巨人

ブラジル予定通り白星発進! ただ(地上波放送が無かったので何とも言えませんが)北朝鮮に苦戦したっぽいのがやや不安、それより同組の他2チーム、ポルトガルがそこそこ強いのはいいとして、コートジボワールが想像よりずっと強い(同僚に言わせると「当たり前」らしい)こと、南アもそうですが、アフリカ勢に組織と戦術を整えられると厄介です。

 昨夜降り出した雨も昼前にはあがり、昨日以上の気温(あと0.3度で真夏日)と湿度の典型的梅雨の晴れ間、雲の感じも夏っぽくなり、最低気温が20度を超えたのも今年初めて。

 本日は大嫌いな職場の定期健康診断、血は抜かれるわ、放射線を浴びせられるわ(でも胃レントゲンは拒否)、採便を2度も強要されるわ(2日間余り食べてないため出ない…)と、いつも精神的ダメージによる弊害の方が大きい気がしますが、これを機に1kgのダイエットに成功! ただ身長が1cmも縮んだのはショック(涙)。

 今年はマーラーイヤーのせいか、同じ日に聴きたいマーラーが重なることが多い(2010/3/4など)のですが、今日はその最たるもの、ハーディング&スウェーデン放響の1番、インバル&都響の2番、アシュケナージ&N響の6番、と3つも重なってます。休日中心のアマオケならままあることですが、平日プロオケを3つもぶつけるのは勘弁して欲しいです。

 そして重なる日の方がチケットを入手しやすいのが道理で、実は上記3公演全て同じ16日を入手(大半はボケのせい…)、結局インバルは知人に譲り、アシュケナージは翌日へと振替手続きをして、ハーディングに参戦となりました。

6月16日(水) オペラシティ
 ダニエル・ハーディング指揮スウェーデン放響 モーツァルト ドン・ジョヴァンニ、R.シュトラウス ドン・ファン、マーラー Sym1番
 最初のモーツァルトではバルブの無いナチュラルTpを使用、連れによるとこの曲だけノンヴィヴラート奏法だったとのこと、次のRシュトラウス、オケはTp、Tbを右奥にまとめる対向配置、ハーディングはややゆっくり目のテンポをベースにいつもの滑らかな棒で微妙に揺らしつつロマンティックな表現、Hrが美しかったです。座席が1stVnがかぶるL側だったせいかもしれませんが、オケは弦がやや線が細い印象、木管はそれなりに堅実で、金管もなかなか、特にTpトップとHrトップは美音でした。
 後半はマーラー、R.シュトラウスでもそうでしたが、ハーディングは弱音をかなり抑える表現、そして細かい緩急の変化は勿論増加、第2楽章のアク強めの表現など、それなりにマーラーっぽさを演出してましたが極端なレベルでは無し、第3楽章冒頭の弦バスはソロではなくて全体で演奏する新全集版(来日オケでは初めて!)、終楽章のブラスもバランスを崩す一歩手前の鳴りでまずまずの迫力でした。アンコールは珍しくも「トリスタンとイゾルデ」"愛の死"、各動機を明確にしつつも情感豊かに歌い、特にラストは歌劇を5時間やった後の如き名残惜しさを感じさせる余韻嫋々、素晴らしい選曲でした。

 オペラシティの3階L2列は舞台左半分がブラインド、Hrや弦バス、チェロ、1stVnは見えず、ハーディングすら乗り出さないと見えない始末、よって第3楽章冒頭の弦バスが全員だったか一部だったか、Hrが起立したかどうか、補助のTp、Tbを使ったかどうか(Tbが大人しめに吹いているような音はしてた気が…)等々不明、コンマスだと思っていたらいつの間にか隣と交替してコンミスになっていた(たぶん)ことにも終わりまで気付かなかった位、ただTp,Tbはよく見えたので、終楽章中盤のミュート着脱の早業が必要なファンファーレでは、ミュート時最後の1音だけサボる、という新ワザ?を見ることが出来ました。

 終演後も熱気の残る夜の街はもう夏の夜の趣でした。明日はアシュケナージ&N響の6番です!

2010年6月4日金曜日

収束する不条理の夏 - 道尾秀介「向日葵の咲かない夏」

 今日もよく晴れて連日の夏日、週末もこれが続いて欲しいもの、ただ軽い夕立があり、気温が下がりました。

 今クールのドラマで個人的イチ押しはぶっちぎりで「トラブルマン」、期待していた「東京リトル・ラブ」はさすがにこま切れ過ぎて焦点定まらず、それを考慮したのか今週の放送は復習に終始してます。

 もっと期待外れなのは同じフジの「月の恋人」、3番煎じの主題歌といい内容といい、かなりつまらない方に属する感じ、とても今をときめく道尾秀介原作とは思えません、それでもリン・チーリンの美貌で見ちゃってますが。

 その道尾作品は自分の中では今年のテーマの一つ、ただどうしても処女作が古本で見つからず、我慢出来ずに事実上の出世作である第2作から読むことにしました。

向日葵の咲かない夏 道尾秀介
 ペットの連続惨殺事件と同級生の謎の死体消失に小学生の主人公が巻き込まれるのですが、すぐに不条理劇の如き展開になります。数々の不審な点や種々の伏線が一気に収束する終盤は凄いの一言、噂通りの傑作でした。これ以上ネタバレせずに書けそうに無いので以下はご注意下さい。
<< 本作および中西智明「消失!」、京極夏彦「姑獲鳥の夏」を未読の方は飛ばして下さい!! >>
 すぐ思い出したのは中西智明「消失!」、ただ普通の本格と思って読んでいたので見破りやすかった「消失!」と違い、本作はS君が蜘蛛に生まれ変わって喋り始めた時点で何でもあり?と思って思考停止、SFミステリーや「生ける屍の死」、そして西澤保彦の諸作の様にある特定のルールの下での論理、という見方が出来ることに気付きませんでした。また、1人称記述と3人称記述が交じっていたり、主人公の名前がミチオ(道尾)だったりする時点で本格作品における1人称記述問題がテーマであることに気付くべきで、実際著者は「姑獲鳥の夏」に影響を受けたそうです。

 「月の恋人」も最後にトンデモない仕掛けが待っていたりして。

2010年6月2日水曜日

サロネン&フィルハーモニア管の感動シベリウス2番

全仏オープン、シャラポワもキリレンコも負けてがっかりしていると、何とフェデラーまで! ま、TVで観られないからいいんですけど…。

 爽やかに晴れましたが相変わらず気温は平年より低め、未明の気温7度台は6月の値としては観測史上最低クラスです。

 夜はサロネン&フィルハーモニア管の第2夜、期待のシベ2を聴きました。ヒラリー・ハーンの影響か会場は一昨日と違いほぼ満員です(今日の方がチケット高いのに…)。

6月2日(水) サントリーホール
 エサ=ペッカ・サロネン指揮フィルハーモニア管 サロネン へリックス、チャイコフスキー Vn協奏曲、シベリウス Sym2番
 冒頭の自作は全体で大きなクレッシェンドを描く10分弱の大オーケストラ曲、現代曲にしては聴きやすいけれどメロディーを楽しめる程でも無い、といった印象。次のソリスト、ヒラリー・ハーンはあどけなさも微妙に残るクールビューティー、驚く位ゆったり弾いて独自の世界を展開、拍手に応えてアンコールを2曲も、しっとりしたイザイとバッハっぽいバッハ、前者はディエス・イレをあしらっていたので先日のパク・ヘユンのアンコールの一部だったかも。
 後半お目当てのシベリウス、一昨日もそうでしたがサロネンは緩急の差が激しく、パウゼが多めで長め、冒頭の低弦ピッツィカートをほぼ指揮せずやって驚かせた第2楽章など特に表現の振幅大きくスケール雄大、ここが白眉かと思っていたらさにあらず、終楽章では更にうねる表現、第3楽章から終楽章に移る部分および後半再現部に移る部分の尋常ならざる高揚感、コーダの金管コラール直前のケレン味たっぷりの弦のアクセントのカッコよさ、その後のコラールでの1度目は抑えて2度目に爆発する落差、そしてラスト1音の長さなどなど、最高の演出、Hrの重心の低い吹きっぷり、Tp,Tbの壮大な鳴りも一昨日以上で大満足でした。アンコールは勿論シベリウス、まず「ペレアスとメリザンド」から"メリザンドの死"を澄み切った悲痛さで、次に「カレリア」終曲をとても楽しく、更にもう1曲やる準備をしてました(たぶん悲しきワルツ)が、ここで終了。シベ2体験の数はそこそこレベルですが(年に1、2回位なのでトータル30回程度?)、過去同曲の中では間違いなく1、2を争う演奏でした。

 シベ2の最後の1音の余韻が完全に消えるまで、そしてメリザンドの死の音が消えてしばらく後にサロネンが緊張を解くまで拍手が始まらないなど、お行儀の良いお客さん達でした。隣に座っていた女性なんか、シベ2のクライマックスでは泣いてました。

 メリザンドの死でのしつこいppp表現から想像するに、秋のVPOとのマーラー9番はタイヘンなことになりそうな気がします。ま、入手は無理そうですが(笑)。

2010年5月31日月曜日

サロネン&フィルハーモニア管の中国の不思議な役人、幻想

一昨日ダルvs.鶴と勝ち目の薄い対決に勝った余勢で連勝、セは交流戦みんな負けてるので今後五分のペースで行ければ、と期待。

 チームメイト対決で波乱のトルコGPに集中していたら、肝心な部分を見逃してしまったジロの最終ステージ個人TTはしかし波乱無し、今年はチーム力の差が出たジロでした。

 朝は7度と4月並みに冷えましたが、そこそこ晴れた日中は3日振りに20度を超えて平年やや低め程度、明日からもう6月です。

 夜は上半期一番期待しているコンビ、サロネン&フィルハーモニア管、つい2演目も買ってしまいその初日、何と言っても「中国の不思議な役人」を来日オケで聴けるのが魅力、というかこの曲、好きなのにプロオケで聴くのは初めてです。

 また後半の幻想、以前にも書いた気がしますが、過去聴いた同曲で後半2楽章最高の迫力だったのはフィルハーモニア管の演奏、ただ指揮は(意外なことに)大友直人でした。

5月31日(月) サントリーホール
 エサ=ペッカ・サロネン指揮フィルハーモニア管 ムソルグスキー 禿山の一夜<原典版>、バルトーク 中国の不思議な役人、ベルリオーズ 幻想Sym
 最初の禿山の一夜は終始荒々しい原典版、実演は初めて、リムスキー=コルサコフ版より演奏が難しそうな上、要所でサロネンは更に畳み掛ける表現、次のバルトークは組曲版、静と動の対比が激しく個人的には本日の白眉、Tbがミュートからオープンへと早業が必要な部分(役人登場の辺り)では、ミュート時をかなり抑えめに、その後を思いっきり開放的に吹かせていたのが効果的、クライマックスの凶暴性もまずまず。Clソロ誘惑1回目の前半など、裸のソロの時は指揮せず自由に吹かせていました。
 初めて見るサロネンは精悍な印象、指揮はオーソドックスでシンプルなのに表情豊か、ある種のカリスマ性を感じます。オケは管が巧いのは勿論、以前印象の薄かった弦もボリュームは無い代わりVla含め各セクション均質な響き。後半の幻想はリピート無し(賛成!)、また第2楽章は初めて聴くコルネット版(これも賛成!)、しかもコルネットはわざわざClの隣まで移動してました。第3楽章の草笛Obも舞台裏(たぶん)へ移動して演奏。前半3楽章は余りうねらずストレートな表現に感じましたが、ほぼ続けて演奏した第4、5楽章は緩急激しく、ブラスの吹き方も強弱がはっきり(ディエス・イレは弱め)、最後は勿論ブラスが高らかに鳴っての大団円。アンコールはまず「悲しきワルツ」を抑揚(ppは聴こえない位)と緩急を大きくとり、次に「ローエングリン」第3幕前奏曲を馬なりに。

 まずは期待通りの充実した演奏でしたが、会場の入りが7割程度だったのが残念、「悲しきワルツ」での細かい表現から推測するに、明後日のシベ2も期待出来そうです!

2010年5月17日月曜日

やっぱり名作 - 東野圭吾選「スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎001」

 うーん、楽天さん、たかが阪神相手に岩隈とマー君をぶつけるなんて、もうイジメです(涙)。この交流戦、パのチームはエース級を巨人にだけ(中日もOKかも)ぶつけるようにローテを組み直して欲しいものです。

 夜行バスで東京に着くとその暖かさにほっと一息、更に高速バスを乗り継ぎ自宅に到着、まず留守録してあったモナコGPを観戦、シューマッハーのラスト数100mにビックリ!(やり過ぎ?)、そして午前遅くには職場復帰。

 しっかり晴れて気温は高く最高27度、北陸から戻ったばかりなので関東は暖かいなぁ、と感じましたが、実際は全国的にこの3日間上昇傾向なだけかも。 

 実家の父は本好き、ただ年で根気が無くなったのか短編しか読まないとのことなので、帰省する際はなるべく短編集を持ち帰ります。

 本日はその帰省の途で読んだ本から。日本推理作家協会が出しているアンソロジー(殆どが講談社文庫になってます)に収録された作品から更に特定の編者がチョイスした作品集の第1弾、選者は東野圭吾です。

スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎001 東野圭吾選
 ビッグネームの8作を収録、うち既読が2、3編(ボケ老人ゆえ記憶が曖昧…)、初読作品では日下圭介「緋色の記憶」の意外なトリッキーさ、連城三紀彦「ぼくを見つけて」の"らしい"内容、小杉健治「手話法廷」の人情など印象に残りましたが、やはり出色は宮部みゆきの名作「サボテンの花」、(再読なのに)冒頭からその巧さに改めて唸さらされました。巻末の東野圭吾の解説も微笑ましい楽しさです。

2010年5月13日木曜日

ノリントン&シュトゥットガルト放響の爽快エニグマ

がーん、先週留守録で収録し切れなかったヴァント&ベルリンドイツ響のライブ盤(ブルックナー5番、9番など)、昨夜の再放送をうっかり忘れて再度失敗してしまいました。

 その代わり、逃したと思っていたカリコマのテレ朝デビュー、実は昨夜の「学生ヒーローズ」でやっており、きっちり収録出来てハッピー。

 爽やかな晴れ、ただ気温は平年よりやや低め、春というより秋の空気感でした。昨日ひいた風邪の症状は今日辺りがピーク、咳が止まらず夜のコンサートでは難儀しました。

 聴いたのはノリントン率いるシュトゥットガルト放響、6年程前にこのコンビでマーラー1番を聴いてます(2004/12/30の記事参照)が、ノリントンはおもろいオッサンという印象、またシュトゥットガルト放響はチェリで聴いた時に比べると弦セクションが伸びに欠け音程が悪くなった印象でしたが、思い返せばそれはノンヴィヴラート奏法のせいだった気がします。

5月13日(木) サントリーホール
 サー・ロジャー・ノリントン指揮シュトゥットガルト放送響 ハイドン Sym1番、ブラームス Vn協、エルガー エニグマ変奏曲
 最初のハイドンは弦(たった9本!)がほぼ起立し輪になってノリントンを囲み、その背後に管が5人並ぶ極小編成、すっきりサウンドでした。次のブラームスのソリストはまだ10代で愛らしいパク・ヘユン、拍手に応えディエス・イレをモチーフとしたイザイの曲をアンコール。
 曲想によって棒の有無を使い分けるノリントン、後半エルガーでは指揮棒を使用し、各変奏の表情の描き分けが巧みでした。対向配置で最後列に弦バスがずらっと並んだオケ、若そうなコンミス(!)率いる弦はノンヴィヴラート奏法に慣れたのか、前回の来日時に比べると透明感と伸びを併せ持つ個性的な響きを確立、中盤のヤマ場ニムロッドではかつて聴いたことの無い独特のサウンドで盛り上がりました。また終曲の1つ手前での精妙な表現(指で叩くティンパニ!)も印象的、そしてラストの見事に決まったサウンドも最高、爽快なブラスはまるでイギリスオケの様でした。アンコールはまず前回と同じローエングリン第3幕前奏曲を中間部は表情たっぷり、両端部は激しく奏し、次にウォルトンの短くて陽気な曲を奔放に。

 チケット価格は安めなのに、やや癖のある招聘元のせいか会場は6-7割程度の入り、とてもいい演奏会だったのに勿体無いです。

2010年5月6日木曜日

将軍登場、ミステリー度低めの第4作 - 海堂尊「ジェネラル・ルージュの凱旋」

 数日前から日没後の西の空には久々に金星が輝き、地ではミミズの鳴き声がジージーと(ミミズは鳴きません)賑やかです。

 今夜から下り坂だそうですが、今日も晴れて気温も昨日同様28度弱と夏を思わせる陽気、これでゴールデンウィークはずっと晴れた訳で、やはりずっと晴れていたのに5月5日に降ってしまった昨年のGWでも書いた(2009/5/4)ので覚えているのですが、晴れっぱなしのGWは史上初めてレベルだと思います(←東京では25年振りとのこと、何か昨年のニュースと話が違う気も)。

 原作が未読ミステリーの場合、映像化作品は極力観ないことにしてるので、今クールは「新参者」「ジェネラル・ルージュの凱旋」「臨場2」など録っただけで観ない"積ん録"テープが溜まる一方です。

 「ジェネラル・ルージュ」はとっくに文庫化されているので読める範囲内、ただ大した分量じゃないのに上下巻にして出す商法が納得行かず、「1冊100円でしか買わないぞっ!」と頑張っているせいで下巻しか手元に無し、だんだん空きテープに余裕が無くなって、先日遂に堪え切れずの通常価(古本なので半額程度)で上巻を購入、即読むことに。

 シリーズ第3作「螺鈿迷宮」も未読ながら番外編的内容らしいので飛ばして読んでもOKと判断、しかも本作は「ナイチンゲールの沈黙」と時系列的には並行して起きる事件とのことなので、「ナイチンゲール」を忘れないうちに読む方が得策かと。ただこの同時進行の趣向は森博嗣の作品にもありましたが、本作と「ナイチンゲール」の場合、趣向と言うより、元は1つだった物語を編集者に唆されて2つに分割した、と言った趣、つまり1冊の本を各上下巻4分冊にして売っている勘定です。

ジェネラル・ルージュの凱旋 海堂尊
 ジェネラルと渾名される救命救急センター部長に起きた収賄疑惑に「チーム・バチスタの栄光」のコンビが挑みます。内容的にミステリー度低め、と言うか既にミステリー部分は放棄し医療エンターテイメントに徹した内容、これが今後の行き方なのか、はたまた「ナイチンゲール」と2つに分けた影響なのかは分かりません。

 3作読んでみて、著者の狙いはミステリーよりもAI(オートプシー・イメージング)や救急医療、ドクター・ヘリなど現在の医療の抱える問題について現場から訴えることの方が主眼らしいことが判ってきました。

 明日はバシュメット率いる新ロシア国立響です!

2010年5月4日火曜日

朝のマーラー - 小柳英之&モーニングフィルハーモニー管弦楽団の9番

朝っぱらからマーラー9番を1発オケで聴きました、なかなか素晴らしい演奏でした。

 今日はこの後予定目白押しなので昨夜の感想と同様、詳細は後日。

<続き>
 翌日夜に続きを書いてます。この日は午前コンサート、午後テニスと通常の逆パターン、その後宴会があって帰りは深夜でした。

 晴れ具合はここ数日より甘かった割には気温は更に上昇して夏日に、午後のテニスで喉が乾く感じが心地良かったです。

 早起きして東京に出て聴いたのはその名もモーニングフィル(笑)という1発オケ、難曲の一発オケはその曲を弾けることが参加の最低条件ゆえ、レベルが高くなりがちで、2004年夏に聴いたやはり9番の1発オケ(オーケストラ・エレガンテだったか、"びゅーてぃふる"のくりようかん嬢が乗っていた)も素晴らしい演奏でした。よって期待して臨みました。

5月4日(火・祝) 杉並公会堂
 小柳英之指揮モーニングフィルハーモニー管弦楽団 マーラー Sym9番
対向配置のオケは期待通り管を中心にレベルが高く、弦もまずまずの音程で少ない本数の割には低音が効いてます。小柳氏のシンプルな棒の下、レベルの高い充実した演奏が聴けました。特にアシ無し3本ずつだったTpとTbが素晴らしい鳴りで最高、最後の黙祷も5秒前後と虚飾無し。
 
 今年9番は3度目ですが、1番心に残る演奏でした。ただ挟み込みチラシによる宣伝も無く、webでも情報はコンサートスクエアにこそあれフロイデには載っておらず、しかも午前中とあって無料ながらお客さんは少なく演奏者の数と大差無い程、素晴らしい演奏なのに本当に勿体無いです。

2010年5月1日土曜日

五月晴れのマーラー - 齊藤栄一&水星交響楽団の3番

 昨夜もいいところで中継が終わった阪神vs.巨人、まずは先勝したようで、めでたし、めでたし。

 また日本では滅多に見られない1流対決だった長谷川vs.モンティエル、穂積のスピードが上回ると思ってましたがモンティエルのアヤシイ強さにも納得。

 今夜はこれからアマオケでマーラーの3番、例によってまずは記事のみにて。

<続き>
 翌日に書いてます。5月最初の日に相応しく五月晴れ、気温は平年よりやや高め程度ですが、4月が低かったせいかかなり暖かく感じて、冬用のオーバーは却下しました。

 午前中は久我山で練習、靴下を忘れてコンビニで散財(普通は100円)、夜のコンサートまで時間があるからどこかで電波を拾って映画でもダウンロードするか、と思ってましたが、留守録セットしたDATテープ(中古)の誤消去防止用シャッターをまたも閉め忘れたのを思い出し、泣く泣く片道2時間掛けて家に戻って再セット、またすぐに上野に出てコンサート、とボケ老人度の高かった1日。

 夜聴いたのは年末恒例の9番(その際は"国立マーラー樂友協会"として活動)を始めとして、マーラーをよく採り上げてくれるアマオケ、3番を聴くのはこのふた月で3度目になります。

5月1日(土) 東京文化会館
 齊藤栄一指揮水星交響楽団 マーラー Sym3番
第3楽章の後に女声合唱と児童合唱(共に4-50人)が後方の雛壇に、アルトが前に位置するスタイル、ポストホルンソロは通常のTp(たぶん)、齊藤氏の標準的テンポの棒の下、最後までまずまずのサウンドを聴かせてくれました。第1楽章クライマックスでブラスがベルアップして音量が更に増した箇所が個人的な白眉、終楽章は息切れしましたが本隊の1stTpがいい音で、Tbソロは豪快系でした。

2010年4月29日木曜日

女性監督描く衝撃系ひと夏の体験 - 処女 "Fat Girl"

 阪神、いまだ2位を堅持してます。

 まずまず晴れて日中ほぼ20度超と高め、平年より高くなったのは何と先日の夏日(2010/4/21)以来9日振り、真冬用のオーバーではさすがに少し暑かったです。

 先日応援に行った(2010/4/25)後輩の団体戦が日没になっても決着付かずサスペンドになっており、本日その続きが、アツイ状況なので自分の練習をキャンセルしてまた応援に、でも負けてしまいました(涙)。

 女性の視点から性にまつわる問題をエグく描くことで知られるカトリーヌ・ブレイヤ監督、1度も観たことなかったのですが、かねてから興味は津々、先日ネットで彼女の作品を3本拾ったのでまず1番軽そうなものから観てみました。

 邦題は扇情的ですが原題は"A ma soeur!"(妹へ!とかそんな意味?)、英題は"Fat Girl"です。

処女 <'01 フランス/イタリア>
 器量良しの姉と不器量な妹、性に対する考えも正反対な2人に訪れるひと夏の体験もの、妹役(素人!)の存在感、姉役の美しい肢体、ねっとり長回しするベッドシーン、そして出演者自らが運転する車の映像のもたらす不安感が印象に残り、結末には唖然。

 英語字幕版だったので半分近くセリフをフォロー出来てません(涙)が、86分一気に楽しめました。

2010年4月26日月曜日

巧妙にしてリーダビリティ高い処女作 - 湊かなえ「告白」

 NBAプレーオフ、レイカーズがまさかの連敗でタイに持ち込まれて個人的にビビッてます。

 あと吉田の引退興行にエンセン井上の名前を発見してビックリ! 麻薬所持で有罪になって選手生命終わったと思ってたのに、更生して?頑張ってるようです。

 本日もよく晴れて最高気温は更に上昇し19度とポカポカ感あり、ただこれでも平年より低め(平年値は20度)、また午後は風が出てきて体感温度は下がりました。

 近所のツツジも本格的に咲くようになりましたが、同じ並びの植え込みなのに、ある樹は満開で隣の樹は蕾すら見かけない、と例年より開花時期の個体差が大きい気がします。

 本日は昨日読んだ本から、新人の処女作なのに'08年の「このミス」4位に輝いた作品、知人に薦められた作でもあり、映画化のお蔭かビックリするくらいに早い文庫化に狂喜し即定価購入、後輩の応援の往き返りに一気に読めました。

告白 湊かなえ 
 中学校で起きた変死事件とその余波がリレー形式の1人称で語られます。第1章だけを単独作品と考えた方が伏線の収束度などミステリーとしての完成度は高いと思います(たぶんこの章を起点として長編へと拡げたと思われます)が、その後の展開と最後のオチの付け方もなかなかのもの。少年犯罪などテーマ性もそれなりにありますが、何より処女作とは思えない手馴れた筆致による読みやすさが最大の特色です。

 1人称の"告白"ってことで、読む前はニコラス・ブレイク「野獣死すべし」法月綸太郎「頼子のために」の系譜に連なる作品だろう、と警戒しつつ読み進めましたがやや勘違い、寧ろ同じ事象が多面的に見える点は貫井徳郎「プリズム」を思い出しました。

2010年4月23日金曜日

金&神奈川フィルの3番

 今夜はこれから金聖響&神奈川フィルでマーラー3番、彼の振るマーラーを初めて聴いたのは8年程前、京大オケの引越し公演の6番で、その緊張感漲る演奏は同曲屈指の体験でした。ところがそのすぐ後に聴いた都響との5番は「笛吹けど踊らず」的イマイチな演奏、それ以降聴いてません。少しは偉くなってオケも付いてくる今はどうでしょう。

<続き>
 朝起きるとやや風邪の症状、コタツで寝たせいか(珍しくないけど)、微熱と軽い頭痛は終日継続、この日は雨交じりの曇り、昼でも10度に届かない寒い日でした。5日間掛かってやっと週末増加分1kgの半分しか減量出来ません。

 午前中にゲルギー&LSOの5番やルイージ&PMFの先行発売があり、仕事をそっと抜け出してトライ、でも最安席は一瞬で売り切れでした、残念。

 神奈川フィルを聴くのは2度目、とは言っても1度目は美人ピアニスト(メジューエワ)を見に行っただけ(笑)、でも何となくしっかりしたアンサンブルだった印象があります。

 またこの夜のコンビは2年続くマーラーイヤーでチクルスをやるとか、その最初に3番を持ってくるなんて変わってます、嬉しいけど。

4月23日(金) みなとみらいホール
 金聖響&神奈川フィル マーラー Sym3番
オケは対向配置でHrは9本、アルトはオケの中央やや後方、女声合唱(8-90名)はオケの後方に最初からスタンバイ、そして児童合唱(4-50名)は第3楽章コーダでPブロック後方オルガン前に登場、金のテンポは中庸かやや速めでアクも薄め、ただ棒はとても滑らかで表情豊か、ちょっとハーディングを思わせます。ただその棒の表情の半分位しか音になって無い感じ、それでも第2楽章のチャーミングな歌い回しが一番印象的でした。オケでは第1楽章のティンパニのキップの良い叩きっぷりが印象的、全体では機能性や音の厚みなど在京メジャーと比べるとやや見劣りはしますが、最後までまずまずのサウンドを聴かせてくれました。ただ、最後の1音は空にすーっと消えてゆく様な終え方を狙っていた感じでしたが、フライング拍手する人によってその意図は阻まれていました。

 ホストホルンソロはTpっぽい音色でしたが、カーテンコールでは本物のポストホルンを持参して登場、最近そのパターンが多く、楽器が発達したのか、もしかしてギャグ(ネタ)なのかよく分かりません、前者だと思いたいですが…。

 家に帰ってドゥダメル&エーテボリ響ライブの留守録をチェックすると1ミリ(秒)も録音されておらずショック死しそうになりました。友人に貰ったDATテープ、誤消去防止用のツメを折ってある(実際はシャッター)のに気付いてなかった…(涙)。

2010年4月10日土曜日

ブロムシュテット&N響のマーラー9番

 ううぅ、阪神あっという間に借金生活…。

 昨夜スタートの「警部補 矢部謙三」と「トラブルマン」、前者は音楽など予想以上に「トリック」を踏襲している点が楽しく、後者は読めない展開がフジの「演技者」を思い出させます。

 薄曇りながら20度を突破するまずまずの陽気、東京に遅れること1週間、南茨城の桜も満開です。

 午前中は有明でテニス、有明テニスの森の桜はかなり散ってましたが、それでも大分残っており、お花見気分で練習出来ました。

 夕方は鬼門のNHKホールでブロムシュテットのマーラー、彼のマーラーを聴くのは初めてかもしれません。その前に渋谷タワレコのインストアイベントでフルートを聴いたのですが、まあ、それはまた別記事で。

4月10日(土) NHKホール  ヘルベルト・ブロムシュテット&NHK交響楽団 マーラー Sym9番 オケは対向配置、ブロムシュテットは予想通り冒頭から特に勿体ぶること無くサクサクと進行、要所ではそれなりに激しい表現も、第1楽章でのピッツィカート強めの音作りと、第2楽章でのHrの奔放な吹かせっぷり(諧謔味の強調?)が印象的、一見インテンポ風ながらそこそこテンポは動くので、棒を使わず振った終楽章(他楽章は未確認)など少し合わせにくそう、ただその終楽章で弦の旋律を低弦中心に隈取り強めにした表現が一番個性的だったかも、全体的に弦は分厚くHrがよく鳴り、クライマックスではTp、Tbもそこそこ爆発(ただ巨大ホール外野席ゆえ全て推定)、粘らず粛々と進んだ終結部、音が消えてからの黙祷は10秒間と適度な長さでした。

 その後に合流した後輩のコンパではあのカリコマのメンバーも1名参加してました(笑)。

2010年4月7日水曜日

女性上位の24

 今夜もさっきまで一時帰宅して阪神の応援してたんですが、延長ナイター中継は無く試合途中で放送終了(涙)、ま、負けかけ3分前だったからいいんですけど、喪章に弔意と敬意を表して。

 それよりその後に「臨場」の第2シーズンがスタート? で、でも原作は前回でほぼ使い切った筈なんですが…。オリジナルストーリーなら観ても問題ないんですが、単行本化されていない未読エピソードを元にしてるのなら、避けたほうが無難か…。

 予報通り晴天は2日と続かず、午後からは雨、気温も昨日の暖気の残る早朝の13度をピークとして下がる一方、午後はずっと一桁でした。

 本日はこの数ヶ月深夜に観ていた「24」最新シーズンから、途中見逃した回はニコ動やPandoraなどで補完しつつ完投、ブリッジストーリー「リデンプション」を含めると26時間の長丁場でした。

24 第7シーズン <'09 米>
 今回はワシントンD.C.を舞台にテロが起こり、訳あってジャックも巻き込まれる形、懐かしい顔も出てきます。大統領や捜査官など女性キャラが主導権を握るあたりが新味か、ジャックの絶体絶命度は過去最高に近いレベル、そして小ネタサプライズ少なめながら大きなサプライズは用意されてます。でも一番のビックリは終わり方、えっ!って感じ、シーズン8に続く…。

 今夜もC.リーグの中継がありますね、また同じカード(涙)だけど。そして同時間帯にはおねマスの後番組?ちょいマス(ちょいとマスカット!)も始まります!

2010年4月4日日曜日

前プロ充実のマーラー - 金山&オーケストラ・ディマンシュの舞踏組曲、マーラー5番

昨夜のK1、京太郎がアーツに完勝したのにはビックリ! あと阪神ハイペースで貯金を消費しています(涙)。

 ほぼ曇りで日中かろうじて10度に達した程度とかなり低め、昨日と同様、午前テニス、午後コンサートと休日基本パターン、気が付けばこの1週間以上花粉症の症状が出ておらず、ヨーグルト効果かも、と思い始めていました。

 が、この2日間、練習場所の久我山に行くと必ず目が痒くなり鼻水ダラダラ、何のことはない、単に季節柄近所のアレルゲンの量が減っただけのよう。

 午後聴いたのはアマオケのマーラー5番、実は同じ時間帯にエッティンガー&東フィルの2番があり、知人から譲って貰える状況だったのですが、迷った挙句アマオケを選択、決め手は以下の2点:

・エッティンガーの方は知人が何人も参戦するので後で感想が聞ける。
・アマオケの前プロがバルトーク「舞踏組曲」である。

 特に後者が最大のポイント、「舞踏組曲」(又は「舞踊組曲」)は中学校の時にLPでブーレーズ&NYPのシャープな演奏を聴いて以来の大好物、なのに実演では1度くらいしか聴いたことがないから。

 練習を早めに上がってお昼過ぎには錦糸町に到着、スカイツリーは見る度に高くなってます。

4月4日(日) すみだトリフォニー
 金山隆夫指揮オーケストラ・ディマンシュ バルトーク 舞踏組曲、マーラー Sym5番
オケは対向配置で左奥に弦バスを、その対称の右端に金管を配するレニングラードフィル方式、前半のバルトークでは緩急のあるダイナミックな表現が楽しめました。後半のマーラーは新版による演奏、第3楽章のHrソロは(舞台前ではなくて)後方(雛壇最上段)へ移動し起って演奏、なかなかの音色でした。金山氏のアクの無い棒の下、この曲はやや荷が重かったかも、と思わせる部分もありましたが、最後はブラスがしっかり鳴り、ティンパニが大暴れしての大団円。アンコールは無し。

2010年4月2日金曜日

パルジファル急遽参戦 - シルマー&N響

春の嵐をもたらした低気圧の影響か、昨日の試合が中止になったお蔭でまたも単独首位!

 急遽「パルジファル」に参戦することになり、現在第1幕(長かった)後の休憩中、まだ先は長いし、帰ったらタモリ倶楽部の空耳アワード(総集編)やドゥダメルのロスフィル就任記念演奏会もある(どっちを録画するか迷うところ)ので、この続きはまた明晩。

 因みに明日は外来ユースオケでシベリウスの2番です!

<続き>
 翌日にこれを書いてます。深夜家に戻ったらかろうじて空耳には間に合いましたが、ドゥダメル&ロスフィルは「巨人」の第3楽章になってました(涙)。

 この前夜にフジでC.リーグ準々決勝(でもまた日本人がらみのカード)を放送しててビックリ! 地上波放映権は日テレに完全に移ったんじゃなかったの?

 この日は春の嵐がもたらした熱風で朝方に20度超を記録、後は下がる一方で雨まで降りだした午後には10度を割ってました。

 東京・春・音楽祭の「パルジファル」演奏会形式、最安券が手に入らず諦めていたんですが、当日の開演2時間ちょっと前になってネット掲示板に「余っている招待券を無料で」の投稿が!

 即攻飛びついて1枚GET、時折しも研究室ではお茶とおやつの時間、「急にチケット取れたんで」と大手を振って出てきましたが、カタギの社会人なら無理でしょう(笑)。

 遠方ゆえ着替える時間も無く作業ズボンと寝巻き同然の上着で電車に飛び乗り文化会館に着いたのは開演10分前、本当にSかA相当の招待席を無料でいただいてしまいました。ホント有難うございます!

 この音楽祭、以前"東京のオペラの森"と題していたもの発展形?なので、臨時編成の音楽祭オケを聴きたいところですが、N響のワーグナーと言えば「トーキョーリング」後半にピットに入ってメルクルの棒で聴かせた「黄昏」での格違いのド迫力を鮮烈に覚えているだけに、その意味で期待が膨らみます。

4月2日(金) 東京文化会館
 ウルフ・シルマー指揮NKH交響楽団 ワーグナー パルジファル (演奏会形式)
コンマスは見慣れない外人さん、演奏会形式ですが独唱者や合唱がストーリーに合わせて出入りし、舞台裏から合唱が聴こえることも、シルマーは棒も表現もクセの無い感じ、合唱のオペラシンガーズはさすがの迫力、N響も弦はさすがの均質な響き、また聖金曜日の音楽でのTbが豪快、ただ全体的には新国「黄昏」で聴いた程の圧倒的な迫力は感じませんでした。席位置が舞台に近かった(1階R最前列付近)せいかも。歌手ではクンドリ役のミヒャエラ・シュスターが迫力、脇役の歌手達は第3幕では合唱に加わっていた模様。N響にしてはちょっと粗い部分もあったので、4日はもっと良くなるのでは。

 「パルジファル」は例年バイロイトの中継をFMで斜め聴きするくらい、全3幕とも状況説明のセリフ(歌)の部分が意外と多く、歌手に興味の無い自分にとっては、演奏会形式だと第1幕前半など少々辛い部分がありました。(第1幕だけでマーラー3番と同じ長さ!)

 字幕付きで聴いて、童貞を奪おうとする話だということを初めて知りました(笑)。

2010年3月30日火曜日

インバル&都響、終楽章の3番

 昨夜久々に晴れた夜空ではいつの間にか円くなったお月さんが望め、朝は予報通りマイナス3度の冷え込み、久々に霜柱や水溜りの氷を踏み割っての出勤でした。

 昼前に会議があって学会と職場片道自転車30分を2往復、道中にいくつかある桜並木、一昨日は気配も無かったのに、よーく見るとこの2日間で僅かに咲き始めています。

 日中はよく晴れてギリギリ10度に届きましたが、何となく寒く感じました。学会最終日は早めに終わり明るい内にサントリーホールへ、アーククヒルズ西側にある坂道の桜はもうほぼ満開でした。

 聴いたのはインバルの3番、彼の振るマーラーは内外のオケでかなり聴いてますが、3番は初めてなのでとても楽しみ。

3月30日(火) サントリーホール
 エリアフ・インバル指揮都響 マーラー Sym3番
Pブロック前2列に少年少女合唱約60人、その後方3列に女声合唱約50人を配置、9本揃えたHrが冒頭から雄渾に咆哮した第1楽章、インバルはたまにしか粘らず全体的にテンポ速めで時にオケが着いて来ない程(特にコンミスソロは本人が弾きたい速度との齟齬大)、弱音部の大太鼓がかなり強め、Tbソロはまずまず、片方のティンパニの音程が悪かったのが残念。第2楽章はやや細かめの表現、第3楽章のポストホルンソロは本当にポストホルンを使った(カーテンコール時に見せてました)のなら見事。
 この後(予定通りなのか)インバルは中座してオケはチューニング、3分以上間があってソリスト(児童合唱の真ん中へ)とともにインバルが戻り再開、Obソロがグリッサンドっぽくないスラーだった第4楽章は明るめの響き、第5楽章は女声合唱を上回る児童合唱の声量(普通は負ける)が印象的、そして終楽章、やや速めのテンポながら、弦の旋律を中心にそれまでの不満を払拭するベタな表現、棒が曖昧になって乱れる部分もありましたが、これだけ粘る終楽章を聴くのは久し振り、コーダへ向けてのppの金管コラールで不安定な入りだった割にはハイトーンを柔らかく奏したTpはクライマックスの吹きっぷりもかなりのもの、最強音のスケール感はそこそこ程度でしたが、まずまずの大団円、終わりよければ全てよし?

 マーラー慣れ&インバル慣れしている都響にしては完成度が低かった(ブル8と間が狭過ぎ?)ので、明日はもっと良くなると思います。

 終演後の帰り道、ANAホテル脇の桜坂?の桜も見事に咲いてました。今夜もお月さんが綺麗なので、そこそこ冷え込みそうです。

2010年3月26日金曜日

ミスターS任期満了、有終のブルックナー8番 - スクロヴァチェフスキ&読響

うーむ、フィギュアの世界選手権男子フリー、ショートを留守録で観た際、「フリーは生放送で」とのコメントがあったのですがTV誌の番組表には無く、昨夜は「24」「マノスパイ」と観たこともあり3時半過ぎまで8chをチェックしたのですが始まる気配無く就寝、その後の早朝ワイドの時間帯に生放送したとは痛恨でした。ま、男子だから残念度は低めですが。

 2日前の夜から雨は予報より遅く夜半まで降り続き、これで(たぶん)50時間以上やまなかった訳で、それなりに珍しいかも。その雨も早朝にはあがりましたが雲が多かった一日、しかも予報に反し夕方にはまたも雨、気温は最高10度と平年より低めながら昨日寒かったせいか暖かく感じました。

 夜は昨日に続きブルックナー8番、今夜は馴染みのある版(ノヴァーク版第2稿?)で、振るのはこの3月で読響を去るスクロヴァチェフスキ、ブル初心者の割にはこのコンビではよく聴いており、7番4番5番9番ときました。

3月26日(金) サントリーホール
 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮読売日響 ブルックナー Sym8番
昨日と同様がHrが9本も!(但し今日は4本のワーグナーチューバはまめにHrに持ち替えてました)、そしてハープも3本!(ただ存在感は2本だった昨日の方があり)、ワーグナーチューバとチューバを並べたせいか、Tbの右にTpがくるVPO風の配置。ミスターSの音作りはこれまでと同様フレーズ毎に強弱を大きめに付け、楽器間のバランスも時に個性的、ブラスの鳴りは9番の時よりは抑え目で5番の時に近い印象、それでも弦と併せ要所では豊麗な響きでした。ほどほどの情感を込めて歌い上げた第3楽章が美しく、息づく様に強弱を繰り返して進む終楽章、fとffを使い分けた感じだったコーダの仕上げ、任期最後のラスト3音「タタタン」がインテンポ?で速かったのにはビックリでした。

 さすがにミスターSお別れ公演ともなると今日のお客さんもお行儀が良く、拍手が起きたのは最後の余韻が完全に消えてからでした。

 ブル8尽くしの仕上げは家に帰ると待っていた、留守録されたネゼ=セガンの同曲でした。

2010年3月25日木曜日

インバル&都響のブルックナー8番第1稿


 TBS深夜帯特番の「記憶の海」、主演の娘はぱっとしない印象ですが、昨夜のみ登場した教授の娘役は妙に可愛かったです。

 昨日に続き終日の雨、気温も朝以降少し上がったとは言え4、5度台と低め安定、予報に反し深夜12時を過ぎても降り続いています。

 今日から数日首都圏ではインバル&都響、スクロヴァチェフスキ&読響、そしてティーレマン&ミュンヘンフィルとブルックナー8番のそろい踏み、しかもそれぞれ版が違うらしいです。

 ティーレマンは学会発表と重なり断念(本当はチケット代高過ぎて手が出ず)しましたが、国産オケ2種は何とか入手、まずは今夜のインバル&都響、ノヴァーク番第1稿による演奏とのことです。

3月25日(木) 東京文化会館
 エリアフ・インバル指揮都響 ブルックナー Sym8番
まず目を惹いたのが9本もいたHr族、うち4本のワーグナーチューバはほぼ専業、Hrに持ち替えたのはほんの一時でした。第1楽章にffのコーダがあるなどブルックナー未熟者の自分でもビックリする程聴き慣れた版との違いが多かったです。インバルはリズムパート中心にメリハリある音作り、ブラスの開放度は昨秋同コンビの5番より低めの印象で、強奏部でも柔らかめの響きでした。コーダへ向けてppから盛り上がる部分で、(普通の)チューバが一瞬抜群の存在感を示したところが印象的。

 今日のお客さんもお行儀が良く(笑)、最後の一音の余韻が消えるまで拍手は起きませんでした。

 明日はミスターSと読響の同曲です!

2010年3月20日土曜日

児玉&大阪シンフォニカーのグラズノフ5番

 昨夜のキャンナイ最終夜、お約束の卒業証書授与があり、渡す順番が人気順じゃなくてアイウエオ順だったのが粋でした。

 そのキャンナイ(と裏のC.リーグダイジェスト)に集中する余り、同時間帯のCS-PCMの録音(オラモのマーラーやクレンペラーのブルックナー)を完全に失念(涙)。ま、単なるCD音源なので、いいと言えばいいんですけれど。

 朝からよく晴れて気温はぐんぐん上昇し、関東各地で予報通りの20度超、地元でも最高22度弱と今年最高、朝はやや冷え込んだので日較差も20度とかなり大きめ。

 午前テニス、午後コンサートと典型的休日、ただテニスの調子は最悪、そして今日は特に花粉症の症状が強く終日鼻水ダラダラとコンサートには不向きの体調でした。

 午後聴いたのは例年この時期開催の地方都市オーケストラフェス、特別参加の大阪シンフォニカーです。このオケ、京都に住んでいた頃に1度ザンデルリンク(息子の方)で聴いていますが、堅実にまとまっていて大フィルや京都市響よりいい印象を持ったと記憶しています。

 ま、実際のところ当時関西にはコレ!というプロオケは無くて、1番印象に残ったオケは京都市立芸大のオケだったりするのですが。

 またメインのグラズノフ5番は昨年のアマオケの豪演が印象に残っているためプロで聴いてみたかったこともあっての参戦です。

3月20日(土) すみだトリフォニー
 児玉宏指揮大阪シンフォニカー響 ウォルトン バレエ組曲「賢い乙女たち」、R.シュトラウス クープランのクラヴサン曲による小管弦楽のためのディヴェルティメント、グラズノフ Sym5番
 最初のウォルトンはバッハの曲ベースだけに落ち着いた曲想、それでも盛り上がる部分ではブラスが重厚に鳴ってました。続くR.シュトラウスはもろバロック調、どちらも30分くらいあって途中で1、2度意識を失いました。久々に聴く大阪シンフォニカーは少し演奏精度が落ちた気がした反面、音の厚みが増した感があります。後半お目当てのグラズノフでは音楽監督の児玉氏はブラスを突出させずバランスを取った範囲内ながら、まずまず骨太で豪快なサウンドを聴かせてくれました。アンコールは無し。

 グラズノフ5番の終楽章って、ラフマニノフ「交響的舞曲」の終楽章に似ているなー、と感じました。

 家に戻ると何故か「ブラッディ・マンデイ」最終回が留守録されてません(涙)、どうやら午前と午後を間違えて予約したらしい…、さすがはボケ老人。

2010年3月7日日曜日

重なる5番 - 末廣誠&都民交響楽団のマーラー5番

昨夜のテレ朝新人シナリオ大賞「臨月の娘」は不審に感じた点が実は結末への伏線、という構成に唸らされ、寝呆けながら観ていたことを後悔、ま、昨年の「ゴーストタウンの花」と同様、再放送をチェックします。

 量は少なめながら昨日からずーっと雨は降り続き、午前のテニスはまた中止、これで3週連続して週末は雨(涙)。昨日の暖気の残りで夜半に8度近くあった気温は朝を過ぎても下がり続け、昼過ぎは4度台、夕方は3度台、夜になって更に下がってます。

 昨日から症状が強く出ている花粉症(らしきもの)の影響か、朝起きると喉まで痛く、日中は鼻水タラタラとコンサートには不向き、今は目が痒いです。

 朝はゆっくりして、午後はアマオケ、留守録のためFM番組表をチェックすると、何と地震で潰されたギーレンのブルックナー1、9番が午後再放送されます、有難うNHK!

 それをセットしてアマオケへ、ただ、全く同じ時間にマーラー5番とブルックナー5番が重なっていて痛恨。勿論マーラー協会員としてはマーラーを選択すべき、ですが貴重度から言えばアマオケが余り手を出さないブルックナー5番、しかもアマオケによるブル5がプロの同曲を抑えて昨年マイベストに入っているだけに迷いました。

 が、やはりマーラーを選んで上野へ、と言うのもこちらのオケ、所謂市民オケの中では自分の知る限り1番上手で、弦の音程を余り気にせず聴ける唯一の市民オケ(都民ですが)と言える存在なんです。

3月7日(日) 東京文化会館
 末廣誠指揮都民交響楽団 ハイドン Sym104番、マーラー Sym5番
オケは先日のロイヤル・ストックホルム・フィルと同じタイプの対向配置、気付いてなかっただけでこのタイプの対向配置(1stVnと2ndVnの間に左がVla、右がチェロと弦バス)も珍しくないのかも。マーラーでのTpソロはぼちぼち、Hrソロは男女2人で分担しどちらも上手、特に第3楽章担当の女性の色気たっぷりの音色とヴィヴラートがGOOD、末廣氏のクセの無い棒の下、オケは安定した演奏、特に第4楽章弦の澄み切った響きが印象的、終楽章クライマックスで弦がブラスに負けずに聴こえるffもさすがで、立派な演奏ではありました。が、これだけ上手なら+αの何かが欲しいなあ、と贅沢な感想も。

 今年も末廣氏自らが筆を執るパンフの曲目"快"説の饒舌は最高でした。

 このオケ、往復葉書で申し込み、抽選で招待葉書が貰える、というスタイル、午後2時開演で座席券との引き換えが12時スタート、時間に余裕があったので「良い席はお早めに」と12時10分(開演2時間近く前!)に行ったのに、3階Rの端っこの方、一方開演20分前に到着した知人は5階ながらセンターブロック、げ、解せません。

2010年3月4日木曜日

オラモと王立オケのマーラー1番

1日で寒い日に逆戻り、今夜はこれからオラモ&ロイヤルストックホルムフィルの「巨人」、例によって記事のみにて、感想はまた明日。

<続き>
 翌日にこれを書いてます。この日は曇りで日中は10度に届かず、夜になって本格的な雨となりました。

 オラモの振るマーラーは初めて、ただレナルト&東フィルの8番と重なったのが痛恨、何故滅多にやらない「千人」をよりによって外来オケのマーラーの日にやるんでしょうか。

3月4日(木) サントリーホール
 サカリ・オラモ指揮ロイヤル・ストックホルム・フィル マーティンソン オープン・マインド、ブルッフ Vn協奏曲1番、マーラー Sym1番
 最初は聴きやすい現代曲で、のっけから大編成オケはかなりの迫力、次のブルッフ、これを聴く度「アルプスSymの元ネタ?」と思っちゃいますが、「ばらの騎士」もここから丸パクリしてることに初めて気付きました、R.シュトラウスってお茶目? いつも音程の正確なソリスト諏訪内晶子は前回に続きアンコール、本日もバッハのしみじみ系の曲でした。
 後半はマーラー、ここで気付いたんですがオケは通常と2ndVnとヴィオラが入れ替わっただけの対向配置、着実なブラス、よく揃った弦、ニュートラルな響きの木管など、スケール小さめながらまとまっています。美しい1stTpはほぼ神、第3楽章での上手な弦バスソロは女性! 続くチューバソロもやや神でした。マーラーっぽさは少なめながら独特のタメや速い部分を煽ってどんどん速くする傾向などオラモ節はたっぷり、終楽章後半で第1楽章を回顧する部分を表情たっぷりにやったのが印象的、7本のHr&補助のTb、Tpはチョンの時と同じでタイミングを遅らせての起立、1曲目から想像した程ブラスは爆発しませんでしたが、まずまずの大団円。アンコールはまず「ロザムンデ」から小ぶりなバレエ曲を抑揚たっぷりと、続いて何と唱歌「花」(はーるのーうらーらーの)をオケ全体で。

 終楽章中盤、ミュート着脱の早業が必要な弱音ファンファーレの箇所では、昨秋のシャイー&ゲヴァントハウス管と同様、ミュートを省略してました。

 初めて聴いたロイヤル・ストックホルム・フィルはなかなかいいオケでした。フィンランド放響(2005/10/212007/2/15)など、オラモが連れてくる北欧のオケはどこもいい味です。

2010年2月27日土曜日

最後の仕事? - ルパン三世 the Last Job

 雨は朝まで残り練習は早々とキャンセル、深夜零時に14度あった気温は朝から昼にかけても下がり続け、曇りだった日中はずっと10度未満、昨夜は同僚の送別会で食べ過ぎ、体重がまた1kg近く増えてます(涙)。

 午前テニス→午後はインストアイベントで美人ピアニストを見る、いや聴く予定でしたが、テニスが無くなるとイベントのためだけに東京に出るのも電車賃が少し勿体無い、と地元に残り、ビデオを消化したり、オリンピック観戦したり(でも日本人の出ない女子回転やアイスホッケーが放送されずイライラ)、職場で残務をこなしたり、とまったり過ごした一日。

 でそんな中で観たのがこの「ルパン三世」の最新TV用ムービー、元アニメの第1シーズンは大好きですが、第2、第3シーズンおよび数多くの単発のTVムービーはそれ程チェックしてる訳ではありません。ただ「銭形死す」という煽り文句と「the Last Job」という副題に、声優陣も高齢化して続けるのが辛くなっての最終作かも、と気になって観ることに。

ルパン三世 the Last Job <'10 日>
 ナチスも求めた「風神」なる秘法を巡りルパン達がヨーロッパを舞台に忍者の末裔と争うお話、退屈はしないけれど膝を打つようなオチや仕掛けも無い、といったところで、銭形j警部の扱いも大方の予想通り、まあ犬好きの人と観光名所に詳しい人にはいいかも。ただ内容も暗めの映像も少し分かりづらい部分を感じました。

 観終わっても何故「the Last Job」なのか分からずじまいでした。

2010年2月25日木曜日

電脳都市で討ち入り - アキハバラ@DEEP

 昨日の女子SP、オリンピックでは下位選手を見られるのも愉しみの一つ、リアルタイムで見られなかった前半の3グループを録画観戦、印象に残ったのはロシアの17歳、山下リオ(2007/9/30)似のマカロワです。

 ただフジの生中継、グループ間の練習や製氷時にやるべき煽りVなど日本人関連の映像で3人の演技をぶっ潰して放送せず、怒りで目の前が真っ赤に(長洲未来じゃないけど)、ホントあり得ません。

 春の陽気は続き、晴れていたのに朝氷点下にならなかったのは2月にしては珍しく、午後遅くには20度弱に、実家石川では20度を超えたとのこと。昼休み壁打ちから戻るとくしゃみ連発、今年も軽い花粉症か。

 夜9時を過ぎても部屋(室温12、3度)より明らかに外の方が暖か、だんだん遅く上がるようになってきたお月さんが夜空の主役を火星から奪っています。

 本日はずっと前にVeohでダウンロードし、アマオケをパスして暇だったこの前の日曜に観た映画から、原作は石田衣良、ミステリーの場合は未読作の映像化は観ないよう心掛けてはいるのですが、それとは知らずTV版を観てしまったので、まあいいかな、と視聴、HDを空ける必要もありました。

アキハバラ@DEEP <'06 日>
 ネット掲示板で出会った若者5人組が立ち上げたベンチャーと、それを乗っ取ろうとする巨大企業との闘いをアキバ色豊かに描きます。前半もう少し刈り込める気はしますが、主人公達の個性を活かしたプロットや、原作に無さそうなオチなど、まずまず楽しめました。国際フォーラムを利したロケ、ミスキャストに思えた寺島しのぶのイイ味、そして山田優の肉体の見事な存在感が印象的(でも刷り込み効果かTV版の小阪由佳の方がより好みではあります)。

 TV版クライマックスのバトルスーツ対決、あれって完全なオリジナルだったんでしょうか。

2010年2月24日水曜日

ヘビメタ色のバカミス系ラヴクラフト&ポオ - マイケル・スレイド「グール」

 「まっすぐな」&「曲げられない」のシンクロ現象、タイトルとキャストだけかと思えば、内容(妊娠ネタ)までかぶる始末、ここまでくると確信犯的コラボか。

 今日も朝の冷え込みは甘く、午後は昨日を上回る17度弱と連日の春の陽気、昼休みは本日も一時帰宅し、未曾有のレベルで争われる(でも現行ルールの影響で3回転+3回転の回避多し)フィギュア女子SPを観戦、ドイツ代表16歳の曲がプロコ → ニーノ・ロータ → チャイコとロミジュリ完全制覇だったのが興味深かったです。

 本日は昨日読了した本から、「バカミス」という言葉を生んだとまで言われるトンデモ系のサイコスリラーシリーズ、「ヘッドハンター」に次ぐ第2作、初期の3作を古本屋で集めるのに3年掛かりました。

グール マイケル・スレイド
 大西洋を隔ててロンドンとバンクーバーを舞台に警察と猟奇殺人鬼(たち)の対決が他視点で猥雑に描かれます。わざとなのか単に下手なのか前作同様読みづらく、かつエログロ度はUP、苦手な人は避けた方が無難。でも今回も本格マニア向けの?結末が用意されており、伏線を見直す気は起きませんが、まずまずだったかも。

 このシリーズ、主な舞台がバンクーバー(ヴァンクーヴァー)なので、オリンピックのこの時期に読もうと思ってました。って訳で、次は第3作「カットスロート」に着手します。

2010年2月23日火曜日

友情のコスモス畑 - 友情 秋桜のバラード

 朝まで残った雲のせいか冷え込み甘く、晴れた日中は気温がぐんぐん上昇し16度、4月上旬の陽気で構内の白い梅も半分くらい開きました。

 昼休み一旦帰宅する時、何の目的か青い空にテトラポット型の風船か気球らしきもの(でもぱっと見は巨大で黒いゴミ袋)がどんどん上昇してゆき、そのうち小さくなって見えなくなりました。

 一時帰宅したのはアイスダンスの歴史が変わる瞬間を見るため、その時は最終グループだけの観戦でしたがしか凄かったです(何とマーラー5番が!)。返す返すもコンパルソリーとオリジナルダンスの中継が無かったのが恨めしい…。

 夜は一昨日に続き奇特な方からの頂き物による観劇、10年間世界中で演じられている舞台とのことです。

2月23日(火) 博品館劇場
 舞台「友情 秋桜のバラード」
白血病の少女とそれを支えるクラスメートの物語、どんな話か分かっていても催涙の王道ゆえか泣いてしまいした。休憩を挟み2時間40分の長丁場ゆえ、サイドストーリーも入ってます。子供達の熱演が印象的。また先生役の赤井英和、無理に標準語を使おうとしなければちゃんと芝居が出来るんですね。

 1月上旬から2月末まで4通りのキャストで公演しており、今日は第4組でしたが、何と第1組では元オールナイターズ山崎美貴(!)が大事な役で出演していたようです。

2010年2月22日月曜日

ビリー&ウィーン放響の流麗明快 三角帽子、牧神、海

 アイスダンスなかなか始まらないなあ、って思い調べてビックリ!なんともう3分の2終わってます(涙)。ペアをちゃんと放送したので少し見直していたのに、アイスダンスをフリーしか放送しないなんて、やっぱ終わってます、地上波のオリンピック中継、○ーリングは延々と放送してるのに…。

 それで思い出したんですが、ペアと男子シングルで「火の鳥」が(観た範囲では)2度使用、どちらも全曲版だったのが興味深かったです。

 ほぼ終日の曇りで朝はプラス気温、日中はほぼ平年並み、冬晴れが3日と続かず、だんだん春への移行期の気候っぽくなってきました。

 夜はビリー&ウィーン放響の来日公演、このコンビ、FMなどではそこそこ聴くのですが実演は初めて。

2月22日(月) 東京文化会館
 ベルトラン・ドゥ・ビリー指揮ウィーン放響 三角帽子、アランフェス協奏曲、牧神、海
初めて見るビリーの指揮は棒の動きが非常に滑らか、棒の表情で音を作るタイプのよう、オケは小じんまりですがよくまとまっており、弦の瑞々しい響きが印象的、ファリャではビリーの緩急自在の棒に一糸乱れず応えてました。続くロドリーゴは珍しいハープ独奏版、長身で男前のソリスト、ザヴィエ・ドゥ・メストレはカデンツァでハープ色を出し、アンコールにはファリャの華やかな曲を。後半はドビュッシーが2曲、B管のロータリーTp3本とは別に、小さめ(F管?)のピストンTpが2本、何故かClの並びに入った「海」、実演は余り経験が無いので定かではありませんが、解像度の高いサウンドと感じました、ただ迫力はいま一つ。アンコールは2曲、まずカルメン前奏曲を(アンコールにしては)整然と、そしてシュトラウスの有名なポルカを明朗快活に。

 さすが手兵、と思わせるまとまりで、FMで放送したこのコンビのマーラーを聴き直さねば、と思いました。

2010年2月20日土曜日

奇跡を待ちながら - ニットキャップシアター「踊るワン-パラグラフ2010」

 渋谷でインストアイベントをハシゴした後、夜は小劇団の聖地下北へ、例によって奇特な方から回ってきたチケットでの観劇です。

 下北沢へは学生の頃から数限りなく行ってますが、観劇するのは初めてかも、よってザ・スズナリの場所も初認識、想像より小さな小屋でしかも自由席、最前列の真ん中で臨場感を満喫しました。

2月20日(土) ザ・スズナリ
 ニットキャップシアター 踊るワン-パラグラフ2010
ニットキャップシアターは京都の劇団、京都で昨年当たった劇の引越し公演とのこと、新興宗教の教祖が自殺した15年後、その自殺した部屋で奇跡が起きる(教祖の復活?)との噂で関係者が集まり巻き起こすコメディータッチのミステリー劇、いかにも小劇団的なノリで進行し「オチ無いかも」と不安になりましたが、ちゃんとありました。

 明日はウィーン放響を聴いてきます!

柔らかトランペット - マティアス・ヘフスさんのTp

 次のイベントまでの空き時間、試聴コーナーで新盤を漁り聴き、まずは代償行為でビシュコフ&ケルン放響のアルプスSym、そして「巨人」を3種(近々来日のオラモ&ロイヤル・ストックホルムフィルなど)、BBCレジェンドのテンシュテット&LSOのライブ盤がぶっちぎりでした。

 次に聴いたのはジャーマン・ブラスの主要メンバーでもあるマティアス・ヘフスさんのTp、先日東フィルとも共演してました。最近リリースのアルバムからエネスコとヒンデミットをたっぷり、ロータリー・トランペットを用いた柔らかな音色とタンギングを感じさせない滑らかな奏法を満喫しました。

 その後下北で舞台を観ましたが、それはまた次の記事で。

リリカルソプラノ - 幸田浩子さんのソプラノ

 昨夜のキャンナイおねマスの歴史的コラボにはビックリ、まさか金曜深夜に「バナナ・マンゴー・ハイスクール」を聴けるとは思いませんでした。また恵比寿マスカッツの膝の上にタオルが置かれていたのは悲し、いや、笑いました。

 朝は平年並みの冷え込み、昨日よりしっかり晴れた日中は12度近くまで上がり10日振りに平年値超え、久々に見る済んだ夜空ではすっかり火星が主役に君臨してます。

 折角のテニス日和なのに練習予定無し、午後の大植&大フィルのアルプスSymも結局予算内GET出来ず断念、ただ夕方に観劇があるので昼に出て午後に渋谷ワレコのインストアイベントをハシゴしました。

 まず見た、いや聴いたのは幸田浩子さんのソプラノ、花粉症?でコンディションが悪いとのことで2曲だけでしたが、グノーの歌劇からのアリアと定番ジャンニ・スキッキ「私のお父さん」を表情たっぷりに歌ってくれ、間近で見ると、いや聴くとさすがの存在感でした。

2010年2月19日金曜日

セゲルスタム&読響の個性派マーラー7番

 昨夜の「東京少女」(岡本あずさ編)は種明かしはややクドめでしたが良かったです。ただ、その裏の「7万人探偵ニトベ」最終回を逃してしまいました、ま、期待よりミステリー的興趣が薄かったのでいいか。

 朝は冬晴れでマイナス4度と冷え込み、日中は久々に8度位まで上昇し(それでも平年より低め)、冬っぽい寒暖差が出たのは5日振り、そしてそこそこ晴れたのは何と10日振りです。

 昼休みを挟み、仕事をサボって男子シングルの最終2グループを観戦。お見それしました、プルシェンコが7、8割程度の出来だったのは予想通りでした(でも4回転1つ回避は予想外)が、ライザチェクが想定外の100%の演技で上回るとは脱帽です。

 これからセゲルスタム&読響の7番、自分の貧乏基準として国産オケは3,000円以内で入手出来ない場合は我慢するのですが、このコンビで過去に聴いたマーラー、1番での完成度、緻密だった9番、そしてド迫力のクライマックスだった大雪の日の2番を思い出し無性に聴きたくなり、予算オーバーで前日(正確には今朝)入手しての出陣です。

2月19日(金) サントリーホール
 レイフ・セゲルスタム指揮読売日響 マーラー Sym7番
冒頭からテナーホルン(かワーグナーチューバ)ソロのやたらデカい音にびっくり、遅め基調のセゲルスタムは例によってテンポを個性的に動かしまくり、第1楽章などオケ乱れまくり、でも面白かったです。カウベルの一部をPブロックオルガン前で奏した第2楽章は木管陣の妙技もあって鮮やか(Hrトップには見慣れない外人奏者が)、ギター&マンドリンを意識してか第4楽章は抑え目の音作り、そしてテンポの出入りする終楽章、クライマックスではブラスの鳴りは期待程ではありませんでいたが、鳴り物が豪快に響き渡りました。

 行きがけに購入した8枚切り食パン88円、公演中お腹グー防止に3枚食べ、残りは明日食すべく自転車に残しておいたところ、コンサートから戻ると盗まれてました。何でこんなものを…。

2010年2月16日火曜日

ひねくれ巨匠のパロディ本格 - アントニイ・バークリー「ジャンピング・ジェニイ」

 昨夜の「ホンマでっか!?TV 」で携帯や電子レンジの電磁波が適量なら身体にいい、との説が紹介! ほんまでっか? 電磁波の影響が怖くて携帯持たないのに…。

 ちょっと寂しいニュース:ディック・フランシス氏死去
恥ずかしながら、氏の作品を1冊も読んだことがありません、今年はまず「本命」あたりを読まなくては。

 終日の曇り、朝から晩まで2、3度台とかなり寒かった一日、夜になって雪が舞い始めました。この6日間ずっと10度を大幅に下回っており、ほころびかけた梅もしばしの足踏みです。

 オリンピックのスケート・ペア留守録中ゆえ、男子滑降を観るため昼休み家に帰ったら、何と(ついさっきまで放送していた)スケート500mの再放送に差し替え(涙)、例によって地上波は日本人偏重でがっくり、それにしてもアルペン基幹種目を飛ばすとは…。 

 本日は週末に読了した本から、数年前から再紹介が進みつつも、なかなか文庫にはならなかった巨匠バークリー、やっとの文庫化です(「ピカデリーの殺人」以来?)。レギュラー探偵シェリンガム物ですが、皮肉屋の巨匠らしく本格と言うより変格っぽい作品になってます。

ジャンピング・ジェニイ アントニイ・バークリー
 仮装パーティーで起きた不審死を巡り、シェリンガムが名(迷?)探偵ぶりを発揮して右往左往するパロディ風本格、シェリンガム物を数作読んだ後の方がより楽しめそうな趣向、ですが自分も「毒入りチョコレート事件」しか読んでないかも。皮肉たっぷりな展開はアイルズ名義「トライアル・アンド・エラー」を思い出します。

 創元さん、これからも(他社の)ハードカバーの文庫化どんどんお願いします! あ、あと「薔薇の名前」など自社作品もね!

2010年2月14日日曜日

大友&東響のマーラー9番

 最近のボケ老人:
東京西部に"国立マーラー樂友協会"(「こくりつ」ではなくて「くにたち(笑)」)なる団体があり、年末の恒例行事は"第9"の演奏(勿論マーラーの)、以前は毎年の様に聴きに行ってましたが、ここ数年は完全に失念していたことに先日気付き大ショック、案内が送られてこないので、一橋大の講堂改築で中断したままなのかと思ってましたが、ここ数年は毎年演っていた模様、痛恨です。

 雪の量は少なめでしたが、朝は予想通り一面の銀世界、その影響でテニスは中止、「24」「NCIS」の裏で録画しておいたオリンピックのノーマルヒルをのんびり観戦してから10時半頃職場へ、晴れているのに何故かどんどん雪が降ってきます。

 職場前の大きな交差点まで来て初めて、降っていた雪は途中の林や街路樹から落ちてきていたものだったと判明(道中ほぼずっと頭上に木があるので)、そう言えばやけに大きな粒(4、5cmくらい)が多く「石川じゃ珍しいなあ、こんな大粒」なーんて思ってましたが、さらさら、ひらひらしてたので、普通の降雪かと思ってました。11時近くまで気温が零下と低かったせいでしょうか。

 昼にゆっくり出て午後は大友&東響のマーラー、氏のマーラーは3度ほど(日記をつけ始めてからだと4番)聴いてますが、余り感心した記憶がありません。

2月14日(日) 芸術劇場
 大友直人指揮東響 マーラー Sym9番
一部で弦のポルタメントを強めにするなどの表現もありましたが、基本的にはいつも通りのあっさり系の演奏、細かい指示やテンポの動きも少なめです。オケはまずまず安定しており、全体の鳴りもほどほど、Hrトップのハミルは今日も目立ってました。最後の一音が消え入った後も大友は15秒程緊張を解かず、お行儀良いお客さんもそれに応えていました。

 終演後知人と合流して駅の反対側の鶏白湯の店を訪問、好みのスープでしたが、夕食のシリアルは少なめにしなければ。

2010年2月11日木曜日

タコオケの6番 - 長田&オーケストラ・ダスビダーニャのショスタコーヴィチ6番、ベルリン陥落

 朝から曇り空。、気温も夕方まで3-5度と低め安定、東京は降ったのか練習中止の報、のんびりと職場に寄ってから午後のアマオケへ、毎年熱い演奏をしてくれるショスタコ専門オケ、通称ダスビです。

 このところダスビはずっと会場が芸劇でしたが、今年は(来年も)トリフォニー、ホール前から建設中のスカイツリー(新東京タワー)の威容が望め、「ALWAYS 三丁目の夕日」を思い出しました。

2月11日(木・祝) すみだトリフォニー
 長田雅人指揮オーケストラ・ダスビダーニャ ショスタコーヴィチ ベルリン陥落、チェロ協奏曲2番、Sym6番
最初は映画音楽から独自に編んだ組曲で、いつもながらのTpベタ吹きのド迫力は最高です。続くVc協は聴き慣れない2番、晩年の作らしくチャカポコあり、Hr以外のブラスを排した編成による内省的な30分超はややキツかったです。ソリスト丸山泰雄は拍手に応えオケ伴付きのしみじみした曲をアンコール(ショスタコかどうか不明)、この時点で1時間25分経過。
 後半の6番、この曲の実演体験は5指に満たないのですが、第1楽章で恐怖感を覚え、第2楽章で戦争の如き烈しさを感じたのは初めて。Flソロが見事。速いけれど(長田氏にしては)驚速テンポではなかった終楽章も激しいパーカッションの打ち込み中心に豪快。メインが小ぶりだったせいか、そこから怒涛のアンコール3連打、まずオペレッタと映画音楽から終楽章と似たノリの激しい曲を2連発、後者(たぶん団長編曲)は掛け声付き、そしてその掛け声を観客に要求し再度その曲を、大盛り上がりでした。

 6番がメインだと物足りないかも、と思ってましたが、いやいや、6番に対する認識を新たにしたのみならず、前半やアンコールを含めると、ここ5年のダスビで1番の満足度(8番以来)でした。

 家に着く頃は雪になってると思い傘を持参しなかったのに、予想に反しただの土砂降り、すっかり濡れ鼠です。

2010年2月6日土曜日

フラダンスで町おこし - フラガール

 朝はマイナス4度と冷え込みは少し緩みましたが、5度までしか上がらなかった日中は強風が吹き荒れ、かなり寒く感じた一日。自転車で北向きに行く際は風に負けてなかなか進まず、歩くのより遅いくらい。

 この土日は試合が入る可能性があって予定を空けていたのに、昨日初戦負けして暇になり、のんびり過ごした一日。宿舎の室温がまた10度を割るようになってきました。なのに無性にシャビ乳が食べたくなり、今年初めて賞味。

 夜は珍しく映画をゴールデンタイムにリアルタイムで鑑賞、2、3年前Voehでダウンロードし、さあ観よう、と思ったら何と外国語(スペイン語?)吹き替え版で使いものにならず断念した作品、今回放送のカットは3分、まあ、許容範囲かな、って感じでリベンジ視聴。

フラガール <'06 日>
 廃れゆく福島の炭鉱町の再生を期したハワイアンセンター設立、という実話に基づくお話、オーソドックスな撮り方や笑いあり涙ありの王道の展開は、古き良き日本映画を思わせます(昭和40年という時代背景に合わせたのかも)。ベテラン富司純子がいい味でした。ヒヤリング出来ない程の地元訛りと見事なダンスには、蒼井優を始め出演者の苦労が偲ばれます。

 以前にも書いたことありますが、しずちゃんってホントにデカイんですね。

2010年2月5日金曜日

ギャング達のそれぞれと再集結 - 伊坂幸太郎「陽気なギャングの日常と襲撃」

 ううぅ、ミステリー原作が多く要チェックのFMラジオドラマ「青春アドベンチャー」枠、月曜から「終末のフール」が始まっていたのを見落としてました、痛恨…。

 今朝も冷え込んでマイナス6度近く、外に出ると一昨夜降った僅か1cm未満の雪が一昼夜経っても日陰では一面に残っていて少し驚き、石川では考えられません。

 本日は試合ながら11時ラウンド、しかも比較的会場が近い(それでも片道1時間半)ため、休みを取らずフレックスを活用、普段より早めに家を出た7時台はまだ気温がマイナス5度、職場への5分程の自転車行で指が強烈にかじかんで、殆ど動かせない程になったのは数年振りかも。

 9時に職場を出て試合へ、初戦でさっさと負けて職場に戻ったのは2時過ぎ、終日の冬晴れでその後気温は平年やや高めまで上がりました。 

 本日は週末に大半読み今日試合会場でフィニッシュした本から。「陽気なギャングが地球を回す」の続編です。

陽気なギャングの日常と襲撃 伊坂幸太郎
 前作の主要キャラ4人がそれぞれ遭遇する事件を描いた短編4編に誘拐事件をメインとした中編をドッキングし再構築した長編、つまりまさにタイトル通り「日常」と「襲撃」の2部構成、それだけにまとまりが無いとも、2度オイシイとも取れます。ともあれ、ミステリー的ツイストより、懐かしいキャラ達の楽しい掛け合いの方がウリか。文庫版にはボーナストラックも付いてます。

春季ロイヤルSCオ-プン2010

 春季ロイヤルSCオ-プンに参加、2次予選の1回戦2-6,0-6で学生に敗退。

 今日貰ったアドバイス:
スライス(と1stサーブ)を活かしてもっとネットに出ろ。

2010年2月4日木曜日

奇想天外ラブストーリー - エターナル・サンシャイン

 暦は立春、昨日書き忘れましたが、今年初めて職場構内で白い梅の花が少しほころんでいるのを見掛けました。

 とは言え朝はかなり冷え込んでマイナス6度を下回り、外に出るといつの間に降ったのか一面にうっすらと雪、それは注意報の出た2日前より多い量、冬晴れの日中も気温は低め、春まだ遠し、です。

 本日は実家の寝正月に観た映画から。ローカル局深夜の放送で、気になっていた作品ながら放送時間から推してカット有り、よって観る積りは無かったのに、たまたまチャンネルフリップしていて開始数分後にHIT、一見普通のラブストーリーが予想外の展開へと進み驚愕! 途中でやめられなくなってしまいました。

エターナル・サンシャイン <'04 米>
 ラブラブだったのにちょっとしたことで疎遠になった彼女に再会すれど100%他人の素振り、その裏には信じられない事実が…、という序盤から奇想天外なお話へと進むラブストーリー、K.ダンストの絡むサイドストーリーも効いてます。(コメディは余り見ないので)ジム・キャリーの顔を初めて認識しました。

 終盤少し判らない点もあり、逃した冒頭の数分が伏線になってそうなので、いつかノーカットでちゃんと観直したいです。

2010年2月2日火曜日

本格の変奏としてのサスペンス - フィリップ・マクドナルド「Xに対する逮捕状」

 朝起きると雪は思ったより積もっておらず、芝生や車の上に残っている程度で、道路には全く残ってません。昨夜の宴会で更に0.5kg増加(涙)、正月帰省太りと併せ2kg以上のオーバー、実家から持ち帰ったお餅を食べるチャンスが来ません。

 雪を降らせた雲の影響か朝は余り冷え込まず、ただ晴れた午前中から曇った午後に掛けて気温が上がらず最高でも5度位、昼飯後不用意に爪楊枝を使っていたら治療中の仮歯がポロリ、慌てて歯医者さんに行き、午後の予約を貰い(2度手間ですが)数時間後につけ直して貰いました。

 本日は先週読んだ本から、創元の手になる黄金時代の作品の新訳(再刊?)、著者のレギュラー探偵ゲスリン物です。

Xに対する逮捕状 フィリップ・マクドナルド
 犯罪の相談とも思える会話を偶然耳にした劇作家が警察では相手にされずゲスリンに相談、その臭跡を追う内に派生的な犯罪が、という展開。起きた犯罪の解明では無くて、起きるであろう犯罪を予測して未然に防ぐ、という(当時としては)新趣向を謳っており、そのため本格としての興趣は薄まり、サスペンスへと傾斜した内容となってます。

 やはり創元から出た「ライノクス殺人事件」同様、P.マクドナルドはガチガチの本格より、色んなスタイルを模索した作家のようです。

2010年1月31日日曜日

食彩豊かな安楽椅子探偵 - 北森鴻「花の下にて春死なむ」

 昨夜は零時過ぎから気温が上がり始めて日の出頃にはもう6度超、そこそこ晴れた日中も12度超と高め、ややゆっくりして昼少し前から大先輩とのテニス、3時には終了し明るい内から飲み始めて酔っ払いの出る中帰り着いたのは11時過ぎでした。

 帰り道の空にはほぼ満月になったお月さん、昨夜その傍でかすんでいた火星も少し距離が離れてまた存在感が戻りました。

 本日はその往き帰りに読んだ本から、先日40代にして逝った著者への追悼の意味を込め、読書中の本を中断し、積ん読本の山から発掘した1999年の日本推理作家協会賞受賞作、薄めなのですぐ読めました。

花の下にて春死なむ 北森鴻
 大人の隠れ家的な路地裏のバーに常連客が持ち込む謎をマスターが控えめに解決する安楽椅子探偵物の連作短編臭、殺人の絡む話が半分ある割に印象としては「日常の謎」系作品、オチや真相に若干無理矢理感があったりしますが、読みやすい語り口がそれを緩和しています。

 酒にも食べ物にも興味の無い自分にはよく判らないのですが、作中で供される食べ物の数々も魅力のひとつらしいです。

2010年1月30日土曜日

飯森&東響のマーラー10番

 朝の冷え込みは甘めで冬晴れの日中は15度近くとかなり暖かなテニス日和、昼過ぎまで練習し、夕方はコンサート、その間3時間ほどあるので、ミューザの下にあるマックの無線LANで映画でもダウンロードする積りでした。

 しかーし、昨年品川で食らったのと同じく、最初暫く繋がった後すぐブチッと切れ、その後は「ログインに失敗しました」の嵐(涙)、こうなると別の無線LANスポットに行っても状況は変わりません。勘弁して下さいよ、YahooBB!

 悔しくて川崎駅地下街でWifineの無料スポットを見つけて少しだけ溜飲を下げました。が、こっちはYahooBBより速い代わり30分の時間制限あり、ただ、30分を過ぎてもダウンロードが完了するまで少なくとも2、3分は待ってくれました。素晴らしいぞ、Wifine!

 で聴いたのがマーラー10番の全曲版、この終楽章前半、フルートが切々と歌い始める部分のメロディは、3番の終楽章や6番の3楽章(今風に言うと2楽章)を抑えて、個人的にはマーラーの書いた最も美しい旋律だと思ってます。

 よって全曲版が演奏されればなるべく聴くことにしているのに、日記によれば前回はバルシャイ&読響らしいので何と4年振り、しかもその時はバルシャイ版ですから、クック版となるとそれ以上の久々、因みに今日はクック版の第3稿第2版との表記、たぶん1989年の改訂版のことでしょう。

1月30日(土) ミューザ川崎
 飯森範親指揮東響 リスト PC1番、マーラー Sym10番 <クック版全曲>
前半のソリストはまだ10代のベンジャミン・グローヴナー、拍手に応えていい感じのアンコールを奏してくれましたが、曲目を確認するのを失念(後で調べときます)。そしてお目当ての10番、飯森は冒頭ヴィオラの旋律からしてかなりたっぷりとした表情付け、これだけロマンチックな10番は初めてかも、そのせいか後半の不協和音で吼える部分の響きなど凄みや怖さは希薄、終楽章もこのペースで、と思ったらそっちは元々曲がベタなせいか、第1楽章ほど濃い目の表情付けが無くてちょっと残念。ただここでは冒頭の葬送太鼓が史上最強の激烈な打ち込み!で恐怖感を覚えるほど、本日のMVPです。その後のFlソロもなかなか、あと全曲を通じHrのハミルが存在感たっぷりの吹きっぷり。そして曲の終結、ppからffに立ち上がる部分で思いっきりグリッサンドでやっていたのが強烈な印象(そんな楽譜だったの?)、それから静かに音が消えた後、拍手が始まるまで13秒位ありました。

 まだクック版の10番は実演で5回程しか聴いていないので、曲のせいか演奏のせいかは判然としませんが、そこそこ満足の演奏会でした。

2010年1月29日金曜日

記憶を巡る巧緻なサスペンス - ヘレン・マクロイ「殺す者と殺される者」

 昨夜の「プリズン・ブレイク」、目まぐるしい展開とその後の収束は最終回に相応しい、と思ったら、まだ続くなんてビックリです。あと過去3シーズンの話を忘れているせいで、意外な人物の登場によるサプライズを味わえなかったのがボケ老人の悲しさ。

 昨日に続き雲が多く、朝の冷え込みは甘く日中は低め、夕方は鬼門の歯医者さんへ。治療中の歯は先週削ったせいで痛みが出ており経過観察、代わりに頼んでもいない歯石取りをやられてしまいました。

 30分も痛めつけられてヘロヘロになって外に出ると、ほぼ円くなったお月さんが火星を従えて上がってきてました。

 本日は正月の帰省の旅で読んだ本から、「幽霊の2/3」と同様、読者のリクエスト投票に基づくマクロイ作品の新訳による復刊です。

殺す者と殺される者 ヘレン・マクロイ
 久々に故郷に戻った主人公の前に現れたのは約束を交わしたのに人妻になってしまっているかつての恋人や怪しい脅迫状など、ゴダードを思わせるロマンス系の謎の数々、それらが精妙な筆致で語られ、やがて意外な真相が明らかに、サスペンスながら伏線の妙もあり、さすがマクロイと思わせます。

 明日はマーラー10番、しかも全曲版です!

2010年1月28日木曜日

チョン&東フィルのマーラー1番

 今日のボケ老人:
2月の大植&大フィルのアルプスSym、ヤフオクで東京引越し公演に入札した積りが実は大阪公演のチケット、幸い他の方が落札してくれて事無きを得ました。

 朝から雲が多く6日振りの終日プラス気温、昼の壁打ち時には軽く雨、それがあがった午後は気温も上がって15度超、夕方コンサートで出た東京は当然更に暖かく、夜になってもオーバー&マフラーを暑苦しく感じるほどでした。

 聴いたのはチョン&東フィルのマーラー、このコンビは過去に3番4番と聴いてますが、いつもオケの調子がいま一つの感あり。今日の1番は数年前にやっているので、より息が合った演奏に期待です。

1月28日(木) オペラシティ
 チョン・ミュンフン指揮東フィル モーツァルト PC23番、マーラー Sym1番
前半のソリスト、キム・ソヌクは拍手に応えてモーツァルト(たぶん)をもう1曲。後半のマーラーではTp,Tbが右側、中央から左に掛けて8本のHrがずらりと横1列に並び(昨年のシカゴ響みたい)、弦の数も多く壮観。第1楽章提示部リピートのカットは大賛成、チョンはいつも通り速い部分はより速く、遅い部分はより遅め、毒はない代わりオペラティックに歌うことを重視し、激しい部分はより激しく、といった調子、ただ縦の線や音程などオケの精度が低めで、チョンのペースに追従出来ない部分も散見、特に終楽章緩徐部でのねちっこい表現をうまく音に出来なかったのが残念、それでもHrと補助のTp,Tbが通常より遅いタイミングで起立したクライマックス、Tpを中心にかなりの迫力ではありました。

 このコンビ、いつもそう感じるんですが、2度目(日曜?)の方が良くなるんじゃないでしょうか。ともあれ、先週の読響との「巨人」対決、個人的にはどっちもイマイチでした。

2010年1月25日月曜日

残り少ない人生へのエール - 伊坂幸太郎「終末のフール」

 ビックリのニュース:ミステリー作家の北森鴻氏死去
えーっ! 俺と同じ位の年なのに…。

 本日はやや遠出しての試合、やや薄暗く気温がマイナスの頃に出て、2時間以上掛けて着いた大磯では吹く風も暖かく、駅の周りに梅が咲き誇る様は、ひと足先に春が来ているよう。

 参加賞は例年通りロングビーチから丸見えの露天風呂の入浴券、ガス代節約のため朝風呂は省略し、温泉でゆっくりしてきたのはいいんですが、うっかり替えの下着を忘れてフルチンで帰る羽目に、ま、時々あるんですけど。

 茨城に戻るとこっちも結構暖かでした。冬の花粉症なのか、目の周りが痒いです。

 移動時間が長く、往き帰りで1冊本が読めました。お気に入りの伊坂作品です。

終末のフール 伊坂幸太郎
 あと数年で地球が滅亡する、という状況での種々の生き方の断片を仙台を舞台に描く連作短編集、「ミステリーじゃないものを」と請われて書いたものらしくミステリー臭は希薄、中ではミステリー的仕掛けのある「オール」、脚韻に無理矢理感のある「ヨール」が印象に残りました。あと、何と武田幸三が出てきます!

ロシア風シベリウス - 秋山&ラスベート響 コーカサスの風景、シベリウス2番

 昨夜開幕の「ブラッディ・マンデイ」第2シーズン、あっさり主要キャストの1人が死亡しビックリ! 半ばその娘目当てで前シーズンを観ていただけに今シーズンは微妙かも。そのショックで12時過ぎには意識を失い「24」を逃してしまったので、またVoeh等で補完しなければ。

 朝はマイナス5度とやや低め、今日も冬晴れの日中はギリギリ10度超とやや高め、午前テニス、午後コンサートと典型的休日。

 午後聴いたのはショスタコ7番で昨年一の爆演を聴かせてくれたアマオケ、ロシア物しかやらないのかと思っていたらメインは何とシベリウス、変な意味で期待してしまいます。

1月25日(日) 杉並公会堂
 秋山俊樹指揮ラスベート交響楽団 モーツァルト 魔笛、イッポリトフ=イワーノフ コーカサスの風景、シベリウス Sym2番
 前半の「コーカサスの風景」期待の終曲ではClソが鮮やか、Tpの吹きっぷりもかなりのものでしたがフェドセーエフ&モスクワ放響の名盤に比べると物足りない感じ。コンミス/コンマスが交代し管もかなりローテーションした後半のシベリウス、時に弦管のバランスを破壊してブラスが吼える表現はソ連時代のロシアオケがやればこんな感じかも、と思わせる演奏、終楽章のかなりのスローテンポに耐えて吹ききったTpとTb(4本ずつと多め)は見事な鳴りでした。アンコールは更にHrとパーカッションを増強し、スネヤが暴れまわる、聴いたことの無い激しい舞曲、つい「モスクワ放響かよ!」と突っ込んでしまいました。トラの多かった去年ほどの爆演ではないにせよ、まずは満足の演奏会でした。

 アンコール曲を外で確認すると「イッポリトフ=イワーノフ「コーカサスの風景」よりレスギンカ」とありました。「コーカサスの風景」には通常知られている4曲以外にもあるの?要チェックです。

<追記>
 調べてみると、作品番号42に'Iveria'「イヴェリア」?(「イベリア」だとアルベニスみたい)なる組曲があり、それが「コーカサスの風景」組曲第2番とも呼ばれてるらしいです。因みに通常の組曲(組曲第1番?はOp10です。

大磯オープン新春2010

 まずまずの陽気の下、大磯OP新春2010に参加、1回戦2-6,2-6であえなく敗退、お小遣いは僅か840円。

 本日貰ったアドバイス:
自分の攻撃パターンを持て。

2010年1月23日土曜日

2人のボーカル - GIRL NEXT DOORとDo As Infinity

 朝の冷え込みは平年に戻り、爽やかに晴れた日中はやや高め、早起きして朝から東京で練習、久我山上空には飛行機がひっきりなしに飛んでおり、青空に飛行機雲の線が何本も。

 昼過ぎに練習を切り上げて川崎へ、ミューザ、じゃなくてラゾーナ川崎、HMVのインストアイベントです(実際は屋外ステージでしたけど)。

 聴いたのはポップスのユニット2つ、GIRL NEXT DOORとDo As Infinity、どちらも特にファンって訳じゃありませんが(後者なんて解散したままだと思ってた)、クラシックならともかくポップス系でこのクラスのアーティストを無料で、しかも5mの距離で聴く機会は余り無いのと、何よりボーカルがどちらもルックスが良さそうなので、つい足が。

 まずGIRL NEXT DOORがノリよく4曲、最後の曲が「Infinity」だったのは出来過ぎ、サイン会等1時間ほど挟んで次はDo As Infinityがしみじみと4曲、自分には丁度いい分量でした。(その後夕方にもう1度ガルネクが違う曲を歌う予定でしたがさすがにパス。)

 お目当ての2人の女性ボーカル、関西弁のトークを交え、ステージ一杯跳び回って歌う千紗さんに、トークは訥々と少なめで、スツールに腰掛けて歌う伴さん、と対照的、お2人とも可愛かったですが、個人的には生で見ると顔がとても小さく、聴衆の「寒い!」という声に自分の使っていたホッカイロ?を何とお腹から取り出して投げてくれた伴さんがよりキュートでした。

 明日はアマオケのシベ2、昨年プロアマ通じてNo.1の爆演を聴かせてくれたオケだけにかなり期待です!

2010年1月22日金曜日

オルソップ&読響のマーラー1番

 今日のボケ老人:
広上&N響FM生中継のエアチェックを失念(涙)。プロコ7番だから痛恨度は低めながら、忘れたことに2日も経ってやっと気付くあたりがボケ老人。

 昨日の暖気が残ったか朝でもプラス気温、そこそこ晴れた日中も10度を超えました。ちょっと前までは5時で真っ暗だったのに今は明るさが残ります。

 夜はオルソップ&読響でバーバーとマーラーの1番、バーバーは生誕100年とのこと、また彼女のマーラーは確か8年程前に新日との5番を聴いてますが、無難な感じの印象度の薄い演奏だった気がします。今回の1番はどうでしょう。

1月22日(金) サントリーホール
 マリン・オルソップ指揮読響 バーバー Sym1番、マーラー Sym1番
最初のバーバーは勿論初めての曲、単一楽章で20分程ながら4つの部分に分かれてます。小柄で人のいいおばちゃん風のオルソップは譜面台を使わず、広くなった指揮台周りのスペースを左右に大きく使い、まめにキューを出すスタイル、緩徐部での劇的表現が印象的でした。後半のマーラーはアク薄めながら緩急の差は大きめ、ただオケのノリがイマイチなのかシャープさに欠ける音像でした。流麗過ぎる弦バスソロと艶と伸びのある1stTpが印象的。補助のTp,Tbと8本のHrが起立したクライマックスはかなり速めのテンポで重厚さに欠ける響きながら爽快に終了。

 銀座線の京橋からJR東京駅への道すがら、"Gustavino"なる新しそうなお店を発見、もしかして店内にはマーラーが流れてるとか?

2010年1月20日水曜日

グリーンカップ ニューイヤートーナメント2010

 埼玉のグリーンTPのニューイヤートーナメントに参加、うっかり本直となり1回戦は知り合いに0-6,0-6で瞬殺、お小遣いは1700円、ただ、何故小切手?

2010年1月18日月曜日

空の見える日本橋、続編というより後編 - ALWAYS 続・三丁目の夕日

 驚愕のニュース:小林繁氏急死!
絶句…、江川との和解会談?を観たのはついこの前の印象なのに…。

 もう一つ残念なニュース:シャラポワ全豪OP初戦敗退!
6-7,6-3,4-6の熱戦、しかも相手はキリレンコ! このマリア対決、是非観たかったっす。

 今朝も冷え込んで5日連続のマイナス5度割れ、「今日から暖かく」との予報に反し日中も10度に届かず、日没後の西の夜空では木星と細い三日月が仲良く並んでました。土日とシリアルのみで過ごしたのに体重は余り減ってくれません(涙)。

 本日も昨日まとめて観た映画から、「ALWAYS 三丁目の夕日」の続編で、2時間を優に超えた前作より更に長い2時間半の長尺です。

ALWAYS 続・三丁目の夕日 <'07 日>
 時間もほぼ連続し殆どの内容が前作を引き継ぐいわば後編と言える内容、今回も見事な昭和の風景(首都高の出来る前の日本橋など)をバックに泣かせるラストへと人間模様が予定調和的に収束、個人的お気に入りは色鉛筆、キュンと来たアイテムは自分も子供の頃母に塗ってもらった"桃の花"ハンドクリームでした。前作から2年経って作った割には子役(特に鈴木オートの)が変わって無くて驚き、もしかしてCG?(笑) ただ前作ともども、エピソードを削らず2時間程度にまとめられる気はします。

 新幹線開通前に在来線の特急?「こだま」が走っていたとは驚き!しかも横浜過ぎると名古屋までノンストップとは!

2010年1月17日日曜日

タワーのある風景 - ALWAYS 三丁目の夕日

 今朝もかなり冷え込んでマイナス5度、4日連続しての-5度割れはそこそこ珍しいかも、今年の冬、最初は暖冬傾向だったのにここに来てやや寒めに転じてます。

 昨日同様センター試験の影響で練習予定無し、聴いてみたいインストアイベントはあったのですが、そのためだけに電車賃(往復2000円以上)遣うのも勿体無いと思い、2日連続して地元でのんびり過ごした1日。

 週末全く都心へ出ないのは半年に1度位のこと、土・日と連続して目覚ましをかけずのんびり朝を迎える、ってだけで物凄く贅沢な気分になれ、改めて分刻みの自分の生活を思い知らされます。

 連日のよく晴れた割にはいま一つ気温の上がらない午後、PCのハードディスクの整理も兼ねて、2年ほど前にダウンロードしたまま未見だった映画を2本(連作)消化しました(2本で3GBの節約)。東京タワー建設中のお話なので、新東京タワー(スカイツリー)建設中の今見るのが相応しい作品かも。

ALWAYS 三丁目の夕日 <'05 日>
 昭和30年代前半の春夏秋冬を背景にした下町の人間模様が、お約束の泣かせるラストへと緩やかなペースで描かれます。何よりCGとセットで再現した昭和の風景が見事の一言、疑いなくこれが主役です。冒頭の1カット長回しが印象的、脇に用意されたサプライズもお洒落、そして当時既に17、8の堀北真希が中学生位に見えるのが素晴らしいです。

 地方から東京に出てきてまずびっくりしたのは室内アンテナでTVがちゃんと映ることだったのですが、劇中東京タワーがまだ建設中なのに室内アンテナでTVが映っていたのがちょっと不思議です。

2010年1月15日金曜日

Sexy Sax - 小林香織さんのジャズ・サックス

今朝も冷え込み厳しく昨日と同じマイナス6.6度、同様に冬晴れの日中も低め、着慣れない背広を着て朝から横浜へと外勤でした。

 久々に乗る市営地下鉄、JR横浜駅でうっかり中央口を出たせいで乗り換えが遠く、やっと着いた思えば「ブルーライン乗り場」の表示、「この辺だった筈なのに、地下鉄の乗り場どこにいったんや?」とさまようこと数分、市営地下鉄(のこの路線)が今はブルーラインと呼ばれてることに気付くのに時間が掛かりました。

 帰り道、アキバのタワレコでインストアライブに寄りました。小林香織さんのジャズ・サックスです。(同姓同名の美人ドラマーもいるらしいです。)

 ベースの男性と2人で、ジャズっぽいアドリブの応酬のあるオリジナル曲(たぶん)から、最近発売されたJ-POPのカバーまで、トークも含め楽しい40分、アルトSaxの音色や吹きっぷりは直裁な印象でしたが、美人がサックスを吹く姿そのものはセクシーでした。

 あと、つい今弾いたばかりのベースのパッセージがすぐ録り込まれて次のフレーズではリズムボックスから出てきたのには驚きました。勘違いかもしれませんけど。

2010年1月9日土曜日

聴き初めは雄大火の鳥 - 金子&千葉フィル

 翌日夜にこれを書いてます。この日は早起きして千葉で合宿、よく晴れて風も無いテニス日和でした。

 夜はちょっと抜け出してアマオケを聴きました、今年の聴き初めです。

1月9日(土) 習志野文化センター
 金子建志指揮千葉フィル ムソルグスキー(ストコフスキー編) "ボリス・ゴドノフ"交響的合成、ストラヴィンスキー 火の鳥 <1910年版全曲>
 まず舞台上にハープが3台も並んでてビックリ、前半はストコ編らしく何度も派手に盛り上がり、意外にも静かに終わる30分程の曲、Tbが豪快に鳴ってました。後半ストラヴィンスキーでは金子氏のテンポは遅めでパウゼも多用、Hrソロがなかなか、木管陣も思い切りよい吹きっぷり、バンダは中盤では客席中央通路の両サイド、ラストは移動して客席最後方から、クライマックスでは悠然テンポ(よってバンダのハイトーンはロングトーン)にもめげずブラスがよく鳴り、しかもラスト1音はスヴェトラばりのローングクレッシェンドと雄大な大団円。アンコールは「白鳥の湖」から派手めの曲、何でも火の鳥と関係あるらしいです。

 コンサート会場で変な人(裸足にサンダルの自分もその1人ですが…)と隣り合わせるのはままあることですが、昨夜の人はこれまででもNo1クラス、まず座るや否や携帯で話しまくり、電話が終わってもずっと大声で独り言、開演しても始終動いて音を立て続けるとともに、小声で独り言を呟いており、静かになったと思ったらいびきをかいて爆睡(これは前半)という調子、特に火の鳥では隣の呟きの合いの手入りで聴いていた感じです(笑)。

2010年1月8日金曜日

歌姫とハウンドドッグ - 海堂尊「ナイチンゲールの沈黙」

 昨夜のFMライブ、コウト&プラハ響の「春の祭典」は、整然としたハルサイが近年多い中、訥々とした野性味がいい感じ、俄然来週のプラハ響来日公演の「シンフォニエッタ」を聴いてみたくなってきました。

 朝はマイナス3度とほぼ平年値、よく晴れた日中は10度超と高め、綺麗な夜空では火星がたいぶ早く上がってくるようになってきました。今夜は夜9時過ぎでもう零下と冷え込んでます。

 本日は年末の帰省時に読んだ本から、「チーム・バチスタの栄光」の著者のシリーズ第2作です。

ナイチンゲールの沈黙 海堂尊
 病院に担ぎ込まれた伝説の歌姫と小児科メンタルケアを背景に、市中で起きた殺人事件に前回の迷コンビが挑みます。筆致は前作より更にこなれて物語性もUP、レギュラー陣に対抗し得る新キャラも登場しますが、ミステリー的興趣は薄め、次作以降へのブリッジストーリー的な印象を持ちました。
<< 以下完全ネタバレに付き未読の方は飛ばして下さい!! >>
 肝心の死亡時刻に関するトリックの説明が余りなされていない気がするのは、自分の読み方が悪いんでしょうか?

 読了後、以前録画しておいた本作のTVドラマ版を観ましたが、タイトルの"ナイチンゲール"を無視し、全く別の話に変えられていました…。

 明日は聴き初め、アマオケで火の鳥です!